JPS6055570B2 - 方向性ケイ素鋼板を製造する方法 - Google Patents

方向性ケイ素鋼板を製造する方法

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JPS6055570B2
JPS6055570B2 JP50087409A JP8740975A JPS6055570B2 JP S6055570 B2 JPS6055570 B2 JP S6055570B2 JP 50087409 A JP50087409 A JP 50087409A JP 8740975 A JP8740975 A JP 8740975A JP S6055570 B2 JPS6055570 B2 JP S6055570B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は多結晶質の軟質磁性圧延ケイ素鋼製品の製造技
術に関するもので、更に詳しく言えば、少ないが厳密な
量のホウ素を金属の窒素含量に対し厳密な割合で使用し
、金属中のマンガン対イオウの比を2.1より小さく保
ち、かつ冷間圧延スケジュール中に中間焼なまし工程お
よび最後の重圧下冷間圧延工程を含めることによつて高
透磁率の一方向性ケイ素鋼板を製造する新規な方法に関
する。
本発明が志向する薄板材料は当業界において通泗にl&
れ紘 ゛゛、1Fa〒1 ′ ・ιレl 4CL呼
ばれるもので、一般には約2.2〜4.5%のケイ素、
比較的少量の各種不純物および極めて少量の炭素と合金
化された鉄から主として成つている。
かかる薄板材料は「キユーブ・オン・エッジ(cube
−on−edge)」型のものであつて、ミラー指数て
表わせば、結晶粒組織の約7.0%以上が方向づけられ
(110)〔001)集合組織を成している。このよう
な方向性を持つたケイ素鋼板は、現在のところ、熱間圧
延、熱処理、冷間圧延、熱処理、再び冷間圧延、そして
脱炭、脱硫および再結晶のための最後の熱処理という工
程系列によつて営業的に製造されている。
先ず、インゴットが通常の方法によつて厚さ3、Bwg
R未満のストリップ状またはシート状に熱間加工される
が、これは「熱間圧延鋼帯」と呼ばれる。次いで、適当
な中間焼なまし処理をはさみながら、熱間圧延鋼帯が通
例少なくとも50%の圧下率に相当する最終厚さまで冷
間圧延され、そして最後に集合組織生成のため・の焼な
まし処理が施される。ところで、溶融体組成、圧延スケ
ジュールおよび熱処理条件に関して従来技術の域を脱す
ることにより透磁率の極めて高いケイ素鋼板の一員した
製造を可能にする方法の報告も文献中に時折見出・され
てきた。
しかし、本発明者の知る限り、これらの方法はいずれも
完全に満足できるものとは言えなかつた。ある場合には
経費がかかり過ぎるし、またある場合には加工用添加剤
の残渣が除去できないために製品の磁気特性が損われる
こともある。さてこの度、ある新規な方法によれば透磁
率の極めて高いケイ素鋼板を一貫して製造できることが
見出されたが、その方法の経済性は現行の営業的方法に
比べて優るとも劣らないものである。すなわち、このよ
うな成果は現行の一般的技術を新しく発展させることに
よつて達成できるのであつて、そのために従来のケイ素
鋼板工場の製造ないし加工設備を改変する必要もなけれ
ば、また労務費や材料費が顕著に増加することもない。
本発明の実施に当つては、少なくとも0.01%のマン
ガンを含有する点を除けば通常の組成を有するケイ素鋼
溶融体が使用できる。
かかるケイ素鋼溶融体に対しては、少ないが厳密な量の
ホウ素を添加することによつてホウ素1部当り1〜15
部の割合に相当する量の窒素が存在するようにすると同
時に、マンガン対イオウの比が2.1より小さくなるよ
うに調整すればよい。また、実質的に改善された磁気特
性を有する最終製品を得るためには、熱間圧延鋼帯を中
