JPS6049651B2 - 陽イオン交換性を有する親水性膜 - Google Patents

陽イオン交換性を有する親水性膜

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JPS6049651B2
JPS6049651B2 JP56211497A JP21149781A JPS6049651B2 JP S6049651 B2 JPS6049651 B2 JP S6049651B2 JP 56211497 A JP56211497 A JP 56211497A JP 21149781 A JP21149781 A JP 21149781A JP S6049651 B2 JPS6049651 B2 JP S6049651B2
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hydrophilic
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ethylene copolymer
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規な陽イオン交換性を有する親水性膜に関
し、詳しくは特定のエチレン系共重合体と塩化ビニル系
樹脂及び/又は塩素化ポリエチレンを含有する薄膜にス
ルホン基を導入して得られる、水−有機物の浸透気化分
離用の親水性膜に関するものである。
リ 陽イオン交換性を有するイオン交換膜は、海水の淡
水化、食塩の濃縮等の電気透析やアルカリ金属塩の電解
等にすでに用いられているが、さらにその特異な機能を
生カルた新規な用途、例えば一次及び二次電池用セパレ
ーター、拡散透析用隔フ膜、高分子電解質膜の機能を利
用した燃料電池用隔膜等々の用途が提案されている。
しカルながら、これらの要望にもかかわらず、イオン交
換膜として必要な機能即ち、良好な選択性、十分な機械
強度、小さい膨潤性、電気抵抗が5十さい等々の性能及
ひ経済性を十分に満足する陽イオン交換膜は極めて少な
かつた。
従来、エチレン系共重合体フィルムから、短時間で、し
かも内部まで、ほぼ均一にスルホン基を導入した陽イオ
ン交換性を有する親水性膜が得られることは、すでに、
特公昭51−41035号、特公昭52−29988号
及びUSP−392533?等により公知である。
また、エチレン系共重合体と、スルホン化剤に比較的不
活性な熱可塑性樹脂とを混合した樹脂組成物よりなるフ
ィルムから、同様にイオン交換性を有する親水性膜が得
られることも、USP一392533?により公知であ
る。
そして、かかる親水性膜は、イオン交換膜、電解隔離膜
、透析膜等の用途を目的としたエレクトロポーラスタイ
プの膜として開発され、エチレン系共重合体を主成分と
する薄肉のフィルムにフィルムの厚み方向に、ほぼ均一
に大量のスルホン基を導入したことにより、優れた陽イ
オン交換性能に加え、陰イオンのバリヤー性に優れ、し
かも電解液中で極めて小さい電気抵抗を有し、さらにエ
チレン系共重合体特有の柔軟性を保持した特異な膜てあ
る。
しかしながら、エチレン系共重合体をスルホン化した親
水性膜は、強酸性、中性及ひアルカリ性のすべてのPH
領域の水溶液中で、化学的に極めて安定であるという特
徴を有するものの、電解液中5て大きな面積膨潤性を有
し、(1)寸法変化が大きい、(2)水溶液中で使用す
る用途において膨潤によるシワが発生し、その結果、膜
表面に気泡が付着し、使用中にみかけの電気抵抗が上昇
する、(3)水溶液中での強度が弱い等の欠点を有して
いた。
また、従来、塩化ビニル樹脂薄膜とスルホン化剤を反応
させることにより、陽イオン交換膜を得ることがてきる
ことは特公昭36−2193号公報及び特公昭36−2
695号公報により公知である。しかしながら、これら
の方法で得られる陽イオ3ン交換膜は、塩化ビニル樹脂
薄膜の内部までスルホン基を導入するために極めて長時
間スルホン化剤と反応させる必要がある。その結果薄膜
の表層部が主体的にスルホン化され、しかもスルホン化
時間が長いためにスルホン化以外の副反応が増大4し、
機械強度が弱くなる。しかも電解液中での電気抵抗の小
さい膜が得られない欠点とさらに経済性が悪いため実用
的に問題があつた。また、特願昭56−11615鏝に
おいて、本発明者らは、上記の塩化ビニル樹脂薄膜より
なる親水性膜の欠点を解消した親水性膜の製造方法を提
案した。
そして、上記特願昭56−116152号の製造方法は
、従来法に比べて著るしくスルホン化時間を短縮し、そ
の結果、短時間で、強度の大きい、しかも、電解液中の
電気抵抗が小さく、かつ、種種の選択性に優れた親水性
膜を、経済性良く製造することを可能にした画期的なも
のである。
ノ しかしながら、特願昭56−11615?の親水性
膜においても、特に、織布、不織布、編物あるいは微多
孔膜等の補強材を有さない単一フィルムよりなる親水性
膜では、特に高い酸化劣化性を要求される用途において
、その耐酸化劣化性に改善される余地があつた。
本発明者らは、エチレン系共重合体のスルホン化膜、及
び、塩化ビニル系樹脂のスルホン化膜の前記した欠点を
改善する目的で、鋭意検討を行なつてきた中で、本発明
を完成するに至つた。
本発明の親水性膜は−(CH2CH2+−で示される構
成単位と次の一般式〔上記一般式において、R1=H.
