JPS604703Y2 - 回転工具のトルク制御装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、チクストライバー等の回転工具におけるトル
ク制御の構成に関する。

動力源が電動機等で構成されるチクストライバー等の回
転工具は、締め付は過乗を防止するためトルク制御を要
し、一般的に電気的あるいは機械的にトク制御を行って
いる。

一般に大形の工具の場合は、締め付けの高精度が求めら
れる関係上電気的制御が多いが、チクストライバー等の
小形の工具にあっては簡単な機械的制御が一般的である
。

この簡単な機械的制御に要求されることは、小形軽量で
安価に製作できることの他、動作の特性が均一なもので
あることである。

従来は、回転可能なインタナルギヤーを介在して電動機
出力を減速して工具を回転させるよう構成すると共にイ
ンタナルギヤーにカムやラチェットを係合させて、この
係合関係をスプリングの付勢等の手段で一定の負荷を生
じるとインタナルギヤーが回転し電動機の出力が工具に
伝達されないよう横穴するのが一般的であった。

すなわち、インタナルギヤーが固定されている間型動機
の出力軸の回転がインタナルギヤー内を回転する遊星歯
車と遊星枠との組合せによって減速して工具を回転させ
、インタナルギヤーの回転によって遊星歯車と遊星枠に
よるトルク伝達を停止させようとするものであった。

このような構成は、大きな減速比が得られると共にイン
タナルギヤーに一定負荷が加わることによりインタナル
ギヤーをスリップさせて回転させることで容易に締め付
はトルクの調整が行えるため簡単な構造で機械的制御の
主流であった。

しかしながら、インタナルギヤーを一定トルクに達する
まで係止する手段が、カムやラチェットであり、これら
の部品構成は耐摩耗性や安定な動作を得るため焼結合金
による成形品や特殊な耐久性のある金属を加工して用い
るものであり、簡単な構造であるにも拘らず高価なもの
であった。

本考案は、このような事情から特にインタナルギヤーの
係止構造を改善して信頼性のある、しかも製作が容易で
安価な回転工具のトルク制御装置を提供することを目的
としている。

以下、本考案を図面に示された一実施例にもとづいて説
明すると第１図は本考案の一実施例を示した回転工具の
トルク制御装置の要部縦断面図であり、第２図はその円
板の正面図、第３図はこの円板の縦断面図である。

第１図において、回転工具のトルク制御装置は、内蔵さ
れる電動機の出力軸が太陽歯車１となり遊星歯車２に
合している。

そして、遊星歯車２は回転可能に設けられたインクナル
ギヤー３に 合すると共にその軸４が遊車枠５に設けら
れており、インクナルギヤー３が回転しない場合は太陽
歯車１の回転によってインタナルギヤ−３内周に沿って
回転するよう構成されている。

従って、遊星枠５が回転するとこれが次段の遊星歯車６
を回転させ、この遊星歯車６の軸７が先端にチャック８
を備えたスピンドル軸９に設けられており、電動機の出
力である太陽歯車１の回転が減速されてチャック８に伝
達されるよう構成されている。

さらに、インタナルギヤー３は、端部に円板１０が固定
されており、この円板１０には凸部１１が形成されてお
り、凸部１１の形成された面にローラー１２がワッシャ
ー１３を介在してスプリング１４で付勢して設けられて
いる。

スプリング１４の付勢する力は、スプリング１４を受け
ているスライドピース１５を調整リング１６で軸方向に
移動させることができるよう構成されている。

第２図において、円板１０は、インタナルギヤー３の端
部に回転方向で固定されるよう突部１７が２個外縁に設
けられており、鋼板をプレスの絞り抜形で形成したもの
である。

第３図において、円板１０は、鋼板の絞り抜形でドーナ
ツ形に形成されると共に凸部１１が形成されている。

このような構成において、回転工具のトルク制御装置は
、電動機の回転が太陽歯車１から遊星歯車２等を介して
チャック８に減速して伝達され、チャック８にドライバ
ーのビット等を取り付ければ電動ドライバーとして用い
ることができる。

そして、これが電動ドライバーとして用いられネジ等を
締め付けた場合、ある程度締め付けられると、その負荷
がトルクの伝達機構を介して太陽歯車１にまで加わる。

従って、負荷の増加は、遊星歯車２，６を介してインタ
ナルギヤー３に加わり、インタナルギヤー３を回転させ
ようとする。

インタナルギヤー３に回転させようとする力が作用する
と、インタナルギヤー３は円板１０を介してスプリング
１４で付勢されたローラー１２によって回転方向に係止
されており、この係止は円板１０の凸部１１がローラー
１２に当接してなされているため、ある程度以上の高ト
ルクが加わるとローラー１２がスプリング１４を押して
凸部１１を乗り越えることになり、円板１０が回転する
ことになる。

このように円板１０が回転するとインタナルギヤー３が
回転することになり、遊星歯車２，６による遊星枠５と
スピンドル軸９の回転が停止する。

そして、このようにスピンドル軸９が停止している間は
、ローラー１２が円板１０の凸部１１をスプリング１４
に抗じて乗り越えて円板１０の回転を許容するものであ
り、スプリング１４の付勢する力によってローラー１２
が凸部１１を乗り越えるに要する負荷トルクが変化する
ものである。

従って、調整リング１６を回動させてスライドピース１
５を移動させることによりスプリング１４の付勢力を任
意に変化させることができ、インタナルギヤー３が回転
開始する負荷トルクを調整することができる。

このような円板１０は、鋼板の絞り成形で形成されるた
め安価に製作できる他、凸部１１の形状をローラー１２
が乗り越えるに適度な負担となるような形状にすること
が任意であり、凸部１１の高さおよびローラー１２との
接触角度を適当に設定することにより円板１０を円滑に
回転させることができる。

そして、ローラー１２は必ずしも円筒状のローラー１２
にする必要はなく、ボールでも同様の効果を得ることが
できる。

また、ローラー１２の配設は、円板１０の凸部１１をガ
イドにして隣設される凸部１２間に配設すればよく、円
板１０とワッシャー１３との間を転がればよい。

このような円板１０とローラー１１との組合せは、円板
１０が鋼板の絞り成形品で形成できるため都合がよい他
、ローラー１２が転がるため安定した動作が得られ、特
に長期間使用されてもローラー１２が転がって動作する
ことから摩耗が少なく、丈夫である。

また、ローラー１２は、一般に市販されているボールあ
るいはローラーベアリングのボールやローラーを用いて
もよく、棒状体を小さく切断して製作してもよく安価に
製作できる。

以上説明の通り、本考案によれば凸部を形成した鋼板の
絞り成形による円板とローラーとの組合せで高負荷に対
するクラッチ機構を構成したため安価に製作できる他、
安定な動作が得られ、機械的負荷トルク制御として簡単
な構造で製作の容易な回転工具の負荷トルク制御装置を
得ることができ、その実用的価値はきわめて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す回転工具のトルク制
御装置の要部縦断面図であり、第２図はその要部の円板
の正面図、第３図はその円板の縦断面図である。 ２．６・・・・・・遊星歯車、３・・・・・・インタナ
ルギヤー、５・・・・・・遊星枠、１０・・・・・・円
板、１１・・・・・・凸部、１２・・・・・田−ラー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転可能なインタナルギヤーを介在して工具を減速回転
   させると共にこのインタナルギヤーに連結される円板を
   設け、この円板を絞り成形で形成すると共に凸部を設け
   、この円板に当接させるローラをスプリングで付勢して
   設けると共に前記凸部で係止するよう構成したことを特
   徴とする回転工具のトルク制御装置。