JPS6047891B2 - 耐中間温度脆性にすぐれた耐食性Ni基合金 - Google Patents
耐中間温度脆性にすぐれた耐食性Ni基合金Info
- Publication number
- JPS6047891B2 JPS6047891B2 JP13252281A JP13252281A JPS6047891B2 JP S6047891 B2 JPS6047891 B2 JP S6047891B2 JP 13252281 A JP13252281 A JP 13252281A JP 13252281 A JP13252281 A JP 13252281A JP S6047891 B2 JPS6047891 B2 JP S6047891B2
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Description
【発明の詳細な説明】
この発明は、冷間加工後または溶接施工後の焼鈍にお
いて、いわゆる焼鈍割れを起しにくい、耐中間温度脆性
にすぐれた耐食性Ni基合金に関するものである。
いて、いわゆる焼鈍割れを起しにくい、耐中間温度脆性
にすぐれた耐食性Ni基合金に関するものである。
一般に、合金成分としてMoを含有するNi−Mo基
合金は、還元性の腐食雰囲気ですぐれた耐食性を示すこ
とから、これらの雰囲気で使用するのに最適な耐食性合
金であり、特に非酸化性の酸、なかでも塩酸に対しては
、すぐれた耐食性を示すことから、石油化学関係の塔や
槽、さらには熱交換器の製造に用いられ、また配管材料
としても広く使用されている。
合金は、還元性の腐食雰囲気ですぐれた耐食性を示すこ
とから、これらの雰囲気で使用するのに最適な耐食性合
金であり、特に非酸化性の酸、なかでも塩酸に対しては
、すぐれた耐食性を示すことから、石油化学関係の塔や
槽、さらには熱交換器の製造に用いられ、また配管材料
としても広く使用されている。
通常、これらの用途には、曲げ や伸管などの冷間加工
や溶接施工などの操作が伴 うが、これらの操作によつ
て発生した残留歪みや残留応力は加工後あるいは中間工
程において焼鈍を施すことによつて除去され、その後再
び加工されるか、あるいはそのまま最終製品として供さ
れている。通常、前記の焼鈍は、1100〜1200℃
の温度範囲に数1紛間保持の条件で行なわれているが、
前記Ni−Mo基合金が昇温時において、700〜80
0℃の温度範囲を通過する時に、著しく脆化(中間温度
脆性)するため、特に強度な冷間加工を施した部材にお
いては、高い引張残留応力によつて割れが発生すること
が知られている。この焼鈍時の割れは、上記Ni−Mo
基合金が700〜800℃の温度に加熱されると粒界の
結合力が低下し、かつ、丁度この温度域にノーズ(No
se)をもつ金属間化合物Ni、Moの析出により粒内
強度が高くな り、この結果硬さも高くなつて伸びが著
しく低下する作用と、冷間加工時の高い引張残留応力と
の相互作用によつて生ずることから、従来、この焼フ鈍
脆化割れの発生を防止する手段としては、(1)700
〜800℃の温度範囲に、おい、て金属間化合物Ni、
Moが析出するのを抑制し、硬さを低くおさえることに
よつて、粒界に応力が集中するのを緩和する方法、(2
)金属間化合物の析出には、ある程度の時間を要するこ
とから、焼鈍温度への加熱昇温速度を速くする、すなわ
ち脆化温度領域を急速に通過させることによつて金属間
化合物の析出が起る前に残留歪みおよび残留応力を除去
してしまう方法、(3)冷間加工時に残留歪みや残留応
力が発生しないようにするか、あるいはこれを圧縮残留
応力とする方法などの方法が検討されている。しかし、
上記(1)方法は、MO含有量を低くするなどの手段に
より可能となるが、Ni−MO基合金のもつすぐれた耐
塩酸性がそこなわれてしまうという問題があり、また上
記(2)方法は、部材形状が大きくなつた場合、その実
施が工業上きわめて困難であり、さらに上記(3)方法
は、現実の問題として部材のあらゆる部位の残留応力(
歪み)を予知することは難しく、かつこれを測定する手
段も限られて,いる一方、引張残留応力を残さない加工
方法の開発も非常に困難であることから、実施がきわめ
て難しいものである。本発明者等は、上述のような観点
から、高い引張残留応力を保持した冷間加工部材を、ゆ
つくり2とした昇温速度て昇温し、1000′C以上の
温度で焼鈍した場合においても焼鈍割れの発生がない耐
中間温度脆性にすぐれた耐食性Ni−MO基合金を得べ
く研究を行なつた結果、MO:26〜30%、Fe:4
〜6%、■、Ti,.ZrlおよびNbのうちの1種2
または2種以上:0.05〜1%、B:0.001〜0
