JPS6037025Y2 - 回転電機固定子コイルの成形装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電動機や発電機などの固定子コアに施こされ
た固定子コイルのコイルエンドラ所定の形状に成形をす
るための、回転電機固定子コイルのコイルエンド成形装
置に関するものである。

通常、電動機や発電機などの回転電機においては、その
固定子コアに施こされた固定子コイルのコイルエンドの
内径は、組立時における回転子の挿入を容易にするため
に、固定子コアの内径よりも大きくなるように成形をし
てやる必要がある。

従来、第１図に示されるような固定子コア１に施こされ
た固定子コイル２のコイルエンド２Ａ。

２Ｂを第３図に示すような形状に成形するためには、第
２図に示される成形金物３によりコイルエンド２Ａ、２
Ｂを実線で示すように成形したのち、さらに逆向きに成
形金物３に挿入してコイルエンド２Ａの内径を成形し、
この操作を２〜３回繰返す必要があるので、手作業の部
分が多く、多大の作業時間を必要とすると言う欠点があ
った。

この考案は上記の欠点を除き、短時間でコイルエンドの
成形を行う装置を提供することを目的とするもので、−
動作により両側のコイルエンドの内径、外径およびコイ
ルエンド高さの三方向の成形を所定の寸法に、同時に行
なうようにしたものである。

以下、この考案の一実施例である回転電機固定子コイル
の成形装置の構成および動作について、この装置の縦断
面図である第４図と斜視図である第５図とによって説明
する。

図において、４はコイルエンドを成形する時に加圧する
作動軸、５は作動軸４に連結された上板、８はこの上板
５の下方に平行に配された上部台で、この上部台８は上
部ガイドバー７によって位置決めされ、スプリング１０
の適当な張力により保持される。

１２はこの上部台８の上面を求心方向に摺動する複数個
の上部外成形片で、平常時はスプリング１５の張力で外
周方向に開いている。

上板５が作動軸４によって下方に押圧されると、この上
板５の下面に固定された押し金１１の押し全斜面１１Ａ
が上記上部外成形片１２の斜面１２Ａをスプリング１０
の張力に抗して押すことにより、上記上部外成形片１２
はスプリング１５の張力に抗して求心方向に向かって摺
動加圧できるような構造になっている。

１７はこの上部外成形片１２の中心部に、上記上部台８
の下面にボッ叶１８によって固定された成形金物で、こ
の成形金物１７は上部に上記外部外成形片１２の内周面
１２Ｂとの間に一方のコイルエンド２Ｂを挿入し成形す
る上部内戚形部１７Ａを備え、下部先端に円錐部１７Ｂ
と中間の円柱部１７Ｄを有している。

１９は固定子コア１の外周部の下端を支持する下型台、
３１はこの下型台１９を支持する下型、２０は下型台１
９の位置決めをする中間ガイドバー、２２は、下型台１
９を下型から浮き上らせてコイルエンド２４が成形金物
１７の円柱部１７Ｄまで拾い上げられる間保持するため
のスプリング、２１は下型３１に固定され、中間ガイド
バー２０とスプリング２２を支えるための受は金である
。

３９は上記下型３１を支持する下板、３２は下型３１の
位置決めを行う下部ガイドバー、３４は下型３１を浮き
上がらせるスプリングである。

２４は上記下型３１に支持され、外周方向に摺動する複
数個の下部内成形金で、平常時はスプリング３０の張力
で求心方向に閉でいる。

２４Ａはこの下部内成形金２４の先端部の下部内戚形部
で、この下部内戚形部２４Ａは他方のコイルエンド２Ａ
の内周から成形するものである。

２５は上記下型３１に支持され、求心方向に摺動する複
数個の下部外成形片で、平常時はスプリング２８の張力
で外周方向に開いている。

２５Ａはこの下部外成形片２５の内周部で、この内周部
２５Ａは上記内戚形部２４Ａとの間にコイルエンド２Ａ
を挿入して成形を行うものである。

３５および３７は上記下板３９に設けられた押し金で、
この押し金３５．３７の押し全斜面３５Ａおよび３７Ａ
が、上記下部内成形金２４と下部外成形片２５の斜面２
４Ｂおよび２５Ｂを押すことにより、内成形金２４と下
部外成形片２５はそれぞれ外周方向および求心方向に向
って摺動加圧できるような構造になっている。

