JPS6035462B2 - カ−ペツトタイル用バツキング材組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は新規なカーペットタイル用パッキング材組成物
に関する。

カーペットタイルは一般に５０ｃの×５０ｃｍの正方形
に裁断されたパッキング材で裏打ちされた板状のカーペ
ットで、これを組合わせて床面に施工するものであり、
通常のカーペットより施工が簡単であるため、家庭、オ
フィス、店舗等で多く使われはじめている。

タイルカーペットは単に床面に置くだけで施工するもの
であるから、床面に容易に密着できるように、カーペッ
トタイルのパッキング材は優れた屈曲性及び復元性と適
度の貫入強度を有していなければならず、また、使用時
の歩行や清掃による摩擦や引つかき等に耐えるだけのパ
イル抜糸強度を有していることが要求される。

更に、カーペットタイルのパッキング材はクッション性
及び保温性を保有せねばならず、しかも室内で使用する
ものであるから臭いの少ないものが望まれる。タイルカ
ーペットのパッキング材は、上言己の如き物性が要求さ
れると同時に、その製造の際のパッキング材で裏打ちさ
れたカーペットの裁断工程で、裁断機の刃にパッキング
材が付着するようなものであってはならない。従来、カ
ーペットタイル用のパッキング材として種々のものが提
案されており、例えば非晶性ポリプロピレン、低不飽和
ゴム、粘着付与剤樹脂及び充填剤からなるもの（特開昭
５０−１１２５９１号公報）、ブローンアスフアルト及
び石油樹脂を主体とするもの（特開昭５４−１２５８２
叫号公報）、非晶性ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合樹脂及び充填剤からなるもの（特開昭５６−
３７８０６号公報）、溶剤脱経アスファルト、オレフィ
ン−極性モノマ−共重合体と結晶性及び／又は非晶性ポ
リオレフィンとからなるもの（特関昭５５−１４２６４
４号及び特開昭５６−３７３７６号公報）等が挙げられ
るが、これら従来提案されているパッキング材は抜糸強
度が下充分であったり、貫入強度が適当でなかったり、
或いは裁断作業時に刃に付着する等の難点があり、実用
的に充分に満足できるものでなかつた。

そこで、本発明者らはかかる難点をもたず、且つ前述し
たカーペットタイルに要求される特性をすべて満足する
ようなパッキング材を目的に鋭意研究を行なった結果、
下記の組成、すなわち、‘ａ’プロパン脱漉アスファル
ト １５〜３５重量％‘ｂ｝エチレンーアクリル酸エ
チル共重合体 ８〜２５重量％
【ｃ）非晶性ポリプロピレン １５〜４５重量％
及び｛ｄ｝＊占着付与剤樹脂 １０〜４５
重量％を含有し〔ただし、上記の重量％は｛ａ），｛ｂ
’，｛ｃ〕及び｛ｄ｝の４成分の合計の重量を基準とし
たものである〕、且つ上記非晶性プロピレン対エチレン
ーアクリル酸エチル共重合体の重量比が０．６：１乃至
５．０：１の範囲にあることを特徴とする組成物が、上
記の目的に適合することを見し、出し、本発明を完成す
るに至った。

しかして、本発明により提供される上記の組成物は、２
００ｏｏ以下の温度で容易に溶融混合して均一なコ。

ィド質を形成することができ、屈曲性や復元性に優れて
おり、パイルの抜糸強度も大きく、貫入強度も適当で、
約３０〜６０ｏｏの温度で柔軟性を保有していて裁断刃
に付着する傾向が少なく、寸法安定性も良好であり、カ
ーペットタイルのパッキング材として実用上非常に適し
ている。以下、本発明のパッキング材組成物の各成分及
び調製法についてさらに詳しく説明する。プロパン脱腫
アスファルト〔成分｛ａ｝〕は、石油の蒸留残澄を液化
プロパンで抽出処理する際に得られるアスファルトであ
り、本発明においては一般に、アスフアルテン含量が４
〜ｌａ重量％、好ましくは６〜８重量％；針入度が７〜
２５、好ましくは１３〜１７の範囲；軟化点が５５〜７
ｒ０、特に５８〜６３℃の範囲；比重が１．０３５〜１
．０７０、好ましくは１．０４０〜１．０６０の範囲；
１６０００における粘度が２５０〜３３０センチストー
クス、好適には２８０〜３１０センチストークスの範囲
のものが適している。

