JPS609398Y2 - 気化器のファ−ストアイドル解除装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電熱チョーク等の自動チョークを備えた気化
器において、チョーク作動時その開き具合に応じてスロ
ットル弁のアイドル開度を規制するファーストアイドル
カムの解除装置に関する。

内燃機関が低温から始動する際そのアイドル回転を安定
とするため、チョーク弁と連動するファーストアイドル
カムを設け、このカムによってスロットル弁アイドル位
置を多少間の側に制御するファーストアイドル装置が採
用される。

これによって低温時のアイドル運転の安定が達成される
。

ところで最近よく使用される電熱チョーク等の自動チョ
ークでは、チョーク弁の駆動源はバイメタルなのでファ
ーストアイドルカムとスロットル弁との保合を解除する
に十分な力をバイメタルのみで得ることは不可能である
。

このため、スロットル弁を運転者が操作しない限りは機
関が完全暖機後もスロットル弁はファーストアイドルカ
ムにより規制される開放位置を維持する。

その結果、アイドル回転数が異常に高まり、これは触媒
コンバータを備えた車輛ではその過熱の原因ともなりか
ねない。

この防止のため従来は運転者にアイドル放置の際は機関
の暖機を見極めることによってスロットル弁をあおりフ
ァーストアイドルカムとの係合を外す操作を要求してい
た。

この不便に鑑み、最近、スロットル弁の開放を機関の温
度を検知してダイヤフラム機構を駆動しファーストアイ
ドルカムの保合をはずすファーストアイドル自動解除装
置もみられる。

本考案の目的は、かようなファーストアイドル作動の解
除を行う新規な構造を提供することにある。

以下、図面によって本考案を具体的に説明すると、第１
図において、１は気化器本体で、その内部にベンチュリ
部３が形成され、その上方にチョーク弁５が下流にスロ
ットル弁７が配置される。

チョーク弁５の弁軸５ａは本体１に軸支されている。

チョーク弁５はこの実施例では電熱式であってリンクＬ
によって渦巻状バイメタルＢに連結しこの周囲にニクロ
ム線より戊るヒータＨを配置している。

従ってエンジンの始動に連動するスイッチＳＷ１のＯＮ
と同時にヒータが加熱すると、バイメタル１１は次第に
巻込まれ、リンクＬは図の右方に変位し、チョーク弁５
が開放可能となる。

８はファーストアイドルカムで、本体１に固定のピン９
上にある。

このピン９に、レバー１１が回転自在となっており、こ
れはリンク１２によってチョーク弁５の弁軸５ａに固定
した他のレバー１３に連結している。

レバー１１の突起部１１ａとファーストアイドルカム８
の凹部８′との間にリリーフばね１４が介挿される。

従って、チョーク弁軸５ａ上のレバー１３とファースト
アイドルカムピン９上のレバー１１とファーストアイド
ルカム８とは連動して動く。

スロットル弁７の弁軸７ａに、スロットルレバー１５が
その中央部で固装されている。

このスロットルレバー１５はその下端１５ａによって図
示しないアクセルペダルリンク系に連結され、その上端
部１５ｂは、ファーストアイドルカム８のストッパ面８
ａと対面して設けられている。

本考案によれば、アイドル運転のまま放置後機関がｍ機
したときのファーストアイドルカム８の作動解除を行う
ため次の構造としている。

即ち、１７は、ソレノイド機構であって取付具１８によ
って本体１に固設されると共に、ピストン１９はスロッ
トル弁軸７ａに回転自在に軸支したレバー２１に連結さ
れている。

レバー２１に突起２１ａが形成され、これはスロットル
レバー１５の上端１５ｂと係合可能である。

ソレノイド機構１７は、周知のように、その励磁コイル
を選択的に通電することによりピストン１９の伸縮運動
を得るもので、本考案では図の回路によって駆動される
。

即ち、１７′は、ソレノイド１７の励磁コイルであり、
アイドル検知切替スイッチＳＷ２、並びに直列接続した
負温度係数サーミスタＮＴＣ及び正温度係数サーミスタ
ＰＴＣを介して電源に接続している。

周知の如く、負温度係数サーミスタＮＴＣは第２図−イ
に１１で示すようにその抵抗値が温度換言すれは通電時
間の増大と共に減少し、一方正温度係数サーミスタＰＴ
Ｃは１□の如く抵抗値は通電時間と共に増大する。

又、スイッチＳＷ２は例えば変速機のギヤ位置を検知す
るスイッチであり、中立位置では図のａの側の接点であ
るがこれ以外はｂの接点に切替る。

次に本考案の作動を述べると、始動前はスイッチＳＷ□
はＯＦＦでヒータＨは通電されていないためバイメタル
Ｂは最も開いた形状をとり、リンクＬはチョーク弁５を
全開とする。

又ソレノイド１Ｂの励磁コイル１７′も通電されないた
めそのピストン１９は最も伸びた位置をとりレバー２１
の突起２１ａをスロットルレバー１５の上端１５ｂから
離して位置させる。