CH3、R2=0C0R3、COOR4、0H(但し、
R3=C1〜C5の炭化水素基、R4=H..Cl〜C
6の炭化水素基、アルカリ金属及びその他のカルボン酸
基と塩を形成し得るイオン類)〕で示される構成単位を
有するエチレン系共重合体(4)を含有する樹脂組成物
を成形した薄膜よりなるスルホン基を有する親水性膜に
あつて、該樹脂組成物が、エチレン系共重合体囚と塩化
ビニル系樹脂(B)及び/又は塩素化ポリエチレン(C
)を含有し、CA)/CA)+(B)、及び(A)/C
A)+(C)の重量割合が、各々0.05〜0.95及
び0.2〜0.95である、有機物水溶液の浸透気化分
離用親水性膜てある。
かかる親水性膜は、エチレン系共重合体のスルホン化膜
の種々の特性を低下させることなく、耐酸化劣化性及び
電解液中での面積膨潤性を著しく改善した親水性膜とな
る。
そして、本発明において、エチレン系共重合体(4)の
含有量は、エチレン系共重合体(4)と塩化ビニル系樹
脂(B)よりなる樹脂組成物では、(A)/(A)+(
B)が重量比て0.05〜0.95が好ましく、この範
囲外では、十分な耐酸化劣化性の改善が期待しがたく、
上記した0.05〜0.95、好ましくは0.15〜0
.85の範囲となる。
また、エチレン系共重合体(4)と塩素化ポリエチレン
(C)よりなる樹脂組成物では、(A)/CA)+(C
)が重量比て0.2〜0.95、好ましくは0.4〜0
.85であり、0.2未満では、スルホン化反応が著る
しく長く、逆に0.95以上では、塩素化ポリエチレン
の添加効果が発現しがたいため、上記した、0.2〜0
.95、好ましくは0.4〜0.85が適当となる。
そして、本発明において、塩化ビニル系樹脂と塩素化ポ
リエチレンのように比較的類似した高分子樹脂であるに
もかかわらず、エチレン系共重合体への適正添加割合が
異なる点は、比重の違いと、スルホン基に対する反応性
の違いに起因するものと思われる。さらに本発明におい
て、エチレン系共重合体(4)と塩化ビニル系樹脂(B
)及び塩素化ポリエチレン(C)が前記した条件を満た
す範囲内よりなる樹脂組成物からも目的とする親水性膜
が得られる。
そして、本発明において、スルホン基の含有量は、0.