エチレンーアクリル酸エチル共重合体〔成分【ｂ）〕は
一般にアクリル酸エチル単位を該共重合体の重量を基準
にして７〜３０重量％、好ましくは１０〜２０重量％、
さらに好ましくは１３〜１頚重量％の割合で含有してい
ることができる。

該アクリル酸エチル単位の量が７重量％より少ないと、
該共重合体のプロパン脱澄アスファルトへの溶解性が低
下し、他方３の重量％を超えると、溶解性は増大するが
軟化点及び分解温度が低下する傾向がみられる。また、
本発明で好適に使用しうるエチレン−アクリル酸エチル
共重合体は一般に１．０〜１５０、特に１．５〜２０の
範囲のメルトィンデックスを有しているのが有利である
。また、非晶性ポリプロピレン〔成分【ｃ）〕としては
、一般に結晶化度が１５％以下、好ましくは１０％以下
で且つ数平均分子量が３０００〜３０００００、特に１
００００〜３００００であるものが好都合である。

かかる非晶性ポリプロピレンは前記のエチレンーアクリ
ル酸エチル共重合体と共同してパッキング材の低温屈曲
性及び貴人強度を向上させると共に、パッキング材組成
物の溶融粘度を低下させるのに役立く）。さらに、粘着
付与剤樹脂とは、高分子材料であるェラストマーに粘着
力、すなわち粘性流動に対する抵抗の大きさを調節する
ために添加する樹脂をいい、本発明に用いる粘着付与剤
樹脂〔成分【ｄ｝〕は前記の成分（ａ｝，（ｂ｝及び｛
ｃ）と相落しうる固体もしくは半固体状で臭いの少ない
ものが適当であり、例えば、ロジン系樹脂、テルベン系
樹脂などの天然樹脂や、石油樹脂、フェノール系樹脂な
どの合成樹脂が包含される。

より具体的には、ガム系ロジン、トール油系ロジン、水
素化ロジンェステル；Ｑ−ピネン、８−ピネン、ジベン
テン、石油樹脂で変性したテルベン樹脂、テルベンフェ
ノール類；芳香族系石油樹脂、脂競族系石油樹脂；アル
キルフェノール系樹脂等が挙げられ、これらはそれぞれ
単独で又は２種もしくはそれ以上組合せて用いることが
できる。これらの粘着付与剤樹脂は環球法による軟化点
が一般に８０〜１２０ｏｏ、好ましくは１００〜１１５
００の範囲にあり、また、比重が０．９０〜１．１０、
特に０．９５〜１．００の範囲にあるものが適しており
、例えば、テルベン樹脂系ではＹＳレジン（安原油脂■
製）；芳香族系石油樹脂ではべトロゾン（三井石油化学
■製；脂肪族系石油樹脂では／・ィレッッ（三井石油化
学■製：脂環族系石油樹脂ではクィントン（日本ゼオン
■製）等の商品名で市販されているものが有利に使用さ
れる。かかる粘着付与剤樹脂はパイル抜糸強度を上げる
と共にパッキング材組成物の溶融粘度を低下させるのに
役立つ。以上に述べた‘ａ｝，｛ｂ｝，｛ｃ）及び（ｄ
）の４成分は、本発明においては以下に示す割合で配合
される。

