JPS6056577B2 - 真空取鍋脱ガス装置のガス供給用コネクタ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は溶鋼の真空脱ガス精錬に使用される真空取鍋
脱ガス装置のガス供給用コネクターに関する。

真空取鍋脱ガス装置は、第１図に示すように、通常、
ポーラスプラグ１を底部に備えた取鍋２を 真空容器３
（排気設備は図示せず）内に設置して、取鍋２内の溶鋼
を脱ガス精錬するものてあり、転炉や電気炉で粗脱炭さ
れた溶鋼を取鍋２に受鋼したあと、真空容器３内のセッ
ト台８、８’にこの取鍋２をセットするようになつてい
る。

このセット時またはセットをはずす時には、ポーラスプ
ラグヘのガス供給管の接続または切り離し作業を行なわ
ねばならない。 従来、このガス供給管の断続には、例
えば銅製の変形可能なパイプからなる継手９（第１図）
が用いられていた。

しかし、このような継手９を用いる場合には、作業が人
力となるし、ポーラスプラグ１に接続しかつ取鍋２に固
定されるガス供給管４の取り得る長さに限度があり、し
かも真空容器３に気密挿入されたガス導入パイプ５との
接続を溶鋼が存在する取鍋２の近傍で行なわなければな
らないので、高温条件下での危険かつ作業性のわるい作
業となつていた。また、この継手９自体が溶鋼の副射熱
やスプラッシュの飛散により損傷’を受け、トラブルの
原因ともなつていた。 このような問題に対処するため
に、本発明者らは、実願昭５０−１７６３５６号におい
て、取鍋セット台８の上端面にガス導入バイブ５の上端
部を開口させ、取鍋側のガス供給管４の上端部を該ガス
導入バイブの位置で開口するようにして、両者を接続す
る装置を提案した。しかし、この場合にも、取鍋セット
台８と取鍋本体２が接触する部分１０は、耐熱性パッキ
ンでシールされているとは言え、両者の水平度にわずか
の狂いが生じても、シールが不完全となつてリークが生
じたり、また、取鍋本体２を吊り上げるさいに、ガス導
入バイブ５にガス残圧があると、この耐熱性パッキンが
変位したり外れたりするトラブルがしばしば生じていた
。さらに、取鍋セット台８の上部面積はそれ程大きくな
いので、取鍋セット時のセンター合わせが厳しくなり、
作業効率の面でも、一層の改善が望まれていた。本発明
は、このような真空取鍋脱ガス装置のガス供給用コネク
ターの安全性、確実性、作業性、耐久性等を向上せしめ
るべくなされたもので、その要旨とするところは、図面
の実施例に示す如く、ポーラスプラグ１を備えた取鍋２
を真空容器３内に設置して取鍋２内の溶鋼を脱ガス精錬
するための真空取鍋脱ガス装置において、ポーラスプラ
グ１に接続しかつ取鍋２に固定されたガス供給管４の端
部と真空容器３に固定されたガス導入バイブ５の端部と
のいずれか１方の端部にブラケット６を装着せしめると
共に他方の端部にシリンダー７を装着せしめ、このブラ
ケット６とシリンダー７とのいづれか１方または両方に
弾性手段を介在させることによつて両者を弾力的に接合
させるようにした真空取鍋脱ガス装置のガス供給用コネ
クターにある。

第２図〜第６図の実施例に従い具体的に説明すると、第
２図は、ポーラスプラグ１に接続しかつ取鍋２に固定さ
れたガス供給管４の端部にブラケット６を、そして真空
容器３に固定されたガス導入バイブ５の端部にシリンダ
ー７を装着して、このブラケット６とシリンダー７を水
平面に沿つて相互の開口部を重ね合わせて接合した状態
を概略的に示している。

すなわち、ガス導入バイブ５の端部にシリンダ−７をそ
の開口部を上にして装着させ、このシリンダー７の開口
部の上に、ガス供給管４の端部に取付けたブラケット６
を載置し、ブラケット６の底部の開口部を通じてガスの
導通を行なうようにした態様を示している。本発明は、
このようなシリンダー７とブラケット６とのいづれか１
方または両方に弾性手段を介在させることによつて両者
を弾力的に接合させることに大きな特徴がある。そして
、真空容器３内のセット台８，８″に取鍋本体２をセッ
トするさいに、第２図に示すように、セット台８，８″
と取鍋本体２との間隙ａよりも、ブラケット６とシリン
ダー７との間隙ｂの方が小さくなるようにしておく。こ
れによつて、取鍋本体２を取鍋セット台８，８″にセッ
トするさい、先ずブラケット６とシリンダー７が嵌合し
、次いで取鍋本体２と取鍋セット台８，８″とが接触す
ることになり、弾性手段の介在によつてシールも完全に
なされることになる。第３図および第４図は、シリンダ
ー側に弾性手段を介在させた例を示す。第３図において
、ケーシング１１内に上下に摺動するシリンダー７を挿
入し、このシリンダー７内にスプリング１２を介装する
ことによつてシリンダー７に上向きの押圧を与えた構成
を示す。

