JPS6042258B2 - 光選択吸収膜用塗料及び光選択吸収材 - Google Patents

光選択吸収膜用塗料及び光選択吸収材

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JPS6042258B2
JPS6042258B2 JP51042388A JP4238876A JPS6042258B2 JP S6042258 B2 JPS6042258 B2 JP S6042258B2 JP 51042388 A JP51042388 A JP 51042388A JP 4238876 A JP4238876 A JP 4238876A JP S6042258 B2 JPS6042258 B2 JP S6042258B2
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【発明の詳細な説明】 本発明は、太陽放射スペクトルにおいて、エネルギー密
度の高い短波長光(とくに可視光)をよく吸収し、熱放
射損失のきわめて小さい光選択吸収膜用塗料、及び光選
択吸収材に関する。
太陽光を効率的に熱に変換し、変換した熱を選択的に熱
媒に伝達することが、太陽集熱器の最も重要な使命であ
る。
集熱器の集熱プロセスである光吸収、光一熱変換、熱の
伝達・放射は、集熱器に用いる材料、および集熱器の構
造・デザインなどの内部要因に依存するだけではなく、
気候・環境などの外部要因によつても左右され、その機
構は複雑である。しかしながら、これらの要因は、ある
程度独立事象としての取扱いが可能てあり、前者の2要
因については、集熱効率の向上をはかるために、個別に
改良検討を加えることが可能である。本発明は、集熱効
率の高い太陽集熱器材料に係り、高性能で、かつ実用的
な光選択吸収膜、およびその原料となる光選択吸収性塗
料を提供するものである。光選択吸収膜の研究は、古く
からおこなわれ、その代表的なものとしてテーパ膜が知
られている。
この膜は、赤外反射性のすぐれた金属面上に、可視光吸
収、赤外光透過性の酸化銅、酸化コバルト、硫化ニッケ
ル等の化合物半導体膜を形成したものである。既知のも
う一つのタイプは、アルミニュームなどの基板上に、シ
リコーン、ゲルマニウム、クロームなどの金属層を設け
、その上に適当な屈折率をもつSiO、A1。03など
の誘電体干渉膜を設けた複合膜で、゛’ブラック・ミラ
ー’’という名で一般に知られている。
前者半導体膜の形成には、通常、加熱酸化法、J電気メ
ッキ法、あるいは化学蒸着法が用いられるが、それぞれ
高温を必要とすること、高電流で、腐食性の強い電解液
を用いること、および高温処理で腐食性ガスが発生する
などの苛酷な条件での膜形成であることから、使用可能
な金属材料に限丁定があること、あるいは、半導体膜の
形成プロセスが複雑で、膜組成、膜厚のコントロールが
容易でなく、製造上規格品を高収率で得ることはかなり
困難とされている。
このことから、膜自身の性能は比較的すぐれているが、
製造価格が高く十分実用的なものになるに至つていない
。一方、後者の′6ブラック●ミラー′3の膜は、膜厚
を一様にコーテングすることの困難さ、界面での微細凹
凸による光の散乱などの干渉多層膜に共通な問題があり
、安価に量産化することはかなりむずかしい。さらに、
膜の光学的性質の観点からみると、半導体を吸収層とす
る光選択吸収膜は、該膜面の法線方向に近い方向から入
射した光に対しては、すぐれた吸収特性を示すが、該法
線に対して高い角度で入射した光には反射が大きく、吸
