JPS6094B2 - 過流式自動中和，固液分離装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ‘ィ｝ 技術分野 本発明は電気その他の動力源を必要とすることなく酸性
排水等の被処理水と液状中和剤とを連続的かつ自動的に
混合健梓してその中和生成フロックを完全に固液分離す
ることができる装置に関するものである。

【〇ー 背景技術 従来、休廃止鉱山からの排水処理など山間僻地のためと
電気その他の動力源を得られない所で中和処理を行なう
場合には、地形や貯留槽の設置位置など高低差や圧力に
よる彼処理水自身の持つエネルギーを利用した装置が種
々提案されているが、それらはいずれも中和剤の添加装
置や凝洋装暦など中和処理における部分的な装置であり
、中和生成物の固液分離は沈殿池に頼っているのが現状
で、その造成費や維持費などコストが非常にかかってな
かなか満足すべきものがなかった。

し一発明の目的本発明は何らの動力源も必要とすること
なく水力だけを巧みに利用することによって彼処理水と
液状中和剤との混合蝿梓から中和生成物の固液分離まで
の中和全工程を一貫して処理することのできる自動中和
，固液分離装置を提供するもので、液状中和剤としては
消石灰，炭酸カルシウム，フレーク状苛性ソーダ等の液
状乳化したものを使用してもよいが、特に山間僻地では
硫化水素を容存している温泉水や過飽和の炭酸泉など酸
性排水の中和剤として利用できる湧水が多いので、これ
らを利用することが可能となるものである。

９ 発明の開示 本発明装置は自動混合渡洋機構と固液分離機構とを備え
ている。

即ち、自動混合櫨洋機構は被処理水と液状中和剤とを連
続的に自動混合反応させ、かつ遠Ｄ力によって生じる渦
流の中心負圧を利用して中和生成フロック群の沈降落下
を促進させるために、多段の逆円錐形傾斜板の最下部の
高さ位置における円筒形中和槽の槽内壁で両注入口が対
向するよう被処理水と中和剤液の２本の注入パイプを該
槽壁の水平接線方向にそれぞれ接続し、この２本の注入
パイプにはそれぞれ流勢を高めるためにノズルを内装し
て中和槽内で一定方向の渦流が生じるように構成し、さ
らに上記多段逆円錐形傾斜板は澄洋棒を兼ねた枠脚によ
って組立てられ、この枠脚によって渦流の流勢が妨げら
れることなく連続的に自動健拝を行ない中和反応が促進
されるようになつている。

また、固液分離機構は中和槽内で生じる渦流をそのまま
傾斜板の流路へ移行させて煩斜板内の滞留距離を長くす
ると共に、中間段に仕切り傾斜板を設けて該傾斜板の下
側は下向流，上側は上向流となるよう頂点部も開□した
複数の逆円錐形傾斜板を上下に組合せて２段で固液分離
が行なわれるようにし、上方には円筒形溢流堰を設けて
上燈水が檀外へ流出するようにし、また槽底部は逆円錐
形に形成されていて沈降落下する中和沈殿物が糟外へ抜
出されるようになっている。

以下、本発明装置の一実施例を図により説明する。

■ 実施例 第１図は本発明装置の正面説明図であり、１は底部を逆
円錐形に形成した円筒形の中和槽体で、該糟体１の上方
には上燈水排出口２が設けられ、該排出口２の下側の槽
体１内周壁には内向きつば３が突設されており、また糟
体１の逆円錐形下底部には中和殿物排出口４が設けられ
る。

５は糟体１内に設置する上下に等間隔に３段以上組合せ
られた逆円錐形傾斜板で、図では５段に重ねられ、それ
ぞれの頂点部（即ち底部）も閉口されており、これら傾
斜板５のうち下側２段の傾斜板５ａ，５ｂは第３図に示
す如くその上側周緑部を４本の枠脚６中間部に等間隔に
取付固定され、また上側２段の傾斜板５ｄ，５ｅはその
上端縁を上記各枠脚６上方の内側へ折曲した部分下側に
取付固定されて支持されるようになっており、さらに中
間段の仕切り懐斜板５ｃは各枠脚６の上記折曲角部上に
敷設固定した短円筒形の溢流堰７にその上周端を固定さ
れている。

