JPS609526B2

JPS609526B2 - 摩擦材の製造法

Info

Publication number: JPS609526B2
Application number: JP9948879A
Authority: JP
Inventors: 和明川崎; 幹夫間部; 博通堀江
Original assignee: Hitachi Chemical Co Ltd
Current assignee: Resonac Corp
Priority date: 1979-08-06
Filing date: 1979-08-06
Publication date: 1985-03-11
Also published as: JPS5624479A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は自動車の動力伝達および制動に使用される摩擦
材の製造法に関する。

従来、摩擦材の主成分としてはアスベストが用いられて
来たが、アスベストがガン源物質に認定されて以釆、特
定化学物質の指定を受け、アスベスト取扱、製造現場は
労働安全衛生上からアスベストの浮遊じん濃度の規制を
受け、一方公衆衛生上も非アスベスト摩擦材を使用する
気運にある。この非ァスベスト摩擦材の主成分としては
、従来ＦＲＰ（ガラス強化プラスチックス）に用いられ
ていたガラス繊維（フィラメント、チョップトストラン
ド、その他ガラス繊維の二次加工品も含む）や最近の開
発が進み実用化されつつあるＣＦＲＰ（炭素繊維強化プ
ラスチックス）の原料であるカーボン（炭素）繊維、又
鉄組成物を繊維状にカットしたスチールシユーレテツド
ウール（ファィバー）、耐熱合成繊維（例えばポリアマ
ィド繊維、商品名の−例としてデュポンファーイースト
社のケプラー）が用いられ始めている。

一方摩擦材は摩擦係数の絶対値が０．２５以上で高く安
定していること、又ディスクパット、ブレーキライニン
グに使用した場合のノイズ、クラッチフェーシングに使
用した場合のジヤダー等摩擦現象に伴う振動現象を出来
るだけ防止すること、耐久性（耐摩耗性）にすぐれるこ
と、機械強度、ディスクパットであれば圧縮強度、クラ
ッチフェーシングであれば回転破壊強度に耐えること等
諸特性が要求される。これらに関して従来のアスベスト
を基材として有機、無機の摩擦特性安定剤を添加混合し
熱硬化性樹脂を用いて製造した摩擦材料は材料配合と密
度、硬度をある範囲に入れれば特性を保証することが出
来た。しかしガラス繊維、鉄組成物‐を繊維状にカット
したスチールシュレーテッドフアイバ一等を用いた摩擦
材は原料の密度そのものが重く、従来のァスベスト摩擦
材と同様の成形を行なうと摩擦材の密度が高くかつ硬い
摩擦材となり摩擦特性にすぐれた摩擦材とならない。と
くにデイスク／ぐツトのノイズ、クラッチフエーシング
のジャダー等摩擦振動現象には良に特性が得られない。
本発明は基材に上記のような人体に悪影響を与えるよう
なアスベストを使用せず、安定した特性の得られる摩擦
材の製造法を提供することを目的とする。

本発明者らは種々検討した結果、これら非アスベスト摩
擦材は成形時に空隙率を５〜２９本穣％とすることによ
り摩擦材の硬度が下がり発進時のジャダーの原因となる
振動を吸収することが可能となり、また摩擦熱により分
解した有機物を表面より除去することができ、摩擦表面
を常に安定に保つことができることを見出した。

本発明は非ァスベスト系基材に有機繊維を混線し、スラ
ィバーを作り、ついで撚糸とし、これに熱硬化性樹脂を
含浸させ、その後乾燥、成形、硬化させて空隙率が５〜
２９本積％の摩擦材とすることを特徴とする摩擦材の製
造法に関する本発明において非アスベスト系基村とは、
アスベスト以外のガラス繊維、カーボン繊維、スチール
シュレーテッド等を指す。

本発明において有機繊維としては天然線、スフ、耐熱性
にすぐれる合成繊維等が使用され、また熱硬化性樹脂に
はフェノール樹脂、メラミン樹脂、フェノール変性メラ
ミン樹脂、メラミン変性フェノール樹脂、カシュー樹脂
、カシュー変性フ／ェノール樹脂、ゴム硬化物等が使用
され、含浸方法は従釆公知の方法で行なわれる。

また非アスベスト系基材は一種類で使用してもよく、そ
れらを混合したものを使用してもよく特に制限はない。

本発明では撚糸を作る際に必要に応じてしんちゆう、亜
鉛、アルミ等の金属線（糸）等が使用される。また本発
明において空隙率とは成形品の中に含まれる空隙の全体
積に対する割合を指し、ボィドボリユームともいう。

空隙率の測定および計算は次式による。

見かけ笹皮空隙率＝（１一空隙率の本頭％品の密度）×１００空隙
率を５〜２３本鏡％とする手段としては、一定体積の金
型に対し空隙率０体積％となるように密に成形するのに
必要な重量よりも５〜２５％少ない重量を用いて成形す
る方法がある。