なお、カッコ内は好適な割合であり、また、重量％は上
記４成分の合計の重量を基準とした百分率である。成
分 割合（重量％）ｔａ｝プロパ
ン脱瀦アスファルト １５〜３５（２０〜３０）‘ｂ｝
エチレンーアクリル酸エチル共重合体
８〜２５（１０〜２３）｛ｃ｝非晶性ポリプロピレ
ン １５〜４５（１７〜４０）‘ｄ｝※占着付与剤
樹脂 １０〜４５（１２〜４０）また、本発
明のパッキング材組成物においては、上言己配合割合の
範囲内で、非晶性ポリプロピレンの対エチレンーアクリ
ル酸エチル共重合体の重量比を適当に調節することが重
要であり、該重量比は０．６：１乃至５．０：１の範囲
、好ましくは０．８：１乃至４．０：１の範囲、さらに
好ましくは１．４：１乃至２．５：１の範囲にするのが
推奨される。

該重量比が上記の範囲からはずれる場合には、組成物の
針入度が大きくなり過ぎるため、貫入強度も悪くなると
共に抜糸強度も低下する。以上に述べた各成分からの本
発明の組成物の調製はそれ自体既知の方法で行なうこと
ができ、例えば混合釜でプロパン脱輝アスファルトを加
熱溶融した後、そこにエチレン−アクリル酸エチル共重
合体、非晶性ポリプロピレン及び粘着付与剤樹脂を投入
し均一になるまで溶解混合することにより行なうことが
できる。なお、本発明の組成物には、前述の４成分に加
えて、必要に応じて充填剤、ワックス類、可塑剤、着色
剤、老化防止剤等の添加剤を配合してもよい。

充填剤としては、ゴムやプラスチック用として使用され
る充填剤、例えば「便覧ゴム・プラスチック配合薬品」
（ラバーダィジェスト社、昭和４１年発行）第１１〜１
２頁に記載されているものはいずれも用いることができ
、具体的には、力−ポンプラック、シリカ、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、タルク、クレー
、二酸化チタン、亜鉛等が挙げられる。これら充填剤は
用いる場合には、前記４成分｛ａ），（ｂ），｛ｃ｝及
び脚の合計１００重量部に対し５０重量部まで、好まし
くは２０重量部までの量で配合することができる。また
、ワックス類としては、例えば、パラフィンワックス、
マイクロワックス、モンタンワツクス、ポリエチレンワ
ックス等が挙げられ、これらは前記４成分｛ａ｝，｛ｂ
｝，｛ｃ｝及び〔ｄ）の合計１００重量部に対し３０重
量部まで、好ましくは１５重量部までの量で配合しうる
。さらに可塑剤、着色剤及び老化防止剤としては、従来
から樹脂添加物として通常使用されているものを通常使
用されている少量で配合することができる。本発明によ
り提供されるパッキング材組成物は、前述した組成配合
をとったことにより以下に述べる如き種々の優れた特徴
及び利点を発揮する。

｛１’ 低温屈曲性（柔軟性）に優れており、床面への
施工が容易である。

■ 復元性に優れ且つ貫入強度も大きいので、本発明の
パッキング材組成物で裏打されたカーペットタイルは、
その上に高荷重の物体を置いてもひつこみが少なく、ま
た、その高荷重の物体を取り除いた後は跡が残りにくい
。

｛３１ 熱安定性が大きく且つ２００ｑｏ以下の温度で
容易に溶融溢して均一なコ。

ィド質にすることができ、しかもカーペット中への含浸
性に優れているため、プライムコートを必要とせず、カ
ーペットタイルの製造工程の簡素化、コストダウンを図
ることができる。〔４１ 耐水性、耐候性、寸法安定性
に優れており、長寿命である。

‘５｝ 本発明の組成物で裏打ちされたカーペットタイ
ルはパイルの抜糸強度が大きく、歩行や清掃時、その他
の機械的な摩擦やひつかき等によってパイルが抜ける傾
向が少ない。

