JPS6041263B2 - ガバナ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はガバナ装置、特に所定位置にて急速に停止する
原動車を有するガバナ装置の改良に関するものである。

回転付勢力の与えられた原動車の回転速度を一定値に抑
制保持するガバナ装置が周知であり、機械的な作動時間
遅延装置あるいは所定のストロークをゆっくりした速度
で爪送りする爪車駆動装檀等に広範囲に用いられている
。この種のガバナ菱直において、機械的な作動位置を正
確に定めるために、原動車を所定位置で停止するストッ
パが設けられた装置が周知であり、例えば爪車駆動装置
における爪車の送り量を一定とする作用を行なう。しか
しながら、この種の従来装置においては、比較的大きな
回転ェネルギを有する原動車がストッパにより急速に回
転停止されるため、原動車がストツパに衝突した後にバ
ウンドを生起し、原動車が反転回転を行なうという問題
があった。通常のガバナ装置においては、原動車には調
速作用を行なうガバナ輪列が噛合され、前記原動車の急
速な反転回転により、ガバナ輪列に過大な負荷が加わり
、輪列の破損、例えば歯車の欠損あるいは歯車と軸の緩
み等の故障が生じるという欠点があった。本発明は上記
従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、原
動車の停止反転時に反転バウンドェネルギを吸収して反
転を生じさせることなく停止し、かつ装置の破損を防止
することのできる改良されたガバナ袋贋を提供すること
にある。

上記目的を達成するために、本発明は、前述したガバナ
論列の一部に摩擦クラッチを設け、またガバナ輪列には
調速及び原動車の停止時のバウンド吸収用のフライホイ
ルが設けられ、原動車のストッパ当俵時に摩擦クラッチ
にてフライホイルがスリップ回転し、フライホイルの慣
性ェネルギにより原動車の反転バウンドェネルギを吸収
して反転バウンドを抑制するとともに、原動車の反転バ
ウンドを急速に吸収して正しい停止位置に復帰させるこ
とを特徴とする。

本発明において、ガバナ輪列は単なる増速論列でも、ま
た調速及びバウンド抑制用のフライホイルあるいは風車
等の調速機構を設けることも可能である。

以下図面に基づいて本発明の好適な実施例を設鰯する。

第１図には本発明に係るガバナ装置を爪車駆動装置に適
用した好適な実施例が示されている。扇形歯車から成る
原動車１０は爪車１２が固定された藤１４に回転自在に
鞠支され、原動車１０に楯立されたピン１６と固定ピン
１８との間には原動車１川こ回転駆動力を与える付勢ス
プリング２０が鶏止されている。原動車１０の側面には
送り爪２２が軸２４に回鰯自在に鞠支され、バネ２６に
より送り爪２２の先端が常時爪車１２の爪部に向って押
圧付勢されている。

爪車１２の爪部には図示していない基板に固定された位
置決めバネ２８が弾圧係合し、爪車１２の送り位置が整
定されている。前記原動車１０の回転領域には、基板に
固定されたストッパ３０が設けられ、原動車１０の停止
位置が定められている。

そして、基板にはアーム３２が固定され、該アーム３２
の先端に設けられた接触子３４が原動車１０の停止位置
において送り爪２２の近接に伸延され、送り爪２２によ
る爪車１２の送り過ぎが防止されている。原動車１０の
近傍には巻上歯車３６が設けられ、巻上歯車３６はその
外周の一部に欠歯部３６ａが設けられ、欠歯車３６ａが
原動車１０と対向した位置で両者の噛合が解除される。

原動車１０には調速及びバウンド抑制用のガバナ輪列が
噛合配置され、実施例において、ガバナ輪列は原動車１
川こ歯合う第１ピニオソ３８、歯車４０、第２ピニオン
４２及び第２ピニオン４２に固定されたフライホイル４
４を含む。

本発明において特徴的なことは、前記ガバナ論列の一部
に摩擦クラッチが設けられていることであり、実施例に
おいて、第２図に詳細に示されるように、歯車４０‘ま
第１ピニオン３８に回転自在に鞠支され、リーフスプリ
ング４６の弾圧力により両者が摩擦結合されている。

すなわち、第１ピニオン３８には麹４８及びスリップ板
５０が一体に成形され、歯車４０‘ま軸４８に遊合し、
その側面がスリップ板５０と摩擦接触している。軸４８
の端部には固定リング５２が固定され、歯車４０と固定
リング５２との間に前記リーフスプリング４６が弾圧状
態で挿入され、前述した第１ピニオン３８と歯車４０と
の摩擦結合が得られている。本発明の実施例は以上の構
成からなり、以下にその作用を説明する。第１図は原動
車１０がストッパ３０に当接して停止した状態が示され
、この状態では原動車１０と巻上歯車３６とは欠歯車３
６ａにより互いに自由に回転する状態となっている。

