JPS6037618Y2 - 足踏式変速操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、揺動支軸まわりでのフートペダルの正逆方向
での揺動操作量に応じて油圧駆動無段変速機を前後進並
びに増減速操作すべく、前記ファトペタルと油圧駆動無
段変速機の操作用部材とを連係し、かつ、油圧駆動無段
変速機を中立状態とするように前記フートペダルを中立
位置に操作する付勢機構を設けた足踏式変速操作装置に
関する。

従来のフートペダルにおいては、前進側の増減速操作用
踏面と後進側の増減速操作用踏面とが一直線状の一連面
に形成されているとともに、これら両踏面長手方向の中
間位置にペル揺動支軸を設けて構成していたのであるが
、これによる場合は、踵の載せ付は位置が安定しないた
め、変速操作時に足が不測にずれ動き易くて、フートペ
ダルの踏込みに不必要な力を要することがあり、しかも
、前者踏面と後者踏面との両者に股がる状態で足を載せ
付けるため、ペタルを踏んで、ペタル中立位置付勢機構
よりも素早く中立位置に戻す場合、力のかけ具合いかん
によってはフートペダルを前進変速位置又は後進変速位
置から中立位置に戻す際、誤って後進変速位置又は前進
変速位置にまで踏込んでしまい、機体が操縦者の意図に
反して思わぬ方向に移動する危険があった。

また、後進側の踏面を前進側の踏面に比し、短かくする
ことによって、前進時と後進時との必要踏込み力に差を
つけて、誤操作を抑制することが考えられていたが、こ
の場合は、後進操作が重くなる問題があった。

本考案は、上記の実情に鑑み、前進、後進何れもペタル
の踏込み操作を軽く、かつ、楽に行なうことができるも
のであり乍らも、誤操作に起因する前述のような危険な
事態の発生を回避することができるようにぜんとする点
にある。

先ず、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は農用トラクタを示し、エンジン１に、クラッチ
ハウジング２及び伝動用ハウジング３を介して駆動後輪
４を軸架しであるミッションケース５を固定連結すると
ともに、前記伝動用ハウジング３内で、かつ、前記エン
ジン１の下側部に配置した駆動前輪６及び前記駆動後輪
４への伝動系の途中に油圧駆動無段変速機７を設け、か
つ、前記伝動ハウジング３及びミッションケース５の上
部には、駆動前輪６に対するステアリングバンドル８と
運転席９とを配設している。

また、第２図に示すように、前記伝動ハウジング３の側
壁に枢支された支軸１０の外端部にフートペダル１１を
設けるとともに、前記ペタル揺動支軸１０の内端部に設
けた作動片１２と前記油圧駆動無段変速機７のトラニオ
ン軸７Ａに止着した操作用部材としてのアーム１３とを
ロッド１４を介して連動連結し、以って、前記フートペ
ダル１１の前部踏面１１Ａ又は後部踏面１１Ｂを踏込み
操作することにより、前記油圧駆動無段変速機７を変速
中立状態から前進状態又は後進状態に変更すべく構成し
ている。

前記変速用フートペダル１１の構造は次の如く構成され
ている。

即ち、第３図、第４図でも示すように、前進側の増減速
操作用踏面１１Ａと後進側の増減速操作用踏面１１Ｂと
を適当な交差角（例えば、約３０度位）θを介して一連
面に形成するとともに、前者踏面１１Ａの長手方向中央
位置よりも後者踏面１１Ｂ側に偏位した位置に前記のベ
タル揺動支軸１０を設け、かつ、前者踏面１１Ａの後端
には、上方に適宜突出する踵の当り部１５を、後者踏面
１１Ｂ全域に亘る状態で固着している。

そして、前進操作時には、第３図で示すように踵を当り
部１５に接当させた状態で前者踏面１１Ａに載せ付け、
また、後進操作時には、第４図で示すように後者踏面１
１Ｂ及び前者踏面１１Ａに亘って載せ付けるべく構成し
ている。

