JPS6056763B2 - 耐食性焼結部品及びその製造法 - Google Patents
耐食性焼結部品及びその製造法Info
- Publication number
- JPS6056763B2 JPS6056763B2 JP11720978A JP11720978A JPS6056763B2 JP S6056763 B2 JPS6056763 B2 JP S6056763B2 JP 11720978 A JP11720978 A JP 11720978A JP 11720978 A JP11720978 A JP 11720978A JP S6056763 B2 JPS6056763 B2 JP S6056763B2
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- corrosion resistance
- corrosion
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Description
【発明の詳細な説明】
焼結部品の耐食性は、焼結体が本質的に有する空孔の
存在の為に、腐食性雰囲気と接する反応界面面積が、同
じ体積においてもはるかに広く、又表面より内部へ連結
した微細な空孔が毛細管の役割を果して、腐食性の溶液
を容易に内部にまで吸収、しかも多くの場合空孔は不規
則なパイプ形状である為いわゆるインク壺型の部品にお
いて液体が溜りやすい等の原因によつて、従来大きな問
題点であつた。
存在の為に、腐食性雰囲気と接する反応界面面積が、同
じ体積においてもはるかに広く、又表面より内部へ連結
した微細な空孔が毛細管の役割を果して、腐食性の溶液
を容易に内部にまで吸収、しかも多くの場合空孔は不規
則なパイプ形状である為いわゆるインク壺型の部品にお
いて液体が溜りやすい等の原因によつて、従来大きな問
題点であつた。
耐食性を改善するには、材質自身を耐食性の優れたもの
に変更する方法、空孔を減らす為に鍛造圧縮等も加える
方法、樹脂を含浸させて封孔する方法、表面にメッキを
施す方法、等が考えられたが、いずれも得られる性能と
必要とする経費の点から問題があつた。 本発明は、こ
れらの問題点を解決する経済性に優れた、製造された耐
食性焼結部品とその製造法を供するものてある。即ち、
材質自身を耐食性に優れたものとすること、表層空孔を
封孔すること、耐食性に優れた表面被膜を形成させるこ
とによつて構成される方法と、この方法によつて製造さ
れた耐食部品が著るしく耐食性に優れることを見い出し
、しかもこの特性が極めて経済的に得られることを確認
したものである。 まず、素材自身の耐食性について説
明する。
に変更する方法、空孔を減らす為に鍛造圧縮等も加える
方法、樹脂を含浸させて封孔する方法、表面にメッキを
施す方法、等が考えられたが、いずれも得られる性能と
必要とする経費の点から問題があつた。 本発明は、こ
れらの問題点を解決する経済性に優れた、製造された耐
食性焼結部品とその製造法を供するものてある。即ち、
材質自身を耐食性に優れたものとすること、表層空孔を
封孔すること、耐食性に優れた表面被膜を形成させるこ
とによつて構成される方法と、この方法によつて製造さ
れた耐食部品が著るしく耐食性に優れることを見い出し
、しかもこの特性が極めて経済的に得られることを確認
したものである。 まず、素材自身の耐食性について説
明する。
焼結鉄素材は、必要な強度を満す為に合金元素を必要と
するばかりでなく、適切な添加元素によつて耐食性が改
善出来ることは衆知の通りてある。例えばNiNCrは
、その代表例であつて、いわゆるステンレスはこの合金
元素の為に極めて優れた耐食性を有している。しかし乍
ら、このような合金は高価であるばかりでなく、焼結部
品としては製造するのが難しく、実用上適用出来る範囲
は限定されている。さて焼結合金組織に異種金属や合金
元素濃度の偏析があると腐食電位の差によつて容易に電
池を形成し、その結果急速に腐食が進行することが知ら
れているが、本発明ではまずその様な異種金属、例えば
CU,,Nl等の添加をせず、出来るだけ一相の合金を
得ることを考えた。その結果、S1が適切であることを
見い出し、同様に炭素が、型押成形工程や焼結工程にお
いて著るしく重要であることを見い出した。
するばかりでなく、適切な添加元素によつて耐食性が改
善出来ることは衆知の通りてある。例えばNiNCrは
、その代表例であつて、いわゆるステンレスはこの合金
元素の為に極めて優れた耐食性を有している。しかし乍
ら、このような合金は高価であるばかりでなく、焼結部
品としては製造するのが難しく、実用上適用出来る範囲
は限定されている。さて焼結合金組織に異種金属や合金
元素濃度の偏析があると腐食電位の差によつて容易に電
池を形成し、その結果急速に腐食が進行することが知ら
れているが、本発明ではまずその様な異種金属、例えば
CU,,Nl等の添加をせず、出来るだけ一相の合金を
得ることを考えた。その結果、S1が適切であることを
見い出し、同様に炭素が、型押成形工程や焼結工程にお
いて著るしく重要であることを見い出した。
何故なら、Siを固溶することによつて鉄は硬化し、粉
末粒子が成形金型の摩耗を促進させるが、炭素の存在に
よつて、それぞれ防止することが出来る。又Siは易酸
化性元素である為、焼結中の酸化が問題てあるが、炭素
の存在によつて、この酸化も顕著に防止することが出来
る。さて次に封孔処理てあるが、従来実施されてきた処