収特性が劣る。これは、半導体が比較的に高い屈折率を
もつているためてある。このような吸収特性の入射角度
依存性が大きいことは、とくに太陽冷暖房用平床式集熱
器のように、太陽を追尾することがなく、かつ平担な吸
収面をもつている場合には、吸収面に垂直に近い入射光
をもつ時間帯が短くなり集熱の点からかなり不利となる
とくに該集熱器のように、100℃前後の比較的低い温
度の集熱をおこなう場合には、入射エネルギーの大きさ
、すなわち、光吸収面の吸収率の大きさが、集熱器の効
率を決める重要な要素となり、吸収率の低下は大きな集
熱効率の低下につながる。このような吸収膜の光吸収特
性の欠点を解消するために、下地金属を粗面化し、その
上に形成した半導体層に凹凸を設ける方法、あるいは電
気メッキ法て粗面あるいは粒子状の吸収層を析出する改
良法が提案された。
しかし、このような方法は!加工および膜形成プロセス
が煩雑であり、膜構造のコントロールも困難で、さらに
光学的特性の一つてある赤外輻射も未処理のものと比較
して、2〜3倍高くなり性解的に十分とはいえなかつた
。さらに、安価な製造、吸収特性の改善を目的とこして
、シリコン樹脂バインダー内に硫化鉛などを分散した半
導体分散膜の提案がおこなわれた。しかし、これも硫化
鉛粒子が非常に小さく(0.1μ〜0.01μ)ことな
どから吸収特性が不十分であり、さらに低輻射率を発現
するには、バインダー4成分の割合を著しく減らし、半
導体分散膜内にかなりの空孔を導入する必要があり、こ
のために膜の機械的強度は著しく弱いものであつた。ま
たシリコンバインダーの性質から、下地金属層への半導
体分散膜の接着性が悪いこと、および耐熱性に劣ること
から、ほとんど使用に耐えないものであつた。本発明は
、上記した様な光選択吸収膜の難点を改良し、高性能で
、耐久性があり、かつ安価な太陽冷暖房用光選択吸収膜
用塗料及び光選択吸収材を提供することを目的としたも
のである。
本発明者らは、この点に基づき、種々の実験、検討をお
こなつた結果、半導体粒子が有機樹脂バノインダー内に
分散した半導体分散膜を赤外光反性のすぐれた金属面上
に形成した光選択吸収性塗料膜が、光学的性質、機械的
強度、耐久性などにすぐれ、かつ製造法が簡単であるこ
とから安価であり、太陽冷暖房用光吸収材料として最適
てあることを見出した。
従来から、有機樹脂を光選択吸収膜の光吸収層の成分の
一つとして使用するのは、有機樹脂が一般に高い赤外光
吸収性を示すことから、不適当であるとされていた。
というのは、該膜吸収層が有機樹脂の性質を帯び、赤外
光の輻射率が増大し、光選択吸収特性が著しく損われる
と常識的に考えられていたからである。本発明者等は、
半導体分散層中の有機樹脂バインダー成分と半導体粒子
の混合比率、半導体粒子の粒径、半導体のエネルギーバ
ンド幅を適度な値に選ぶことによつて、予期の外に、有
機バインダーの高赤外光輻射性を見掛上低減せしめた、
高可視光吸収、低赤外光輻射性の優れた光選択吸収特性
を発現せしめることに成功するに至つた。
本発明の光選択吸収膜用の塗料とは、エネルギーバンド
幅0.4〜1.?V1平均粒子径0.3〜3μの半導体
粒子10鍾量部と、バインダー有機質成分〜15重量部
、および該有機質成分の溶剤とを主成分としてなる分散
系の塗料からなる。本発明でいう塗料用バインダー有機
質成分としては炭素、水素を主たる構成元素とし、これ
に酸素、窒素などの元素を含む有機物質からなる。
特にバインダー有機質成分として好ましいものは種々の
ものを検討した結果ポリビニルブチラール、アクリルメ