また、前記フートペダル１１による最高速度を制限する
機構１６と、前記フートペダル１１を前・進変速領域の
所望位置で固定ならびに固定解除可能なロック機構１７
ならびに、前記油圧駆動無段変速機７を中立状態に付勢
維持する機構■とを設けている。

前記速度制限機構■は、前記フートペダル１１の揺動支
軸１０に操作レバー３８を遊嵌し、このレバー３８の基
端部に、前記フートペダル１１の作動片１２に設けたピ
ン１９に嵌係合して、このフートペダル１１の踏込み量
を規制する揺動支軸１０周りの長孔２０を形成するとと
もに、前記伝動ハウジング３には、前記レバー３８を揺
動支軸１０周りの複数位置で係止保持することが可能な
操作案内板２１を固着している。

前記ロック機構１１は次の如く構成されている。

即ち、第５図でも示すように、フートペダル１１の前端
部に固着したボス部材２２に、前記揺動支軸１０と平行
な軸芯方向に一定範囲内で揺動自在なピン２３を挿嵌し
、このピン２３に対応する伝動ハウジング３部分に、コ
イル２４を有する電磁石の鉄芯２５を、アルミなどの非
磁性材２６を介して取付けるとともに、前記鉄芯２５の
突出端部には、前記フートペダル１１の変速中立位置Ｎ
から前進最高速位置Ｆまでの揺動範囲に相当する長さの
吸引係止部材２７を螺合固定し、かつ、前記吸引係止部
材２７とピン２３との対向面には、スベリ摩擦大なる係
合溝部２７ａ、２３ａを形成している。

また、前記コイル２４の端子２４ａは、計器盤２８に設
けたスイッチ２９及び主クラッチの入り切りに連動して
オン・オフされるスイッチ（図示せず）を経てバッテリ
に接続されている。

そして、前記フートペダル１１を所望速度位置に踏込ん
だ状態でスイッチ２９をオンすると、鉄芯２５及び吸引
係止部材２７が励磁され、ピン２３は磁力により吸引係
止部材２７に吸着され、フートペダル１１はその位置で
固定保持される。

前記スイッチ２９をオフすると、鉄芯２５及び吸引係止
部材２７が消磁され、フートペダル１１は中立位置に戻
る。

また、前記スイッチ２９がオンで、かつ、フートペダル
１１が前進変速操作領域にあるときでも、主クラッチを
切り操作すると、前述と同様に鉄芯２５及び吸引係止部
材２７が消磁され、フートペダル１１は中立位置に戻る
。

尚、後進変速操作領域ではフートペダル１１を固定保持
することができないが、必要であれば、前記吸引係止部
材２７を後進変速操作領域側に延出すると良い。

前記中立付勢機構１８は次の如く構成されている。

即ち、前記トラニオン軸７Ａ側のアーム１３に、下方に
開口するＶ字状の切欠き部３０を形威し、この切欠き部
３０に係合するピン３１を有するアーム３２を、その後
端部の横軸芯周りで上下揺動自在に枢着するとともに、
前記揺動アーム３２を、前記ピン３１が切欠き部３０に
係合する方向に移動付勢するスプリング３３を設け、以
って、前記切欠き部３０の頂部に対してピン３１を弾性
的に係合させることにより、前記油圧駆動無段変速機７
を中立状態に付勢維持すべく構成している。

第６図は変速用フートペダル１１の他の構造を示し、前
進側の増減速操作用踏面１１Ａの後端に、踵の当り部１
５を、その取付は基端部に形威した長孔３４の範囲内で
位置変更固定自在にボルト３５を介して取付けるととも
に、後進側の増減速操作用踏面１１Ｂの後端には、側面
視はぼＬ字形の踵の当り部３６を、前後方向に位置変更
固定自在にボルト３７を介して取付けたものである。