1〜4ミリ当量/グラム、より好ましくは0.2〜3ミ
リ当量/グラムの親水性膜において、電解液中の電気抵
抗が小さく、かつ、耐酸化劣化性に優れた実用性に富ん
だ陽イオン交換性を有する親水性膜を、経済性良く、連
続的に製造できる。
本発明について、さらに詳細に説明すると、本発明の親
水性膜は、エチレン系共重合体と塩化ビニル系樹脂及び
/又は塩素化ポリエチレンを含有する樹脂組成物を、従
来公知のフィルム成形法にて、単一フィルム又は、複合
フィルム等の形で、フィルム状に成形した後、該樹脂組
成物が、可塑剤を含有したものでは、スルホン化剤にて
可塑剤を抽出しながらスルホン化反応させるか、又は、
スルホン化する前に溶剤にて可塑剤を少なくとも一部抽
出し、次いでスルホン化反応させて得られるものてある
本発明において、エチレン系共重合体とは、(CH2C
H2+−て示される構成単位と次の一般式〔上記一般式
において、R1=H..CH3、R2=0C0R3、C
OOR4、0H(但し、R3=C1〜C5の炭化水素基
、R4=H.Cl〜C6の炭化水素基、アルカリ金属及
びその他のカルボン酸基と塩を形成し得るイオン類)〕
で示される構成単位を有する共重合体であつて、エチレ
ンの含量が少なくとも82モル%であるから選ばれるも
のが好適であつて、特に、エチレン系共重合体と塩素化
ポリエチレンよりなるものでは、97〜82モル%、好
ましくは、96.5〜90モル%の範囲のものが、スル
ホン化時間が短かく、かつ耐酸化劣化性に優れる親水性
膜を得るために好適である。
また、エチレン系共重合体と塩化ビニル系樹脂よりなる
ものでは、エチレン含量が82モル%以上のものから、
実質的に構成単位−(.CH2−9■−を含む程度の範
囲の中から、適宜、選択すれば良い。
そして、本発明における前記のその他のカルボン酸基と
塩を形成し得るイオン類とは、例えばMg2+、Ca2
+、Zn2+等の2価の金属イオン、Al3+等の3価
の金属イオンの他のNH4+等のCα)基と塩を形成し
得るカチオンを意味するものである。
また、本発明でいう塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニル
モノマーの重合体又は塩化ビニルと共重合可能なビニル
系モノマー、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、
塩化ビニリデン、アクリル酸エステル類、エチレン、プ
ロピレン等と塩化ビニルの共重合体又は前記重合体、共
重合体からj選ばれる2種以上よりなる混合物である。
また、本発明における塩化ビニルの共重合体とは、塩化
ビニル含有量5呼量%以上、コモノマー5呼量%未満の
重合体てあり、好ましくは、塩化ビニル含量8鍾量%以
上、より好ましくは、塩化ビニル含量9唾量%以上の共
重合体である。また、本発明でいう塩素化ポリエチレン
とは、ポリエチレンに塩素を反応させて得られる非晶性
あるいは低結晶性のゴム弾性に富んだ樹脂で、特に塩素
含有率が20〜50%の範囲が、エチレン系共重合体と
の相溶性、得られる親水性膜の柔軟性及ひ耐酸化劣化性
等から望ましい。また本発明において、エチレン系共重
合体と塩化ビニル系樹脂及び/又は塩素化ポリエチレン
を含有する薄肉フィルムを成形するにあたり、各々少な
くとも1種類のエチレン系共重合体、塩化ビニル系樹脂
、及び/又は塩素化ポリエチレンと、エチレン系共重合
体と塩化ビニル系樹脂及び/又は塩素化ポリエチレンを
含有する樹脂に相溶性を有する可塑剤を添加した樹脂組
成物から単一フィルム又は複合フィルム等の形に成形す
ることが望ましく、特にエチレン系共重合体の含有量が
少ないものでは、スルホン化時間を著しく短縮するため
に好ましい。
また、前記の相溶性を有する可塑剤とは、スルホン化前
、あるいは、スルホン化中あるいはスルホン化後に、フ
ィルム又は親水性膜から容易に抽出できるものであつて
、上記樹脂組成物10呼量部に対して、少なくとも1呼
量部が均一に分散でき、溶融成形法あるいは溶液キャス