.01%を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる
組成(以上重量%、以下%の表示はすべて重量%を示す
)を有し、かつ不可避不純物としてのCr、Mn,.C
O..Si..C,.PlおよびSの含有量を、そ3r
れぞれCr:1%以下、Mn:1%以下、CO:2.5
%以下、Sj:1%以下、C:0.05%以下、P:0
.025%以下、およびS:0.03%以下とした耐食
性Ni基合金は、特にBの含有によつて、これが焼鈍加
熱時に700〜800℃の温度域を通過しても粒3!界
の結合力の低下がなく、したがつて割れ発生が皆無とな
るという知見を得たのである。
や溶接施工などの操作が伴 うが、これらの操作によつ
て発生した残留歪みや残留応力は加工後あるいは中間工
程において焼鈍を施すことによつて除去され、その後再
び加工されるか、あるいはそのまま最終製品として供さ
れている。通常、前記の焼鈍は、1100〜1200℃
の温度範囲に数1紛間保持の条件で行なわれているが、
前記Ni−Mo基合金が昇温時において、700〜80
0℃の温度範囲を通過する時に、著しく脆化(中間温度
脆性)するため、特に強度な冷間加工を施した部材にお
いては、高い引張残留応力によつて割れが発生すること
が知られている。この焼鈍時の割れは、上記Ni−Mo
基合金が700〜800℃の温度に加熱されると粒界の
結合力が低下し、かつ、丁度この温度域にノーズ(No
se)をもつ金属間化合物Ni、Moの析出により粒内
強度が高くな り、この結果硬さも高くなつて伸びが著
しく低下する作用と、冷間加工時の高い引張残留応力と
の相互作用によつて生ずることから、従来、この焼フ鈍
脆化割れの発生を防止する手段としては、(1)700
〜800℃の温度範囲に、おい、て金属間化合物Ni、
Moが析出するのを抑制し、硬さを低くおさえることに
よつて、粒界に応力が集中するのを緩和する方法、(2
)金属間化合物の析出には、ある程度の時間を要するこ
とから、焼鈍温度への加熱昇温速度を速くする、すなわ
ち脆化温度領域を急速に通過させることによつて金属間
化合物の析出が起る前に残留歪みおよび残留応力を除去
してしまう方法、(3)冷間加工時に残留歪みや残留応
力が発生しないようにするか、あるいはこれを圧縮残留
応力とする方法などの方法が検討されている。しかし、
上記(1)方法は、MO含有量を低くするなどの手段に
より可能となるが、Ni−MO基合金のもつすぐれた耐
塩酸性がそこなわれてしまうという問題があり、また上
記(2)方法は、部材形状が大きくなつた場合、その実
施が工業上きわめて困難であり、さらに上記(3)方法
は、現実の問題として部材のあらゆる部位の残留応力(
歪み)を予知することは難しく、かつこれを測定する手
段も限られて,いる一方、引張残留応力を残さない加工
方法の開発も非常に困難であることから、実施がきわめ
て難しいものである。本発明者等は、上述のような観点
から、高い引張残留応力を保持した冷間加工部材を、ゆ
つくり2とした昇温速度て昇温し、1000′C以上の
温度で焼鈍した場合においても焼鈍割れの発生がない耐
中間温度脆性にすぐれた耐食性Ni−MO基合金を得べ
く研究を行なつた結果、MO:26〜30%、Fe:4
〜6%、■、Ti,.ZrlおよびNbのうちの1種2
または2種以上:0.05〜1%、B:0.001〜0
.01%を含有し、残りがNiと不可避不純物からなる
組成(以上重量%、以下%の表示はすべて重量%を示す
)を有し、かつ不可避不純物としてのCr、Mn,.C
O..Si..C,.PlおよびSの含有量を、そ3r
れぞれCr:1%以下、Mn:1%以下、CO:2.5
%以下、Sj:1%以下、C:0.05%以下、P:0
.025%以下、およびS:0.03%以下とした耐食
性Ni基合金は、特にBの含有によつて、これが焼鈍加
熱時に700〜800℃の温度域を通過しても粒3!界
の結合力の低下がなく、したがつて割れ発生が皆無とな
るという知見を得たのである。
この発明は上記知見にもとづいてなされたものであつて
、以下に成分組成範囲を上記の通りに限定した理由を説
明する。
、以下に成分組成範囲を上記の通りに限定した理由を説
明する。
4C(a)MOMO成分には、
素地に固溶して合金の耐食性、特に耐塩酸性を向上させ
る作用があるが、その含有量が26%未満では所望のす
ぐれた耐食性を確保することができず、一方30%を越
えて含有させると合金の熱間加工性および常温での機械
的性質が低下するようになることから、その含有量を2
6〜30%と定めた。
素地に固溶して合金の耐食性、特に耐塩酸性を向上させ
る作用があるが、その含有量が26%未満では所望のす
ぐれた耐食性を確保することができず、一方30%を越
えて含有させると合金の熱間加工性および常温での機械
