JPS607721Y2 - 脱臭装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は安定化二酸化塩素水を密封状に保持して常時は
化学的変化を起こさせない状態に保持して置き、必要に
応じて該安定化二酸化塩素水を通気性物質層上に滴下し
、加温して活性な二酸化塩素気体を遊離させ、臭気含有
気体中に発散させ脱臭することを特徴とする脱臭装置に
係るもので、其の目的とする所は匂のマスキング又は匂
の中和等により悪臭感を減少させるのではなく、根本的
に悪臭物質を変性除去し、より顕著な脱臭効果をあげる
脱臭装置を提供することにある。

従来、匂のマスキング又は匂の中和作用等により消臭が
行なわれているが、この方法は感覚的に悪臭が減少した
様に思わせるに過ぎず、悪臭物質を根本的に除去する効
果は期待することが出来ず、悪臭感を中和減少させるに
足る芳香性物質の併用を必要とした。

従ってその芳香が如何なる種類のものであっても、使用
後に残留し、例えば台所等の消臭用としては此の残留芳
香の為めに利用不適当であり、又夫自体は芳香であって
も之と他の匂、例えば煙草の匂などと混在すると非常に
不快臭に変化し、消臭法として重大な欠点を有するもの
であった。

上記方法に対して悪臭物質を酸化分解し、根本的に脱臭
をする方法も試みられ、例えば二酸化塩素水溶液を悪臭
物質に直接滴下したり、手動スプレーで噴霧化して吹き
かけて脱臭する方法も行なわれており効果をあげている
。

しかしながらこの方法では、該液を直接悪臭物質にふり
かけるか、手動スプレーで噴霧化してふきかけるだけで
あり、脱臭効果面において完壁とはいえないものであっ
た。

本考案者は鋭意研究の結果、簡易でしかもより優れた脱
臭効果をあげる安定化二酸化塩素水を利用した脱臭装置
を考案したものである。

本考案に於いて利用する安定化二酸化塩素水は、米国特
許第３．１２３．５２１号明細書に記載されて公知の化
学物質であり、活性の二酸化塩素に緩衝液を加えてＰＨ
を調節し中性に保つ様にしたもので、長期間保存可能で
あり、単なる二酸化塩素水と異なり、塩素臭も微弱で殆
んど感じない程度であると共に毒性も殆んどなく、５０
０〜１゜ｏｏｏｐｐｍの水溶液としてスプレー等で噴霧
すると、消臭効果をあげ得るものとされているものであ
る。

而し、手動でノズル操作するスプレーでは、噴霧状化が
不充分であり、之を完全化するため、エアゾールにして
フレオン或はメチルエーテルのような常温で気体となり
易い液と混合させておき、操作すると良好な噴霧状化が
出来て好都合である。

面腰エアゾールの罐内でフレオンやメチルエーテル等と
長期間接触させておくと、二酸化塩素と前記の如き有機
物が反応し変質して、脱臭性能を失う惧がある。

そこで結局二酸化塩素水のみを手動スプレーによって噴
霧化する方法をとらざるを得ないのであるが、前記した
様に手動スプレーではその噴霧化が不充分であるため何
回も押圧操作を繰り返す必要があり、用途次第では煩に
耐えず、実施上の難点がある。

殊に最も利用頻度の多いものと想定される便所での用便
後使用の場合においては、殊に其の感を深くするもので
あり、利用価値の少ないものとなる。

更に安定化二酸化塩素自体の脱臭効果について研究する
と安定化二酸化塩素水自体の噴霧状液滴が空気中の悪臭
物質と直接接触して反応するものではなく、安定化二酸
化塩素自体は噴霧状となって空気中を落下している途中
或は落下してから壁面、床などの表面に付着し、二酸化
塩素気体遊離し、その気体が悪臭空気と反応するものと
考えられる。

そうすれば安定化二酸化塩素水を用いて脱臭する場合は
必ずしも夫自体こまかい霧として悪臭空気と接触させる
必要はないものであり、安定化二酸化塩素水から二酸化
塩素気体を効率よく遊離させる装置的な配慮が望まれる
ものである。

この目的達成のためになされたのが本考案であり、即ち
本考案は安定化二酸化塩素水槽と二酸化塩素気体発生装
置からなり、前記気体発生装置には、通気性物質層を設
け、該物質層の下方に加温装置を設け、安定化二酸化塩
素水槽下位に基端発し、該気体発生装置の前記物質層上
に先端を開口する液滴下パイプおよび安定化二酸化塩素
水を圧出させる装置を設け、鉄液を前記物質上に滴下さ
せ加温し、二酸化塩素気体を遊離させて脱臭することを
特徴とする脱臭装置に関するものである。

上記装置において通気性物質層としては、例えば合成繊
維の不織布又は多孔質セラミック板およびブロックの様
な散開程度の通気間隙を介在する表面積の大きい多孔質
体が使用される。

加温装置としては例えば豆電球２又は電気ヒーター２′
の如き物の使用が可能である。

安定化二酸化塩素水を圧出させる装置としては例えば空
気圧入用弾性袋１１又はリターン用スプリング付ポンプ
２１と連動する作動梃杆２３があげられる。

本考案にかかわる脱臭装置においては、通気性物質層の
下方に送風装置を設けたり、加温装置および送風装置と
安定化二酸化塩素水と圧出させる装置とを連動させてお
き、圧出装置を操作すると加熱装置および送風装置が作
動し、一定時間経過後自動的に停止する様設計すること
が可能であり、この様な設計変更とすることにより、よ
り一層顕著、な脱臭効果を奏することが出来る。