溢流堰７の下周縁には外向きつば８が一体に形成され、
該つば８を前記槽体１の内向きつば３上に載層すること
により各枠脚６下端が槽体１の円錐形底部に接地し、各
便斜板５は糟体１内中央部やや上方に位置するようにな
っている。しかして、これら額斜板５、枠脚６及び溢流
堰７よりなる固液分離部は第３図のように一体に組合せ
られ、槽耐１の上蓋９を開けて外部へ取出せることがで
き、点検整備を容易としてある。１川ま被処理水注入パ
イプ、１１は液状中和剤注入パイプで、その槽体１内へ
の注入口１０ａ，１１ａは上記固液分離部を槽体１内に
設置したときに最下段の煩斜板５ａの頂点部下口の高さ
位置における槽体１壁の水平接線方向に互いに対向する
よう取付けられ、これにより槽体１内に一定方向の渦流
（図では左巻き）が発生するようになっている。

さらに図では、両注入パイプ１０，１１内の上記注入口
１０ａ，１１ａの近傍には槽体１内の渦流の流勢を高め
るためにノズル１２がそれぞれ内装され、彼処理水なら
びに中和剤液が注入口１０ａ，１１ａからジェット噴流
となって槽体１内へ噴出するよう構成されている。

このノズル１２は塩化ビニール等の耐薬品性材料で作ら
れ、その基部にはフランジが一体形成されていて、各注
入パイプ１０，１１のジョイント部ｌｏｂ，１１ｂに挟
持されるようになっており、被処理水や中和剤液の水量
，水圧に応じて所望の絞りのノズル１２に適宜交換する
ことができるようにしてある。Ｎ 作用しかして、被処
理水調整バルブ１３及び中和剤液調整バルブ１４を操作
して彼処理水及び中和剤液をそれ自身の持つ水力エネル
ギーを利用しそれぞれの注入口１０ａ，１１ａより槽１
内へ連続的に造量づつ注入すると、槽１内には左巻きの
渦流が発生し、被処理水と液状中和剤とが連続的に自動
混合され、しかも煩斜板５の組立枠の枠脚６が礎梓棒と
しての作用を発揮し、渦流の流勢を妨げることなく、自
然擬梓が行なわれ、混合鷹拝された液は中和反応によっ
てフロツク化される。

フロック化された混合液は上記渦流の遠心力によって生
じる上昇力で槽１内壁に沿って渦を巻きながら上昇し、
仕切り傾斜板５ｃ上縁の外向きつば８下面に当り、該傾
斜板５ｃ下面に規制されて下向流に反転し、下段傾斜板
５ａ，５ｂの流路へ渦流のまま導かれ、該流路を渦を巻
きながらゆっくり下降して行くので該流路での滞留距離
が長くなり、傾斜板としての作用が充分発揮され、混合
反応液はフロック群と液体とに効果的に分離される。傾
斜板５ａ，５ｂの下向流路でフロック群の大半を分離さ
れた分離後液は傾斜板６ｂ，５ｃの底部開□から上昇し
、上段の傾斜板５ｄ，５ｅにより形成された上向流路へ
移行し、上記下向流路で分離されなかった小さなフロッ
クまで完全に除去され「上側の溢流堰７から清澄水とな
って溢流し、排出口２より排水パイプ１５で糟１外へ排
出される。

一方、上記各傾斜板５により沈降分離されたフロック群
は各傾斜板５の下口開口から糟１底へ向けて落下するが
、最下段傾斜板５ａの下口は槽１内に生ずる渦流中心部
に存するため、渦流の遠心力によって生じる中心負圧に
よりフロック群が該濁流中心へ巻き込まれて沈降落下が
促進され、糟１底部へ中和殿物となって沈降する。

逆円錐形の糟１底最下部に沈殿した中和殿物は排出口４
から引抜かれるが、その引抜きに当っては、溢流堰７か
ら溢流する上燈水中のフロツク残存量の基準維持に通し
た溢流量が得られるよう中和殿物排出量調整バルブ１６
を操作して、排出パイプ１７より通量づつ中和殿物を糟
１外へ引抜くようにする。

なお、中和処理において中和殿物の一部を中和反応器内
に戻すことにっり固液分離効果が一層良くなることは公
知であり、特に中和殿物を被処理液中に予め加えておい
て中和剤と混合するとフロック群の成長がさらに促進さ
れることも知られているので、本実施例装置では中和殿
物排出口４に分配チーズ１８を接続してバルブ１９の操
作により中和殿物の一部が繰返し用パイプ２０を介して
被処理水注入パイプ１０内へ流入するように、該繰返し
用パイプ２０は被処理水パイプ１０内のノズル１２先端
部に臨ませるよう連結され、該ノズル１２から噴出する
被処理水のジェット噴流によって中和殿物が自動的に吸
引されて被処理水と共に糟１内へ繰返し注入されるよう
構成してある。

