JPS609263Y2 - 制電性芯地 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、静電気の発生能を抑制した制電性の衣服用
芯地に関するものである。

衣服の静電気は冬期によく問題になる。

とくに金属繊維のような非親水性の繊維からなる衣服で
は、着脱時に不快な放電現象が生じたり、着用中に人体
に蓄電して、ショックを受けたりのトラブルが生じるこ
とがある。

これらの静電気障害を防止するため、布に種々の静電防
止処理を施すことは従来から知られている。

また、ステンレスなどの導電性繊維を混紡した紡積糸を
用いて制電性布はくを構成することも知られている。

しかし、金属繊維などの導電性繊維を混入すると、生地
の表面がきたなくなり、普通の衣服の表地としては使用
できない欠点がある。

この考案は、以上のような従来技術の欠点を解消し、衣
服を制電化するための衣服用芯地を提供することを目的
とするものである。

この考案は、特殊な導電性繊維を混紡、交織、交編、交
ねん、引そろえなどの手段によって混入した衣服用芯地
である。

この考案に使用する特殊導電繊維とは、第３図に示すよ
うにアクリル系の金属繊維１に導電性物質たとえばカー
ボンブラック３を含有する導電性線状重合体２が筋状に
分散させたもので、２０℃、３０％ＲＨ時の見比抵抗が
１０〜Ｉｆｆ’Ω・０の範囲にあるものである。

このような導電性繊維は本願出願人の先行出願は係る特
願昭５１−１８４７咥（特開昭５２−１０３５２５号参
照）に詳述する方法で製造できる。

ステンレス・・・・・・繊維のような金属繊維も制電化
に有効であるが、このようなものを混入した芯地は、縫
製裁断に用いるカッターの刃が著しく摩耗するので実用
的ではない。

この考案の導電繊維は、芯地金体の重量に対して０．１
％以上入っていれば制電性は得られ、混入量が多いほう
が制電効果もよくなるが２０％０％以上入も、それ以上
の効果は発現しない。

したがって、その混入量は、０．１％〜２０％が適当な
範囲である。

この考案の制電性芯地の使用例としては、次のものが有
効である。

（１）紳士、婦人スーツの芯地として用いると、着用に
よって、人体への蓄電を抑制することができる。

第１図は紳士上着の身ごろ芯として用いた場合の実施態
様を示すもので、１３．Ｂ’は制電芯地の断面および平
面の部分を示している。

（２）ワイシャツのえり、カフス部の芯地として用いる
と、シャツのえりがカフスの静電気による汚れ吸着を防
止することができる。

第２図は、ワイシャツえり芯として用いた場合の実施態
様で、Ｄが制電芯地の配置を示している。

（３）和服のえり芯として用いると、静電気による汚れ
吸着を防止することができる。

（４）学生服、礼服などの黒または濃紺の衣服の芯地と
して用いると、この場合は、人体蓄電防止の外に、その
学生服、礼服へのほこり吸着防止効果が得られる。

（５）その他、ネクタイ、帯、スラックスのベルト、ブ
ラウスやジャンパーのえりなどの芯地に使用すると、そ
の部分の静電気によるほこり吸着などのよごれを防止す
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の芯地を上着に用いた状態を示す一
部切断側面図、第２図は、ワイシャツのえり芯に用いた
状態を示す正面図、第３図は、この考案に使用する導電
性繊維を示す斜視図である。 １・・・・・・繊維形成性アクリロニトリル重合体、２
・・・・・・線状重合体、３・・・・・・カーボンブラ
ック、Ａ・・・・・・スーツ表地、３３．Ｂ’・・・・
・・芯地、Ｃ・・・・・・えり、Ｄ・・・・・・芯地。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 繊維形成性アクリロニトリル系重合体中にカーボンブラ
   ックを含有する導電性の線状重合体が繊維軸方向に筋状
   に分散され、かつ、その電気比抵抗が１０〜ｌＣｆ３Ω
   ・０を有する導電性繊維を０．１〜２０重量％含有して
   いる制電性芯地。