間厚さに冷間圧延し、こうして得られた薄板に熱処理を
施し、それからかかる薄板に最後の重圧下を加えればよ
いことも判明した。更にまた、本発明に従つて要求され
るイオウの一部ないし全部をセレンで代用することも意
図されている。
イオウの場合と同様、本発明方法のセレン添加の要請は
各種のやり方で満たすことができる。とは言え、所要量
のセレンを元素もしくはフェロセレンの形で取鍋中に添
加することが好ましい。本発明方法は、一般的に言えば
、2.2〜4.5%のケイ素、マンガン対イオウの比が
2.1より小さくなるような量のマンガンおよびイオウ
、約3〜35ppmのホウ素、並びにホウ素1部当り1
〜15部の割合に相当する30〜60ppmの窒素を含
有するケイ素鋼溶融体を用意し、かかる溶融体をインゴ
ットに鋳造し、かかるインゴットを熱間圧延し、こうし
て得られた熱間圧延鋼帯を中間厚さに冷間圧延し、こう
して得られた薄板に熱処理を施し、次いでかかる薄板に
最後の重圧下を加えるという諸工程から成つている。
その後、こうして得られた冷間圧延薄板に最後の熱処理
を施すことにより、脱炭および0キユーブ・オン・エツ
ジョ型二次再結晶集合組織の生成が達成される。最後の
熱処理の開始時における好適なホウ素含量は5〜25p
pmであつて、かかる量のホウ素は溶融体段階において
適当な形て添加される。
とは言え、本発明において意図されているホウ素含量は
約3〜約35ppmである。なぜなら、3ppm未満の
ホウ素をケイ素鋼溶融体に添加しても本発明の新規な成
果を一貫して達成するには不十分であり、また35pp
mを越えるホウ素は従来の溶融技術によつて通常得られ
る量以上の窒素の存在を必要とすることが判明したから
である。窒素はホウ素と結合して窒化ホウ素を形成し、
二次再結晶粒子の成長を助ける。そして先に述べたよう
にホウ素1部当り1〜15部の割合で熱間圧延鋼帯中に
存在するようにしなければ、ホウ素の量が上述のとおり
であつても良好な磁気特性を有する方向性珪素鋼板とは
ならないことがわかつている。溶融体段階におけるホウ
素含量は熱間圧延鋼帯段階のホウ素含量とは著しく異な
ることがある。
特に、溶融体中へホウ素源添加が早期に行なわれた場合
あるいはインゴットが異常に高い温度にさらされたり長
い時間にわたつて加熱されたりした場合にそれが見られ
る。とは言え、後述のごとくホウ素源を取鍋中に添加し
かつインゴットが熱間圧延温度に到達したら直ちに熱間
圧延を開始するようにすれば、ホウ素の損失は無視でき
ることが判明した。このように、本発明方法の実施に当
つては、最初に使用した取鍋中の溶融体とほぼ等しいホ
ウ素、窒素、マンガンおよびイオウ含量を有する熱間圧
延鋼帯および(最終厚さの)冷間圧延薄板を製造するこ
とが可能てある。全く同じ理由により、実質的に異なる
組成を持つた熱間圧延鋼帯および冷間圧延薄板を製造す
ることも可能である。とは言え本発明にとつて重要な問
題は、本発明方法の冷間圧延工程並びに中間および最終
焼なまし工程における熱間圧延鋼帯ないし冷間圧延薄板
の組成とりわけ上記4種の元素の含量およびそれらの比
率であることが留意されるべきである。普通のケイ素鋼
のホウ素含量は無視できる程度であつて、1湿式ョ分析
によれば1ppm未満であることが判明している。それ
故、本明細書中の実用的な目的にとつては、色々な文章
表現中に見られる1ホウ素含量ョおよび1ホウ素添加量
ョという術語は本質的に同じ意味を有するのである。本
発明の典型的な製品(厚さ0.28W1Lのストリップ
)における圧延方向の透磁率は10エルステッドの磁界
中において測定した場合、1850〜1920ガウス/
エルステッド程度である。同様に、かかる製品の鉄損も
極めて好ましい範囲内にある。すなわち、鉄損(ワット
損失)は15000ガウスの磁束密度下で1.144〜