第１図の状態から、巻上歯車３６は矢印Ａ方向に図示し
ていない巻上歯車の駆動力により回転駆動され、原動車
１０との噛合により原動車１０を第１図の反時計方向へ
巻上げる。

この巻上作用により、付勢スプリング２川こは付勢力が
蓄積され、また送り爪２２は爪車１２の任意のピッチ戻
った位置にて噛合うこととなる。巻上歯車３６が連続的
に回転して、その欠歯部３６ａが原動車１０の歯部と対
向すると、原動車１０は巻上歯車３６との係合が絶たれ
、付勢スプリング２０の付勢力により時計方向へ回転を
開始する。

この時の回転速度はフライホイル４４を含むガバナ輪列
により調速され、所定の抑制された速度に保たれる。原
動車１０が時計方向回転により第１図の停止位置まで回
転すると、原動車１０はその端面がストッパ３０と衝突
し、反時計方向に反転するバウンド現象が生じる。

しかしながら、本発明においては、このバウンド反転時
に、ガバナ輪列はその第１ピニオン３８のみが原動車１
０とともに反転回転し、他の輪列すなわち歯車４０、第
２ピニオン４２及びフライホイル４４は第１ピニオン３
８と歯車４０との間の摩擦クラッチのスリップにより依
然として正転回転を継続する。従って原動車１０の急速
な停止及び反転時においても、ガバナ輪列には摩擦クラ
ッチのスリップ力以上の過大負荷が加わることなく、輪
列の破損が生じることはない。そして、摩擦クラッチの
スリップ力は原動車１０の反転バウンドを抑制する作用
を行ない、原動車１０のバウンドは急速に吸収されて第
１図の正しい停止位置に復帰することができる。前述し
た反転バウンドの抑制力はガバナ輪列の摩擦クラッチム
非蜂すなわち歯車４０からフライホイル４４までに蓄え
られた慣性ェネルギに比例し、ガバナ論列の増速率を増
加しあるいはフライホイルの質量を増大することにより
原動車の反転バウンドェネルギより慣性ヱネルギを大き
く設定することができ、良好なバウンド抑制作用を得る
ことが可能となる。実施例においては、ガバナ輪列にフ
ライホイルが設けられているが、単なる増速輪列のみで
もあるいはガバナ輪列に風車等を設けることも可能であ
る。

前述した本発明に係る爪車駆動装置は例えば４・型プリ
ンタ装置における紙送り装置として好適であり、第３図
には爪車１２をプリンタの記録紙５４を紙送りする送り
ローラ５６に固定した好適な実施例が示されている。

送りローラ５６はゴムローラ５８との間に記録紙５４を
挟持し、印字ドラム６０により所定の印字作用が行なわ
れた記録紙５４を１桁づつ紙送りする。第３図の実施例
によれば比較的ゆっくりとした速度で記録紙５４を紙送
りし、記録紙５４と送りローラ５６との間にスリップを
生じさせることなく確実な紙送り作用の得られる小型プ
リンタにおいて、４・型かつ故障のない送り機構を提供
することが可能となる。以上説明したように、本発明に
よれば、節単な構成により原動車の停止時における反転
バウンドを効果的に吸収しかつガバナ鞠列に破損を生じ
させることのない改良されたガバナ装置を提供すること
ができ、プリンタの紙送り機構その他に広範囲に利用す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るガバナ袋直の概略構造を示す正面
図、第２図は第１図のガバナ論列を示す一部破断平面図
、第３図は本発明のガバナ装鷹をプリンタの紙送り機構
に用いた好適な実施例を示す要部斜視図である。 １０・・・・・・原動車、２０・・・・・・付勢スプリ
ング、３０……ストッパ、３８……第１ピニオン、４０
…・・・歯車、４２・・・・・・第２ピニオン、４４・
・・・・・フライホイル、５４…・・・記録紙。 第１図 第２図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 所定の回転量だけ回転した後ストツパに当接して停
   止する原動車と、原動車に噛合する増速輪列から成り調
   速作用を行なうガバナ輪列と、を含むガバナ装置におい
   て、前記ガバナ輪列の一部に摩擦クラツチが設けられ、
   またガバナ輪列には調速及び原動車の停止時のバウンド
   吸収用のフライホイルが設けられ、原動車のストツパ当
   接時に摩擦クラツチにてフライホイルがスリツプ回転し
   、フライホイルの慣性エネルギにより原動車の反転バウ
   ンドエネルギを吸収して反転バウンドを抑制するととも
   に、原動車の反転バウンドを急速に吸収して正しい停止
   位置に復帰させることを特徴とするガバナ装置。 ２ 特許請求の範囲１記載の装置において、原動車はプ
   リンタの記録紙送り機構に用いられていることを特徴と
   するガバナ装置。