ティング法等により薄肉フィルムが成形できるものであ
る。
可塑剤の例としては、例えば、ジブチルフタレート、ジ
エチルフタレート、ジー2−エチルヘキシルフタレート
、ジーn−オクチルフタレート、ブチルラウリルフタレ
ート、ジラウリルフタレー.卜、ブチルベンジルフタレ
ート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、
ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート、等の直
鎖二塩基酸エステル類;トリクレジルホスフエート、ト
リキシレニルホスフェート、モノオクチルジフエニ5ル
ホスフエート、モノブチル−ジキシレニルホスフェート
、トリオクチルホスフェート等のリン酸エステル類;エ
ポキシ化植物油のようなエポキシ系可塑剤:ポリエステ
ル系可塑剤;塩化パラフィン、五塩化ブチルステアレー
ト等の塩素化物:塩4素化脂肪酸エステル類;パラフィ
ン類等の通常プラスチック用可塑剤として使用されるも
のあるいは、上記の要件を満たしたその他種々の添加剤
から少なくとも1種選ばれ、上記樹脂成分に分子状に近
い状態で分散でき、かつ、上記樹脂成分を可塑化できる
ものから適宜選ぶことができる。エチレン系共重合体、
塩化ビニル系樹脂及び/又は塩素化ポリエチレン及び可
塑剤の混合方法は、特に制限するものてはなく、通常の
プラスチック加工て使用される方法、例えは可塑剤を使
用する場合には、可塑剤を含浸させた塩化ビニル系樹脂
及び/又は塩素化ポリエチレン粉末とエチレン系共重合
体をヘンシエルミキサーで混合する方フ法、あるいは、
エチレン系共重合体、塩化ビニル系樹脂及び/又は塩素
化ポリエチレン及び可塑剤を溶解可能な溶剤に溶解して
、均一分散する方法がある。そして、上記樹脂組成物を
溶剤を含まない混合・物では、圧縮成形法、押圧法等の
方法で、溶剤を含有するものでは、溶液キャスティング
法等により、補強材を含まない単一フィルムで5〜20
0μm程度の厚みの薄肉フィルムを成形することが望ま
しい。
そして、上記フィルムにスルホン基を導入するにあたり
、例えば、上記した可塑剤を、樹脂成分をほとんど溶解
することなく、可塑剤を溶解し得る溶剤でフィルムから
抽出した後、または、可塑剤を抽出することなく含有し
た状態でスルホン化反応させることにより目的とする親
水性膜を得ることができる。
そして、本発明の親水性膜を得るために実施されるスル
ホン化剤との反応について詳細に説明すると、例えば、
発煙硫酸単独又は、三酸化イオウ、クロルスルホン酸な
どを必要に応じて溶剤で希釈したもの、又は三酸化イオ
ウを錯化合物としたもの等のスルホン化剤と反応させれ
ば良く、特に5〜0重量%の三酸化イオウを含有する発
煙硫酸と反応させることが好適である。
そして、スルホン化反応の温度及び時間は、特に限定す
るものではないが、60℃以下の温度条件で、時間は、
長くとも2時間以内、好ましくは1時間以内が、スルホ
ン化以外の副反応が少ないため好適であり、この条件内
で適宜選択することにより、目的とする親水性膜を安定
して得ることができる。そして、スルホン化剤と反応後
、膜に付着している反応物を希釈した後、充分水洗し、
炭酸カリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性試薬にて
中和し、充分水洗して乾燥させて、取り扱うことが、実
用的に便利である。
また、本発明の親水性膜においても、特願昭56一15
798号にて提案した様な、スルホン化後、適当な漂白
剤や酸化剤て処理することが適用できることは言うまで
もない。
そして、これら上記の方法により、特に本発明の親水性
膜を効率良く安定して製造することができる。
次に本発明の親水性膜の特徴について、さらに詳細に説
明すると、本発明の親水性膜は、従来公知の方法で得ら
れるエチレン系共重合体のスルホン化膜の欠点、例えば
、1電解液中での面積膨潤性が大きい、2耐酸化劣化性