一方、ファーストアイドルカム８はその下ｉｔ ８ ”
’がスロットルレバー上端１５ｂと係合しており、その
結果図示の位置より更に時計方向（下方）に回動した位
置をとっている。

運転者がアクセルペダルを踏込みスロットル弁７を多少
回動するべくあおるとファーストアイドルカム８はスロ
ットルレバー１５との係合カラ外れ、ばね１４の力によ
り反時計方向Ｃヒ方）に回動し凹部８′がばね１４と係
合することにより図示の位置に停止する。

スロットル弁７のあおりを解放すると、今度は、スロッ
トルレバーの上端１５ｂはファーストアイドルカムのス
トッパ面８ａに当接する図の位置をとりチョーク作動前
の準備が完了する。

機関が始動されると、スロットルレバー１５がファース
トアイドルカム８の面８ａと係合していることに基づき
スロットル弁７のアイドル位置Ｃよ全閉より開放側にあ
るため、機関は低温であっても、そのアイドル回転は安
定化する。

一方機関の始動と同時にスイッチＳＷ１はＯＮされヒー
タＩ］に通電される結果バイメタルＢはその加熱作用に
よって次第に巻込まれリンクＬはチョーク弁８を想像線
の如く開放させチョーク効果を弱める。

そして、この開放はチョーク弁の偏心による開きモーメ
ントがばね１４とバランスするところまで許される。

ところで、機関をアイドルのまま保持した場合を考える
と、変速機は中立にあるためスイッチＳＷ２はａの接点
に切替ったままであり、その結果、ＮＴＣ及びＰＴＣの
サーミスタに機関の始動の当初から継続して通電がなさ
れる。

そして、ＮＴＣは通電の初期では第２図−イの１１の如
く抵抗値が高いため励磁コイル１７′中にはピストン１
９を駆動すべき電流が生ぜずその結果突起２１ａはスロ
ットルレバー１５の上端と非接触の図示状態にある。

機関の暖機完了時刻に対応するｔｌでは負温度係数サー
ミスタＮＴＣの抵抗値は既に小さくなり一方正温度係数
サーミスタＰＴＣの抵抗値は未だ小さく維持されるよう
になっている。

そのため励磁コイル１７′中に第２図−口の如く大きな
電流が生じ、ピストン１９は矢印Ｐの如＜動いてレバー
２１はスロットルレバー１５と係合してこれを多少反時
計方向に回動させる。

かくして、スロットルレバー２１はファーストアイドル
カム８のストッパ面８ａから離れバイメタルＢにはチョ
ーク弁５を更に開放せしめる付勢力が内在しているので
カム８は時計方向に回動するのが許されスロットルレバ
ー１５はこのカム８と合係合から解除される。

ｔ工から所定の短い時間が経過しｔ２に達すると、今度
は正温度係数サーミスタＰＴＣの抵抗値が第２図−イの
１゜で示すように大きくなり励磁コイル中の電流は第２
図−口の如く弱まる。

その結果ピストン１９はＱの如く戻りレバー２１の突起
２１ａはスロットルレバー１５の上端１５ｂから離れ、
スロットル弁７の運動の障害にならないところに待避す
る。

以上述べたように第１図の実施例ではＮＴＣとＰＴＣと
を直列接続してこれらの特性を選択することにより暖機
に対応する時刻ｔ１からちまでの短時間第２図−口の如
く励磁コイル１７′中に電流を生じさせるピストン１９
を駆動ファーストアイドルカム８とスロットルレバー１
５との係合ヲ解除している。

以上のように本考案では暖機後にファーストアイドルカ
ムを駆動するタイマ機構をＰＴＣとＮＴＣとアイドルス
イッチとの直列結果とすることにより、センサを不用と
し、かつ簡単な回路にも係わらず所期の作動を達成する
ことができる。

尚、第１図において高抵抗Ｒは中立検知スイッチＳＷ２
がｂに切替っているとき即ち非アイドル時にソレノイド
１７が駆動されるのを防止する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のファーストアイドル解除装置の全体概
略図、第２図は第１図のソレノイド機構の駆動回路中の
ＮＴＣ及びＰＴＣの抵抗値特性イ、並びに励磁コイル中
の電流特性口。 ７・・・・・・スロットル弁、８・・・・・・ファース
トアイドルカム、１７・・・・・・ソレノイド機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ファーストアイドルカムによって機関低温時のスロット
   ル弁のアイドル位置を規制するようにした気化器におい
   て、スロットル弁をファーストアイドルカムとの係合か
   ら解除すべく解放駆動するソレノイド機構と、該ソレノ
   イド機構を機関が所定暖機状態に到達後短時間励磁する
   駆動回路とを備えた気化器のファーストアイドル解除装
   置において、前記駆動回路は正温度係数サーミスタと、
   負温度係数サーミスタと、エンジンアイドル時ヲ検知し
   オンされるスイッチとの直列接続より構成されるファー
   ストアイドル解除装置。