JPS6058390B2 - 断熱板 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、断熱効果等が極めて優れ、嵌合部を水密且
つ気密嵌合てきるし、施工性も良好である断熱板に関す
る。

従来より、外表面を金属板とし、内部に断熱材を充填
した断熱板は種々の形状、構造のものが研究、開発され
ている。

その断熱板の多くは金属板が裏面まで連らなつているた
め断熱効果が半減していた欠点があつた。また、断熱板
の板厚（全体・の厚さ）が厚くなると、水密且つ気密的
嵌合ができなかつたりした。また、嵌合等して施工する
のに面倒なものが多い欠点があつた。 そこで、本発明
は、金属板の一側を屈曲して突出条とし、その他側を屈
曲して凹溝とし、このようにした金属板を適宜の間隔を
有して対設し、大凹溝部を中間に形成した側面凹片を、
対設した金属板の両側に適宜の間隔を有して複数固設し
、その側面凹片は熱伝導率の低い材料とし、その金属板
、側面凹片内に断熱材を充填し、この断熱材の両側面に
も大凹溝条を形成したり、或はこれらの断熱板の側面凹
片の大凹溝部の裏面に取付部を形成し、この適宜な取付
部と、表裏面何れかの金属板とを支持杆にて固着し、そ
の金属板外面から支持杆内に内螺子部を螺設したことに
より、特に嵌合する箇所の断熱効果が特に優れたものと
なり、その嵌合部を水密且つ気密的にできるし、組立等
の施工も簡易且つ迅速にでき前記の欠点を解消し、断熱
板を強固に提供できるものである。

次にその構造を図面について説明する。１は金属板であ
つて、中間部は平坦状をなし、この一側が内側面に少し
く屈曲され、この端より外方に突出条２として屈曲形成
されている。

この突出条２は断面Ｕ字状をなし、その先端は鋭角状に
形成されている。その金属板１の他側が一旦内面側に折
返されて、この折返し片と共に凹溝３として屈曲形成さ
れている。この凹溝３に隣接の断熱板の突出条２が嵌合
するように構成されている。このような突出条２凹溝３
を形成した金属板１２枚を所望の間隔（例えば、約３ｃ
ｍ乃至約２０ｃｍ）にして対設されている。その対設し
た金属板１，１の実施例としては、金属板１，１の一側
に突出条２，２を、他側に凹溝３，３を夫々設ける構成
にしたり（第１図乃至第５図、第８図参照）、或は金属
板１，１の両側に突出条２凹溝３の１条づつ形成するよ
うに相互を１８００角を回転させた状態に構成されてい
る（第６図、第７図参照）。４は側面凹片であつて、Ｆ
ＲＰｌ合成樹脂製の熱伝導率の低い材料で構成され、そ
の幅は、対設した金属板１，１の間隔に略相当し、その
中間には大凹溝部５が形成されている。

この大凹溝部５は溝形に形成されたり（第１図乃至第７
図参照）、或はＶ字状に形成されている（第８図参照）
、この大凹溝部５の裏面より平坦状の取付部６が、その
側面凹片４の幅方向に略直角方向に一体的に設けられて
いる（第４図乃至第８図参照）。また、取付部６を設け
ない側面凹片４を使用することがある（第１図乃至第３
図参照）。その側面凹片４は、対設した金属板１，１の
両側端間に、取付部６，６を互いに内向きにして適宜の
間隔をおいて複数固着されている。即ち、一方の側面凹
片４の両側端は、対設した金属板１，１の一側の突出条
２，２内に適宜の間隔をおいて複数嵌合固着され、他方
の側面凹片４の両側端は、その金属板１，１の他側の凹
溝３，３の裏面側を覆うようにして適宜の間隔をおいて
複数嵌合固着されている（第１図乃至第５図、第８図参
照）。また、その側面凹片４，４夫々の両端は、対設し
た金属板１，１の両側に１条づつ設けた突出条２凹溝３
に夫々適宜の間隔をおいて嵌合固着されている（第６図
、第７図参照）。金属板１，１両側の側面凹片４の取付
部６の適宜のものと、表裏面何れか一方の金属板１間に
支持杆７が固着されている。図面では、取付部６と支持
杆７の一端とは螺子８にて螺着され、金属板１と支持杆
７の他端とは接着剤にて貼着されている。また、図示し
ないが、その支持杆７を取付部６に一体形成されること
もある。その金属板１の外面から適宜な支持杆７内部に
内螺子部９が螺設されている。１０は断熱材であつて、
発泡合成樹脂、グラスウール、ロックウール等の材質で
、その対設した金属板１，１側面凹片４，４・・・内に
充填され、これがパネル状に断熱板Ａとして構成されて
いる。

