JPS6058440B2 - 高汚染廃液貯溜用タンク又は廃液移送パイプの膨張式除染装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は放射性廃液を貯溜する高汚染廃液タンク及び
廃液移送パイプを化学薬品及び電解研摩剤を用いた除染
を行う際に使用する除染液の使用量を極く少量にするた
めの膨張式除染装置に関するものである。

一般に原子力施設の廃液収集タンクや廃液移送ライン
のパイプは、廃液内に含まれる固体或いは水に溶解して
いるイオン性の放射性物質によつて繰り返し汚染され、
汚染が蓄積する。

このため、タンクやパイプの放射線量率が上昇し、メン
テナンス作業時の作業員の被はく線量の増加に直接影響
してくる。このためこれらの付着汚染物を取り除く事は
原子力施設の放射線量率を低下させるので、作業員の被
ばく線量低減にきわめて有効である。 従来の除染作業
は多量の水を使用し、ジエツトクリーニングエ法等によ
り実施されて来た。しかし最近化学除染法や電解研摩法
によつて物理化学的な除染工法が注目されてきたが、原
子力施設では化学薬品の処理能力には限界があり、これ
ら薬品を含む除染液は多くの場合中和されてコンクリー
ト等で、固体廃棄物化し、処理されてきた。この廃液は
中和することによりさらに増量し、これをコンクリート
固化する事はきわめて不経済となるので薬品、水の使用
は極力少なくする事が望まれる。また一方ジエツトクリ
ーニングエ法等の物理的除染工法では、いわゆる完全除
染はむすかしく、金属表面の化学薬品・電解法による研
摩の方がより完全である。 本装置はタンクやパイプを
化学薬品または電解により除染する場合に、タンクやパ
イプ内部に中子を形成して液量の低減を図るもので、建
家内に設置されていて作業空間が狭隘である場合等も考
慮して膨張型にしたものてある。

以下図面を参照して説明する。 第１図〜第２図におい
て１は被除染体の廃液貯溜タンク、２は円筒状の中子で
ある。

中子２は合成コム引布等可とう性を有する材料から成り
、スペーサ３によつてタンク１の内壁との間に一定間隔
を保つている。６は除染液で、タンク１と中子２との間
に注入される。

中子２内には膨張用の流体（図では液体）が上方の５の
部分より注入される。流体としては第１図の場合は浮力
を減殺するため水適当である。除染後廃液は排出ライン
８で回収される。９は電極で化学除染については必要な
いが、電解研摩においては中子２にコイルや金あみ等の
可とう性電極９が巻き付けられ、タンク１側を陽極１０
、中子２の側を陰極１１として電解を行なうようになる
。

第３図は廃液移送バイブ１″における例で、２″は可と
う性中子である。

スペーサは第１図と同様リング状でもよく、この場合は
隣り合うスペーサ相互間が一つの室となつて、その間て
部分除染が可能となる。第３図に例示するように中子２
″に水または空気を入れ膨張させた時に中子２″の一定
間隔毎に突起３″が出るような構造でも良い。使用時に
は第１図と同様に化学除染ではそのままフランジ１３を
ボルトナット１４で取り付け、除染液６を給水口４より
注入して使用する。１５は中子２″に水または空気７を
注入するライン５のシール材である。

これはまた絶縁体でもある。電解除染時には電極１０，
１１をそれぞれ取り付けるが、長いバイブの場合は電流
分布の不均一を防止し、さらに電源容量の減少を図るた
め、電極を数個に分割し遂次電解を行なうようにする。
これには前記したリング状のスペーサが有効である。な
おこの事は前記廃液タンク１の場合にも応用可能てある
。１４は電極の絶縁体である。

１６は排気管で電解除染時に発生するガスのガスぬきで
ある。

以上の構造であるから、廃液貯溜タンク１によつて除染
を行うには第６図の如く除染液をポンプー１８によりサ
クションバイブ１７で吸引し、流量計２１および圧力計
２２の読みから三方弁１９を操作し、バイパス２０によ
つて流量を調整する。

除染液は含有する固形物ならびに金属イオンをフィルタ
ー付浄化装置２３で枦過ならびに浄化し、．戻り管２４
から元にもどされる。除染液が劣化した時は三方弁２５
を操作しバイパス２６より排出し、不足分を別に補充す
る。第７図は廃液移送バイブの場合てあるが、電解研摩
時に発生するガスをぬくためエアーリリース弁２７を設
けエアー抜き管２８から抜くようになつている。

ポンプ１８からサクションバイブ１７で吸引された除染
液はフィルター付浄化装置２３で沖過し、戻り管２４か
ら戻される。以上、本発明は、原子力施設の廃液貯溜タ
ンクならびに廃液移送バイブを化学除染や電解研摩除染
する場合に、タンク又はバイブ内に可とう性の中子を設
け、これらの間に除染液を注入するよう”にしたので、
除染液が極めて少量で所期の目的を達することができる
。

なお電解除染時に電極を分割する事により必要電気容量
を少なくする事ができ、かつ又沖過・浄化設備の併用に
より極めて高い除染効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は廃液貯溜タンクに本発明を実施した轡合の縦断
面図、第２図は第１図の■矢視断面図、第３図は廃液移
送バイブに本発明を実施した場合の縦断面図、第４図は
第３図の■矢視図、第５図は同じくＶ矢視図、第６図及
第７図はタンク及バイブの使用状態を示す。 図において；一 １・・・タンク、１″・・・バイブ、２，２″・・・可
とう性中子、３・・・スペーサ、３″・・・突条、４・
・・給水口、５・・・（空気の）注入ライン、６・・・
除染液、７・・・空気、８・・・排出ライン、９・・・
電極、１０・・・陽極、１１・・・陰極、１２・・・フ
ランジ、１３・・・ボルトナット、１４・・・絶縁体、
１５・・・シール材、１６・・・排気管、１７・・・サ
クションバイブ、１８・・・ポンプ、１９・・・三方弁
、２０・・・バイパス、２１・・・流量計、２２・・・
圧力計、２３・・・フィルター付浄化装置、２４・・・
戻り管、２５・・・三方弁、２６・・・バイパス、２７
・・・リリース弁、２８・・・エアー抜き管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 放射性物質を含有する原子力施設の廃液貯溜用の高汚染
   廃液タンク又は廃液移送パイプ内に流体を充填すること
   によつて膨張可能な可とう性材料よりなる中子を設け、
   タンク又はパイプと可とう性中子との間に除染液を注入
   したことを特徴とする高汚染廃液貯溜用タンク又は廃液
   移送パイプの膨張式除染装置。