JPS604042Y2 - 分離形冷暖房機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、冷房と暖房の各能力をそれぞれ効率よく発揮
することができ、しかも、簡易構造、低コストの装置と
なして実用性に富む分離形冷暖房機の構成に関する。

冷凍サイクルによる冷房運転と、灯油、ガスなどの燃焼
熱で得られた温水による暖房運転との併用になる冷暖房
機は、それぞれの能力を十分に発揮し得る特徴があると
ころから最近頓に利用されてきている。

しかしながら、この種の冷暖房機は、水（温水）を利用
する方式であるために、冷房用蒸発器と暖房用温水コイ
ルとを室内側に設けるものでは、室外ユニット側との間
の連絡配管が４本要するし、暖房運転の際、水を所定温
度まで高めるのに可成り時間がかかるので、暖房の立上
りが遅い問題があり、また、水の補給が必要で管理上可
或り手間が要るし、さらには、冬期の暖房運転停止時に
水凍結によって管破裂などの事故を招きやすいなど種々
の欠点がある。

本考案は、このような従来装置の欠点を克服して、取扱
上の簡便さ、機構の簡略化を果し得る新規な冷暖房機を
提供しようとして威されたものであって、特に、冷房は
通常の圧縮機運転による冷房サイクルで行わせ、暖房は
同じ冷媒を用いた自然循環式暖房サイクルで行わせるこ
とを基本として、さらに、室外ユニット側の熱交換器を
冷房・暖房に共用の熱源熱交換器となすとともに、暖房
時は燃焼排ガスで効率のよい間接的に冷媒を加熱し、ま
た、その際、冷媒の異常加熱を防止するべく、冷却用と
して用いる室外側の送風機を温度調節用送風機に共用し
てなる構成を特徴とする。

本考案の具体的内容について、添付図面の１実施例にも
とづき以下詳述する。

本考案は図示例の如く室外ユニット１と室内ユニット２
とを独立に有する分離構造であって、室外ユニット１に
は、圧縮機３、室外熱交換器４、減圧器５およびアキュ
ムレータ６を備えており、室内ユニット２には室内うイ
ル７と室内ファン８とを備えている。

室外ユニット１は、戸外の地上または機械室の床面なと
低所に据置かれる一方、室内ユニット２は、室内め壁面
上部番と取り付けられて、室内ユニット２を室外ユニッ
ト１よりも高所に配設し１、両ユニット１，２の冷媒回
路相互を連絡配管９，１０により接続する。

□室外ユニツ斗１においては、
アキュムレータ６、圧縮機３、室外熱交換器４の室外コ
不ル１１、減圧器５を流入側接続口１６と流出側接続口
１７との間に直列関係をなし接続していて、□圧縮機３
、室外コイル１１、減圧器５、室内コイル７の直列循環
冷凍回路を両ユニット１，２間に形成せしめている。

さらに、室外ユニット１においては、前記室外熱交換器
４は室外コイル１１を、その冷媒出口１１ａが冷媒入口
１１ｂよりも高位置となるように、例えば、上下方向蛇
行路の縦形に配設する一方、この室外コイル１１に対し
て送風機１２、燃焼器１３を付設せしめている。

しかして、室外熱交換器４は開示しているように、ダク
ト１４内に室外コイル１１を収納して、空気導入口２３
と導出口２４との間を流通する気流を遮る配設形態をと
らせて、空気導入口２３には押込方式の送風機１２を配
設するとともに、送風機１２と室外コイル１１との間の
適当個所に燃焼器１３を設けて、室外コイル１１の上流
側で、かつ、送風機１２の下流側となる位置に排ガス導
管１５の一部（１５−、）を横切らせて設けている。

排ガス導管１５は、燃焼器１３の燃焼部に接続した独立
の気流路であって、その一部（１５−□７）を伝熱性の
良いコイルからなる熱交換器に形成して、この部分を室
外コイル１１の前方の空気流に対して熱交換的に配設し
ている。

従って、送風機１２により起生された風と燃焼排ガスと
は、コイルの壁を介して熱交換が威される。

なお、１８．１９は冷房運転時に開放させる電磁弁であ
る。

一方、室内ユニット２において室内コイル７は、冷媒人
ロアｂを冷媒出ロアａに比し高位置となるよう、例え・
ば、上下方向蛇行路の縦形に配置し゛た対空気熱交換器
に形成していて、連絡配管９．１０によって前記両接続
口１７．１６に連絡させている。