‘６’さらに、本発明の組成物は裁断機のカッターへの
付着が殆んどなく、作業性に優れている。

本発明のパッキング材組成物のカーペットへの適用はそ
れ自体既知の方法によって行なうことができ、例えば、
カーペット基材を、裏面が上となるようにコンペアベル
ト上に設置し、１３０〜１７０ｏｏで熔融したパッキン
グ材組成物を流し込みながらドクターナイフにより一定
の厚さ（例えば１〜５帆）に塗布する。次に、第２基布
を貼り合わせ、切断機により所定の大きさ、形に切断し
て力−ペットタイルを製造することができる。

次に実施例により本発明をさらに詳しく説明する。

なお、下記の実施例における物性の測定は以下に述べる
方法に従って行なったものである。

針入度 ：ＪＩＳＫ２２０７に記載の方法に準じて側定
。軟化点 ：ＪＩＳＫ２２０７に記載の環球法により測
定。

粘 度：回転粘度計を用いて測定。

硬 度：ＪＩＳＫ６３０１に記載のスプリング法によ
り２０００で測定。

貫入量試験：ＤＩＮＩ９９６Ｕ６，に記載の方法により
荷重２０ｋ９′の、２０００で測定。

低温屈曲：試料を１００×１０×２脚のシート状とし、
５℃において直径２５脚の榛を中心軸として１８０ｏ折
り曲げ評価した。

抜糸強度：ＪＩＳＬＩ０２に記載の方法により測定。

寸法安定性：ＤＩＮ５４３１８に記載の方法により測定
。カッターへの附着：パッキング材組成物で裏打ちした
カーペットを製造し、カッターを使用しカーペットを切
断した場合にカ ッター表面に組成物が附着したかどう か評価した。

実施例１〜５及び比較例１〜３ 下記第１表に示す量のプロパン脱糎アスフアルト〔シェ
ル石油■製、針入度：１５、軟化点：６１℃、比重：１
．０５５粘度１６０℃２９１ｃｓｔ〕を混合釜に入れ１
８０〜１９０ｑｏに加熱したのち、ミキサーで燭拝しな
がら第１表に示す量のエチレンーアクリル酸エチル共重
合体〔日本コニカ製ＥＥＡ−６１８２、アクリル酸エチ
ル含有量：１５重量％、メルトィンデックス１．５夕／
１０分、密度０．９３夕／ｍｌ、硬度（ショァＡ）９２
〕を徐々に投入しアスファルトに均一に溶解する。

次いで、第１表に示す量の非晶性ポリプロピレン〔数平
均分子量：１７０００、粘度１６０ｑ０３７ｐｏｉｓｅ
、針入度１３、軟化点１５６０〕及び粘着付与剤樹脂〔
安原油脂製ＹＳレジンＺ−１１５軟化点１１５ｑ０、比
重１．０３分子量８７０〕を投入して均一になるまで魔
拝してパッキング材組成物を製造した。次にラテックス
処理されていないループ状カーペット基材の裏面に、１
５０〜１６０ｏｏに子熱した上記組成物を厚さ３〜４肌
に塗布したのち、第二基布を貼合わせ室温まで放冷した
。

そして、５０×５０肌の大きさにカッターで切断しカー
ペットタイルを製造した。第 １ 表

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ （ａ）プロパン脱瀝アスフアルト１５〜３５重量％
   （ｂ）エチレン−アクリル酸エチル共重合体８〜２５重
   量％ （ｃ）非晶性ポリプロピレン１５〜４５重量％及び（ｄ
   ）粘着付与剤樹脂１０〜４５重量％ を含有し〔ただし、上記の重量％は（ａ），（ｂ），（
   ｃ）及び（ｄ）の４成分の合計の重量を基準としたもの
   である〕、且つ上記非晶性プロピレン対エチレン−アク
   リル酸エチル共重合体の重量比が０．６：１乃至５．０
   ：１の範囲にあることを特徴とするカーペツトタイル用
   バツキング材組成物。