ラミン樹脂、キシレン樹脂などの重合体成分であること
を見出した。シリコン樹脂、塩化ビニリデン樹脂などは
金属との接着が悪いために不適当である。上記のうちで
も金属との接着性および赤外光透過率の高い点でポリビ
ニルブチラールが最適である。ポリビニルブチラールは
一般的にはで示され、ビニルブチラールグループの比率
は一般に70〜87%程度で、残りはビニルアルコール
および酢酸ビニルグループを含んでいる。
またポリビニルブチラールの適当な重合度は300〜1
.000好ましくは500〜800である。このポリビ
ニルブチラールには、接着性を低下せず、赤外透過率を
著しく低下しない他の有機質を少量添加してもよい。ま
た本発明ていう、半導体物質の参考例としては、酸化銅
(CL]0),二酸化マンガン(MnO2),酸化コバ
ルト(CO2O3,CO2O4),酸化鉄(FeO),
酸化クロム(CrO),酸化度の異なる前記酸化物,あ
るいはそれらの混合体(CuOx,FeOx,MrOx
,CrOxなど),さらに硫化鉛(PbS),硫化ニッ
ケル(NlSx),ケイ素(Si),ゲルマニウム(G
e),モリブデン(MO),ガリウムヒ素(GaAs)
,インジウムヒ素(1nAs)などが挙げられる。これ
らの半導体の中で、安価で、不純物などで半導体特性が
左右されることの少なく、かつ耐候性、耐熱性、化学的
安定性が優れているのは遷移金属の酸化物てあり、とく
に、極性の強い有機樹脂、あるいは有機溶媒との共存下
て使用する塗料の場合には好適である。
また、半導体のエネルギーバンド幅0.4〜1.5eV
とは、光の吸収端の波長0.8〜3.1pに相当し、半
導体の性質が光の吸収から透過に変わる限界波長を規定
する。
すなわち、該限界波長より短波長側ては光はよく吸収さ
れ、長波長側では光はよく透過することになる。塗料中
の半導体の特性は、光選択吸収膜の光学的特性の基本性
質を決める主要素となる。太陽冷暖房用光選択吸収膜と
して使用する場合,半導体のエネルギーバンド幅は、集
熱器の集熱温度によつても多少変動があるが、少なくと
も0.4〜1.5e■あることが好ましい。さらに、1
00℃前後の低い温度の集熱を目的とする場合には、該
バンド幅は、0.4〜0.5eVでも十分であり、限界
波長を長波長側に許容限界いつぱいに設定することは、
太陽光の吸収効率の面から望ましい。本発明塗料の半導
体粒子径については、各種条件で粒子径の効果を検討し
た結果、平均粒子径0.3〜3μが好適であることが判
明した。
半導体粒子の平均粒子径が増すと、光選択吸収塗料膜の
赤外光輻射率は増大する。輻射率の許容できる限界とし
て最大3μの平均粒径が見出された。一方、平均粒子径
を小さくしていくと、輻射率はある限界値まて低下して
いく。粒子径を小さくすることは、輻射率の観点からみ
ると、好ましいことであるが、吸収特性の面から不利と
なる。第1図には、半導体粒子径の大きい場合(1)と
小さい場合(2)の光の吸収効果の違いを模式的に示し
ている。Aは半導分散光吸収層、Mは赤外反射性金属層
、Sは基板である。粒子径が光の波長より小さい(1)
の場合では、光吸収膜(4)の面は光にとつて平滑面と
看做され、高角度の入射に対して一種の鏡面的となり、
光の捕捉力は著しく低下し、光吸収特性上好ましいもの
ではない。一方、表面が粗面の(2)の場合では、高角
度入射の光は、表面の山と山の間て多重反射・吸収をく
り返し、光の捕捉力は著しく高まる。このような実験結
果からの結論をもとに、好ましい平均粒子径の上限値と