的性質が低下するようになることから、その含有量を2
6〜30%と定めた。
(b)Fe
Fe成分には、合金の熱間加工性および常温の機械的性
質を向上させる作用があるが、その含有量が4%未満で
は前記作用に所望の効果が得られず、一方6%を越えて
含有させると、耐食性が劣化するようになることから、
その含有量を4〜6%と定めた。
質を向上させる作用があるが、その含有量が4%未満で
は前記作用に所望の効果が得られず、一方6%を越えて
含有させると、耐食性が劣化するようになることから、
その含有量を4〜6%と定めた。
(c)V..Ti..ZrlおよびNb
これらの成分には、合金の溶解および鋳造過程で安定な
炭化物を形成し、もつて実質的に合金中のFfeeCを
低減することによつて、いわゆる鋭敏化による粒界腐食
に対する抵抗性を飛躍的に向上させる均等的作用がある
が、その含有量が0.05%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方1%を越えて含有させると、合金
の加工性および溶接性が劣化するようになることから、
その含有量を0.05〜1%と定めた。
炭化物を形成し、もつて実質的に合金中のFfeeCを
低減することによつて、いわゆる鋭敏化による粒界腐食
に対する抵抗性を飛躍的に向上させる均等的作用がある
が、その含有量が0.05%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方1%を越えて含有させると、合金
の加工性および溶接性が劣化するようになることから、
その含有量を0.05〜1%と定めた。
゜d)BB成分には、結晶粒界に偏析する傾向があり、
したがつて、これによつて合金の結晶粒界が強化される
ようになるため、焼鈍時の粒界割れの発生および割れ伝
播が阻止されるようになるが、その含有量が0.001
%未満では前記の含有効果が十分現われず、一方0.0
1%を越えて含有すると、粒界の耐食性が劣化するよう
になるほか、溶接性にも悪影響を及ぼすようになること
から、その含有量を0.001〜0.01%と定めた。
したがつて、これによつて合金の結晶粒界が強化される
ようになるため、焼鈍時の粒界割れの発生および割れ伝
播が阻止されるようになるが、その含有量が0.001
%未満では前記の含有効果が十分現われず、一方0.0
1%を越えて含有すると、粒界の耐食性が劣化するよう
になるほか、溶接性にも悪影響を及ぼすようになること
から、その含有量を0.001〜0.01%と定めた。
c)C
不可避不純物としてのCは、溶接熱影響部において、粒
界にMOの炭化物を形成して、この部分の粒界の耐食性
を劣化させ、粒界腐食の原因となる成分であることから
、その含有量は少なければ少ないほどよいが、0.05
%まで含有しても前記の粒界耐食性劣化作用は現われな
いことから、その上限値を0.05%と定めた。
界にMOの炭化物を形成して、この部分の粒界の耐食性
を劣化させ、粒界腐食の原因となる成分であることから
、その含有量は少なければ少ないほどよいが、0.05
%まで含有しても前記の粒界耐食性劣化作用は現われな
いことから、その上限値を0.05%と定めた。
)Cr..Mn..CO..Si..PlおよびS通常
、合金製造に際して、不可避不純物としてCr..Mn
..CO..SiNplおよびSの含有を避けることが
できないが、それぞれCr:1%、Mn:1%、CO:
2.5%、Si:1%、P:0.025%、およびS:
0.03%を越えて含有するようになると、合金の耐食
性、延性、溶接性、および加工法に悪影響を及ぼし、こ
れら特性が劣化するようになることから、これら不可避
不純物のそれぞれの上限値を、Cr:1%、Mn:1%
、CO:2.5%、Si:1%、P:0.025%、お
よびS:0.03%と定めた。つぎに、この発明のNi
基合金を実施例により比較例と対比しながら説明する。
、合金製造に際して、不可避不純物としてCr..Mn
..CO..SiNplおよびSの含有を避けることが
できないが、それぞれCr:1%、Mn:1%、CO:
2.5%、Si:1%、P:0.025%、およびS:
0.03%を越えて含有するようになると、合金の耐食
性、延性、溶接性、および加工法に悪影響を及ぼし、こ
れら特性が劣化するようになることから、これら不可避
不純物のそれぞれの上限値を、Cr:1%、Mn:1%
、CO:2.5%、Si:1%、P:0.025%、お
よびS:0.03%と定めた。つぎに、この発明のNi
基合金を実施例により比較例と対比しながら説明する。
実施例 国
それぞれ第1表に示される成分組成をもつた本発明Ni
基合金1〜13および比較Ni基合金1〜5を通常の溶
解法にて溶製し、鋳造し、熱間鍛造し、熱間圧延し、つ
