JPS6038665Y2 - 自熔製錬用精鉱バ−ナ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自熔炉において精鉱と反応用空気又は酸素富
化空気（以下反応用空気と記す）を吹き込み溶錬反応さ
せる精鉱バーナーに関する。

自熔炉においては乾燥した精鉱、例えば銅精鉱を反応用
空気と共にリアクションシャフトの上部に設けられた精
鉱バーナーから吹き込み、瞬間的に精鉱を酸化熔融し銅
等の有価金属を鈑として濃縮する。

この場合、精鉱と反応用空気とが均一に混合し、リアク
シコンシャフト中を落下する極めて短時間のうちに均一
な酸化反応が進行するようにすることが重要であり、混
合状態が悪く局部的に未反応未溶解物が生成すると、こ
れがリアクションシャフト下部のセトラーに堆積して鍼
の生成を妨げたり、鈑温度、破品位の大きな変動を生じ
たりして操炉上の困難を招くのみならず、反応が集中し
て起る部分では局部的加熱が起りリアクションシャフト
の煉瓦を損傷する結果となる。

このような事態を招かないように、均一な混合と反応状
態を得るためには、精鉱シュートより落下する精鉱に吹
き込まれる反応用空気の速度を８０〜１２０ｍ／ｓｅｃ
、好ましくは１００〜１２０ｒｎ／ Ｓｅｃの範囲に調
節することが必要であるが、従来の精鉱バーナーはこの
点で満足なものではない、即ち、第１図は従来の精鉱バ
ーナーを示す断面図で、下方がベンチュリー状に形成さ
れた精鉱バーナ一本体１の中央に管状の精鉱シュート２
をその先端がベンチュリー状の絞り部よりや）下方に突
出するように垂設し、更に精鉱シュート２の中心を貫通
して補助燃料バーナー３を設けて、送風管４を通って供
給される反応用空気が精鉱シュート２の周囲のベンチュ
リ一部５から、精鉱シュート２の内部を通って落下する
精鉱に吹き込まれるように構成されている。

このような従来の精鉱バーナーにあっては、バーナ一本
体１の最狭部内壁と精鉱シュート２の外周との間隙で形
成されるベンチュリ一部５の開口面積は一定であり、従
って前記した均一混合に必要な流速が得られる反応用空
気の供給量は狭い範囲に限られるという欠点があった。

特に精鉱処理液の増加やエネルギーコストの低下のため
に酸素富化空気を使用する場合には酸素富化の程度によ
って反応用空気が大幅に変化するが、上記のような流速
制限のため酸素使用量を自由に選べないという操業上の
制限をもたらすものであった。

本考案はこのような欠点を解消して、酸素富化量を変え
て反応用空気量が変化しても精鉱と反応用空気との均一
な混合と反応が得られるように調節可能な自溶製錬用精
鉱バーナーを提供することを目的とする。

この目的を達成するために本考案は第２図、第３図に示
すようにバーナ一本体１の中央に設けられた管状の精鉱
シュート２の外周に接するリング状の流量調節コーン６
を、精鉱シュート２の長手方向に沿って位置変更可能に
設けるものである。

流量調節コーン６はバーナ一本体１の上面を貫通する複
数の吊りロッド７に固着されて、バーナ一本体１の上面
からベンチュリ一部５の近傍に吊り下げられており、８
はバーナ一本体１に対する吊りロッド７の止め金具であ
ってその固定位置を変えることによって、吊りロッド７
のバーナ一本体１の内部に延長する長さを変え、流量調
節コーン６の位置をずらすことができるようになってい
る。

流量調節コーン６は下側を円錐状に形成し、そのテーパ
ー角度αはバーナ一本体１のテーパー角度βと等しいか
、あるいはそれよりや）小さい角度とするのが好ましい
。

また止め金具８はナツトを用い、吊りロッド７にネジを
設けてこれにねじ込む方法でも良いし、吊り゛ロッド７
に多数の小孔を設は適当な位置の小孔にピンをさし込む
方法でも良い。