が劣るという欠点を著しく改善した親水性膜となる。
そして、本発明の親水性膜から、希硫酸中の電気抵抗が
、5Ω・Cd以下、好ましくは1Ω・CIL以下、より
好ましくは、0.5Ω・d以下の親水性膜を提供するこ
とができる。
また、アルカリ中においても、スルホン基の含有量の大
きいものでは、電気抵抗が小さい親水性膜とすることが
可能で、好ましくは、5Ω・d以下、より好ましくは1
Ω・Cd以下の親水性膜を提供することができる。
また、酸性、中性、アルカリ性のいずれの電解質中にお
いても、化学的にも、物理的にも安定なため、高い選択
性、低電気抵抗特性を生かした種種の用途に使用てきる
さらに、本発明の親水性膜は、水一有機化合物に代表さ
れる水溶液から、選択的に水を透過する特性を有し、例
えば、水溶液の膜分離技術の中でも最も難しいとされて
いるエタノール水溶液からさえ水を選択的に透過し、浸
透気化法において、分離係数αAIB(A=水、B=エ
タノール)が5以上、好ましくは10以上、より好まし
くは20以上の分離膜を提供することがてきる。
また、本発明の親水性膜は、メタノールのように比較的
、水に類似した化合物に対してさえ優れたバリヤー特性
を有し、低濃度のメタノール水の拡散透析でさえ、メタ
ノールの透過係数が、5×10−3cmImin以下、
好ましくは1x10−3c711min以下、さらに好
ましくは、5×10−4cmImin以下の特性を有し
た親水性膜ともなる。
上記した様に本発明の親水性膜は、各種の優れた特性を
有し、エチレン系共重合体のスルホン化膜の欠点を改善
した親水性膜として、各種の用途、例えば、電気透析用
隔膜、電解隔離膜、アルカリあるいは、希硫酸中の低電
気抵抗特性を生かしたアルカl八あるいは、酸を電解液
とする各種の電池用セパレーター、高分子電解質として
の特性を生かした各種燃料電池用隔膜、水の選択透過性
を生かした各種の分離及び/又は濃縮膜、親油性化合物
あるいは酸素の非透過性を生かしたバリヤーフィルム用
途あるいは、低表面固有抵抗特性を生かした帯電防止フ
ィルム等々に巾広く使用でき、特に耐酸化劣化性が要求
される用途に好適となる。
そして、本発明の親水性膜は、織布、不織布、編物ある
いは微多孔膜等の補強材と複合化したもの、あるいは、
目的に応じて、各種の形状、例えば、フィルム状、チュ
ーブ状、ホローフアイバー状及び袋状で前記の種々の用
途に適用される。
本発明において、エチレン系共重合体に、塩化ビニル系
樹脂及び/又は、塩素化ポリエチレンを添加することに
より、前記した種々の欠点が改善される理由について、
現時点では、定かではない。エチレン系共重合体及び塩
化ビニル系樹脂単独よりなるスルホン化膜は、前記した
ように、耐酸化劣化性において、改善の余地がある親水
性膜である。
しかし、本発明において、エチレン系共重合体と塩化ビ
ニル系樹脂を含有する樹脂組成物よりなるスルホン化膜
は、各々単独の樹脂よりなるスルノホン化膜に比べて、
著しく耐酸化劣化性の改善された親水性膜となるという
発見は、本発明者らにとつても、大きな驚きである。
また、エチレン系共重合体と塩素化ポリエチレンを含有
する樹脂組成物よりなるスルホン化膜・は、塩素化ポリ
エチレンと塩化ビニル系樹脂が比較的類似の高分子樹脂
であることから、前記、塩化ビニル系樹脂を添加したも
のと類似の効果により、耐酸化劣化性及ひ電解液中の面
積膨潤性を改良したものと推定てきる。
本発明者らは、本発明において、塩化ビニル系樹脂及び
塩素化ポリエチレンの添加効果について、前記したよう
に、現時点では、明らかにできているものではないが、
下記の理由によるものと推察している。
スルホン化剤との反応性が高いエチレン系共重合体とエ
チレン系共重合体に比べてスルホン化剤との反応性が低
い塩化ビニル系樹脂とを含有する樹脂組成物では、塩化
ビニル系樹脂が、また、逆の場合には、エチレン系共重
合体が、各々、高い耐酸化劣化性を保持した状態で、補
強材的効果を発揮し、酸化劣化による膨潤を押える働き