いで焼なまし処理し、最終的に20%の冷間圧延を施す
ことによつて板厚:2Tf0nを有する本発明Ni基合
金1〜13および比較Ni基合金1〜5の板をそれぞれ
製造した。
基合金1〜13および比較Ni基合金1〜5を通常の溶
解法にて溶製し、鋳造し、熱間鍛造し、熱間圧延し、つ
いで焼なまし処理し、最終的に20%の冷間圧延を施す
ことによつて板厚:2Tf0nを有する本発明Ni基合
金1〜13および比較Ni基合金1〜5の板をそれぞれ
製造した。
なお、比較Ni基合金板材1〜5は、いずれも構成成分
のうちのいずれかの成分含有量(第1表には×印を付し
て表示)がこの発明の範囲から外れた組成をもつもので
ある。ついで、この結果得られた各種の板材より、厚さ
:2咽×平行部長さ:4師×幅:11醜の寸法をもつた
板状引張試験片を切出し、この試験片に、それぞれ10
、25N3\45、および60kgIdの荷重を付加し
た状態で、それぞれ600゜C,700゜C,および8
00゜Cに加熱して1分間保持した後、室温まで冷却し
、冷却後の試験片の中央部における割れ発生状況を観察
する高温荷重割れ試験を行なつた。
のうちのいずれかの成分含有量(第1表には×印を付し
て表示)がこの発明の範囲から外れた組成をもつもので
ある。ついで、この結果得られた各種の板材より、厚さ
:2咽×平行部長さ:4師×幅:11醜の寸法をもつた
板状引張試験片を切出し、この試験片に、それぞれ10
、25N3\45、および60kgIdの荷重を付加し
た状態で、それぞれ600゜C,700゜C,および8
00゜Cに加熱して1分間保持した後、室温まで冷却し
、冷却後の試験片の中央部における割れ発生状況を観察
する高温荷重割れ試験を行なつた。
この試験結果を第2表に示したが、第2表においてO印
が割れ発生のない場合、×印が割れ発生のある場合を示
す。第2表において、比較Ni基合金4に見られるよう
に、Bの含有量がこの発明の範囲から外れて低いと、割
れが比較的低温一低荷重で発生するのに対して、本発明
Ni基合金1〜13および比較Ni基合金1〜3および
5に見られるように、Bを所定量以上含有すると、割れ
発生開始が高温一高荷重側に移り、すぐれた耐中間温度
脆性をもつようになることが明らかである。
が割れ発生のない場合、×印が割れ発生のある場合を示
す。第2表において、比較Ni基合金4に見られるよう
に、Bの含有量がこの発明の範囲から外れて低いと、割
れが比較的低温一低荷重で発生するのに対して、本発明
Ni基合金1〜13および比較Ni基合金1〜3および
5に見られるように、Bを所定量以上含有すると、割れ
発生開始が高温一高荷重側に移り、すぐれた耐中間温度
脆性をもつようになることが明らかである。
また、上記各種の板材から耐食性試験片を3個づつ切出
し、この試験片を用いて20%HClの沸騰溶液中に3
周間浸漬の条件で耐食性試験を行ない、腐食速度(年換
算値)および最大粒界腐食深さを測定した。
し、この試験片を用いて20%HClの沸騰溶液中に3
周間浸漬の条件で耐食性試験を行ない、腐食速度(年換
算値)および最大粒界腐食深さを測定した。
この測定結果を3個の試験片の平均値にて第2表に合せ
て示した。第2表に示される結果から、本発明Ni基合
金1〜13は、いずれもすぐれた耐食性を示すのに対し
て、比較N】基合金1、2、3および5に見られるよう
に、MOおよび■については、その含有量がこの発明の
範囲から低い方に、またFeおよびBについて高い方に
それぞれ外れると耐食性が著しく劣化するようになるこ
とが明らかである。さらに、本発明Ni基合金2および
比較Ni基合金4、5について、トランスバレストレン
法によ・る溶接試験を行なつた。すなわち、板状の試験
片の片側を曲げブロック上に固定した後、試験片の表面
上に直流正極性のTIGによりビードオンプレート溶接
を行ない、TIGのトーチが試験片の中央に移動した時
、曲げブロックに沿つて、溶接方向と曲げ歪み方向とが
互いに直角になるように試験片を瞬間的に曲げて、試験
片表面ビード部に所定の曲げ歪みを付与し、この時ビー
ド中央部に発生・する割れ長さを測定することにより溶
接性を評価した。この試験結果を第1図に示した。第1
図に示される結果から、Bの含有量がこの発明の範囲か
ら高い方に外れると溶接性が劣化することがわかる。上
述のように、この発明のNi基合金は、すぐれた耐食性
および溶接性を具備するほか、特にすぐれた耐中間温度
脆性を有しているので、冷間加工後、または溶接施工後
の焼鈍に際して、残留応力について何ら考慮することな
く、すなわち、仮に高い引張残留応力状態にあつても、
これを低減したり、圧縮残留応力に変えたりする必要な
く、そのままの状態で、また昇温速度も特に早める必要
もなく、通常の焼鈍炉において焼鈍を行なうことができ
