JPS6042244Y2 - パイロツト・バ−ナ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、工業用加熱炉やグランド・フレア、フレア
・スタック等におけるパイロット・バーナに関する。

パイロット・バーナは、工業用加熱炉やグランド・フレ
アのような炉およびフレア・スタック１基に数個備えら
れており、通常は、安全面から常時燃焼状態におかれて
いる。

そして同バーナ１個当りの消費熱量は、上記のような炉
の場合には、３００００〜１０００００Ｋｃａｌ／ ｈ
であり、７Ｌ／ア・スタックのように同バーナを高所大
気中で使用する場合には、５００００〜２０００００Ｋ
Ｃａｌ／ ｈである。

そのためパイロット・バーナに費される燃料代は草大な
ものとなり、その節減が大きな課題となっている。

ところで、パイロット・バーナは、主バーナに確実に着
火すること、風雨や主バーナの燃焼排ガス等によって火
が消えないように火炎を安定性よく保つことを必要とす
る。

前者は技術上さほど困難ではないが、後者は、バーナの
消費熱量が少なくなると、一般に火炎が不安定なものと
なるので、前述した燃料節減の要請とは相反することに
なる。

すなわち、火炎の安定は燃焼速度と未燃ガス速度のバラ
ンスによって保たれると考えられるが、炉内燃焼の場合
には主バーナの二次空気や燃焼排ガス等によって、また
フレア・スタックの場合には風雨によって、火炎基部が
混合稀釈されるとともに冷却され、そのため燃焼速度が
低下して、上記バランスが乱れ、火が消える。

また炉内では渦流が生じ、高所大気では周囲の地形等の
影響でいろんな方向の気流が生じるため、パイロット・
バーナの火は消えやすい状態にある。

そしてこのことが上記の問題の解決を一層困難なものと
している。

本考案者らは、上記のような実情を踏まえて、あらゆる
方向性および強さを有する気流を想定し、燃料の使用量
を節減しても火炎を安定性よく保持することのできるパ
イロット・バーナにつき研究を重ね、この考案を完成し
た。

以下、この考案の実施例について図面により具体的に説
明する。

各図において、１はこの考案によるパイロット・バーナ
で、燃料ガスと空気を混合する混合管２の上端に設けら
れている。

３はバーナ１を構成する外部円筒で、その下端内部が除
去されて段部４が形成されている。

そして段部４が混合管２の上端部と嵌合している。

５は外部円筒３の内側に同軸状に配された内部円筒で、
その上端部は外部円筒３より上方に突出している。

６は内外円筒５．３の下端寄りにこれらにわたって水平
に配された下部水平壁で、この実施例では外部円筒３に
一体的に設けられている。

７は内部円筒５の上端にこれを閉じるように設けられた
上部水平壁で、周囲に上部フランジ部８を有する。

９は内部円筒５の上端部にて上部水平壁７よりやや下側
に設けられた下部フランジ部、１０は内外円筒５，３に
わたって垂直に配された４枚の仕切壁で、上方から見て
放射状に等間隔おきに位置している。

これら仕切壁１０によって内外円筒５，３間の空間が４
つのゾーンに区分されている。

１１は下部水平壁６にあけられた複数の垂直ノズル孔で
、上記４つのゾーンにそれぞれ等個数ずつ開口している
。

１２は内部円筒５の上端部に上下フランジ部８゜９の間
にてあけられた複数の水平ノズル孔で、やはり上記４つ
のゾーンにそれぞれ等個数ずつ開口している。

したがって垂直および水平ノズル孔１１．１２の各群は
、それぞれ仕切壁１０によって４つの区分に分割されて
いる。

上記構成のパイロット・バーナにおいて、同バーナ１の
火炎に影響を及ぼすと想定される気流は、第１図上に矢
印Ａで示す下向きの垂直気流と、矢印Ｂで示す斜下向き
気流と、矢印Ｃで示す水平気流である。

まず、垂直気流Ａの場合、これによって垂直ノズル孔１
１の火炎は一時的に消えることがあるが、水平ノズル孔
１２の火炎は上部フランジ部７によってガードされ、燃
えつづける。

そして同気流Ａが弱まったり方向変換したとき、水平ノ
ズル孔１２の火炎が垂直ノズル孔１１に再着火する。

また斜下向き気流Ｂの場合風上側の各ノズル孔１１，１
２の火炎は消えることがあるが、風下側の各ノズル１１
．１２の火炎は仕切壁１０に守られて燃えつづける。

そしてやはり同気流１３が弱まったり方向変換したとき
に、風上側のノズル孔１１．１２に再着火する。

さらに水平気流Ｃの場合、水平ノズル１２の火炎は消え
ることがあるが、垂直ノズル１１の火炎は外部円筒３に
守られて燃えつづけ、同気流Ｃの方向変換後に水平ノズ
ル１１に再着火する。

このように、垂直および水平ノズル孔１１，１２の火炎
は絶えず燃えつづけることができ、したがってバーナ１
基当りの熱量を１ｏ０００Ｋｃａｌ ／ ｈ以下に低減
することができる。

この考案によるパイロット・バーナは、以上のとおり構
成されており、垂直および水平ノズル孔１１．１２の各
群がそれぞれ仕切壁１０によって複数の区分に分割され
ているので、いずれの方向性の気流に対しても火炎を安
定性よく保持することができる。

したがって燃料の使用量を大幅に節減することが可能と
なり、省エネルギーによるコストダウンを遠戚すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図はバーナ
の縦断面図、第２図および第３図はそれぞれ第１図上の
■−■線および■−■線に沿う断面図である。 ２・・・・・・混合管、３・・・・・・外部円筒、５・
・・・・・内部円筒、６・・・・・・下部水平壁、７・
・・・・・上部水平壁、８・・・・・・上部フランジ部
、１０・・・・・・仕切壁、１１・・・・・・垂直ノズ
ル孔、１２・・・・・・水平ノズル孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 混合管２の上端に設けられる外部円筒３と、同円筒３内
   に同軸状に配されかつ上端部が同円筒３より上方に突出
   した内部円筒５と、内外円筒５゜３の下端寄りにこれら
   にわたって水平に配された下部水平壁６と、内部円筒５
   の上端にこれを閉じるように設けられかつ上部フランジ
   部８を有する上部水平壁７と、内外円筒５，３にわたっ
   て垂直にかつ上方から見て放射状に配された複数の仕切
   壁１０と、下部水平壁６にあけられた複数の垂直ノズル
   孔１１と、内部円筒５の上端部にあけられた複数の水平
   ノズル孔１２とからなり、垂直および水平ノズル孔１１
   ．１２の各群がそれぞれ仕切壁１０によって複数の区分
   に分割されているパイロット・バーナ。