本考案の精鉱バーナーは上記のように構成されているの
で、止め金具８と吊りロッド７を操作して流量調節コー
ン６の位置を上下に変えることによって、流量調節コー
ン６の下側外周面とバーナ一本体１の最狭部内壁との間
隙で形成されるベンチュリ一部５の開口面積を変えるこ
とができ、反応用空気量が変化した場合でも精鉱へ吹き
込む反応用空気の流速を適正な範囲に調節することが可
能である。

従って、反応用の空気として酸素富化したものを用いる
場合でも、適正な操業状態を常に維持することができる
。

この点をＣｕ３１．４重量％、３２９．８ｍｉ量％、Ｆ
ｅ２２．９重量％、５ｉ０２６．１重量％の銅精鉱を５
ＯＬ／ Ｈで、４本の精鉱バーナーを有する自熔炉にお
いて処理して、Ｃｕ５３重量％の鈑を生皮させる場合を
例として説明する。

第４図はこの場合の反応用空気及び酸素富化量とベンチ
ュリ一部流速の関係を示す図表であり、バーナ一本体の
最狭部内径３６０ｍｍ、精鉱シュート外径２１６．３斜
、バーナ一本体及び流量調節コーンのテーパー角度α、
βは共に２５°である本考案精鉱バーナー４本を用いた
場合の関係を示すものである。

なお第４図においてｈは、第３図に示すバーナ一本体１
の最狭部と流量調節コーン６の下端との垂直方向の距離
で表わした流量調節コーンの位置であり、ｈ＝０ではベ
ンチュリ一部５の開口面積は流量調節コーンを設けない
場合と同じになり、ｈが大となる程開口面積は小となる
。

第４図に示すように酸素富化量を増すとともに反応用空
気量は減少するので、ｈ＝ｏの場合１００〜１２０ｒＴ
Ｉ／ｓｅｃの最適流速を得られる範囲は反応用空気量３
５５００〜４２５０ＯＮｍ３／Ｈとなり、それに対応す
る酸素富化量は１０００〜２００ＯＮｍ３／Ｈの範囲に
限られることになるが、ｈ＝３０ｍｍに流量調節コーン
を位置変更すれば２７５ＯＮｍ３／Ｈまて酸素富化量を
上げてもｌＱＱｍ／ｓｅｃの流速が得られるようになる
。

更にｈ＝６０ｍｍに流量調節コーンを位置変更すれば、
３８０ＯＮｒｎ３／ Ｈまで酸素富化量を上げても最適
な流速で操業を行なうことができる。

従って流量調節コーンの位置を上下に変更することによ
って広い範囲で自由に酸素富化量を選んで操業を行なう
ことができる。

以上に詳細に説明したように、本考案の精鉱バーナーを
使用すれば酸素富化を行なって反応用空気量が変化して
も精鉱に吹き込む空気の流速を最適に保って自熔炉の操
業を行なうことができるので、製錬工程の経済性に合せ
て任意に酸素富化の程度を選ぶことができるという大き
な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の精鉱バーナーを示す断面図であり、第２
図及び第３図は本考案精鉱バーナーの一実施例を示す断
面図である。 第４図は本考案精鉱バーナーを使用した場合の反応用空
気量及び酸素富化空気量とベンチュリ一部流速との関係
を示す図表である。 １・・・・・・バーナ一本体、２・・・・・・精鉱シュ
ート、３・・・・・・燃料バーナ、４・・・・・・送風
管、５・・・・・・ベンチュリ一部、６・・・・・・流
量調節コーン、７・・・・・・吊りロッド、８・・・・
・・止め金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バーナ一本体中央に位置しバーナ一本体のベンチュリ一
   部に延長して設けられた管状の精鉱シュートを有し、そ
   の精鉱シュートとベンチュリ一部との間から反応用の空
   気又は酸素富化空気をリアクションシャフトの上部に吹
   き込む精鉱バーナーにおいて、精鉱シュート外周に接し
   てベンチュリ一部近傍に精鉱シュートの長手方向に沿っ
   て位置変更可能に流量調節コーンを設けたことを特徴と
   する自溶製錬用精鉱バーナー。