ガス通路は、ガス導入バイブ５に通する内管１３をこの
シリンダー７内に設け、その開放端１４をシリンダー７
の天盤１５に設けることによつて形成されている。なお
、第３図において、１６は耐熱性パッキンを示し、１７
はストッパーである。取鍋２に固定されたガス供給管４
に取付けられるブラケット６は、このシリンダー７の上
部に、パッキン１６を介して、載置されるのであるが、
その水平度が若干移動しても、シリンダー７にはスプリ
ング１２による上向きの弾圧が付与されているので、取
鍋２をセットするさいにブラケット６と接触して両者の
気密は完全に確保される。ここで、取鍋全体の自重は取
鍋セット台８，８″で受けるのであるが、この取鍋全体
の自重を、スプリング１２の押圧に抗して所定の距離だ
けシリンダー７を押し込むに必要なりとして利用するの
てあり、これによつてブラケット６とシリンダー７の気
密性が完全に確保されることになる。第４図は、第３図
の例のスプリング１２を複数本のスプリング１２ａ，１
２ｂとした以外は、実質上第３図の例と同様の構造を示
す。

この場合も、第３図と同様、ブラケット６（第２図）の
水平度が若干変動しても気密は完全に確保される。第５
図および第６図は、耐熱性パッキン１６の取付状態を示
す拡大断面図であり、パッキン１６の断面形状を、図例
のように張り出し部１７を有する形状とし、この張り出
し部１７に押え板１８（押え金枠またはスナップリング
）を取り付けた状態を示している。このパッキン取付構
造により、取鍋２を吊り上げてブラケット６との接合を
解いた場合に、ガス導入バイブ５に残圧があつても、こ
のパッキン１６が外れるのを防止できる。このようにし
て、本発明の弾性手段を備えたシリンダーとブラケット
からなるコネクターによると、接続作業に人力を要する
ことなく安全かつ確実に、セットされた取鍋内溶鋼にガ
スを供給できる。下記の第１表は、４０トン規模の真空
取鍋脱ガス装置の稼動実積において、第１図の従来例と
第２図の本発明例を比較したものである。第１表におけ
る各数値は、何れも６ケ月間の稼動の平均値を示してい
る。この結果から明らかなように、本発明による場合に
は、接続作業員が不要化して接続作業時間が実質上無く
なり、しかも、トラブルなく、半永久的な耐用を示して
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図は真空取鍋脱ガス装置の概略断面図で、従来のガ
ス供給コネクターを使用した状態を示し、第２図は第１
図同様の概略断面図で、本発明のガス供給コネクターを
使用した状態を示している。 第３図は本発明のガス供給コネクターのシリンダー部の
詳細断面図、第４図は本発明のガス供給用コネクターの
シリンダー部の他の例を示す断面図、第５図は耐熱性パ
ッキン取付部の拡大断面図、第６図は耐熱性パッキン取
付部の他の例を示す拡大断面図である。１・・・・・・
ポーラスプラグ、２・・・・・・取鍋、３・・・・・・
真空容器、４・・・・・・ガス供給管、５・・・・・・
ガス導入バイブ、６・・・・・・ブラケット、７・・・
・・ウリンダー、１２・・スプリング、１６・・・・・
・耐熱性パッキン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ポーラスプラグ１を備えた取鍋２を真空容器３内に
   設置して取鍋２内の溶鋼を脱ガス精錬するための真空取
   鍋脱ガス装置において、ポーラスプラグ１に接続しかつ
   取鍋２に固定されたガス供給管４の端部と真空容器３に
   固定されたガス導入パイプ５の端部とのいずれか一方の
   端部にブラケット６を装着せしめると共に他方の端部に
   シリンダー７を装着せしめ、このブラケット６とシリン
   ダー７とのいづれか１方または両方に弾性手段を介在さ
   せることによつて両者を弾力的に接合させるようにした
   真空取鍋脱ガス装置のガス供給用コネクター。 ２ 弾性手段はスプリングである特許請求の範囲第１項
   記載のガス供給用コネクター。