1.32WIk9であり、また17000ガウスの磁束
密度(60ヘルツ)下で1.474〜1.694WIk
9程度である。本発明の実施態様について以下に説明す
るが、前述のように本発明においてはイオウの一部ない
し全部をセレンで代用することができるので、初めに、
イオウのみを用いセレンを含まない場合の実施例につい
て述べる。本発明の好適な実施態様に従えば、変圧器や
電動機をはじめとする電気機器において使用すべきスト
リップ状ないしシート状のケイ素鋼板が製造される。
そのためには、約0.03%のマンガン、約0.03%
のイオウ、約0.03%の炭素および通常量の偶発的不
純物を含有するケイ素鋼の溶融体が用意され、そこへホ
ウ素1部当り窒素1〜1Sf11,の割合に相当する5
〜25ppmのホウ素と等価のホウ素源が添加される。
かかる溶融体から鋳造されたインゴットが好ましく約1
204〜1260℃に加熱され、そして一連のバスによ
り約2.5TInの厚さまで熱間圧延される。酸洗いお
よび焼なましの後、かかる薄板が約1.52順の中間厚
さに冷間圧延され、再加熱され、それから再び約0.2
8T!r!1tの最終厚さまで冷間圧延される。その後
、かかる冷間圧延薄板に脱炭のための熱処理および再結
晶作用(集合組織化)のための焼なましが施される。そ
の間には、全部でないにせよ、大部分のホウ素が薄板中
から排除されてしまう。生産目的の操業における本発明
方法の可能性を試験するために計画された商業的な規模
の実験においては、BOFケイ素鋼を用いて70トンの
溶融体が調製された。
取鍋中の溶融体に5ppmのホウ素がフェロボロンの形
で添加されたが、その場合の溶融体は下記の組成を有し
ていた。ケイ素 3.15% 銅 0.24%クロム
0.033%アルミニウム
0.005%マンガン 0.0
35%イオウ 0.031%炭素
0.030%ホウ素 0.0
006%窒素 0.0050% 鉄 残部 かかる溶融体から8個のインゴットが鋳造された。
その内の4個は熱間圧延のため2350′Cに加熱され
、また残りの4個は熱間圧延のため225C)Cに加熱
された。標準的な生産技術に従い、6ストランドの連続
式ホットストリップミル中において熱間圧延を実施する
ことによつて厚さ2.29〜3.30mの熱間圧延鋼帯
が得られた。各コイルの先端部および後端部から得られ
た熱間圧延鋼帯の試料が通常の酸溶液中で酸洗いされ、
それから水素中において900℃で約3分間熱処理され
た。これらの試料の一部は無張力下で直接に約0.28
?の厚さまで冷間圧延されたのに対し、残りは無張力下
で1.32顛の厚さに冷間圧延され、水素中において9
00℃で3分間熱処理され、それから0.28顛の厚さ
に冷間圧延された。こうして得られた全ての冷間圧延薄
板からのエプスタイン装置用ストリップが、水素(露点
室温)中における800℃で3分間の加熱によつて脱炭
された。
アルミナ粉末を軽く振りかけてからストリップが積重ね
られ、そして熱処理された。すなわち、かかるストリッ
プの束が800℃の温度下゛に装入され、窒素中におい
て毎時50℃の速度で1050℃に加熱され、次いで水
素中において1150℃に加熱してから2時間にわたつ
てその温度に保たれた。このようなストリップの束の磁
気特性は第1および2表中に示されている。第1表及び
第2表のデータは、直接冷間圧延を行つた場合には、コ
イルの両端部において鉄損及び透磁率に関する優れた成
績が得られることを示している。
上記二つの表は、そればかりではなく鋼に対して厚さ1
.5論の中間圧延を行つた場合に)おいても望ましい特
性が得られることを示しており、このことは15.0K
Bにおいて先に所望の値として述べた1.320WIk
9以下であり、また17.0KBにおける鉄損も低く透
磁率においても優れていることによつて裏付けられる。
こ)で記号Bは磁束密度1ガウスを示し、従つて15.
