JPS6047433B2 - 蝶番の安全装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は回転角に応じてモーメントが変動する回動
部材、例えは事務機（殊に複写機）等の重量を有する蓋
体等に用いられる蝶番の安全装置に関するものである。

従来この種の回動部材としては上開きあるいは下開き
等の開閉作動（横開き以外の開閉動作）する蓋体が考え
れられるが、これらの蓋体特に数十に９という大重量の
蓋体を常時開閉作動させて使用する器具では開閉作動の
大きなりが必要となり、また蓋体の慣性のために作業者
の手を挾んたり、足に当るなど作業にあたつては大変危
険であり、これらの問題点を解消するのが当業界内の長
年の課題であつた。 この課題を解決すべくなされたも
のとして、次の様な蝶番装置がある。

この蝶番装置は第１図イ、口、ハに示すような構造に
なつている。

第１図イは上記蝶番装置の閉状態における側面図であ
り、第１図咀よ同図イのＡ’矢印視図、第１図ハは同図
口の１−１断面図である。

１は固定部材であり、この固定部材１の立設板１ａ、
ｌｂには芯金２がボルト６により軸心回りの回動を拘束
されて装着されている。

上記芯金２には蓋体３が回動自在に軸支されており、こ
の蓋体３と芯金２の間には渦巻ばね４が装着されている
。 なお、５は皿ばね、７は座金兼用カバーである。

そしてこの蝶番装置は、蓋体３が第１図イの閉状態か
らａ’方向に開作動するときの蓋体３の回動モーメント
に、渦巻ばね４のばねトルクと皿ばね５の摩擦力との総
合特性をほぼ近似させて設計してある。

従つて、この蝶番装置によれば、蓋体３の回動に際して
必要な操作力を小さくすることができるとともに蓋体３
をその作動範囲の任意の位置に停止させることができる
ので上記した課題を解決することができるものである。

しかしながら、上記蝶番装置においては、渦巻ばね４が
折損したときに、大重量の蓋体３を支持するものが無く
なり、そのために上開きに停止した蓋体３は重力によつ
て急激に落下し、作業者の手を挾む等の危険性があつた
。この発明は上記した危険性を解消するためになされた
蝶番の安全装置を提供せんものである。

以下、本発明を図示した実施例に基ずいて具体的に説明
する。第２図は本発明に係る蝶番装置の閉状態における
側面図であり、第３図は第１図の■−■線断面図、第４
図は第３図の■−■線断面図である。

１１は固定部材であり、該固定部材１１には一体的に立
設板１１ａ，１１ｂが設けてある。

１３は芯金でボルト２０により立設板に締着される。

１５は蓋体（又は蓋体の取付部材）で芯金１３に回動自
在に枢着されており、第２図閉終点（水平状態）から、
蓋体１５はａ方向に開作動してほぼ直立状態（第２図の
×点）で開終点となる。

１４は渦巻ばねで上記蓋体１５の開終点において、その
外端１４ｂを蓋体１５に固着されその内端１４ａを芯金
１３の割溝１３ａに回動不可にして取付けられている。

この蓋体１５を渦巻ばね１４の外端１４ｂに固着すると
きは、渦巻ばね１４の自由状態における蓋体１５の位置
が第２図のＹ点になるようセッティングする。この固着
により蓋体１５の開終点（×点）において、芯金１３及
び蓋体１５にプリセツトカαが附与されることになる。
１６は板ばねで固定部材１１に立設し、蓋体１５の開終
点（×点）近傍において蓋体１５に固着した当て板１７
に当接させるようにしてある。なお、１８は蓋体１５の
回転に対して、適宜の摩擦力を附与するために皿ばねで
あり、１１３は渦巻ばね１４のカバーである。また１９
はストッパー部材で、このストッパー部材１９により芯
金１３は固定部材１１に対して回転を拘束される。

そしてストッパー部材１９はその突起１９ｃと固定部材
１１に設けた突起１１４に張設された引張りコイルばね
１１５により附勢力を受けて保持される。次にストッパ
ー部材１９の装着の仕方を第５図に基づいて説明する。

蓋体１５の端部には芯金１３の透通孔１１０ａ，１１０
ｂが、固定部材１１の立設板１１ａ，１１ｂには同じく
芯金１３の透通孔１２ａ，１２ｂが穿設されている。

上記透通孔１２ａにはこの透通孔１２ａに開口する切込
み溝１２ｃが設けてある。また、上記蓋体１５にはその
透通孔１１０ａに沿つて長溝１１１が穿設してあり、こ
の長溝１１１には凹所１１２を設けて略Ｔ字状に形成さ
れている。

