JPS6110145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はたとえばビールのミニ樽を冷却する冷
却装置に関する。

近時、飲食店などにおいてはミニ樽（５ある
いは７）を備え、このミニ樽から生ビールを販
売するようになつてきたが、これに伴つてミニ樽
の冷却装置が開発されている。

一般に、この種の冷却装置は冷却室内にミニ樽
を収納し、このミニ樽のビール取出部すなわちミ
ニサーバを上記冷却室の内底部に穿設された挿通
口から外部に突出させている。

しかして、ビールを取出す場合には上記ミニサ
ーバを操作してミニ樽からビールを流出させこれ
をジヨツキなどで受けるようにしている。

しかしながら、従来のものは上記サーバを挿通
口内に挿通させた状態において、挿通口が外部に
開放されミニ樽が外気部に露出していたため、ミ
ニ樽が温度上昇し冷却効率が劣るという不都合が
あつた。また、ミニ樽に外気が接触すると、ミニ
樽に露付が生じ、これが挿通口から垂れ下がり不
衛生的でもあつた。

本考案は上記事情に着目してなされたもので、
その目的とするところは上記挿通口にシール部材
を設けることにより被冷却物を収容するタンクに
外気を接触させることのないようにした冷却装置
を提供しようとするものである。

以下、本考案の一実施例を第１図乃至第３図に
もとづいて説明する。図中１は冷却装置の本体
で、この本体１の上部には断熱材によつて構成さ
れた冷却室２が設けられ、下部には機械室３が設
けられている。上記機械室３内には圧縮機、凝縮
器（図示しない）などが配設され、上記冷却室２
内には冷却器６が設けられ、これら圧縮機、凝縮
器および冷却器６は冷媒管を介して連通されて冷
凍サイクルを構成している。また、上記冷却室２
の前面部には開口部２ａが形成され、この開口部
２ａはガラス窓７によつて開閉可能に閉塞されて
いる。

また、上記冷却室２内には生ビールを収容した
ミニ樽８が倒立状態で収納されている。このミニ
樽８の上面中央部には第２図にも示すように流出
口体９が設けられ、この流出口体９には取出部で
あるところのサーバ１０が装着されている。前記
サーバ１０の上面部には指掛部１１、供給パイプ
１２が配設され一側部には上記流出口体９を開閉
するための押釦１３が設けられている。また、上
記ミニ樽８の上面部には第３図にも示すように内
面形状がミニ樽８の上面部形状に対応するシール
部材１８が被嵌されている。このシール部材１８
の内底部には挿通口１８ａが穿設され、この挿通
口１８ａ内に上記流出口体９が挿通されている。
上記シール部材１８は断熱性を有し、かつ、食品
衛生上害のない軟質合成樹脂材料またはゴムによ
つて形成されている。そして、上記ミニ樽８に対
するシール部材１８を被嵌し、しかるのち、ミニ
樽８の流出口９にサーバ１０装着するようになつ
ている。

一方、上記冷却室２の内底部には内面形状を上
記シール部材１８の外面形状に対応する挿通口１
５が穿設され、上記ミニ樽８は逆さまにされた状
態でそのサーバ１０を上記挿通口１５に挿通させ
るとともにシール部材１８の外周面を上記挿通口
１５の内周面に密に接着させ取付けられ、このと
き、上記挿通口１５は上記シール部材１８によつ
て閉塞されるようになつている。

しかして、上記冷凍サイクルの作動により、冷
却器６によつてミニ樽８が冷却され、サーバ１０
の押釦１３を押すことにより冷却された生ビール
が供給パイプ１２から供給されるが、上記冷却室
２の挿通口１５は上述したようにシール部材１８
によつて閉塞されるため、ミニ樽８に外気が接触
することがなくその冷却効率を高めることができ
るとともにミニ樽８に外気による露付を発生させ
ることもないように形成されている。すなわち、
シール部材１８はミニ樽８の下部周縁に密接する
皿状の支承部１８ｂとこの支承部１８ｂの底部に
これと一体に設けたシール部１８ｃとからなり、
このシール部１８ｃには上記挿通口１８ａから放
射状に切り込み１９…が形成されている。したが
つて、シール部１８ｃはミニ樽８の下部に密接し
て流出口体９の周辺をシールしており、ミニ樽８
の内容物が少なくなつてシール部材１８に対する
圧接力が弱くなつても確実にシールされるように
なつている。

なお、第４図に示すように、シール部材２０の
シール部１８ｃを複数層たとえば２重に構成し、
これに放射状の切り込みを形成してもよい。この
ように形成すればより一層シール効果を向上させ
ることができる。

本考案は以上説明したようにシール部材によつ
てタンクを外気から遮断することができ、タンク
の温度上昇を防止でき、被冷却物の冷却効率を向
上させることができる。また、タンクに露付が生
じないため、タンクから露が取出部に垂れ下がる
ことがなく衛生的であるという効果を奏するもの
である。さらに、シール部材にタンクの底部に弾
性的に密接するシール部を設けることにより、タ
ンクの内容物が少なくなつて軽くなつても確実に
シールすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案冷却装置の一実施例
を示すもので、第１図は冷却装置を一部破断して
示す側断面図、第２図は要部を拡大して示す断面
図、第３図はそのシール部材を示す斜視図、第４
図は本考案の他の実施例を示す断面図である。 ２……冷却室、８……タンク、１０……取出
部、１５……挿通口、１８，２０……シール部
材、１８ｂ……支承部、１８ｃ……シール部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被冷却物を収容したタンクを冷却室内に収納
   し、上記タンクに突設した被冷却物の取出部を上
   記冷却室の内底部に穿設された挿通口から外部に
   突出させるとともに、上記挿通口にタンクを外気
   から遮断するシール部材を設けたものにおいて、
   上記シール部材を軟質材料によつて一体に形成し
   上記タンクの下部周縁を密接して支承する支承部
   と、この支承部の底部に設けられ上記タンクの流
   出口体の周辺部に密接するシール部との二重シー
   ル構造に形成したことを特徴とする冷却装置。