本発明装置は上述のようにこの装置１台で中和処理の全
工程、即ち被処理水と中和剤との混合燈梓から固液分離
まで一貫して処理できるようになっているが、中和生成
フロックの沈降性が特に悪い場合には、この装置を２段
連結し、第１段目をリアクター、第２段目をフロックセ
パレーターとして使用することができ、被処理水の水質
や水量に応じて３段又は２蓮もしくは３蓬と直列又は並
列に任意の台数を連結使用することも可能である。第４
図はこの装置を２段に連結した場合の例を示したもので
、２１は被処理水貯槽、２２は液状中和剤貯槽であり、
２台の中和槽体ｌａ，ｌｂとはそれぞれ水位差を利用す
るようになっており、この例では２段目の装置ｌｂの中
和殿物は１段目の装置ｌａへ繰返すようにしてある。

２３は放流用の清澄水槽、２４は中和殿物貯槽である。

川 発明の効果本発明装置は以上のように被処理水のど
のような水質，水量にも適応でき、何らの動力源も必要
とすることなく被処理水と液状中和剤がそれ自身の持つ
水力エネルギーだけを利用して中和処理の全工程を自動
的に一貫して行なうことができるので、人里離れた休廃
鉱山等の特に硫化水素溶存温泉水や過飽和炭酸泉など液
状中和剤が自然に湧出する場所での排水処理には最適で
あり、しかも本装置は構造簡単，製作容易で可動部分が
全くないから、故障も少なく保守も容易で、極めて経済
的かつ効果的な中和処理装置である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る中和装置の一例を示す正面説明図
、第２図は同平面説明図、第３図は固液分離部の斜視図
、第４図は本発明を２段に連結して行なう処理例説明図
である。 符号説明、１・・・中和槽体、２・・・上燈水排出口、
３・・・内向きつば、４・・・中和殿物排出口、５・・
・逆円錐形傾斜板、５ａ・・・仕切り顔斜板、６・・・
枠脚、７・・・溢流堰、８・・・外向きつば、１０・・
・被処理水注入パイプ、１１・・・液状中和剤注入パイ
プ、１０ａ，１１ａ・・・注入口、１２・・・ノズル、
２０・・・中和殿物繰返し用パイプ、２１…被処理水貯
槽、２２・・・液状中和剤貯槽、２３…清澄水槽、２４
…中和殿物貯槽。 第１図 第２図 第３図 第４図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 頂点部分も開口した逆円錐形傾斜板を複数本の枠脚
   によって上下に複数段組合せ、中間段の上記傾斜板は下
   周縁に外向きつばを一体形成した円筒形溢流堰にその上
   周縁を固定してなる固液分離部を、上方に上澄水排出口
   がまた逆円錐形に形成した下底部に中和殿物排出口が設
   けられた円筒形中和槽体内に上記外向きつばを該槽体の
   上記上澄水排出口下側内周壁に突設した内向きつば上に
   載置することにより上記各枠脚が槽体底部に接地するよ
   うにして該槽体内中央部に設置し、被処理水注入パイプ
   と液状中和剤注入パイプの槽体内への注入口は上記固液
   分離部の最下段の傾斜板下口の高さ位置における槽体壁
   の水平接線方向に互いに対向するように設けて槽体内に
   一定方向の渦流が生じるように構成してなることを特徴
   とする渦流式自動中和、固液分離装置。 ２ 前記被処理水注入パイプ内と液状中和剤注入パイプ
   内の前記注入口近傍には両液が槽内へジエツト噴流とな
   って注入されるようそれぞれノズルを内装してなる特許
   請求の範囲第１項記載の装置。 ３ 前記中和殿物排出口には排出パイプのほかに該殿物
   の一部を槽内に戻すための繰返し用パイプが接続され、
   該繰返し用パイプの先端は前記被処理水注入パイプ内の
   ノズル先端部に臨ませてなる特許請求の範囲第２項記載
   の装置。 ４ 前記固液分離部を内蔵した前記槽体を２台以上直列
   又は並列に連結してなる特許請求の範囲第１項、第２項
   又は第３項記載の装置。