JPS609816B2 - 滅菌袋 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は滅菌包装袋に係わり、さらに詳しくは耐熱性プ
ラスチックフィルムを基材とする高圧蒸気滅菌あるいは
ガス滅菌、特に滅菌後の再汚染防止に優れた滅菌包装袋
に関する。

医療器材の滅菌消毒については既に種々の方法、機器の
開発が行なわれている。

はかでも高圧蒸気滅菌あるいはエチレンオキサィドガス
滅菌は滅菌効果が大であり、広く実用化されている。然
るに、これらの滅菌工程において用いられる包装基材に
は未だ完全なものはなく、特に滅菌後の細菌再汚染に対
する問題が未解決なものとして残っている。即ち、滅菌
包装材料としては従来モスリン，ブロード，ジーンクロ
ス等の織物、クラフト紙，グラシン紙，バーチメント紙
，クレープ紙等の紙及び加工紙，セロフアン，ポリエチ
レン，ポリプ。

ピレン，塩化ビニル，ナイロン等のプラスチックフィル
ム，アルミ箔等の金属箔等が包み用あるいはバックの形
で用いられている。特に紙及び加工紙又はフィルムは使
い捨て注射器、サージカルパット類等に代表される滅菌
済器材の包装袋基材として広使用されているが、紙製滅
菌袋は、１．物理的強度に劣り破断、破裂，引裂し易い
、２．ミクロな気孔を有するのでこれが紙の薄さと相ま
って厚手方向に貫通する孔道を形成し易く、細菌による
再汚染に対し抵抗性が弱い、３．耐水性に劣り、滅菌工
程における形態安定性に欠ける、４．殆んど不透明であ
り、袋にした場合内容物が見えない。５．自己シール性
を有さず自動包装に向かない。

又プラスチックフィルム滅菌後も、１．素材が剛直であ
り、折り曲げに対してもろく、折り目の白化あるいはそ
こからの引裂、ピンホールの発生等による再汚染の懸念
がある、２．高圧蒸気の通過性が悪く、物理的性能面か
ら必要とされる６０仏以上のフィルムでは殆んど通蒸し
ない。３．表面平滑で被滅菌器材に密着し、その密着し
た部分は全く滅菌されない。等の欠点を有する。

本発明者らは、これら紙及びプラスチックフィルムの欠
点を改善し、より性能的に向上した滅菌袋を得るべく鋭
意検討した結果本発明に到達したものである。

すなわち本発明は表面が凹凸の熱可塑性樹脂層を有する
耐熱性プラスチックフィルムにて該熱可塑性樹脂層を内
側にして袋体を形成し、かつ袋体の周縁シール部の全部
又は一部において不織布を介してシールされてなる耐熱
性プラスチックフィルムを基材とする滅菌袋にある。

本発明の滅菌袋に被滅菌体を入れて滅菌することにより
適度な通蒸性と物理的安定性及び袋体内側面の凹凸構造
による密着防止対策等により、完全な滅菌がなされると
同時に不織布を介してシールした周緑シール部において
空気を炉過しつつ通気，置換，乾燥が行なわれ、信頼性
の高い滅菌袋力＃得られる。

従釆からもこのような繊維フィルター層とプラスチック
フィルムの組み合せよりなる滅菌袋の提案はなされ、例
えば実公昭４６−２３９０，同４９‐５５０７，同４７
−１１９１４，同５０−５７８８５，特公昭５１一２１
９８５，同５１−７２５９３号公報等があるが、繊維層
平面でフィルター化しており、その効果はかなり高密度
でかつ厚手の繊維フィル夕−層を用いないと紙を使用す
る場合と大差がなく実質上実用的でなかったり、又プラ
スチックフィルム及び繊維状物質そのものを熱溶融して
いるためシール部の強度に問題があったり、又フィルタ
ー部が袋体の一方の閉口部のみであり通蒸効果が４・さ
し、上「他のフィルムの欠点であった密着、物理強度等
の点は何ら解決されていないものであった。

本発明はこれらの問題点を一挙に解決したものである。

即ち第１図，第２図は本発明の滅菌袋の横断面の一部を
示すものであり、１は耐熱性プラスチックフィルム、２
は表面が凹凸の熱可塑性樹脂層を示し、又耐熱性プラス
チックフィルム１と熱可塑性樹脂層２は互いに積層接着
されており「この間に接着性を向上せしめる為の処理が
施してあってもよい。周縁のシール部３は熱可塑性樹脂
層１の融着により不織布４を介して相互に接着して形成
されている。シール部３′は不織布が介在せず熱可塑性
樹脂層２のみによって周縁シール部が形成されている状
態を示している。ここに云う不織布は、通常片側又は両
側の熱可塑性樹脂層２の表面に予め接着してもよいし「
又熱圧シールに臨んで別に挿入してもよい。

一方、不織布は有孔不織布であれば内対する熱可塑性樹
脂層がその有孔部を介して直接接着することも可能であ
り、競縁シールがより強固に形成される。第３図，第４
図は本発明の滅菌袋の平面図の例を示すものである。両
図における３は周緑シール部を示し、特に斜線部は不織
布を介在した周緑シール部を示す。不織布を介在した周
縁シールは第２図に示すように周緑シール部の全部ある
いは第３図に示すようにその一部であってもよいが、少
くとも二辺以上が不織布を介してシールされていること
が通蒸効果の点から望ましい。

