JPS605950Y2 - プレス鍛造機における金型装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は型交換が容易なプレス鍛造機における金型装置
に関するものである。

プレス鍛造機における金型の交換は重量が大な型付の型
取付板共々金型ホルダ全体をプレス鍛造機より取外すの
を普通としているが、金型ホルダ全体の重量は極めて大
きいために取扱が厄介であった。

そこで、金型ホルダ全体を取外さずに型付の型取付板を
交換できるようにした考案も種々なされているが、型付
の型取付板だけでも重量が相当あり、特に問題となる上
型の取外しには煩雑な手数を要する不都合があって、上
下の金型交換を容易に行うことかできるプレス鍛造機に
おける金型装置の開発が強く要望されている。

本考案は前記のような要望に応えたプレス鍛造機におけ
る金型装置を目的として完成されたもので、以下、本考
案を図示の実施例について詳細に説明する。

図中１，２は上下の型取付板７，８に取付けられる型で
、該型１，２はその各周面に形成された段部３，４に係
合する固定具５，６をもって該型取付板７，８に固定さ
れている。

そしてこの型取付板７，８にはその後端縁に後記する係
止部１９．２９と係合する突部１１，１２を形成すると
ともに型取付板７，８の前端縁に傾斜付切欠１５．１６
を形成しである。

１７は図示されないラムに取付けられた上方の金型ホル
ダで、その後側下面に形成されたガイド用段部１８の内
側面には前記した型取付板７の後端縁の突部１１を係合
させる係止部１９が設けられ、また、金型ホルダ１７の
前側には凹部２０が形成されて該凹部２０内にはシリン
ダ２１によって進退動されて型取付板７の前端縁を金型
ホルダ１７に向は圧接保持させる油圧クランプ２２が２
組設けられている。

そして、この油圧クランプ２２は回動自在なコ字状のク
ランプ部材２２を有しており、型取付板７の傾斜付切欠
１５および前記した上方の金型ホルダ１７の凹部２０内
に形成されている傾斜付係止部２４に傾斜付係止爪部２
３，２５が係合され、型１付の型取付板７の後端縁の突
部１１を上方の金型ホルダ１７の係止部１９に挿入した
うえ該型取付板７の前端縁を２組の油圧クランプ２２に
よって前方から押圧すれば、各油圧クランプ２２の傾斜
付係止爪部２３．２５が型取付板７を強く上方の金型ホ
ルダ１７の下面に押圧することとなって型１は型取付板
７を介し上方の金型ホルダ１７の下面に強固に固定され
る。

一方、２７は下方の金型ホルダであって、前記したガイ
ド用段部１８と対応するように設けられたガイド用段部
２８の係止部２９に型取付板８の後端縁の突部１２を挿
入したうえシリンダ３１により進退動されて型取付板８
の前端縁を金型ホルダ２７に向は圧接する油圧クランプ
３２のクランプ部材３２′によって前端縁の傾斜付切欠
１６を押圧することにより該型２は型取付板８を介して
下方の金型ホルダ２７に強固に固定される。

また、上下の金型ホルダ１７゜２７の係止部１９．２９
には型変換時に型取付板７．８の後端縁を前方に押し出
す押出シリンダ３３．３４が設けられている。

また、下方の金型ホルダ２７の両側方部の下方位置には
型交換時に上方の金型ホルダ１７より離脱された型１付
の型取付板７が載置された型２付の型取付板８を下方の
金型ホルダ２７より浮き上らせるために、型取付板８の
両側の下面に当接するローラ３６が押上シリンダ３５′
をもって昇降動自在に設けられて搬出補助部３５を構成
している。

なお、上方の金型ホルダ１７のガイド用段部１８の下面
には型１の長手方向に平行な案内溝３８と、これに直交
する案内溝３９とが形成されており、一方、下方の金型
ホルダ２７のガイド用段部２８の上面にはこれに対応す
る突条４０，４１が突設され、これらの案内溝３８，３
９と突条４０，４１とは金型ホルダ１７と金型ホルダ２
７とが接近したときに互いに係合して相互の位置合せを
行なうためのものである。