下限値をそれぞれ3μ,0.3μと設定した。
半導体粒子の粒径調整は、通常、半導体の製造過程で、
あるいは製造後、ボールミルなどの粉砕器などで粉砕微
細化される。
このようにして調整した半導体粒子は、粒子径に分布を
もつ。本発明においては、とくに粒子径分布について限
定を設けなかつたが、好ましくは吸収膜の光学的性質上
0.5μ以下の粒子と1〜10μの粒子が混在している
方がよい。さらに詳しくは、0.5μ以下の微粒子が数
分率で40〜60%、1〜10μの粒子が10〜20%
存在するのが最適である。すなわち、1〜10μの大き
い粒子により、吸収面と凹凸を形成され、光の捕捉吸収
が容易となるのに対し、0.5μ以下の微粒子は膜の低
輻射性を維持するのに効果的である。このように粒子の
分布に違いをもたせることにより、吸収膜の光学的性質
を改善・調整できることは、本発明の塗料膜の特徴の一
つといえる。また、半導体の粒子形状については、各種
の形状が考えられ、一般的に球形よりも、樹枝状形状が
光学的性質上優位性が確認されたが、この差異は、塗料
膜の特性の本質的な差異をもたらす要因とはなりえず、
本発明においては、粒子形状については限定は特に設け
ていない。
本発明の塗料において、本質的に重要な因子の一つとし
て、半導体粒子とバインダ有機質成分との比率かある。
光選択吸収性塗料膜の機械的強度あるいは下地金属への
膜の接着強度を著しく低下することなく、良好な光選択
特性を発現せしめることが可能な該比率を見出すことが
できたことは、バインダー有機質成分の強い赤外光吸収
性から考え、実に予期外のことである。すなわち、該塗
料膜の機械的・光学的性質の双方を同時に満足する半導
体粒子とバインダー有機質成分の比率は、半導体粒子1
叩重量部に対して、バインダー有機質成分2〜15重量
部が好適てある。上記混合比率の下限値以下の該有機質
成分の添加では、光学的性質は良好てあるが、該塗料膜
の機械的強度が十分てなく、実用的な価値はほとんど失
なわれる。また、上限値以上の添加では、有機樹脂バイ
ンダーの性質が強く現われ、吸収塗料膜の輻射特性が著
しく劣り、光選択吸収膜としての使用に耐えない。本発
明塗料において、塗料膜の耐久性を改善する目的て、塗
料主成分の外に紫外線吸収剤、熱安定性などの添加剤を
混入することも可能てある。
さらに本発明ては、上記光選択吸収塗料を用いて、赤外
反射性のすくれた金属、すなわち銀(Ag)、金(Au
)、アルミニウム(Aり、ニッケル(Ni)、銅(Cu
)、鉄(Fe)、ステンレスなどの平滑な面上に該塗料
を塗布し、その後乾燥による溶媒除去、あるいは重合触
媒、熱、光(紫外線)、電子放電、放射線などに重合硬
化して得られる半導体分散層を光吸収層とする光選択吸
収材を提供する。該発明において、塗料は通常の方法、
例えば、スプレー塗装法、コーター装置(リバースコー
タ等)による塗布コート法、あるいはデツプ塗装法など
により塗装可能である。
しかしながら被塗装体の形状に応じた塗装方法及び条件
の適切な選択が望まれる。塗布の対象となる上記赤外反
射性のすぐれた金属は金属そのものの板状物等でもよく
、他の基材例えばプラスチックの上にこれらの金属を蒸
着、スパッタリング等で形成したものでもよい。このよ
うに塗装によつて得られた光選択吸収材膜は、すぐれた
光学的特性を示す他に、下記の利点を有し、その実用価
値は、従来の光選択吸収膜に比べて著しく大きい。(1
)塗膜は、金属面との接着性がきわめてよく、また過酷
な温度条件(例えば−20゜C〜150まCの繰返し)
