JPS605630B2 - 表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、低電圧で動作可能な新規なネマチック液晶組
成物を用いた表示装置に関する。

本発明の目的は、誘導異方性が正のネマチツク液晶組成
物を２枚の電極基板間にねじれ配列するように封入し、
このネマチック液晶組成物に電界を印加する手段および
偏光フィルターを組み合わせた表示装置に最適な、広い
ネマチック液晶相温度範囲を有し、さらに大きな正の誘
電異方性を有する新規なネマチック液晶組成物を提供す
ることにある。

前記表示装置は、次のような構成になっている。

ネマチック液晶組成物を表面にモザイク状または数字セ
グメント形状の透明電極を形成した２枚の電極基間に封
入するにあたって、電極基板の表面をガーゼ、木綿、脱
紙綿等でこすったり、テフロン等を蒸着してからこする
、あるいは傷つけることにより、ネマチツク液晶組成物
の分子を電極基板表面のこすられた方向にそって配列さ
せることができる。したがってガーゼ、木綿等でこすっ
た方向が互いに直交するように、２枚の電極基板を対向
させ、ネマチック液晶組成物をその間に封入すると、封
入されたネマチック液晶組成物の分子は、２枚の電極基
板で連続的に約９０度ねじれた形に配列し、入射光に対
して約９０度の旋光能をもつようになる。この旋光能を
もつ液晶表示セルを２枚の偏光フィルターで上下から挟
むと、２枚の偏光フィルターの偏光軸が互いに直交して
いるときは、間に挟まれた液晶表示セルの旋光能により
光は透過する。逆に、偏光軸を平行にすると光は遮断さ
れる。ここで、間に封入されているネマチック液晶組成
物に電界を印加すると、正の誘電異万性を有するネマチ
ツク液晶組成物は、分子の最軸方向が電界に平行に配列
させられて複屈折性を失なうため、旋光能がなくなって
等方性液体と同じ光学的性質となる。すなわち、電界が
印加された領域は、偏光軸が直交している場合は光が遮
断「平行の場合は光が透過し、電気光学表示が可能とな
る。このような表示装置に用いられるネマチツク液晶組
成物は、譲雷異方性が正でなければならない。

譲露異方性が正のネマチック液晶組成物とは、液晶分子
内の分極が分子の長藤方向に起こり、電界の印加により
分子の長軸が電界方向に一致するものを言う。これまで
このような表示装置に用いられてきたネマチック液晶組
成物は、次の構造式で示されるようなシッフ型あるいは
ェステル型の液晶化合物を主成分とするものがほとんど
である。

しかしこれらの液晶化合物は「化学的な安定性に乏しく
、光・湿度等により容易に分解するという欠点を有して
いた。

本発明は、このような欠点のない液晶化合物を混合して
なる新規なネマチック液晶組成物を用いたことを特徴と
するものである。

一方、このような表示方式においては、誘電異周知の如
く、これらの各成分を単一の化合物に分離することは実
質的に不可能であるため、以下の説明ではアゾキシ化合
物として記載するが、それらはいずれも上記二成分の混
合物を示すものである。

表１および表２に、本発明に用いる液晶化合物方性△ご
と動作閥値電圧Ｖ比との間には次のような関係があるこ
とが知られている。

Ｖｔｈはノｋ／△ど △ごニご１１−ご↓ご↓、ご１
・は、それぞれ分子の長藤と直角方向、平行方向の誘電
率を示す。

したがって、△ごが１０〜１２崖度となるようにネマチ
ック液晶組成物を調合すれば、１．別で動作可能な表示
装置が得られる。

本発明の表示装置に用いる新規なネマチツク液晶組成物
は、下記構造式Ａで表わされる化合物と下記構造式Ｂで
表わされる化合物との混合物を母体としたものである。

（但し、Ｒ，は炭素数２または４の直鎖アルキル基、炭
素数６の直鏡アルコキシ基、炭素数６〜８の直鎖アルカ
ノィルオキシル基もしくは炭素数５または６の直鎖アル
コキシカルボニルオキシ基を表わす。）（但し、Ｒ２は
炭素数５〜７の直鎖アルキル基もしくは炭素数６の直鎖
アルコキシ基を表わす。