１７Ｇは第５図に示す如く上記成形金物１７の円柱部１
７Ｄの途中から円錐部１７Ｂにかけて設けられたたて溝
部で、このたて溝部１７Ｃは円錐部１７Ｂがコイルエン
ド２Ａの内径を円柱部１７Ｄの径にまで案内成形した後
、上記下部内成形金２４の上記内戚形部２４Ａが入り込
み上記コイルエンド２Ａを下部内成形金２４に移し替え
るためのもので、下部内成形金２４の下部内戚形部２４
Ａが内部に嵌まり合うようになっている。

次に以上のように構成された回転電機固定子コイルの成
形装置の動作を説明する。

先ず、一体に組立てられた上板５、上部台８、成形金物
１７を作動軸４の駆動により十分に上昇させたのち、固
定子コイル２を施こした固定子コア１を下型台１９の所
定の位置に置く、次に作動軸４に適当な押圧をかけるこ
とにより成形金物１７を上部台８と共に下降させること
により、成形金物１７は固定子コア１の内側を通り抜け
、固定子コイル２のコイルエンド２Ａ、２Ｂは成形金物
１７の円錐部１７Ｂに案内され、成形金物１７の円柱部
１７Ｄにより固定子コア１の内径とはＳ゛同一寸法まで
成形される。

更に第４図左半部に示されるように、成形金物１７のた
て溝部１７０へ下部内成形部２４の下部内成形部２４Ａ
がそれぞれ入り込んで成形金物１７の円柱部１７Ｄに案
内されていたコイルエンド２Ａが下部内成形部２４Ａ側
へ移し替えられる前の状態まで下降した時、上部のコイ
ルエンド２Ｂは上部台８の下面と成形金物１７の上部内
成形部１７Ａそれに上部外成形片１２の内周面１２Ｂと
でできた間隙に案内される。

次に、第４図左半部の状態より右半部の状態になる行程
を説明すれば、作動軸４に更に押圧を続けると、バネ２
２は下型台１９が受ける押圧に抗して圧縮され、下型台
１９は中間ガイドバー２０に沿って下降し受は金２１の
上面に当る。

この時下部コイルエンド２Ａは下部内成形部２４Ａ側へ
移し替えられ、その後すぐにコイルエンド２Ａ。

２Ｂは固定子コア１の積厚方向に圧縮成形される。

この時、中間ストッパー２３は上部台８に当り下型３１
との間隔を保つ。

更に作動軸４が押圧を続けるため、上板５はバネ１０に
抗して上ストッパー１６が上部台８に当るまで下降腰回
じように上部から一体となった下型３１がバネ３４に抗
して下ストッパー４０に当るまで下降するため、上部外
成形片１２は上部外成形片の斜面１２Ａが押し金１１の
押し全斜面１１Ａを付勢されバネ１５に抗して求心方向
へ移動するため、上部コイルエンド２Ｂは上部内成形部
１７Ａとにより所定の形状に成形され、下側では下部内
成形部２４は下部内成形部の斜面２４Ｂが押し金３５の
押し全斜面３５Ａに付勢されバネ３０に抗して外周方向
へ、下部外成形片２５は下部外成形片の斜面２５Ｂが押
し金３７の押し全斜面３７Ａに付勢されバネ２８に抗し
て求心方向へ、それぞれ加圧移動するため下部コイルエ
ンド２Ａは、下部内成形部２４Ａと下部外成形片２５の
内面２５Ａとより所定の形状に成形される。

以上の動作により固定子コイル２のコイルエンド２Ａ、
２Ｂの成形を完了し、作動軸４を上昇させることにより
、上板５はバネ１０により、下型３１はバネ３４により
上部外戚形部片１２はバネ１５により、下部外成形片２
５はバネ２８により下部内成形部２４はバネ３０により
それぞれもとの状態に復帰する。

更に上端まで上昇を続けると下型台１９もバネ２２によ
りものと状態に復帰する。

なお、この成形装置では、上部、下部共外成形片は求心
方向への可動式になっているが、上部又は下部のどちら
か一方を固定式の成形リングに置き替えてもよいことは
云うまでもない。