て使用しても剥離せす耐久性が優れている。(2)材料
選択の自由度に大きく、かつ膜構造のコントロールが容
易であることから、使用目的に応じた膜設計が可能であ
る。また高屈折率の半導体粒子を比較的屈折率の低い有
機質バインダー中に分散することから、従来の半導体単
層膜に比べて平均屈折率か低下し、光吸収の角度依存性
を改善するのに有効てある。(3)被塗装物の形状、材
質に限定を受けにくく、適用範囲が大てある。(4)大
掛かりな設備を必要とせず、安値に製造き、かつ無公害
である。
該光選択吸収材は、上述の本発明塗料を用いることによ
り、太陽被射スペクトルの中て最もエネルギーの高い可
視光を効率よく吸収し、吸収した光を熱に変換すると同
時に、変換された熱に吸収面からほとんど再放射するこ
とのない優れた光選択吸収特性が得られる。
また、太陽集熱量の集熱温度あるいは使用環境に応じて
、該塗料膜の有機質バインダーの種類選定、安定剤など
の添加剤処方により、膜の耐候性、耐熱性などの特性の
改質をはかることがてき、その応用、適用性は広い。該
光選択吸収剤の光選択吸収特性は、半導体物質の種類、
半導体の粒子径、半導体と有機質バインダーの比率の外
に、塗料膜の膜厚も考慮に入れる必要がある。本発明者
等は、各種の半導体物質および塗料の調整条件について
、実験・検討をおこなつた結果1〜5g/TTIの塗布
量(硬化状態)が最も光選択吸収特性上好ましいことを
見出した。
塗料膜の塗布量は1g/d(固化状態)以下で、可視光
吸収率がやや低下するが、輻射率はかなりすぐれたもの
が得られ、全く使用に耐えないものではない。
また、5g/d以上の塗布量でも輻射率は0.4〜0J
程度まで増加するが、可射光吸収率が優れていることか
ら給湯などの低温集熱器の光吸収膜としての使用、ある
いは特殊デザインの冷暖房用集熱器吸収膜として十分使
用可能てある。しかしながら光選択吸収特性を一層良好
なものにするためには1〜5g/dの塗布量(固化状態
)が好ましく、該塗布量の範囲では低輻射率、高可視光
吸収率を同時に兼ね備えた優れた光選択吸収材か得られ
る。本発明の光選択吸収性膜用塗料および光選択吸収材
は太陽冷暖房用集熱器光吸収材として使用することによ
り集熱効果を高めるのに有効であるのが、40〜60℃
程度の低い温度の集熱を目的とした給湯用集熱器材料と
して、とくに夕方、夜間の放熱防止用光吸収材として効
果的である。
また通常使用される水熱媒の集熱器の光吸収膜として使
用されるのみならず、空気熱媒方式の集熱器材料として
も使用可能である。
さらに本発明品は上記使用例の外に農業用材料、あるい
は集熱保温を目的とした建築材料としても使用てきる。
次に本発明の効果を実施例により具体的に説明する。実
施例1 二酸化マンガン(MrO2)の半導体粒子(試薬級、エ
ネルギーバンド幅約0.66e■)と2wt%の重合度
700のポリビニールブチラール(PVBと以下略す)
のキシレン・ブタノール混合溶媒(容積比1:1)を、
固形分で半導体とPVBの重量比率が所定の比率になる
ように混合し、その後ステンレス製ボールミル粉砕機内
で所定時間攪拌して、半導体の粒子径を調整し、かつ半
導体粒子がPVBとよく馴んだ分散性良好な塗料を作成
した。
銀(Ag)の真空蒸着金属面上に、乾燥硬化後の重量厚
みが1.8〜20g/r!lになるように、上記塗料を
パーコータで塗布し、その後、熱用オープン内で130
℃で1紛間乾燥硬化して塗料膜を得た。
塗料の組成、半導体粒子の大きさ、塗料膜の特性を下記
表1に示す。また第2図には、代表的サンプルのNO.