上述の構造を有する冷暖房機は、さらに回路切換装置を
室外ユニット１の冷媒回路中に設けている。

上記切換装置は、圧縮機３の吐出ラインおよび吸入ライ
ンを断路させて、室外コイル１１の冷媒入口１１ｂを室
内コイル７の冷媒出ロアａに直接的に連結する装置と、
減圧器５の入口・出口間を短絡せしめる装置との２つか
らなっているものであり、１例としては、前者の装置を
、前記電磁弁１８と、逆止弁２２と、圧縮機３の吐出ラ
インと吸入ライン間に橋絡させたバイパス管と、該バイ
パス管中に介設した電磁弁２０とにより形成する一方、
後者の装置を、前記電磁弁１９と、減圧器５の入口、出
口間を短絡可能な如く設けた電磁弁２１とにより形成し
ている。

次に、上記冷暖房機の冷暖房運転の態様について説明す
る。

まず、冷房運転の場合を述べると、圧縮機３、送風機１
２および室内ファン８を運転し、電磁弁１８．１９を付
勢により開弁する一方、燃焼器１３は停止し、電磁弁２
０，２１は消勢により閉弁しておく。

圧縮機３の運転により、冷媒は実線矢示の通り流通して
通常の圧縮冷凍サイクルによる冷房サイクルが形成され
、室外熱交換器４では、室外コイル１１内の冷媒が送風
機１２で送られる冷風により冷却されることにより凝縮
液化し、従って、室外熱交換器４が凝縮器として作用す
る。

一方、室内コイル７は、低圧冷媒が室内空気から蒸発潜
熱を奪取して蒸発器として作用するので、冷房運転が円
滑に行われる。

なお、圧縮機３および送風機１２の発停は、室内ユニッ
ト２に設けた温度調節器（図示せず）の指令によって自
動的に威される。

次いで、暖房運転を述べると、室内ファン８、送風機１
２および燃焼器１３を運転し、電磁弁２０．２１を付勢
により開弁する一方、圧縮機３を停止し、かつ、電磁弁
１８，１９を消勢により閉弁する。

燃焼器１３の燃焼運転により生じた高温の燃焼排ガスは
、送風機１２から送られてくる冷風と排ガス導管１５の
一部（１５−１）において熱交換する結果、冷風は温度
上昇によって適温の風となり、室外コイル１１に吹き当
てられるので、室外コイル１１内で冷媒は加熱されて蒸
発気化する。

この高温冷媒ガスは、冷媒出口１１ａ１電磁弁２１、連
絡管９を経て室内コイル７の冷媒穴ロアｂに至り、該室
内コイル７を流通する間に室内空気に顕熱および凝縮潜
熱を放出して凝縮液化し、室内を暖房する。

この液化した冷媒は、冷媒出ロ？ａ、連絡管１０を自重
により流下し、さらに、電磁弁２０を経て室外コイル１
１の冷媒入口１１ｂに至って室外コイル１１で再び温風
により加熱される。

このときの冷媒流れは破線矢示の通りであって、冷媒は
、気・液相変化を伴って、しかも比重差による自然循環
流通を行うので動力を一切使わない自然循環式暖房サイ
クルによる暖房運転が行われることは言う迄もない。

以上説明した暖房運転時において、燃焼排ガスと送風機
１２からの冷風を燃焼排ガスによって加熱した後、室外
コイル１１に送っているので、室外コイル１１直前の温
風温度を冷媒の耐熱許容温度以下、例えば、１５０℃に
規制することが可能で安全性にすぐれており、さらに、
温風と冷媒との間で効率のよい間接的な熱交換を行わせ
ているので、冷媒の温度上昇速度が大となり、暖房の立
上りが早い利点があるし、コイル１が燃焼排ガスに接触
しないことから汚染の心配は全くない。

なお、送風機１２は、送風容量を冷房運転時と暖房運転
時とでそれぞれ適正量に調節し得る如き風量可変構造と
なすことが好ましく、また、これと合せて冷媒出口１１
ａにおける冷媒温度が所定温度に維持されるように燃焼
器１３の燃焼能力を制御することも亦好ましい態様であ
る。