本発明に云う周緑シール部の熱圧接着は、通常第５図に
１例を示すように予め被滅菌体収納の為の閉口部５を残
して予め他の周緑部はシールこれ袋体を形成しているが
、用途に応じて周緑シール部を形成し袋体としてもよい
。

又破滅菌体を収納した後開□部５を熱圧シールして滅菌
処理することは云うまでもない。本発明の滅菌袋の周縁
シール部は耐熱性プラスチックフィルムと不織布をそれ
らの熱変形温度以下で軟化溶融する熱可塑性樹脂で一体
化あるいは接着せしめて形成される。

従って「本発明に云う複合シートを使用して熱圧綾着に
より滅菌袋を作成又は封かんシールする際には耐熱性プ
ラスチックフィルムあるいは不織布構成繊維の熱変形温
度以下で熱圧加工することが望ましい。但し、本発明に
云う熱変形温度とは加熱温度、加圧力の他に加熱時間を
も考慮したものであり、瞬間的に高熱が加わるィンパル
ス，高周波，超音波等のシール方式にあっては、必ずし
も素材の熱変形温度を指すものでなく、むしろ熱変形条
件全てを指すものである。因みに、本発明に云う複合シ
ートの熱圧接着の方式は熱板式，熱線式，ィンパルス，
高周波，超音波等いかなる方式によってもよい。本発明
に云う耐熱性プラスチックフィルム及び不織布を構成す
る素材は滅菌の条件に耐えられ、かつ耐候‘性を有する
ものであればよく、ポリエステル，ポリオレフインナイ
ロン，アクリル，セルロース，塩化ビニル，塩化ビニリ
デソ，ポリスチレン，ポリカーボネート，芳香族ポリア
ミド等いかなるものであってもよく、又耐熱性プラスチ
ックフィルム間あるいはこれらフィルム間に不織布を介
在して接着一体化せしめる熱可塑性樹脂は、耐熱性プラ
スチックフィルム及び不織布の熱変形温度以下で軟化溶
融するものであればいかなるものであってもよく、ポリ
エチレン，ポリプロピレン，エチレン酢ビ共重合体、変
性ポリエステル等の使用が可能であり、軟化溶融とそれ
につづく冷却により球晶形式，無定形化等の度合いが少
なく腕化しないものが望ましいが、これは特に本発明を
限定するものではない。又熱可塑性樹脂は、耐熱性プラ
スチックフィルム上の不織布との接着面全面に塗工され
るが、その塗工方法はペースト塗工、押し出しラミネー
ト，フィルム状熱圧着等いかなる方式によってもよく、
又塗工量は耐熱性プラスチックフィルムと不織布の一体
化及びこれらよりなる複合シートの熱圧接着シールが可
能な量であればいかほどでもよい。この熱可塑性樹脂層
により形成される袋体内面の凹凸は表面平滑な器材が密
着不可能な程度の表面箱度であればよい。本発明に云う
不織布繊維構造体は製造方式は緑式不織布，乾式不織布
，スパンボンド，トウ拡関不織布等いかなるものであっ
てもよいが、滅菌袋の衛生性等の条件を考慮すると、糊
剤，界面活性剤等の含有が少ないものが望ましい。かく
して、本発明の滅菌袋は、袋体内面が凹凸を有している
為、破滅菌体がこれに密着することなく蒸気又はガスが
被滅菌体の全面に均一にゆきわたり滅菌が均一に行なわ
れる。又耐熱性プラスチックフィルムで形成された滅菌
袋であるにもかからず、熱圧シール部に形成された不縦
布の繊維層よりなるフィルター層を通じてガスの通過が
容易に行なわれ、滅菌とそれに引き続く、脱気置換工程
が容易に完遂できる反面、このフィルター層により高度
の細菌侵入阻止が可能となり、さらにシール部の腕化破
損がなくなったことを併せて滅菌後の細菌汚染は従来の
紙製滅菌袋の場合に比較して顕著に減少し優れたもので
ある。

図面の簡単な説明第１図，第２図は本発明の滅菌袋の横
断面の１例を示すものであり、第３図，第４図は本発明
滅菌袋の滅菌時の形状の平面図の１例を示すものであり
、第５図は本発明滅菌袋の滅菌前の形状の平面図の１例
を示すものである。

１…耐熱性プラスチックフィルム、２・・・熱可塑性樹
脂層、３，３′・・・シール部、４・・・不織布、５・
・・閉口部。

÷ト ′ 図 才Ｚ図 才３図 才４図 オ５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 表面が凹凸の熱可塑性樹脂層を有する耐熱性プラス
   チツクフイルムにて該熱可塑性樹脂層を内側にして袋体
   を形成し、かつ袋体の周縁シールの全部又は一部におい
   て不織布を介してシールされたなる耐熱性プラスチツク
   フイルムを基材とする滅菌袋。