理法は空孔に樹脂を含浸させる方法、ショットピーニン
グ等によつて表面の目つぶしを行う方法、メッキをする
方法等であるが、いずれも高価な処理であつたり、効果
が小さかつた。
末粒子が成形金型の摩耗を促進させるが、炭素の存在に
よつて、それぞれ防止することが出来る。又Siは易酸
化性元素である為、焼結中の酸化が問題てあるが、炭素
の存在によつて、この酸化も顕著に防止することが出来
る。さて次に封孔処理てあるが、従来実施されてきた処
理法は空孔に樹脂を含浸させる方法、ショットピーニン
グ等によつて表面の目つぶしを行う方法、メッキをする
方法等であるが、いずれも高価な処理であつたり、効果
が小さかつた。
一方焼結部品独自の処理方法として、水蒸気処理による
酸化鉄被膜形成法があるが、従来のやり方では耐食性の
優れた被膜を形成させ、かつ封孔処理を行う為には、7
0℃以下で数時間以上の処理が必要であり、しかもバラ
ツキが大きかつた。しかるに本発明では、表面空孔を封
孔するには570〜620℃の温度範囲において、短時
間の処理によつて充分大きな効果があることを見い出し
、しかも従来この温度範囲では劣るとされていた酸化鉄
被膜の耐食性を改善することによつて従来にない優れた
特性を得ることが出来た。即ち、表面酸化鉄被膜を形成
させる場合に、素地鉄中に固溶させたSiも同時に酸化
させ、SiO2の−被膜を同時に形成させることによつ
て、著るしく耐食性を改善出来ることを見い出した。
酸化鉄被膜形成法があるが、従来のやり方では耐食性の
優れた被膜を形成させ、かつ封孔処理を行う為には、7
0℃以下で数時間以上の処理が必要であり、しかもバラ
ツキが大きかつた。しかるに本発明では、表面空孔を封
孔するには570〜620℃の温度範囲において、短時
間の処理によつて充分大きな効果があることを見い出し
、しかも従来この温度範囲では劣るとされていた酸化鉄
被膜の耐食性を改善することによつて従来にない優れた
特性を得ることが出来た。即ち、表面酸化鉄被膜を形成
させる場合に、素地鉄中に固溶させたSiも同時に酸化
させ、SiO2の−被膜を同時に形成させることによつ
て、著るしく耐食性を改善出来ることを見い出した。
以下実施例と共に説明する。
C=1.6%、Sj=2.3%残部実質的に鉄である焼
結合金を公知の粉末冶金的方法によつて得た。
結合金を公知の粉末冶金的方法によつて得た。
本.焼結体の密度比は87%であつた。更に、水蒸気中
雰囲気中で600℃2紛保持した後室温まで冷却した。
この表面部分の結晶構造を調べる為X線回折分析を行つ
た結果が第1図である。酸化鉄とともにSiO2が明ら
かに形成されていることが確認さ・れる。又この試料の
内部につながる連続空孔がどの程度封孔されたかを調査
する目的で、含油率(連続空孔率)を測定したところ、
0.3%てあつた。このことから、封孔は殆ど完全に行
なわれたことが確認出来る。
雰囲気中で600℃2紛保持した後室温まで冷却した。
この表面部分の結晶構造を調べる為X線回折分析を行つ
た結果が第1図である。酸化鉄とともにSiO2が明ら
かに形成されていることが確認さ・れる。又この試料の
内部につながる連続空孔がどの程度封孔されたかを調査
する目的で、含油率(連続空孔率)を測定したところ、
0.3%てあつた。このことから、封孔は殆ど完全に行
なわれたことが確認出来る。
一方、従来法に従つて、Fe−0.5%C焼結体を同一
条件で水蒸気処理した試料を60℃飽和水蒸気中で耐食
試験を行つた結果、著るしい赤錆の発生をみたが、本発
明による方法では全く錆の発生を確認することが出来な
かつた。
条件で水蒸気処理した試料を60℃飽和水蒸気中で耐食
試験を行つた結果、著るしい赤錆の発生をみたが、本発
明による方法では全く錆の発生を確認することが出来な
かつた。
以上の結果から、本発明が従来のものよりも優れている
ことが明らかである。
ことが明らかである。
Siは、1.2%以下であると耐食性向上への効果が少
く、3%以上になると硬化による影響がある為、本範囲
でなければならない。
く、3%以上になると硬化による影響がある為、本範囲
でなければならない。
Cは、Siの添加による金型摩耗の救済と焼結性の改善
から0.8%以上必要であるが、2%を超すとかえつて
強度を低下させる等悪影響がある為、本範囲でなければ
ならない。
から0.8%以上必要であるが、2%を超すとかえつて
強度を低下させる等悪影響がある為、本範囲でなければ
ならない。
焼結体の密度比は、85%以下では、後工程での封孔処
理が不完全になりやすく、93%以上では焼結体自身を
製造するのが困難てある為、本範囲内であることが必要
である。
理が不完全になりやすく、93%以上では焼結体自身を
製造するのが困難てある為、本範囲内であることが必要
である。
水蒸気処理温度は、570℃以下では酸化膜形成速度が
著るしく遅くなり、620′C以上では脆弱なFeq酸
化鉄を多量に形成する為に本範囲てなければならない。
著るしく遅くなり、620′C以上では脆弱なFeq酸
化鉄を多量に形成する為に本範囲てなければならない。
保持時間は、1紛以下ては、被膜形成が充分でなく、6
紛以上では反応が飽和して意味がない為、本範囲である
ことが必要である。実施例2、実施例1と同じ条件て製
造した焼結合金を560′C3hr水蒸気雰囲気中で処
理した結果、含油率は3%あり、前記と同様の耐食試験
において錆の発生を認めた。
紛以上では反応が飽和して意味がない為、本範囲である
ことが必要である。実施例2、実施例1と同じ条件て製
造した焼結合金を560′C3hr水蒸気雰囲気中で処