芯金１３には割溝１３ａ及び１３ｂが形成されており、
その外端側周壁に周溝１３ｃが形成されている。ストッ
パー部材１９は一辺１９ａと他辺１９ｂを有する略Ｌ字
形に形成されておおり、一辺１９ａには突起１９ｃを設
けてある。上記蓋体１５、渦巻ばね１４及び芯金１３は
前述したように組付けられるものであるが、この組付け
の後ストッパー部材１９はその一辺１９ａを芯金１３の
割溝１３ｂ及び固定部材１１の切込み溝１２ｃに亘つて
係合させ、かつ、その他辺１９ｂを蓋体１５の長溝１１
１に係合させ、かつＣ型止め輪１１６を芯金１３の周溝
１３ｃに嵌着して装着される。このとき渦巻ばね１４の
プリセツト力αによつて芯金１３は一定方向に回転附勢
される。このためストッパー部材１９は上記附勢によつ
て芯金１３の割溝１３ｂ及び固定部材１１の切込み溝１
２ｃの側壁に強く押付けられる。また、引張りコイルば
ね１１５は、ストッパー部材１９の突起１９ｃと固定部
材１１に設けた突起１１４に張架される。ストッパー部
材１９は上記引張りコイルはね１１５によつて固定部材
１１の透通孔１２の切込み溝１２ｃの奥行方向へ附勢さ
れるが、蓋体１５の開終点においては上記プリセツト力
αによる押付けによつて生ずるストッパー部材１９に働
らく摩擦力が上記附勢力に勝つているためストッパー部
材１９は切込み溝１２ａの奥行方向へは移動しない。ま
た、蓋体１５の開終点から閉作動する場合には、上記ス
トッパー部材１９に働らく摩擦力が漸大するので上記し
たと同様にストツパー部材１９は切込み溝１２ａの奥行
方向へ移動しない。従つて、上記引張りコイルばね１１
５の附勢力は上記ストッパー部材１９に働らく摩擦力（
プリセツトカαによる）よりも弱いことが必要である。

上記のようにストッパー部材１９を装着して安全装置は
構成される。

次にこの安全装置の作用について説明する。この安全装
置において、渦巻ばね１４が折損等により蓋体１５を支
持する機能を消失したとき、開終点近傍にあつた蓋体１
５は第２図のＡ方向に勢いよく転倒するとともに、スト
ッパー部材１９に働らく摩擦力も無くなるためにストッ
パー部材１９は引張りコイルばね１１５の附勢力により
固定部材１１の切込み溝１２ｃの奥行方向へ移動する。

しかして、ストッパー部材１９の他辺１９ｂが転倒する
蓋体１５のＴ字状溝の凹所１１２にはまり込む。

このはまり込みにより蓋体１５の転倒が停止する。この
発明は以上のような構成及び作用を有するので、蝶番の
渦巻ばねが折損したときにも重量を有する蓋体が勢いよ
く転倒するのを適確に防止することができるとともにそ
れによる作業者への危険を未然に防ぐことができるとい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の蝶番装置であり、イはその閉状態におけ
る側面図、口はイのＡ″矢視図、ハは口のＩ−１線断面
図、第２図は本発明に係る安全装置を装着した蝶番装置
の閉状態における側面図、第３図は第２図の■−■線断
面図、第４図は第３図の■−■線断面図、第５図はスト
ッパー部材の装着状態の説明図である。 １１・・・・・・固定部材、１２ａ，１２ｂ・・・・・
・透通孔、１２ｃ・・・・・・切込み溝、１４・・・・
・・渦巻ばね、１５・・・・・・蓋体、１６・・・・・
・板ばね、１８・・・・・・皿ばね、１９・・・・スト
ッパー部材、１１０ａ，１１０ｂ・・・・・透通孔、１
１１・・・・・・長溝、１１２・・・・・・凹所、１１
４・・・・・・突起、１１５・・・・・・引張りコイル
ばね。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 芯金を回転中心として回転角に応じてモーメントが
   変動する回動部材であつて、上記芯金と回動部材との間
   に渦巻きばねを装着した蝶番において、上記回動部材に
   芯金透通孔に沿つた長溝で該長溝に開口する凹所を具備
   した略Ｔ字状溝を形成し、上記固定部材に芯金透通孔に
   開口する切込み溝を形成し、上記芯金の外端に割溝を形
   成し、略Ｌ字形のストッパー部材を、その一辺を上記芯
   金の割溝及び上記固定部材の切込み溝に係合させ、かつ
   他辺を上記回動部材の長溝に係合させ、上記渦巻ばねの
   附勢力によつて、ストッパー部材と芯金及び上記固定部
   材の切込み溝との間に生じる摩擦力によつて、上記スト
   ッパー部材を保持するとともに、上記摩擦力よりも弱い
   ばね力を有する引張りコイルばねにより、上記ストッパ
   ー部材を適宜上記固定部材の切込み溝の奥行方向へ引張
   し、上記摩擦力を解除したとき、上記引張りコイルばね
   により上記ストッパー部材を上記固定部材の切込み溝の
   奥行方向へ移動させてストッパー部材の他辺を上記回動
   部材のＴ字状溝の凹所に係合させるようにしたことを特
   徴とする蝶番の安全装置。