08及び17.01(はそれぞれ15000ガウス及び
17000ガウスを示jまた記号μm0Hは、磁場の強
さが10エルステツの場合において得られる磁束密度(
ガウス)を5すための係数すなわち透磁率を示す。更に
まナ、0熱間圧延が1237Cで開始された場合には、
それより5(代)だけ高い温度で開始された場合に比べ
ると極めて優れた磁気特性がよソー貫して得られること
もこれらのデータから明らかである。本発明はまた、組
成上および加工上のパラメーターを試験するために計画
された1明の実験群において更に検討された。
かかるパラメーターとしては、とりわけ、ホウ素含量、
マンガンおよびイオウ含量とその比、並びに二段冷間圧
延工程中の第2の冷間圧延段階における圧下率が取上げ
られた。これらの実験の実施に当つては、電解鉄および
部%フェロシリコンを大気誘導炉内に装入し、そしてア
ルゴン被覆下で溶融することにより、下記の組成を有す
る溶融体が生成された。 ケイ素 3.1
% 炭素 0.025% 銅 0.1% クロム 0.03% 窒素 0.0045% 鉄 残部 上述および後述の溶融体を調製した場合、窒素含量は3
0ppmから60ppmにまでわたつたが、上記にはそ
れらの平均値が示されている。
個々の場合におけるマンガンおよびイオウの分析結果並
びにホウ素添加量は第3表中に示されている。
そこにはまた、個々の最終製品に関する圧延および熱処
理条件並びに透磁率および鉄損測定*?結果も示されて
いる。かかる実験群中の各溶融体を用いて鋳造された2
2.7kgのインゴットから厚さ44.5wtのスライ
スが切出され、そして第3表中に示されるごとく熱間圧
延のため1175℃または1200Cに加熱された。
かかるスライスが再加熱なしに6回のバスで2.29m
の厚さまで熱間圧延された。こうして得られた各熱間圧
延鋼帯が酸洗いされ、1.527!IRまたは0.71
1?の中間厚さに冷間圧延され、水素中において900
0Cで3分間熱処理され、そして最後に0.28T!I
IRの厚さまで冷間圧延された。(かかる実験群中では
、公称0.28?のストリップの厚さは0.2論から0
.291fi1.にまでわたつてた。)これらの冷間圧
延薄板の各々から切出されたエプスタイン装置用ストリ
ップ(3G×30.泗)が水素(露点室温)中における
800Cで3分間の加熱によつて脱炭された。
次いで、最終焼なましのため、アルミナ粉末を軽く振り
かけてからストリップが積重ねられた。かかるストリッ
プの束が800Cの温度下に装入され、窒素中において
毎時50Cの速度で105(代)に加熱され、次いで水
素中において115C)Cに加熱してから2時間にわた
つてその温度に保たれた。第3表中に示されたデータか
られかる通り、ケイ素鋼中におけるマンガン対イオウの
比が2.1より小さい場合、最終製品の磁気特性はホウ
素添加によつて実質的に改善された。
また、5〜30ppmのホウ素の添加によれば高い透磁
率が得られたが、40ppmのホウ素の添加は不完全な
二次再結晶をもたらし、そのため透磁率が実質的に低下
した。
ホウ素含有量の変動とその影響に関するこれらの観察か
ら、本発明において用いられる溶融鋼中のホウ素の量は
既述したように3〜35ppmと限定される。更にまた
、最後の圧下率が大きいほど透磁率が改善されたが、こ
れは従来技術における一般的な経験に照らせば意外なこ
とである。二段冷間圧延方法を一段ないし直接冷間圧延
方法と比べて試験するため、更に4回の実験が行なわれ
た。
最終製品すなわち厚さ0.28T!nのストリップに関
して透磁率および鉄損(ワット損失)を測定したところ
、第4表中に示されるようなデータが得られた。そこに
はまた、個々の場合における圧延方法が記載されている
と同時に、個々の溶融体のホウ素添加量並びにマンガン
およびイオウ含量が記録されている。これら4回の実験
の場合、溶融体の用意から冷間圧延に至る手順は前記の
托回の実験群に関連して記載された通りであつた。
ただし、直接冷間圧延では厚さ2.29rInのケイ素
鋼板が中間熱処理なしに0.28TfrItの厚さまで
圧下された。第4表中に示されたデータかられかる通り
、熱間圧延鋼帯を直接に最終厚さまで冷間圧延する場合
に比べると、中間厚さでの熱処理は一般に最終製品の磁
気特性を改善する。更にまた、以上の実験結果から理解
されるごとく、本発明の二段冷間圧延作業において与え
られる最後の圧下率は少なくとも60%程度であること
が好ましく、また70ないし80%以上であれば最も好
ましい。
とは言え、二次再結晶集合組織の生成および良好な磁気
特性に影響を与えるその他の因子が同一でありかつ上記
に定義された範囲内にある限り、50%程度あるいはそ
れ以下の圧下率でも容認ないし満足できる結果を得るこ
とは可能である。次に、イオウをセレンに換えた場合の