その断熱材１０の両側面の上下の側面凹片４，４間の露
出面には、その大凹溝部５と略同形断面の大凹溝条１１
が、その側面の長手方向に沿つて形成され、その大凹溝
部５大凹溝条１１の夫々凹部が連続して設けられている
（第１図、第３図、第４図、第６図、第８図参照）。こ
の断熱板Ａの板厚は、金属板１，１を一定形状とし、側
面凹片４の幅及び断熱材１０の厚さを適宜変えて所望厚
のものに製造されている。１２は中間断熱材で、隣接す
る断熱板Ａ，Ａの対向する大凹溝部５，５及び大凹溝条
１１，１１て形成される空隙部に介在されるものであり
、この材質は断熱材１０と同等である。

１３はチオコールまたはシリコン等のシーリング材で、
その凹溝３に予め充填されている。

１４は胴縁等の構造材、１５は取付ボルトである。

次に作用効果について説明する。

まず、胴縁等の構造材１４に、断熱板Ａの金属板１を当
接して、構造材１４の孔部から取付ボルト１５を挿入し
て、内螺子部９に螺着し、構造材１４と断熱板Ａとを固
定する。

（第５図、第７図参照）。また、支持杆７及び内螺子部
９が設けられていない断熱板Ａの場合は、ボルトを断熱
板Ａ及び構造材１４に貫通して、ナットを螺着して固着
する（第２図参照）。また、ドリル状のボルトにて断熱
板Ａを構造材１４に固着することもある。次いで、その
断熱板Ａの大凹溝部５及び大凹溝条１１に中間断熱材１
２を当てがい、隣接の断熱板Ａの大凹溝部５及び大凹溝
条１１で、その中間断熱材１２を覆うようにし、このと
き同時に隣接する断熱板Ａ，Ａの側部の対向した突出条
２凹溝３をシーリング材１３を介して水密且つ気密嵌合
し、これらを順次繰り返して壁または屋根を葺成する。
このように特許請求の範囲第１項記載の発明においては
、対設した金属板１，１の両側部間には、熱伝導率の低
い材料の側面凹片４，４を適宜の間隔をおいて複数設け
、且つ断熱材１０を充填したので、表裏面の金属板１，
１は側面凹片４にて、金属部が連続されておらず、外気
の温度変化によつて建物内部の温度が左右されず、極の
て断熱効果の優れたものにできる。

また、外気を遮断できることで、冷橋作用をなくし、室
内面に結露を生じさせないようにできる。また、金属板
１，１の両側に側面凹片４，４・・・を固着したことで
、外力が加わつても、その断熱材１０と金属板１との剥
離するのをなくすことができる。また、本発明では、表
裏面の対設した金属板１，１の両側に突出条２凹溝３を
形成した断熱板としたので、この断熱板相互を突出条２
凹溝３で嵌合すると、嵌合部の表裏面２ケ所を水密且つ
気密性が得られるようにでき、断熱板相互の嵌合箇所の
透湿低抗値を大きくでき、そこの冷橋作用をなくし、良
好な結露防止ができる。さらに、対設した金属板１，１
の両側に、大凹溝部５を中間に形成した側面凹片４，４
を固着し、且つ断熱材１０の両側面にも大凹溝条１１，
１１を形成したので、断熱板相互を突出条２凹溝３で嵌
合すると、大凹溝部５，５及び大凹溝条１１，１１で、
大きな空隙部が形成され、この空隙部は、この両側端の
突出条２凹溝３の水密且つ気密的嵌合にて、外気とは遮
断され−た空気層となり、これが断熱層の役割をなし、
その側面凹片４及び断熱材１０が熱伝導率が低い材質で
あることも相乗的に働らき、その断熱板相互の嵌合箇所
の断熱効果を優れたものにできる。即ち、その嵌合箇所
は水密且つ気密性を有し、防湿．効果及び断熱効果を良
好にでき、特に、冷凍用パネルとして好適である。また
、その突出条２と凹溝３との嵌合は、断熱板相互の嵌合
箇所の表裏２ケ所で行なうため、水密且つ気密性を向上
させることができるし、地震等の振動の捩れ作用に対し
−てもある程度強固にてきるし、その大凹溝部５の形成
で、その側面凹片４の断面係数が増加し、このような断
熱板で壁または屋根等の外囲体を葺成すると強度ある断
熱板にできる。また、本発明では、断熱板の板厚を構成
する側面凹片４の幅及び断熱材１０の厚さを適宜変えて
も、その突出条２凹溝３は、表裏面の金属板１，１の両
側に一体的に屈曲され、突出条２凹溝３夫々の幅は一定
であるため、隣接する断熱板を嵌合するのに、同一幅、
または同一量のシーリング材１３を介して簡単にできる
。このように施工は嵌合するのみであり極めて簡易且つ
迅速にできる。従つて、従来のものでは、断熱板の板厚
が変わると、その都度、シーリング材の幅や量を変えて
、著しく面倒な施工をしなければならなかつたが、本発
明ではこれを一挙に解消できるし、さらに、その板厚が
厚くなると、従来の断熱板では、その突条、凹溝の幅が
大きくなり、シーリング材を押圧する力が分散し、水密
且つ気密嵌合をすることが極めて困難であつたが、本発
明では突出条２凹溝３の幅が一定のため、板厚が厚くな
つても、薄肉にした場合と同様に集中的なりで押圧でき
、水密且つ気密嵌合を良好にできる。また、その断熱板
は、表裏面を金属板１とし、内部に断熱材１０を充填し
たので、防音性及び遮音性が良好となるし、耐火性も好
適なものにできる。また、その断熱板は構成が簡単で、
部材も少なく、量産でき、比較的安価に提供できる。ま
た、第６図、第７図に示すように金属板１，１を互いに
１８０第角回転させたように対設すると、その側面凹片
４は同一形状の部材でよく、部材の省力化が図られ一層
安価に製造できる。また、本発明では、その側面凹片４
を、金属板１，１の両側に適宜の間隔を有して設けたの
で、長尺にしたのに比べて、材料が少なく、安価にでき
る。また、特許請求の範囲第２項に記載した発明におい
ては、側面凹片４の大凹溝部５の裏面に取付部６を設け
、この適宜な取付部６と、表裏面何れかの金属板１とを
支持杆７にて固着し、その金属板１外面から支持杆７内
に内螺子部９を螺設すれば、構造材１４に取付けるのに
、取付ボルト１５等にて内螺子部９に螺着でき、その取
付ボルト１５の一部も、室外面に露出せず、そのボルト
部から外気は伝わらず、断熱性を良好にできるし、冷橋
防止もできる。

