JPS6047713B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高周波加熱装置に関し、特に加熱室開口周辺か
らの電波漏洩をＴＥモード誘電体共振器で効果的に防止
せんとするものてある。

従来この種装置における加熱室周辺からの電波漏洩は波
長をλとするとλ／４長の共振空洞からなるチョーク構
造を加熱室周辺に配することで防止している。

しかしこのようなチョーク構造では大きな共振空間が必
要となるという問題点がある。そこで、マイクロ波通信
技術の分野では既に周知のＴＥモード誘電体共振器を電
波漏洩通路に配して電波漏洩を効果的に防止することが
提案されている。その理由は誘電体共振器を用いた電波
漏洩防止構造は、従来のチョーク構造のものより容積の
面で小さくできる利点があるためである。しカル誘電体
共振器の共振特性は第１図に示す如く急峻であるため、
加熱室内の負荷状態、つまりスタラフアンや被加熱物等
の状態によりマグネトロンの発振周波数が変化した時充
分な電波漏洩防止効果を得ることができない。本発明は
斯る点に鑑みてなされたもので、高周波加熱装置におい
て広い周波数帯域にわたつて電波漏洩を防止するＴＥモ
ード誘電体共振器を用いた電波漏洩防止構造を提供せん
とするものてある。

第２図は本発明者が行なつた実験の一実験装置を示し１
、２は電波漏洩通路を形成するための平行に対向した金
属製平板、３は上記平行平板の一方２の内面にろう付に
より固着された′圧モード誘電体共振器である。

尚電波漏洩方向は図中矢印で示す。上記装置において、
平行平板１、２の距離、つまり通路幅Ｇを変化させて上
記誘電体共振器３の・共振特性を調べた結果、第３図に
示す如く通路幅Ｇが小さくなれば上記誘電体共振器３の
共振周波数は大きくなるという関係を得た。

本発明は上記の結果に基づいてなされたもので、以下に
本発明の一実施例について詳述する。

第４図は本発明の一実施例の要部断面を示し、４は高周
波加熱装置本体、５は該本体４内に配され、開口６を有
する加熱室、７は該開口６周囲の４辺に配設された本体
の前面板、８は図示しない一辺を上記前面板７の一辺（
図示せず）で枢支され、図中矢印方向に回動して上記開
口６を開閉する金属製ドアであり、該ドア８は閉扉時に
上記前面板７の周囲４辺に沿う枠状主面部９ａと該主面
部９ａの外縁を曲折してなる曲折部９ｂと上記主面部９
ａの内縁を上記曲折部９ｂの曲折方向と同方向に傾斜曲
折してなる傾斜部９ｃとからなり、上記主面部９ａ１曲
折部９ｂ及び傾斜部９ｃとでドア８の４辺に沿う周状溝
１０を形成している。１１は閉扉時に表面が上記前面板
７と近接対向し、上記周状溝１０全体を覆蓋すべく取着
された枠状の低誘電体カバー、１２は上記曲折部９ｂと
傾斜部９ｃ端部との間に固着され、上記周状溝１０内全
周に配された枠状の誘電体共振器取付板であり、該取付
板１２は、閉扉時に上記前面板７と平行に対面すると共
に上記前面板７からの距離Ｇｌ，Ｇ２が互いに異なる第
一面１３ａ及び第二面１３ｂとからなる。

尚上記取付板１２は上記前面板７とて電波漏洩通路を形
成する。１４ａは裏面が予めメタライズされ、該メタラ
イズ面が上記取付板１２の第一面１３ａ表面にろう付さ
れると共に表面が上記誘電体カバー１１裏面に接触する
第一のＴＥモード誘電体共振器、１４ｂは該第一の誘電
体共振器１４ａと同様に上記取付板１２の第二面１３ｂ
に固着された第二のＴＥモード誘電体，共振器、１５は
ドア８の傾斜部９ｃ端部に固着され、加熱室５内を透視
できるパンチング板である。

尚上記低誘電体カバー１１の裏面は上記取付板１２表面
と平行に対向すべく成型されている。また上記第一及び
第二の誘電体共振器１４ａ，１４ｂは同一形状をなし、
その材料は比誘電率εｒが９０のチタン酸バリウムを主
成分とする誘電体であり、またその寸法は第５図中電波
漏洩方向の長さａが１１．５ｍＩｎ１厚みが７．５順、
紙面に対して垂直方向の長さｂが６Ｔｆｒ１ｆ１にして
、漏洩電波に対してほ５ぼ共振寸法関係にある。そして
、上記の誘電体共振器は枠状の取付板１２の第一面１３
ａ及び第二面１３ｂ上に夫々上記辺方向に例えば面間距
離が３０Ｔｎｍとなるように一定間隔で配置されている
。また上記Ｇｌ，Ｇ２の値は夫々１４．５７Ｔ＄１，１
１．５ＴＷｔである。上記構造を有した高周波加熱装置
の前面板７と取付板１２とからなる電波漏洩通路におい
て前面板７と第一面１３ａとからなる通路幅Ｇ１の通路
を第一通路、前面板７と第二面１３ｂとからなる通路幅
Ｇ２の通路を第二通路とすると、第３図にノ示す如く第
一通路と第二通路との共振周波数はＦｌ，ｆ２と互いに
異なり、従つて第５図中点線Ｂ，Ｃで示す如く第一通路
の共振特性と第二通路との共振特性はズレてくる。つま
り、上記第一通路と第二通路との共振特性はズレるので
、第一通路と第二通路とから構成される上記電波漏洩通
路の共振特性は第一通路の共振特性と第二通路の共振特
性とを重ね合わせたものとなるため第５図の実線Ａで示
す如く緩やかなものとなり、電波漏洩阻止帯域が拡大さ
れる。以上の説明から明らかな如く、本発明の高周波加
熱装置ては電波漏洩防止構造が小さくてすみ、かつ阻止
周波数帯域が広いのでマグネトロンの発振周波数の変化
に対しても効果的に電波漏洩を防止できる。

尚、上記実施例ではドア側にＴＥモード誘電体共振器を
配したが、本体側に上記実施例と同様にＴＥモード誘電
体共振器を配しても同様の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はＴＥモード誘電体共振器の共振特性を示すグラ
フ、第２図は本発明の一実験装置、第３図は誘電体共振
器の通路幅一共振周波数の関係を示すグラフ、第４図は
本発明の一実施例を示す要部拡大断面図、第５図は第４
図の実施例の共振特性を示すグラフである。 ５・・・・・・加熱室、１４ａ，１４ｂ・・・・・・π
モード誘電体共振器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 加熱室開口周辺の電波漏洩通路に電波の共振寸法関
   係にある複数のＴＥモード誘電体共振器を配してなる高
   周波加熱装置において、上記通路は複数の共振領域から
   なり、該領域の各々には上記誘電体共振器が少なくとも
   一つ配されていると共に上記各領域における共振周波数
   は互いに異なることを特徴とする高周波加熱装置。 ２ 特許請求の範囲第１項において、上記通路は斯る通
   路を実質的に構成する導電性の平行平板間の距離が夫々
   異なる第一通路と第二通路とから構成されると共に、上
   記第一の通路及び第二通路には夫々複数の上記誘電体共
   振器が配されていることを特徴とする高周板加熱装置。