また一定重量のものを成形するのに対し金型の体積（断
面積が固定の場合は厚さ）を空隙率０体積％のものを成
形する場合よりも５〜２５％大きくする方法もある。空
隙率が５体積％未満では、本発明の意図とする硬度の低
下および振動吸収効果が得られない。

また空隙率が２９本債％を越える場合は機械的強度が低
下し、使用に耐ええず実用的でない。以下実施例により
本発明を説明する。

実施例１Ｅガラス繊維（富士ファイバ一ガラスＫＫ製）を長さ４
伽のチョップドストランドにしたもの７匹重量％、カー
ボン繊維（クレノ、化学工業ＫＫ。

製、商品名クレカトウＴ−１０１）を４肌の長さに切断
したもの５重量％および長さ４弧のスフ２５重量％を混
線し、これをカーディングマシンにかけスラィバ−を作
り、さらにこれに撚りをかけ糸とする。この糸３本を撚
り合わせて撚糸（滋ｒ／凧）とする。次にこの撚糸を不
揮発分２の重量％の水溶性のメラミン樹脂ワニス（日立
化成工業ＫＫ．製、商品名ＶＵ‐５１−洲）の入った容
器の中を３秒間通過させ、次にこのワニス含浸撚糸を１
００ｑｏの乾燥機を通した後、陣温恒湿槽の中で２日間
熟成させる。このようにして得たワニス含浸組成物は揮
発分が５重量％、樹脂が２の重量％、燃糸が７５重量％
となる。次にこれを８０ｑｏに加熱してあるタブレット
成形機１５０夕巻き取り加圧してタブレットとする。さ
らに、このタブレットを１５０ｏ○〜１６０３０に加熱
した成形品の外径が２０仇舷、内径が１３仇吻の成形金
型に挿入して空隙率が１瓜本積％になるように成形金型
の深さを４．９岬こ調整し、圧力２００ｋ９／めで成形
する。この際、加圧初期に２〜３回のガス抜きを行ない
、合計の加圧加熱時間は８分間とした。このようにして
得た成形素材（表面研摩後）を２００つＣ×４時間の後
硬化を行なった後、厚み３．５側（ｔ）に研摩、孔加工
してクラッチフェーシングとする。このようにして得ら
れたクラッチフェ−シングの特性は第１表に示すとおり
である。第１表※１．空隙率０体積紫品の密度は１
−７８実施例２Ｅガラス繊維（富士ファイバーガラスＫ．Ｋ．製）を長
さ２肌のチョップドストランド‘こしたもの６の重量％
、カーボン繊維（クい、化学工業Ｋ．Ｋ．日商品名クレ
カトゥＴ−１０１）を４肌の長さに切断したもの５重量
％、ポリァマィド繊維（デュポンファーイースト社製、
商品名ケプラー）を４肌の長さに切断したもの５重量％
および長さ４伽のスフ３の重量％を混線し、以下実施例
１と同様の工程を経て撚糸を製造する。

次にこの撚糸を不揮発分３の重量％のメタノール可溶フ
エノールワニス（日立化成工業ＫＫ．製、商品名ＶＰ−
５１Ｎ）の入った容器の中を５秒間通過させ、次にこの
ワニス含浸撚糸を１００ｑｏの乾燥機を通した後、垣温
恒湿槽の中で２日間熟成させる。このようにして出来た
ワニス含浸組成物は薄発分が３重量％、樹脂が２５重量
％、撚糸が７２重量％となる。

次にこれを１００℃に加熱してあるタブレット成形機に
１３０多巻さ取り加圧してタブレットとする。さらにこ
のタブレットを１５５〜１６０ｑｏに加熱した実施例１
に用いた金型と同じ成形金型に挿入して空隙率２の本積
％に成るように成形金型の深さを５．３柳に調整し、圧
力１５０ｋ９／めで成形する。

この際加熱初期に２〜３回のガス抜きを行ない、合計の
加圧加熱時間は８分間とした。このようにして得た成形
素材を素材のまま２００℃×４時間の後硬化を行なった
後、厚み３．５肋（ｔ）に研摩、孔加工してクラッチフ
ェーシングとする。

このようにして得られたクラッチフェーシングの特性は
第２表に示すとおりである。第２表※ ２．空隙率
０体積紫品の密度は１．６５本発明によればアスベスト
等の人体に悪影響を与えるような基材を使用しなくても
、摩擦特性およびデイスクパツドのノイズ、クラッチフ
エーシングのジャダーなどの摩擦振動現象にすぐれた摩
擦材を製造することが出来る。

Claims

【特許請求の範囲】

１非アスベスト系基材に有機繊維を混綿し、スライバ
ーを作り、ついで撚糸とし、これに熱硬化性樹脂を含浸
させ、その後乾燥、成形、硬化させて空隙率が５〜２５
体積％の摩擦材とすることを特徴とする摩擦材の製造法
。