以上要するに、本考案による足踏式変速操作装置は冒記
した構造のものにおいて、前記フートペダルの前進側の
増減速操作用踏面１１Ａと後進側の増減速操作用踏面１
１Ｂとを一連面に形成するとともに、前者踏面１１Ａの
長手方向中央位置よりも後者踏面１１Ｂ側に偏した位置
にペタル揺動支軸１０を設け、かつ、前者踏面１１Ａの
後端には、踵の当り部１５を設けであることを特徴とす
る。

即ち、使用頻度の高い前者踏面１１Ａの後端に設けた踵
の当り部１５によって、前進操作時の踵位置、つまり、
足載せ位置を安定保持することができるから、操作中に
足がずれ動いたり、不必要な力をかける必要がなく軽い
踏込み力で楽な前進操作を行なうことができる。

しかも、前記両踏面１１Ａ、１１Ｂを一連面にし乍ら、
前者踏面１１Ａの長手方向中央位置よりも後者踏面１１
Ｂ側に偏した位置にペタル揺動支軸１０を設けであるが
故に、前者踏面１１Ａ又は後者踏面１１Ｂに足を載せ付
けた状態において、所定の前進高速側又は後進高速側へ
は自由に踏込むことができても、これとは逆方向の後進
側又は前進側への踏込みに対しては大きな抵抗を働かせ
て、力のかけ具合によって誤って後進側又は前進側に踏
込むことがなく、このような不用意な切換えに伴なう危
険事態の発生を確実に回避することができる。

その上、前者踏面１１Ａと後者踏面１１Ｂとを適宜間隔
を隔てて設ける場合に比して、ペタル全体をコンパクト
に構成することができるばかりでなく、前記の踏み替え
操作を簡便に行なわせ易い。

また、上述実施例のように、前記の前者踏面１１Ａと後
者踏面１１Ｂとを適宜な交差角θを介して一連面に形威
しである場合には、前進から後進或いはその逆の切換え
にあたって、運転者に意識をもたせることができるから
、前述のような不用意な切換えに伴なう危険事態の発生
を一層良好に回避し得る利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る足踏式変速操作装置の実施例を示し
、第１図は農用トラクタの全体側面図、第２図は要部の
一部切欠側面図、第３図、第４図は前進操作状態と後進
操作状態とを示す要部の側面図、第５図は要部の縦断面
図、第６図は他の実施例を示す側面図である。 ７・・・・・・油圧駆動無段変速機、１０・・・・・・
揺動支軸、１１Ａ・・・・・・前進側の増減速操作用踏
面、１１Ｂ・・・・・・後進側の増減速操作用踏面、１
３・・・・・・操作用部材、１５・・・・・・当り部、
１８・・・・・・中立付勢機構、θ・・・・・・交差角
。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ■ 揺動支Ｎｔｏまわりでのフートペダル１１の正逆方
   向での揺動操作量に応じて油圧駆動無段変速機７を前後
   進並びに増減速操作すべく、前記フートペダル１１と油
   圧駆動無段変速機７の操作用部材１３とを連係し、かつ
   、油圧駆動無段変速機７を中立状態とするように前記フ
   ートペダルを中立位置に操作する付勢機構３８を設けた
   足踏式変速操作装置において、前記フートペダルの前進
   側の増減速操作用踏面１１Ａと後進側の増減速操作用踏
   面１１Ｂとを一連面に形成するとともに、前者踏面１１
   Ａの長手方向中央位置よりも後者踏面１１Ｂ側に偏した
   位置にペル揺動支軸１０を設け、かつ、前者踏面１１Ａ
   の後端には、踵の当り部１５を設けであることを特徴と
   する足踏式変速操作装置。 ■ 前記の前者踏面１１Ａと後者踏面１１Ｂとは適宜な
   交差角θを介して一連面に形成されている実用新案登録
   請求の範囲第■項に記載の足踏式変速操作装置。