をし、電気抵抗の低下及び膜の細片化あるいは溶解を防
ぐものと思われる。
塩素化ポリエチレンを含有するものも、ほぼ同様の理由
によると推察される。
また、本発明において、エチレン系共重合体、塩化ビニ
ル系樹脂及び塩素化ポリエチレンは、スルホン化反応に
より、親水化されても、ほとんど、電解液に溶解せず、
親水性膜内にとどまるため、樹脂間の親和性は向上し、
補強効果をより発揮しやすくなるとも推察される。
そして、本発明の親水性膜が、通常、プラスチックの加
工て添加される安定剤、滑剤、着色剤等の添加剤の他に
その他の少量のフィラーあるいは2高分子樹脂を本発明
の目的に反しない範囲内て混合したものから得られるも
のを含むことは自明であり、また、例えは、電離性放射
線を照射して架橋あるいは、前記樹脂成分と可塑剤の混
合物に有機過酸化物等を添加して、フィルム成形した後
、2架橋する等の方法で架橋したフィルムから製造され
る親水性膜を含むこともいうまでもない。
また、本発明の親水性膜においては、少なくとも一部の
スルホン基が−SO3Hの状態で加熱処理することによ
り選択性、特に有機物に対するバリ3・ヤー性が向上し
た親水性膜とすることができる。なお、本発明において
記載される種々の特性、交換容量、アルカリ中の電気抵
抗、耐酸化劣化性、アルカリ中の面積膨潤率、希硫酸中
の電気抵抗、カチオン輸率、エタノール水の分離係数α
AIB(A=水、B=エタノール)、及びメタノールの
35透過係数は、下記の方法によつて測定したものであ
る。(1)交換容量(ミリ当量/グラム) スルホン酸(−SO3H)型の膜を一定量の塩化カルシ
ウム(1N)水溶液中に入れて平衡と40し、その溶液
中に生じた塩化水素を0.1Nのカセイソーグ水溶液(
力価=f)で、指示薬としてフエノールフタレインを用
いて滴定し、その値X(Cc)を、カリウム塩状態での
乾燥時重量W(f)で割つた値(2)アルカリ中の電気
抵抗(Ω・d) 31重量%の水酸化カリウム水溶液を満たした測定装置
(JISC23l3に準拠)に試料をセットし、電極間
(ニッケル液)に23℃で、電気密流5rrLAIC!
lの直流定電流を通電したときの試料による電圧降下を
酸化水銀電極て測定し、下記の式より算出した値を電気
抵抗とする。
(測定前に試料を31重量%の水酸化カリウム水溶液に
24時間以上浸漬)R1=試料の電気抵抗(Ω・d) ■1=試料をセットしないときの電圧降下 (■) V2=試料をセットしたときの電圧降下(■)(3)
耐酸化劣化性2枚のニッケル板電極で、中央部に3.8
cm×7.6cmの開口部を有するポリエチレン製スペ
ーサー2枚にはさんだ試料をはさみ、31重量%の水酸
化カリウム水溶液(80℃)に、浸漬し、1007TL
Aの直流定電流を所定の時間流し、電解酸素と試料を反
応させる。
上記の劣化促進試験により、耐酸化劣化性に優れる親水
性膜は、電気抵抗性変化が小さい。
(4)アルカリ中の面積膨潤率(%)23℃の31重量
%の水酸化カリウム水溶液での親水性膜の面積S、の乾
燥面積Sd(十分に水洗した試料を60゜Cの温風で1
時間以上乾燥後、温度23゜C、相対湿度55%の条件
下に2@間保存後測定)に対する増加を示す値て
−S,v−S, rルカリ中の面積膨潤率一■×100(%)J)希硫酸
中の電気抵抗(Ω・al)比重が1.2(At23℃)
の希硫酸を満たした測定装置(JISC23l3に準拠
)に試料をセットし、電極間に25mAIcItの直流
定電流を通電したときの試料による電圧降下を測定し、
下記の式より算出した値を、硫酸中の電気抵抗とする。
〔測定前に、試料を、比重が1.2(At23℃)の希
硫酸に24時間以上浸漬〕R2=試料の希硫酸中の電気
抵抗(Ω・d)■3=試料をセットしないときの電圧降
下 (V) V4=試料をセットしたときの電圧降下(■)(6)カ
チオン輸率電解質として塩化カリウムを使用し、試料の
両側の濃度を0.2M/0.1M1液温度を23゜Cに
保、※つた条件で、常法に従つて膜電位を測定し、ネル
