JPS6042111Y2 - 救命手段を備えた防舷装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、岸壁から誤って海中に転落した港湾作業員
や船客、釣人などが少なくとも溺死を免れるために利用
できる防舷装置に関するものである。

本出願人は、接舷用緩衝材として岸壁に設置されている
防舷材を救命梯子状りに活用することを考案し、すでに
いくつかの出願を行なっている（例えば、実願昭５６−
１７１５８７号、実開昭５８−７６６２９号公報参照）
。

すなわち、岸壁に固定されるゴム製防舷材の岸壁取付部
に少なくとも１個の吊り手を設けてなり、これによれば
船舶の接岸の邪魔になることなく、しかも適当な間隔を
おいてその岸壁表面に吊り手放の救命手段を簡単に設け
ることができる。

この考案は、上記した考案をさらに改良したものである
。

すなわち、この種の防舷材では、海中転落者が一刻も早
く救命ロープ（吊り手）に辿り着けることが必要である
。

また、防舷材の取付位置との関係で潮の干満によっては
吊り手の長さが充分でない場合がある。

特に、防舷材を海面と平行にして岸壁表面に取付ける所
謂「ヨコ付け」の場合には、その傾向が顕著になり、も
はや救命機能を発揮し得ない状態が充分に予想される。

したがって、この考案は、岸壁に固定されるゴム製防舷
材にロープ等からなる吊り手を取付けてなる防舷装置で
あって、その吊り手に比較的長く引き延ばされたロープ
等を介して水面上を浮遊し得るブイ等の浮遊具を連結す
ることを特徴とし、その浮遊具を手掛りとして海中転落
者が容易に吊り手ループに辿り着けるようにしたもので
ある。

以下、この考案の実施例を添付図面を参照しながら詳細
に説明する。

第１図には、この考案が適用された断面Ｖ字形のゴム製
防舷材１が示されており、この実施例において、防舷材
１は岸壁表面２に対して「タテ付け」されている。

この防舷材１は、受衝部３から岸壁表面２側に向けてＶ
字形をなすように傾斜する左右対称的な支衝部４，４と
、各支衝部４，４の底部から岸壁表面２と平行に外側に
向って連設された取付部５，５とを備えている。

そして、この考案においては、上記防舷材１の水面ＷＬ
に面する端部に、例えばナイロン・ロープよりなる吊り
手６が取付けられている。

その場合、この吊り手６は、上記した取付部５，５間に
ループ状に引回されているが、この実施例においては、
干潮時においてもその水面ＷＬに充分届くような長さを
有し、かつ、その中央部分にはブイ等からなる浮遊具７
が連結されている。

したがって、干潮時の水面ＷＬが低い場合においても、
海中転落者はその水面上に浮遊している浮遊具７を手掛
りとして容易に吊り手６に辿り着くことができる。

また、この防舷材１の岸壁取付部には、ロープ取着用金
具９，９が設けられている。

この取着用金具９は、第２図に示されているように、取
付部５内に埋設されている補強鉄板８の側方に溶接固定
されており、上記吊り手６の両端はこの取付用金具９．
９に穿設されている取付孔１０．１０に係止されるよう
になっている。

なお、吊り手６および浮遊具７はよく目立つように黄色
などの適当な色彩に着色されることが好ましい。

一方、第３図にはこの考案の変形実施例が示されている
。

すなわち、この変形実施例においては、吊り手６は比較
的短かいループとして取付けられているが、この吊り手
６には干潮時の低い水面ＷＬにまで充分届くような長さ
を有するロープ１１が接続されており、このロープ１１
を介して浮遊具７が吊り手６に係留されている。

また、防舷材１の支１４．４には複数のステップボルト
１２が梯子状に取付けられており、これによれば、海中
転落者は浮遊具７を手掛りとして吊り手６に辿り着くこ
とができ、さらに上記のステップボルト１２により自刃
にて岸壁上にまで登畢することができる。

なお、ステップボルト１２に代えて、取付部５，５の両
脇に想像線で示すような手掛りおよび足掛りロープ１３
を取付けてもよい。

また、浮遊具７を扁平な形状にすれば、海中転落者はそ
れを足掛りとして上記の吊り手６やステップボルト１２
などにつかまるようにすることができ、より便利である
。

この意味において、浮遊具７は木材等からなる板状体で
あってもよい。

他方、上記吊り手６は支衝部４，４を貫通して取付けら
れたループから構成されていてもよい。

上記した実施例の説明から明らかなように、この考案に
よれば、防舷材１の吊り手６に比較的長（、＞１１−プ
等を介してブイ等の浮遊具７を設けたことにより、海中
転落者はその浮遊具７を手掛りとして吊り手６に容易に
辿り着くことができるので、干潮時等の水面が低い場合
においても十分に役立つものである。

なお、上記実施例とは異なり、防舷材１を所謂「ヨコ付
け」した場合においても、十分に救命効果が発揮される
ことはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による防舷装置の正面図、第２図は第
１図の■−■線に沿った断面図、第３図は他の変形実施
例を示した正面図である。 図中、１は防舷材、６は吊り手、７は浮遊具である。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）岸壁に固定されるゴム製防舷材にロープ等からな
   る吊り手を取付けてなる防舷装置であって、前記吊り手
   には、ブイ等の浮遊具が水面上に浮遊し得るように連結
   されていることを特徴とする救命手段を備えた防舷装置
   。
2. （２） 前記吊り手自体が干潮時においてもその水面
   上に垂下し得るように長く引き延ばされており、前記浮
   遊具はその吊り手ループ内に連結されていることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の防舷装置。
3. （３）前記浮遊具は、海中転落者の足掛りとなるような
   扁平な形状に構成されていることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項もしくは第２項記載の防舷装置。