）なお、構造式Ａで表わされるアゾキシ化合物は、一般
に下記の構造式で表わされる二成分の混合物として存在
している。の温度特性を示す。

なお、表中、Ａ欄は固体ーネマチック液晶相転移温度（
〇０）を、Ｂ欄はネマチック液晶相一等方性液体転位温
度（℃）をそれぞれ示し、いずれも微小融点測定装置で
昇温時の転移温度を測定したものである。表 １ 表 ２ 上言己ァゾキシタィプの化合物Ａは、△ごが１４〜１５
ときわめて大きいネマチック液晶化合物であるが、ネマ
チック液晶相温度範囲が室温よりもかなり高いところに
ある。

これに対し上記ビフェニールタィプの化合物Ｂは、△ご
が１仮前後と少し小さくなるが、ネマチック液晶相温度
範囲は室温付近にある。したがって化合物Ａおよび化合
物Ｂを漁合することによって、一２０〜９０ｑｏという
広いネマチック液晶相温度範囲を有し、かつ低電圧で動
作可能なネマチック液晶組成物が得られる。表３にこの
ようなネマチツク液晶組成物の例とその特性、およびこ
の組成物を用いた表示装置の具体的特性を示す。表 ３
表３において、ｍ．ｐ．は固体−ネマチツク液晶相転温
度（００）を、ＣＩ．ｐ．はネマチック液晶相−等万性
液体転移温度（℃）をそれぞれ示し、いずれも微小融点
測定装置で昇温時の転移温度を測定したものである。

また△ごは誘電異万性を、Ｖｔｈは液晶組成物を８仏の
空隙を有する液晶表示セルに封入して駆動した時の闇値
電圧（Ｖ）をそれぞれ示す。本発明は、上記化合物Ａと
化合物Ｂの混合物をベースとして、これに他の化合物を
加えても同機の効果が得られる。

例えば譲亀異方性が負の構造式がなどで表わされる化合
物を加えることにより、ネマチツク液晶相温度範囲をさ
らに広げることが可能である。

以上述べた如く、本発明による新規なネマチック液晶組
成物は、低電圧動作用の液晶表示装置にきわめて有益で
ある。

特に１．５Ｖ動作可能であるということは、腕時計を始
めとする各種計測機器の表示に用いる際に、設計上きわ
めて有利となる。腕時計の場合を例にとると、これまで
の電子腕時計においては、第１図のブロック図に示すよ
うに、表示菱贋の駆動電圧が、電池電圧である１．５Ｖ
よりも高いために、常に昇圧回路を使わなければならな
かった。しかるに本発明による表示装置では、その必要
が全くなく、合理的な設計が可能となると共に、コスト
的にもきわめて有利となる。なお、本発明による表示装
置を使用するにあたっては、表示効果を大きくするため
に、背面に鏡面をつや消ししたような散乱反射板を設置
することが重要である。

また、腕時計のように屋外で直射日光にさらされるよう
なものについては、ネマチツク液晶組成物が吸収するよ
うな波長の光をカットする吸収フィルターを設けること
が必要である。本発明における表示装置は、上記の腕時
計を始めとして、携帯用電子式卓上計算機、ｐＨメータ
ー、マルチメーター、ストップウオッチ、クロツク等に
も応用できる。

図面の簡単な説明第１図は、従来の電子腕時計のブロッ
ク図を示す。

弟′図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 液晶分子に配向効果を及ぼして旋光能を持たせうる
   液晶表示セル、ネマチツク液晶組成物、偏光フイルター
   および前記ネマチツク液晶組成物に電界を印加する手段
   からなる表示装置において、少なくとも下記の構造式Ａ
   で表わされる化合物および下記の構造式Ｂで表わされる
   化合物を混合してなるネマチツク液晶組成物を用いたこ
   とを特徴とする表示装置。 ▲数式、化学式、表等があります▼ （但し、Ｒ＿１は炭素数２または４の直鎖アルキル基、
   炭素数６の直鎖アルコキシ基、炭素数６〜８の直鎖アル
   カノイルオキシル基もしくは炭素数５または６の直鎖ア
   ルコキシカルボニルオキシ基を表わし、Ｒ＿２は炭素数
   ５〜７の直鎖アルキル基もしくは炭素数６の直鎖アルコ
   キシ基を表わす。 ）。