このように構成されたものは、プレス鍛造機に取付けて
常法によりプレス鍛造を行なうものであるが、型交換を
行なう場合には型１，２間にわずかな隙間が存在する位
置でラムを停止させたうえ上方の金型ホルダ１７の油圧
クランプ２２のシリンダ２１を操作して油圧クランプ部
材２２′を後退させれば、型１付の型取付板７の傾斜付
切欠１５はクランプ部材２２′から離れるから、ここで
上方の金型ホルダ１７の係止部１９に設けられた押出シ
リンダ３３を作動させ、型取付板７の突部１１を押圧し
て上方の金型ホルダ１７の係止部１９から押し出せば、
型１付の型取付板７は上方の金型ホルダ１７から外れて
下方の型２上に落下するので、次に、下方の金型ホルダ
２７の油圧クランプ３２のシリンダ３１を操作して型取
付板８を固定しているクランプ部材３２′を後退させて
型取付板８との係合を解き、該タラップ部材３２′を９
０°回転させたうえ押出シリンダ３４により型１付の型
取付板７が型２上に載せられいる型取付板８を下方の金
型ホルダ２７の係止部２９から押し出し、その後下方の
金型ホルダ２７の両側方部の下方位置に設けられた押上
シリンダ３５′を作動させて型取付板８の両側の下面に
当接するローラ３６を上昇させれば、型１付の型取付板
７共々型２付の型取付板８はローラ３６上に支持されて
下方の金型ホルダ２７より浮き上るから、型１付の型取
付板７と型２付の型取付板８はローラ３６の転動下に同
時にスライドさせて機外に取外すことができ、従って、
金型交換を適確容易に行うことができることとなる。

本考案は前記説明によって明らかなように、上下１対の
型付の型取付板をその後端縁をもって上下の金型ホルダ
の係止部に係合させる一方前端縁を油圧クランプによっ
て金型ホルダに向は圧接保持させるようにしたので、上
下の型は各型取付板を介し各金型ホルダに適確容易に取
付けられるものであり、また、各金型ホルダには型取付
板を係止部から押し出す押出シリンダを設けたので、油
圧クランプによるクラップを外した後に押出シリンダを
作動させることによって重量の大きい上下の型付の型取
付板を容易に各金型ホルダから取り外すことができ、さ
らに、下方の金型ホルダには下方の型付の型取付板を持
上げて金型ホルダより浮き上らせるローラを押上シリン
ダをもって昇降動自在に設けであるので、係止部から押
し出された上方の型付の型取付板は下方の型取付板に取
付けられている型上に載せた状態としてローラにより同
時に容易に機外へ移動させることができるもので、型交
換上極めて便利である。

従って、本考案は従来のプレス鍛造機における金型装置
の不都合な点を除いたものとして実用的価値極めて大な
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は一部切欠
正面図、第２図は一部切欠側面図、第３図は一部切欠平
面図である。 １：型、２：型、７：型取付板、８：型取付板、１７：
金型ホルダ、１９：係止部、２２：油圧クランプ、２７
：金型ホルダ、２９：係止部、３２：油圧クランプ、３
３：押上シリンダ、３４：押上シリンダ、３５：押上シ
リンダ、３６：ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下の金型ホルダ１７．２７に型１，２付の型取付板７
   ，８の後端縁を係合させる係止部１９゜２９と該型取付
   板７，８の前端縁を金型ホルダ１７．２７に向は圧接保
   持させる油圧クランプ２２．３２を設けるとともに該係
   止部１９．２９には該型取付板７，８の後端縁を型交換
   時に前方に押し出す押出シリンダ３３．３４を設け、さ
   らに、下方の金型ホルダ２７の両側方部の下方位置には
   型取付板８の両側の下面に当接するローラ３６を押上シ
   リンダ３５′をもって昇降動自在に設けたことを特徴と
   するプレス鍛造機における金型装置。