るのである。
て示した。第2表に示される結果から、本発明Ni基合
金1〜13は、いずれもすぐれた耐食性を示すのに対し
て、比較N】基合金1、2、3および5に見られるよう
に、MOおよび■については、その含有量がこの発明の
範囲から低い方に、またFeおよびBについて高い方に
それぞれ外れると耐食性が著しく劣化するようになるこ
とが明らかである。さらに、本発明Ni基合金2および
比較Ni基合金4、5について、トランスバレストレン
法によ・る溶接試験を行なつた。すなわち、板状の試験
片の片側を曲げブロック上に固定した後、試験片の表面
上に直流正極性のTIGによりビードオンプレート溶接
を行ない、TIGのトーチが試験片の中央に移動した時
、曲げブロックに沿つて、溶接方向と曲げ歪み方向とが
互いに直角になるように試験片を瞬間的に曲げて、試験
片表面ビード部に所定の曲げ歪みを付与し、この時ビー
ド中央部に発生・する割れ長さを測定することにより溶
接性を評価した。この試験結果を第1図に示した。第1
図に示される結果から、Bの含有量がこの発明の範囲か
ら高い方に外れると溶接性が劣化することがわかる。上
述のように、この発明のNi基合金は、すぐれた耐食性
および溶接性を具備するほか、特にすぐれた耐中間温度
脆性を有しているので、冷間加工後、または溶接施工後
の焼鈍に際して、残留応力について何ら考慮することな
く、すなわち、仮に高い引張残留応力状態にあつても、
これを低減したり、圧縮残留応力に変えたりする必要な
く、そのままの状態で、また昇温速度も特に早める必要
もなく、通常の焼鈍炉において焼鈍を行なうことができ
るのである。
第1図は3種のNj基合金の溶接試験結果を示した曲線
図である。
図である。
Claims (1)
- 1 Mo:26〜30%、Fe:4〜6%、V、Ti、
ZrおよびNbのうちの1種または2種以上:0.05
〜1%、B:0.001〜0.01%を含有し、残りが
Niと不可避不純物からなる組成を有し、かつ不可避不
純物としてのCr、Mn、Co、Si、C、P、および
Sの含有量を、それぞれCr:1%以下、Mn:1%以
下、Co:2.5%以下、Si:1%以下、C:0.0
5%以下、P:0.025%以下、S:0.03%以下
(以上重量%)としたことを特徴とする耐中間温度脆性
にすぐれた耐食性Ni基合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13252281A JPS6047891B2 (ja) | 1981-08-24 | 1981-08-24 | 耐中間温度脆性にすぐれた耐食性Ni基合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13252281A JPS6047891B2 (ja) | 1981-08-24 | 1981-08-24 | 耐中間温度脆性にすぐれた耐食性Ni基合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5834155A JPS5834155A (ja) | 1983-02-28 |
JPS6047891B2 true JPS6047891B2 (ja) | 1985-10-24 |
Family
ID=15083271
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13252281A Expired JPS6047891B2 (ja) | 1981-08-24 | 1981-08-24 | 耐中間温度脆性にすぐれた耐食性Ni基合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6047891B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6040742U (ja) * | 1983-08-29 | 1985-03-22 | 光洋機械産業株式会社 | 鋼製足場板 |
US6610119B2 (en) | 1994-07-01 | 2003-08-26 | Haynes International, Inc. | Nickel-molybdenum alloys |
-
1981
- 1981-08-24 JP JP13252281A patent/JPS6047891B2/ja not_active Expired
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5834155A (ja) | 1983-02-28 |
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