又、この成形装置は手巻線、直巻巻線等の方法で巻装さ
れた固定子コイルの中間成形装置、仕上成形装置として
も幅広く使用できることは云うまでもない。

以上のように、この考案による成形装置は、固定コアに
施こされた固定子コイルの両側のコイルエンドを一動作
によりコイルエンド高さ、内径、外径の３方向を成形す
ることができるので、従来のように２〜３回かけて行な
っていた成形作業を自動化することができ、作業能率を
大幅に向上することができる。

また、下部巻線端の成形時には成形金物の円柱部まで入
り込んだたて溝部へ内成形金の内成形部が入ってコイル
の滑らかな移し替えを可能にしたので電線径の太い細い
に関係なく巻線端を損傷することなく、品質の安定した
成形作業を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は従来の成形作業の工程を示すためもの
で第１図は両コイルエンドが成形される前の状態を示す
断面図、第２図は第１図のコイルエンドを半成形する状
態を示す断面図、第３図は両コイルエンドが成形された
状態を示す断面図、第４図、第５図はこの考案の一実施
例を示すもので第４図はこの装置の縦断面図で、左半部
は一方のコイルエンドが円柱部へ移動して、下部内成形
部へ移し替する前の状態を示し、右半部は両方のコイル
エンドが成形された状態を示すものである。 第５図は成形金物の円柱部のコイルを下成形部へ移し替
える部分の一部断面で示した斜視図である。 図において、同一符号は同一の部分を示腰 １は固定子
コア、２は固定子コイル、２Ａ、２Ｂは固定子コイルの
コイルエンド、４は作動軸、５は上板、７は上ガイドバ
ー、８は上部台、１０はスプリング、１１は押し金、１
２は上部外成形片、１７は成形金物、１９は下型台、２
０は中間がイドバー、２２はスプリング、２４は下部内
成形部、２４Ａは下部内成形部、２４は下部外戊形片、 ３１は下型、 ３２は下ガイドバー ３４はス プリング、 ３５゜ ３７は押し金、 ３９は下板、 ５゜ ２８゜ ３０はスプリング、 １６゜ ２３゜ ０ はストッパーを示す。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）回転電機の固定子コアに施こされた固定子コイル
   のコイルエンドを成形する装置において、作動軸によっ
   て押圧される上部台と、この上部台の下面に配された上
   部外戚形部と、この上部外成形部の中央部の上記上部台
   の下面に固定され、上記上部外成形部の内周面との間に
   一方のコイルエンドを挿入して成形する上部内戚形部を
   備えた成形金物と、上記固定コアを支持する下型台と、
   この下型台を支持する下型と、上記成形金物が他方のコ
   イルエンドの固定子コア内径より小径のコイルを下部の
   円錐部により成形金物の径まで案内成形後下部内威形金
   に移し替えるべく下部内戚形部が入り込む成形金物のた
   て溝部と、上記下部内戚形部が取付けられた上記下型を
   上部から押圧することにより、上記下型に設けられた押
   し金の押し金斜面によって外周方向に加圧移動する下部
   内成形金と、上記下型に取付けられた上記他方のコイル
   エンドを上記下部内戚形部との間に挿入して成形する下
   部外戚形部とを備え、上記上部外戚形部と下部外戚形部
   との少なくとも一方が、円周方向に複数個に分割されて
   、求心方向に向って加圧移動する構造としたことを特徴
   とする回転電機固定子コイルの成形装置。
2. （２）上部台とガイドバーで位置決めされ、かつスプリ
   ングの張力で間隔が保持された上板を介して、上記上部
   台は作動軸によって押圧され、上記上板に固定された押
   し金の押し金斜面で複数個に分割された上部外戚形部を
   求心方向に向って加圧移動することを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の回転電機固定子コイルの
   成形装置。
3. （３）下部外戚形部が複数個に分割され、下型部に設け
   られた押し金の押し金斜面によって、下部内成形金の外
   周方向に向う加圧移動とほぼ同じくじで求心方向に向っ
   て加圧移動することを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項または第２項に記載の回転電機固定子コイルの
   成形装置。