また、ボルトの取付孔が断熱板に貫通されないことから
、雨水の浸水も防止できるし、ボルトの一部を室外面に
露出しないことで、室外面を極めて体裁の良いものにで
きる。このようにして施工すると、断熱板の一側のみが
、構造材１４に固着されること）なり、地震による水平
荷重で、パネル状の断熱板夫々にせん断ひずみ的作用が
働いても、その嵌合部の突出条２凹溝３とは互いにずれ
るように動き、その水平荷重を消滅でき、極めて耐震性
の良好な断熱板にできる。また、支持杆７の固着によつ
て、金属板１と断熱材１０との剥離するのを一層確実に
防止できる。また、本発明では、特許請求の範囲第１項
記載の発明の作用効果を当然に奏する。なお、断熱板Ａ
，Ａ相互を嵌合するのに、その隣接する大凹溝部５，５
及び大凹溝条１１，１１間の空隙部に中間断熱材１２を
充填するように構成すれば、大凹溝部５，５及び大凹溝
条１１，１１と中間断熱材１２間の僅かの空隙部は、そ
の中間断熱材１２の周面に沿うようになり、断面からみ
ると適宜屈曲して、長さも長くなり、ここの熱貫流抵抗
が大きくなり、熱伝導率も極めて低くなることから、断
熱板Ａ，Ａ相互の嵌合箇所の断熱効果を一層向上させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例の斜視図、第２図、第３図
は本発明の第１実施例による嵌合状態を示す断面図、第
４図は本発明の第２実施例の斜視図、第５図は本発明の
第２実施例による嵌合状態を示す断面図、第６図は本発
明の第３実施例の一部切除した斜視図、第７図は第３実
施例の嵌合状態を示す断面図、第８図は本発明の第４実
施例の斜視図である。 １・・・・・・金属板、２・・・・・・突出条、３・・
・・・・凹溝、４・・・・・・側面凹片、５・・・・・
・大凹溝部、６・・・・・・取付部、７・・・・・・支
持杆、９・・・・・・内螺子部、１０・・・・・断熱材
、１１・・・・・・大凹溝条である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金属板１の一側を屈曲して突出条２とし、その他側
   を屈曲して凹溝３とし、このようにした金属板１、１を
   適宜の間隔を有して対設し、中間に大凹溝部５を形成し
   た側面凹片４を、対設した金属板１、１の両側に適宜の
   間隔を有して複数固着し、その側面凹片４は熱伝導率の
   低い材料とし、その金属板１、１側面凹片４、４内に断
   熱材１０を充填し、この断熱材１０の両側面にも大凹溝
   条１１、１１を形成したことを特徴とした断熱板。 ２ 金属板１の一側を屈曲して突出条２とし、その他側
   を屈曲して凹溝３とし、このようにした金属板１、１を
   適宜の間隔を有して対設し、中間に大凹溝部５を形成し
   、且つこの大凹溝部５の裏面に取付部６を形成した側面
   凹片４を、対設した金属板１、１の両側に適宜の間隔を
   有して複数固着し、その側面凹片４は熱伝導率の低い材
   料とし、金属板１、１の両側の適宜な側面凹片４の取付
   部６と、表裏面何れかの金属板１とを支持杆７にて固着
   し、その金属板１外面から支持杆７内に内螺子部９を螺
   設し、金属板１、１側面凹片４、４内に断熱材１０を充
   填し、この断熱材１０の両側面にも大凹溝条１１、１１
   を形成したことを特徴とした断熱板。