ンストの式より算出した。
(7)エタノール水の分離係数α9ム(A=水、B=エ
タノール)浸透気化法枦により、供給液側に(4)重量
%エタノール水を仕込み、透過液側を真空下に保つて、
30℃の条件下で水の分離を行い、下記の式より算出し
た値である。
αAIBの値が大きい膜程、分離能力が高く、分離膜に
適する膜てある。
*1化学増刊、69C76)、P.lO9(8)メタノ
ールの透過係数 比重が1.2(At23゜C)の希硫酸囚と、比重が1
.2(At23tC)の希硫酸に4V01%のメタノー
ルを混合した溶液(B)を試料を介して接触させ、23
℃の温度条件で(B)液から(4)液へのメタノールの
透過量を測定し、常法に従つてメタノールの透過係数を
算出した値てある。
以下、本発明について実施例、比較例、実施例にて詳細
に説明する。
実施例1 92.3モル%のエチレンと7.7モル%のアクリル酸
エチルとの共重合体(MI=2)50重量部と塩化ビニ
ルー酢酸ビニル共重合体樹脂(塩化ビニル含量〉95重
量%、重合度=1500チッソ株式会社製ニポリツトM
H)50重量部を室温で、ドライブィ々レンド、CA)
/(A)+(B)=0.5の樹脂組成物を得た。
次いで、塩化ビニル系樹脂1凹重量部に対して67重量
部のジオクチルフタレートと、5.5重量部の有機スズ
マレート系安定剤田東化成株式会社製TVSN2OOO
E4)を、上記樹脂混合物に添加し、ニーダーにて、1
60℃の温度条件で30分間混練゛し、次いで、押出機
にて、190゜Cの温度条件て、押出成形し、40μm
厚みのフィルムを成形した。上記フィルムを遊離の三酸
化イオウを約1踵量%含む発煙硫酸と、40゜C−4分
の条件て反応させ、濃硫酸、希硫酸、水の順に洗浄して
、次いで、31重量%の水酸化カリウム水溶液にて中和
処理し、さらに水洗乾燥し、スルホン基を有する親水性
膜を得た。結果は、表1に示すとおり、アルカリ中の電
気抵抗が小さいにもかかわらず、アルカリ中の面積゛膨
潤性が小さく、かつ耐酸化劣化性の改善された親水性膜
であつた。
実施例2〜5実施例1のエチレン系共重合体と塩化ビニ
ル系樹脂の混合割合を変更した以外は、ほぼ同じ方法で
親水性膜を作成した。
結果は、表2に示すようにアルカリ中の面積膨潤性が小
さく、かつ耐酸化劣化性の優れた親水性膜であった。実
施例6 塩化ビニル系樹脂の種類を、塩化ビニルストレート樹脂
(重合度=1450、チッソ株式会社、ニポリツトSH
)に変更した以外は、実施例2とはぼ同じ方法て親水性
膜を作成した。
結果は、表2に示すようにアルカリ中の電気抵抗及びア
ルカリ中の面積膨潤性が小さく、かつ耐酸化劣化性に優
れた親水性膜があつた。実施例7 実施例1て使用したエチレン系共重合体4唾量部と塩素
化ポリエチレン(塩素含有量=3轍量?箸%、昭和電工
株式会社製、エラスレン301A)60重量部を室温で
ドライブレンド、CA)/CA)+(C)=0.4の樹
脂混合物を得た。
次いで、上記樹脂混合物10呼量部に対して6踵量部の
流動パラフィンを上記樹脂混合物に添加し、ニーダーに
て溶融混練した後、圧縮成形法にて、40μm厚みのフ
ィルムを成形した。以下、実施例1と類似の方法て、1
紛間発煙硫酸と反応させ、親水性膜を得た。
結果は表3に示すように、アルカリ中の面積膨潤率が小
さく、かつ耐酸化劣化性に優れるものであつた。実施例
8 94.2モル%のエチレンと5.8%のメタクリル酸メ
チルとの共重合体を、ケン化(ケン化度=60モル%)
及ひ中和(中和度=30モル%)して得た一COOCH
3、−COOH及び−COONa基を有するエチレン系
共重合体80重量部と実施例7で使用した塩素化゛ポリ
エチレン20重量部を室温でドライブレンドし、U=0
.8の樹脂混合物を得た。
次い (4)+(C)で、上記樹脂混合物10唾量部
に対して、43重量部の流動パラフィンを上記樹脂混合
物に添加し、以下、実施例7と類似の方法て親水性膜を
得た。
結果は、表3に示すように極めて良好な親水性膜であつ