理した結果、含油率は3%あり、前記と同様の耐食試験
において錆の発生を認めた。
即ち、本発明による材質においても、含油率が1%を超
えると、反応界面積が大となり耐食性が劣る。又逆に0
.1%以下の含油率を得るのは経済性の上で問題がある
為、本発明の範囲が必要である。実施例3 粉末成形体を650℃3紛焼結脱ろう後実施例1と同一
条件の水蒸気処理を行なつたところ、得られた部品は高
温で焼結された部品と同等の耐食性を示した。
えると、反応界面積が大となり耐食性が劣る。又逆に0
.1%以下の含油率を得るのは経済性の上で問題がある
為、本発明の範囲が必要である。実施例3 粉末成形体を650℃3紛焼結脱ろう後実施例1と同一
条件の水蒸気処理を行なつたところ、得られた部品は高
温で焼結された部品と同等の耐食性を示した。
即ち、表層に緻密に形成された酸化皮膜によつて強固な
固結が得られている。ここで550℃は脱ろうに必要な
最低温度てあり、750℃は焼結時のセメンタイト析出
を防く最高温度である。以上の結果から、本発明が耐食
性に優れた焼結部品およびその製造法を供する極めて有
用なものであることは明らかである。
固結が得られている。ここで550℃は脱ろうに必要な
最低温度てあり、750℃は焼結時のセメンタイト析出
を防く最高温度である。以上の結果から、本発明が耐食
性に優れた焼結部品およびその製造法を供する極めて有
用なものであることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明部品のX線回折分析の結果を示す模式図
である。
である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量パーセントでC:0.8〜2.0%、Si:1
.2〜3.0%残部実質的に鉄である焼結合金であつて
、表面にFe_3O_4及びSiO_2被膜を有し、連
続空孔率が0.1%〜1%であることを特徴とする耐食
性焼結部品。 2 重量パーセントでC:0.8〜2.0%、Si:1
.2〜3.0%残部実質的に鉄である密度比85〜93
%の焼結合金を、水蒸気雰囲気中で570〜620℃、
10〜60分保持することによつて製造することを特徴
とする耐食性焼結部品の製造方法。 3 重量パーセントでC:0.8〜2.0%、Si:1
.2〜3.0%残部実質的に鉄である粉末成形体を55
0〜750℃の温度範囲において焼結、脱ろうし、密度
比85〜93%の焼結合金を得ることを特徴とする前記
第2項記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11720978A JPS6056763B2 (ja) | 1978-09-21 | 1978-09-21 | 耐食性焼結部品及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11720978A JPS6056763B2 (ja) | 1978-09-21 | 1978-09-21 | 耐食性焼結部品及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5544542A JPS5544542A (en) | 1980-03-28 |
JPS6056763B2 true JPS6056763B2 (ja) | 1985-12-11 |
Family
ID=14706083
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11720978A Expired JPS6056763B2 (ja) | 1978-09-21 | 1978-09-21 | 耐食性焼結部品及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6056763B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10673006B2 (en) | 2017-09-20 | 2020-06-02 | Samsung Display Co., Ltd. | Organic light emitting device and display device including the same |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5830012A (ja) * | 1981-08-17 | 1983-02-22 | 日本電信電話株式会社 | 通信ケ−ブルの電磁誘導防護構造 |
-
1978
- 1978-09-21 JP JP11720978A patent/JPS6056763B2/ja not_active Expired
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10673006B2 (en) | 2017-09-20 | 2020-06-02 | Samsung Display Co., Ltd. | Organic light emitting device and display device including the same |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5544542A (en) | 1980-03-28 |
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