成績について説明する。
以下の実施例はセレンがイオウと代換され得ること、そ
してマンガンの量とイオウ、セレンもしくはイオウ及び
セレンの量との割合が2.1より小さい場合には、前述
のイオウのみを用いた場合に見られるのと同様の優れた
効果が得られることを示している。本発明方法における
セレンの有用性を例証するための室内実験においては、
電解鉄および部%フェロシリコンを大気誘導炉内に装入
し、そしてアルゴン被覆下で溶融することにより、4種
の溶融体が調製された。
各溶融体中に5ppmのホウ素を添加した後、2種(B
およびC)には0.025%のセレンが添加され、また
1種(D)には0.045%のセレンが添加された。こ
れらの溶融体の化学分析結果は下記の通りであつた。こ
うして得られた22.7k9のインゴットから厚さ44
.5mのスライスが切出され、そして熱間圧延のため1
200℃に加熱された。
かかるスライスが再加熱なしに6回のバスで2.29〜
2.54醜の厚さまで熱問圧延された。酸洗いの後、熱
間圧延鋼帯の試料が水素中において3分間加熱され、1
.52w&の中間厚さに冷間圧延され、再び水素中にお
いて900℃で3分間加熱され、それから0.28Tf
nの最終厚さに冷間圧延された。エプスタイン装置用の
ストリップが湿性水素中における800℃で3分間の加
熱によつて脱炭され、アルミナ粉末で隔離され、そして
最終焼なましを施された。最終焼なましは、窒素中にお
いて毎時50℃の速度で800℃から1050にCに加
熱し、次いで水素中において1175℃に加熱してから
3時間にわたつてその温度に保つことから成つていた。
これらの材料のエプスタイン装置用ストリップの束の磁
気特性を測定したところ、下記の結果が得られた。これ
らの実験の実施中に0.020%のセレンを添加した例
があつた。
その場合の溶融体の分析結果は下記の通りであつた。同
じ実験群中における他の溶融体の場合と同様、5ppm
のホウ素が溶融体中に添加された。
その後、第1の試料(X)は上記通りに加工されたが、
第2の試料(Y)の場合には900′Cの代りに100
0℃で中間熱処理が実施された。これらの試料の磁気特
性は下記の通りであつた。原子量を基礎として比較した
場合、0.030%のマンガンに対して少なくとも0.
026(原子)%のノイオウが必要であるのに比ベセレ
ンは0.017(原子)%しか必要でない点から見ると
、セレンの方がイオウより有効なことは明らかである。
上述したように、マンガンの量とイオウ、セレンの量と
は、特定の関連を有するように制約され7る。
これはマンガンが硫黄と結合して硫化マンガンを、又セ
レンと結合してセレン化マンガンを形成し、これらが、
先に述べた窒化ホウ素の場合と同じく最終熱処理の間に
一次粒子の成長を抑制して二次再結晶粒子の成長を促進
するという機能をフ果すためである。マンガンの量が0
.01%以下では充分な量の抑制剤を形成することはで
きないが、経済的な理由を考慮してマンガンの最大量は
0.1%とされる。この場合、マンガンと結合すべきイ
オウ、セレンもしくはイオウ及びセレンの量は0.00
5〜0.05%の範囲内とされる。なお、本明細書中に
使用されている1インゴツトョという術語は任意適宜な
製鋼方法によつて製造された溶鋼を任意の鋳造方法によ
り凝固させて得られる物体を意味するもので、その中に
は連続鋳造方法によつて得られるスラブ様のインゴット
も包含される。また、本明細書中において量、比、パー
セントおよび割合が述べられている場合には、特に記載
のない限り重量が基礎となつている。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 2.2〜4.5%のケイ素、3〜35ppmのホウ
    素、ホウ素1部あたり1〜15部の割合に相当する30
    〜60ppmの窒素とを有し、さらに0.01〜0.1
    0%のマンガンと0.005〜0.05%のイオウ、セ
    レンもしくはイオウ及びセレンとをマンガン対イオウ、
    セレンもしくはイオウ及びセレンの比が2.1より小さ
    くなるような量において有している熱間圧延鋼帯を用意
    し、前記鋼帯を冷間圧延して最終厚さまで圧下し、最後
    にこうして得られた冷間圧延鋼帯に熱処理を施して(1
    10)〔001〕二次再結晶集合組織を生成させること
    を特徴とする、方向性ケイ素鋼板の製造方法。
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WO2012096350A1 (ja) 2011-01-12 2012-07-19 新日本製鐵株式会社 方向性電磁鋼板及びその製造方法

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