た。実施例9 ノ 実施例1て使用したエチレン系共重合体の塩化ビニ
ル系樹脂、可塑剤及び実施例8て使用した塩素化ポリエ
チレンを、各々25.0130.0、37.5、7.5
重量部の配合割合で混合し〔−4−′.0.45、
(4)+(B)(4) (A)+(0)−0.77〕、次いで上記樹脂組成物1
00重量部に対して、実施例1て使用した安定剤を2重
量部添加し、ニーダーにて溶融混練した。
以下実施例7と類似の方法でフィルムを成形した後、親
水性膜を得た。
結果は、表3に示すとおり、アルカリ中の面積膨潤率が
小さくかつ、耐酸化劣化性に優れた親水性膜であつた。
実施例10可塑剤を添加しない以外は、実施例3と類似
の親水性膜を得た。
スルホン化時間が長くなり、耐酸化劣化性もやや劣るが
、結果は表3に示すように従来法で得られるエチレン系
共重合体のスルホン化膜に比較して、アルカリ中の面積
膨潤率も小さく、かつ耐酸化劣化性に優るものであつた
比較例1〜2 実施例1及ひ実施例8で使用したエチレン系共重合体を
各々単独使用して、従来公知の方法てスルホン化して、
アルカリ中の電気抵抗が1.5Ω・c請の親水性膜を作
成した。
これらの親水性膜は、アルカリ中の面積膨潤率が10%
以上で、かつ、耐酸化劣化促進試験n時間後において、
アルカリ中の電気抵抗が0.1Ω◆d以下となり、機械
強度を著しく抵下した耐酸化劣化性に欠点を有するもの
であつた。
比較例3 エチレン系共重合体を添加しない以外は、実施例1と同
様の方法で、アルカリ中の電気抵抗が2Ω・dの塩化ビ
ニル系樹脂よりなるスルホン化膜を作成した。
この親水性膜は、耐酸化劣化促進試験7211寺間以内
に膜が脆くなり、電気抵抗が測定できなかつた。実験例
1 実施例1〜4の親水性膜のその他の種々の特性を測定し
たところ、結果は表4に示すようにエチレン系共重合体
のスルホン化膜の特性を、ほぼ保持あるいは改良した極
めて有用な親水性膜であつた。
実験例2 実施例5〜10の親水性膜のエタノール水の分離係数α
AIBを測定したところ、すべて10以上の値を有する
好ましいものであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ▲数式、化学式、表等があります▼で示される構成
    単位と次の一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼ 〔上記一般式において、R_1=H、CH_3、R_2
    =OCOR_3、COOR_4、OH(但し、R_3=
    C_1〜C_5の炭化水素基、R_4=HNC_1〜C
    _6の炭化水素基、アルカリ金属及びその他のカルボン
    酸基と塩を形成し得るイオン類)〕で示される構成単位
    を有するエチレン系共重合体(A)を含有する樹脂組成
    物を成形した薄膜よりなるスルホン基を有する親水性膜
    にあつて、該樹脂組成物が、エチレン系共重合体(A)
    と塩化ビニル系樹脂(B)及び又は塩素化ポリエチレン
    (C)を含有し、(A)/(A)+(B)、及び、(A
    )/(A)+(C)の重量割合が、各々、0.05〜0
    .95、及び0.2〜0.95である、有機物水溶液の
    浸透気化分離用親水性膜。 2 (A)/{(A)+(B)}の重量割合が、0.1
    5〜0.85である特許請求の範囲第1項記載の親水性
    膜。 3 (A)/{(A)+(C)}の重量割合が、0.4
    〜0.85である特許請求の範囲第1項又は第2項記載
    の親水性膜。 4 スルホン基の含有量が、交換容量にして、0.1〜
    4ミリ当量/グラムである特許請求の範囲第1〜3項の
    いずれか1項に記載の親水性膜。 5 スルホン基の含有量が、交換容量にして0.2〜3
    ミリ当量/グラムである特許請求の範囲第4項記載の親
    水性膜。
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