本考案実施にあたっては、加熱装置、圧出装置および送
風装置としては公知技術を任意利用して実施すべきであ
る。

以下、実施例をあげて本考案を説明する。

実施例 １ 本実施例は本考案装置の一例であり概略図を第１図に示
す。

１は通気性物質層で合成繊維の不織布又は数量程度の通
気間隙を介在する多孔質体である。

２は豆電球であり電源としては家庭用では１００Ｖ、電
池用としては３■であり、該物質層の下面より内部にか
けて腔隙３を設け、該腔隙内に装備するものである。

４、は該物質層１の支持部材である。

５は該物質層１の上方を被覆する網体で他物が直接該物
質面に接触しないよう保護するもので空気の流通を妨げ
ない程度の粗目なものである。

６は安定化二酸化塩素水、７は該安定化二酸化塩素水槽
下位より基端を発し、前記物質層上に先端を開口する液
滴下パイプ、８は空気層、９は施栓、１０は空気圧入用
パイプで容器内空気層８内に開口する。

１１は空気圧入用弾性袋で空気圧入パイプ基端に連結し
、他端に逆止弁１２付き空気流入口１３を有する。

１４は安定化二酸化塩素水槽である。

尚、前記空気圧入用弾性袋を握縮することにより作動し
、一定時間経過後自動的に停止するスイッチを付設して
置き、豆電球を自動的に操作させる様にするものである
。

之を使用するに当っては空気圧入用弾性袋１１を握縮し
て安定化二酸化塩素水を空気圧縮し容器１４より液滴下
パイプ７を通過して該物質層１上に滴下すると同時に豆
電球に通電し、低温加熱し、物質中に含浸された安定化
二酸化塩素水を二酸化塩素気体として遊離し、之を悪臭
物質含有空気中に発散させるのもので、蕊に於いて空気
中の臭気の原因となる悪臭物質は該活性化した二酸化塩
素との間に化学的変化を起こし、悪臭を除去するもので
あり、顕著な脱臭効果をあげることができる。

尚、本装置実施に当っては送風装置、加熱装置、圧出装
置等としては公知技術を任意利用して実施すべきである
。

実施例 ２ 本実施例は第２図に示すものであり、１′は通気性物質
層で放間程度の空隙を介在する多孔質体、２０は仕切板
で伝熱耐熱性物質より威る。

２′は電気ヒーターの如き発熱体、２１はリターン用ス
プリング付ポンプ、６は安定化二酸化塩素水、８は空気
層、２２は該安定化二酸化塩素水下位に開口するポンプ
の吸込パイプ、７′はポンプの射出パイプで前記の通気
性物質層１′上に安定化二酸化塩素水を滴下させるもの
である。

２３は作動梃杆で基端２４を機枠に軸着し、先端に垂下
する牽引縁２５を牽引することによりポンプを作動させ
得るものである。

本装置を使用した場合の脱臭効果は下記の参考例に示さ
れる通りである。

参考例 空間容積３ｄの水洗便所で大便に使用直後、微熱板上に
置かれた安定化二酸化塩素に耐え得る合成繊維不織布上
に本案装置を操作し安定化二酸化塩素水１ｒＩＬｔを約
３分間滴下した。

用便直後で該液滴下直前および該液滴下３分後の便所内
の空気中の悪臭物質を定量した結果、次表の様な結果を
得た。

以上の結果から本装置を使用した脱臭は悪臭物質を化学
変化によって除去したものであり、しかもその脱臭効果
は従来のものと比較して、格別顕著なものであることが
わかる。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案実施の例を示すもので、第１図は実施
例１の装置の一部断面にした概略側面図、第２図は実施
例２の装置の側面図である。 １．１′・・・・・・通気性物質層、２・・・・・・豆
電球、２′・・・・・・発熱体、３・・・・・・腔隙、
４・・・・・・支持部材、５・・・・・・網体、６・・
・・・・安定化二酸化塩素水、７・・・・・・液滴下パ
イプ、７′・・・・・・射出パイプ、８・・・・・・空
気層、９・・・・・・施栓、１０・・・・・・空気圧入
用パイプ、１１・・・・・・空気圧入用弾性袋、１２・
・・・・・逆止弁、１３・・・・・・空気流入口、１４
・・・・・・安定化二酸化塩素水槽、２０・・・・・・
仕切板、２１・・・・・・ポンプ、２２・・・・・・吸
込パイプ、２３・・・・・・作動梃杆、２４・・・・・
・基端、２５・・・・・・牽引縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 安定化二酸化塩素水槽と二酸化塩素気体発生装置からな
   り、前記気体発生装置には通気性物質層を設け、該物質
   層の下方に加温装置を設け、安定化二酸化塩素水槽下位
   に基端を発し、該気体発生装置の前記物質層上に先端を
   開口する液滴下パイプおよび安定化二酸化塩素水を圧出
   させる装置を設け、該液を前記物質層上に滴下させ、加
   温し二酸化塩素気体を遊離させて脱臭することを特徴と
   する脱臭装置。