JPS6044599B2 - 熱輸送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は熱輸送装置に関し、詳しくは金属水素化物を利
用した熱輸送装置に関する。

ある種の金属や合金が発熱的に水素を吸蔵して金属水素
化物を形成し、また、この金属水素化物が可逆的に吸熱
的に水素を放出することが知られている。

近年、このような金属水素化物の特性を利用した熱輸送
装置等、種々の金属水素化物装置が提案されているが、
従来の金属水素化物装置は、第１図に示すように、それ
ぞれ密閉容器１及び２に異なる平衡分解圧特性を有する
第一の金属水素化物Ｍ、Ｈ及び第二の金属水素化物Ｍ。

Ｈを充填し、各容器内に熱交換器３及び４を導くと共に
、通常、弁５を備えた連通管６て密閉容器を連通して構
成されている。しかし、このような従来の装置において
は、一般に金属水素化物の単位置当りの熱交換伝熱面積
が小さく、金属水素化物は密閉容器内において不均一に
加熱又は冷却されるので、その水素の吸蔵・放出反応が
不均一に起ることが多い。

本発明は上記に鑑みてなされたものであつて、簡単な構
造てあつて、しかも金属水素化物の単位置当りの密閉容
器の器壁伝熱面積が大きく、熱輸送効率の高い熱輸送装
置を提供することを目的とする。

本発明の熱輸送装置は、第一の部屋に第一の金属水素化
物が充填され、第二の部屋に第二の金属水素化物が充填
され、第一の部屋と第二の部屋が水素は透過するが、金
属水素化物は透過しないように連通されている複数の管
状密閉容器と、この密閉容器の各第二の部屋を収容する
熱媒容器とを有し、第一の金属水素化物が加熱されて水
素を放出し、若しくは冷却されて水素を吸蔵し、第二の
金属水素化物が発熱的に水素を吸蔵し、若しくは吸熱的
に水素を放出して、前記管状密閉容器を壁面を介して、
熱媒容器内の熱媒と熱交換するようにしたことを特徴と
するものである。

以下に実施例を示す図面に基づいて本発明を説明する。

第２図に示す実施例においては、管状密閉容器１１は隔
膜１２によつて第一の部屋１３と第二の部屋１４とに区
画形成され、第一の部屋には第一の金属水素化物ＭｌＨ
が充填され、第二の部屋には第二の金属水素化物Ｍ２Ｈ
が充填されている。隔膜は、水素は透過するが、金属水
素化物は透過しない性質を有し、例えば金属焼結多孔体
、樹脂シート多孔体、金属金網等が用いられる。ＭｌＨ
とＭ２Ｈは同種の金属水素化物でもよいや、好ましくは
第３図に示すように平衡分解圧特性の異なる金属水素化
物が用いられる。隔膜を用いて第一と第二の部屋を、水
素は透過するが、金属水素化物は透過しないように遮断
する代りに、天然ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン
、シリコン樹脂等のように金属水素化物に結着性を有し
、かつ、水素透過性の大きい結着剤中に金属水素化物を
分散、固定し、例えば柱状の成形物として密閉容器１１
に収容して、水素のみを部屋１３及び１４間で移動させ
ることができる。

本発明においては管状密閉容器の各第二の部屋１４を収
容するように、複数の密閉容器が熱媒容器１５に配設さ
れる。熱媒容器内には熱媒１６が収容され、密閉容器の
第二の部屋の容器壁１７を介して熱交換する。熱媒は熱
媒容器内に循環供給され、熱交換器１８で熱媒の有する
熱を得てもよいし、また、間欠的に熱交換器に導かれて
もよい。上記装置の作動を説明する。

第３図に示すように、ＭｌＨは温度ＴＬにおいて水素を
十分に吸蔵しており（点Ｃ）、Ｍ２Ｈは温度ＴＭにおい
てほとんど水素を吸蔵していない（点Ｄ）とする。そこ
で、例えばヒーター１９とファン２０とによりＭｌＨを
温度ＴＬからＴＭに加熱すると、ＭｌＨとｒ！４２Ｈと
の間に平衡分解圧差が生じ、ＭｌＨは吸熱的に水素を放
出する（点Ｂ）。この水素は密閉容器１１内を第一の部
屋１３から第二の部屋１４に移動し、Ｍ２Ｈが発熱的に
この水素を吸蔵して温度ＴＨに至る（点Ａ）。Ｍ２Ｈの
発熱は熱媒容器１５の熱媒１６に伝えられ、熱媒は熱交
換器で熱交換する。ＭｌＨが水素を放出しつくすと、装
置は作動を停止する。

装置を再使用に備えるためには、例えばＭｌＨを再び温
度ＴＬに冷却し、Ｍ２Ｈから水素を放出させ、この水素
をＭｌＨに吸蔵させればよい。或いは管状密閉容器１１
を反転させて第一の部屋１３を熱媒容器１５に収容して
もよい。本発明の装置においては、比較的少量の金属水
素化物が各管状の密閉容器に充填され、この密封容器の
複数が熱媒容器に取付けられ、各管状密閉容器の壁面を
介して、熱媒容器内の熱媒と熱交換するようにされてい
るから、金属水素化物の単位置当りの器壁伝熱面積が大
きく、各密封容器内において金属水素化物は一様に水素
の吸蔵放出を行なうことができ、さらに密封容器は管状
をなすから、器壁を薄くしても耐圧性にすぐれ、従つて
、小型で熱輸送効率が高い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の熱輸送装置の一例を示す略断面図、第２
図は本発明の熱輸送装置の一実施例を示す略断面図、第
３図は第２図の装置の作動を説明するためのサイクル線
図である。 １１・・・・・・密閉容器、１２・・・・・・隔膜、１
３・・・・・・第一の部屋、１４・・・・・・第二の部
屋、１５・・・・・・熱媒容器、１６・・・・・・熱媒
、１８・・・・・・熱交換器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 第一の部屋に第一の金属水素化物が充填され、第二
   の部屋に第二の金属水素化物が充填され、第一の部屋と
   第二の部屋が水素は透過するが、金属水素化物は透過し
   ないように連通されている複数の管状密閉容器と、この
   密閉容器の各第二の部屋を収容する熱媒容器とを有し、
   第一の金属水素化物が加熱されて水素を放出し、若しく
   は冷却されて水素を吸蔵し、第二の金属水素化物が発熱
   的に水素を吸蔵し、若しくは吸熱的に水素を放出して、
   前記管状密閉容器を壁面を介して、熱媒容器内の熱媒と
   熱交換するようにしたことを特徴とする熱輸送装置。