lN?料膜の分光反射(R)および輻・射(ε)スペク
トルを示している。また、第3図にはポリビニールブチ
ラールの赤外吸収スペクトルを示している。
(フィルム膜厚は25ミクロン)半導体のエネルギーバ
ンド幅は分光スペクトルの吸収端から決めた。
塗料中の平均半導体粒子の径はイメージアナライザータ
イプコンチネツト720(イメージアナライジング・コ
ンピューター社)を用いて求めた粒度分布曲線から計算
した。また、可視光吸収率は日立自記分光々度323形
を用いて、反射スペクトル(入射角8々,反射光を積分
球て捕捉する積分球方式反射スペクトル)から求めた。
光吸収率の入射度依存性は入射角度80と60。での吸
収率比α600/α8射から判定した。さらに赤外分光
々度計1R−A2形(日本分光工業株式会社)を改造し
た輻射率測定装置(標準光源としてブラックボディ付き
)を用いて、分光輻射率を100℃で求めた。膜強度は
セロテープ剥離法によつて調べた。判定は次の基準に従
つた。0:膜および半導体がほとんど剥離しない場合、
Δ:部分剥離するとき、×:完全剥離する。
実施例2半導体粒子MnO2、(平均粒子径0.70μ
)と平均重合度700のPVBバインダーとの固形分比
率10(7)4(重量比)の実施例1の塗料を、アルミ
ニウム(Al)真空蒸着面上に塗布厚みを変えて塗料膜
を作成した。
この膜の特性を下記第2表に示した。実施例2において
塗布量6g/イの場合には輻射率が著しく高く不適当で
あつた。実施例3 酸化銅(CuO)半導体粒子(純度99.9%エネルギ
ーバンド幅約1.4e■)と実施例1のPVB溶液を固
形分で100対4の重量比率にブレンドして、そ一の後
実施例1同様の方法でアルミニューム(Al)金属面上
に塗料膜を作成した。
同膜のCuOの平均粒子径1.32μであり、可視の吸
収率(λ=0.55μ)0.9潮射率(λ=7μ,10
0゜C)0.04てあつた。また同人射光に対する膜の
鏡面反射も少な・く膜の機械的強度も強く、良好な膜特
性が得られた。比較実施例1酸化コバルト(CO2O3
)半径粒子(純度99.9%エネルギーバンド幅約0.
68ev)に各種有機溶剤に溶解した各重合体および重
合体成分を、硬化後の固形分で100対4の重量比てブ
レンドして実施例1と同じ方法で、アルミニューム(A
1)真空蒸着面上に塗料膜を作成した。
塗料調整後の半導体の平均粒子径は約0.75μであつ
た。膜特性を下記第3表に示す。第3表から分るように
、バインダー有機質成分として、塩化ビニリデン・アク
リロニトリル共重合体、シリコーン樹脂、塩化ビニル、
酢酸ビニル共重合体、石油樹脂などを用いたものはいず
れも膜の接着強度が不良であり、実用に耐えないもので
あつた。
【図面の簡単な説明】
本発明に係る光選択吸収性塗料膜の典型的構造の断面模
式図を第1図に示す。 第1図には半導体分散粒子径が小さい場合(1)と、大
きい粒子を含む場合(2)の光の吸収効果の違いを示し
ている。矢印は光の入射方向を示す。A:半導体分散光
吸収層、M:赤外反射性金属層、S:基板、第2図は、
本発明に係る光選択吸収膜の代表的な分光スペクトルを
示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 エネルギーバンド幅0.4〜1.5eV、平均粒子
    径0.3〜3μの半導体粒子100重量部と、バインダ
    ー有機質成分としてポリビニルブチラール2〜15重量
    部、および該有機質成分の溶媒とを主成分としてなる光
    選択吸収膜用塗料。 2 赤外光反射性のすぐれた金属面上に、エネルギーバ
    ンド幅0.4〜1.5eV、平均粒子径0.3〜3μの
    半導体粒子100重量部とバインダー有機質成分として
    ポリビニルブチラール2〜15重量部からなる半導体粒
    子分散層が形成されている光選択吸収材。 3 半導体分散層の塗布量が1〜5g/m^2である特
    許請求の範囲第2項記載の光選択吸収材。
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