さらに、図示例の如く、送風機１２を燃焼器１３よりも
風上側に配置した押込用ファンに形成することは、送風
機１２が高温風と接しないために、寿命、安全性の点か
らも好ましい。

このように、送風機１２は、冷房運転時の凝縮器用の室
外ファンとして、また、暖房運転時の温度調整用ファン
どして共用されていることは言うまでもない。

本考案は、以上の説明によって明らかなように、冷房運
転は圧縮冷凍サイクルにより、暖房運転は燃焼器１３の
燃焼熱を利用した自然循環暖房サイクルによって夫々行
わせているので、冷房能力、暖房能力を何れも負荷に応
じた適正な値に設定することが可能であり、従来のヒー
トポンプ冷暖房機の如く暖房能力が不足する欠点はここ
に解消されると共に、暖房運転時には圧縮機３の運転が
停止されるためランニングコストは低廉におさまる。

また、熱媒体としての水は一切不要であることから補給
の手間が省けるし、凍結事故などの心配は全くない。

さらに、暖房運転は、燃焼排ガスとの間の間接的な熱交
換を行わせる方式であるため、室外熱交換器４の室外コ
イル１１が排ガスにより腐蝕するおそれは全くなく、か
つ冷媒の温度上昇速度が大で、暖房の立上りが早い利点
を有する。

特に、室外熱交換器４を冷房・暖房共用構造としている
ので、装置が簡素化されるし、送風機１２からの風を燃
焼排ガスで温めたときの温風温度を適正に保つことがで
きるので、冷媒が異常過熱に至ることはなく、極めて安
全性の高い装置を提供し得る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案冷暖房機の１例に係る装置回路図である。 １・・・・・・室外ユニット、２・・・・・・室内ユニ
ット、３・・・・・・圧縮機、４・・・・・・室外熱交
換器、５・・・・・・減圧器、７・・・・・・室内コイ
ル、７ａ・・・・・・冷媒出口、７ｂ・・・・・・冷媒
入口、訃・・・・・室内ファン、９，１０・・・・・・
連絡管、１１・・・・・・室外コイル、１１ａ・・・・
・・冷媒出口、ｌｌｂ・・・・・・冷媒入口、１２・曲
・送風機、１３・・・・・・燃焼器、１５・・・・・・
排ガス導管、１５−１・・・・・・排ガス導管の一部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 冷媒出口１１ａを冷媒入口１１ｂよりも高位置とな
   した室外コイル１１に対して送風機１２および燃焼器１
   ３を付設して有する室外熱交換器４と、圧縮機３と、減
   圧器５とを備えた室外ユニット１、冷媒人ロアｂを冷媒
   出ロアａよりも高位置となした室内コイル７を有し、か
   つ、前記室外ユニット１よりも高所に配設せしめる室内
   ユニット２、前記両ユニット１，２の冷媒回路相互を接
   続するための連絡管９，１０からなっていて、圧縮機３
   、室外コイル１１、減圧器５、室内コイル７の直列循環
   冷凍回路を形威し、さらに、圧縮機３の吐出ラインおよ
   び吸入ラインを断路して室外コイル１１の冷媒入口１１
   ｂを室内コイル７の冷媒出ロアａに直結すると共に、減
   圧器５の入口・出口間を短絡し得る回路切換装置を室外
   ユニット１内に設ける一方、前記燃焼器１３の燃焼部に
   接続した排ガス導管１５の一部（１５１）を、前記送風
   機１２により生じる風の流通路中であって、かつ、室外
   コイル１１よりも上流側となる位置に前記送風機１２に
   生じる風と熱交換的に介設して、送風機１２の作動下で
   前記直列循環冷凍回路に冷媒を流通する冷房サイクルに
   よる冷房運転と、送風機１２および燃焼器１３の作動下
   で前記コイル１１と室内コイル７との間に冷媒を自然循
   環する自然循環暖房サイクルによる暖房運転とを行わせ
   る如くしたことを特徴とする分離形冷暖房機。 ２ 送風機１２が、冷房運転時と暖房運転時とでそれぞ
   れ適正な風量に調節し得る風量可変構造である実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の分離形冷暖房機。 ３ 送風機１２が室外コイル１１の上流側に介設した排
   ガス導管１５の一部に風を供給し得る押込形ファンであ
   る実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項記載の分離
   形冷暖房機。