JPS6034342Y2 - 発泡装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は布帛への付与液を泡化して布帛へ連続供給する
ための発泡装置に関するものである。

例えば工業的に連続生産する布帛に前処理液、あるいは
染色液を付与せしめる従来例は、上記所定の液を入れた
液槽内に布帛を連続的に浸漬通過せしめているが、かか
る液付与手段では少量の液を布帛の全面に亘って均一に
付与せしめること、あるいは常に濃度が一定である液の
含浸が難しく、その液多量の水が消費されたり、特殊な
絞りロールが必要となったり、種々の問題点があった。

そこで、このような問題点を解消するために布帛に付与
すべき液を気泡化して布帛に塗布し、これによって所定
量の液を布帛全面に亘って均一に塗布することができる
ようにすると共に、水資源の節約、あるいは絞りロール
を使用することのない含液方法について本考案者は権利
を得ているが、本考案は、この気泡化液を塗布する方法
において使用する発泡装置を提供することを目的とする
ものである。

即ち工業生産する布帛に気泡化液を塗布するための発泡
装置として要望されることは、多量の均一質の泡が連続
的に導出されること、必要に応じて発生する泡質（泡の
大きさ）を調整することができること、発泡装置の構造
が簡単であること等で、本考案はかかる要望の全てを満
足できるように構成した発泡装置である。

以下に本考案を図面に示す実施例に基いて詳細に説明す
る。

１はモータ（図示せず）によって回転されるスクリュー
シャフトで、このスクリューシャフト１にはスパイラル
状の凸条２が形成されているが、この凸条２の断面形状
は頂部が平坦面ａとなる台形に形成されている。

３はそのスクリューシャフト１の外径面、即ち平坦面ａ
と可及的接近される内径に形成された筒枠であって、こ
の筒枠３内において前記のスクリューシャフト１が回転
自在に支持されているものである。

また上記筒枠の内周面には、軸方向に延びる複数の角溝
４を形成しているが、この角溝は筒枠３の内周面におい
てスパイラル状に形成してもよい。

５は筒枠３の一端部近くに穿設して、前記のスクリュー
シャフト１と筒枠３との間に発泡液及びエアを供給する
ための流体供給口であり、またその筒枠３の他端部には
気泡室６が形成されており、この気泡室６の上側には気
泡導出ロアが、また気泡室６の下側にはドレン抜き孔８
が設けられているものである。

以上が本実施例の構造であるが、次にその作用について
述べると、先ず圧力調整弁（図示せず）を経た所定圧の
エアと流量計（図示せず）により流量がコントロールさ
れた所定の液を流体供給口５より逐次供給する。

そこでモータを例えば１８００〜４５００ｒｐｍで駆動
し、スクリューシャフト１を回転させると流体供給口５
より供給されたエア混合液がスクリューシャフト１と筒
枠３との間に通って発泡室方向に逐次移送され、この時
、この圧力エアと液とがスクリューシャフト１の回転に
よる混合作用によって発泡化し、かかる気泡は気泡室６
内へを順次送り込まれ、気泡の発生量に応じて気泡導出
ロアより順次導出されて目的とする布帛面に塗布される
ものである。

本実施例の最大の特長か、スクリューシャフト１の凸条
２形状に平坦面ａを設けると共に筒枠３の内周面には角
溝４を設は更にその平坦面ａと筒枠３の内周面を接近せ
しめるようにしたものであるから、そのスクリューシャ
フト１を回転せしめた時に、スクリューシャフト１の平
坦面ａのエツジと、角溝４のエツジによって液体と気体
との切り込み作用が生じ、これによって粒子の細かい例
えばクリーム状の泡が生産できるものである。

第４図に示す実施例は、筒枠３とスクリューシャフト１
との間隙部に、発泡液を供給するための液供給口９とエ
アを供給するためのエア供給口１０を夫々設けた実施例
であるが、本実施例と前記実施例では液体及びエアの供
給口の位置が異るのみで両者の作用効果は同じである。

以上のように本考案よりなる発泡装置は、断面が台形で
ある凸条２をスパイラル状に形成せしめてなるスクリュ
ーシャフト１と、このスクリューシャフト１の外径面が
可及的接近される内径に形成され、かつ、その内径面に
軸方向又はスパイラル方向の角溝４を形成せしめてなる
筒枠３と、この筒枠３とスクリューシャフト間にエア及
び液を供給するための流体供給口と、筒枠３内で発泡さ
れた泡を導出するための気泡導出ロアを設けたものであ
るから、本考案によればスクリューシャフト１の台形凸
条２のエツジと、角溝４のエツジによるエアと液体の切
り込み作用によって、例えばクリーム状のきわめて細粒
子であって、しかも粘度の高い気泡が連続生産でき、布
帛表面へ塗布するための泡として効果的かつ良質の泡が
連続生産できる特長がある。

また本考案による発泡装置は、スクリューシャフトの回
転数の加減によって発泡量を増減せしめること、また発
泡装置に供給すべき液と圧力空気の混合比の調整によっ
て発泡倍率を変えることができる等きわめて有効な発泡
装置が提供できるものである。

更に本考案による発泡装置は構造が簡単で故障がなく連
続的に多量の泡を発生することができるので工業生産す
る布帛への連続泡塗布時においてきわめて有利である。

【図面の簡単な説明】

図面はいずれも本考案よりなり発泡装置の実施例を示し
、第１図はその第１実施例を示した断面図、第２図はス
クリューシャフトの部分拡大図、第３図は筒枠の断面図
、第４図は本考案の第２実施例を示した断面図である。 １・・・・・・スクリューシャフト、２・・・・・・凸
条、３・・・・・・筒枠、４・・・・・・角溝、５・・
・・・・流体供給口、６・・・・・・気泡室、７・・・
・・・気泡導出口、８・・・・・・ドレン抜き孔、９・
・・・・・液供給口、１０・・・・・・エア供給口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面が台形である凸条２をスパイラル状に形成せしめて
   なるスクリューシャフト１と、このスクリューシャフト
   １の外径面が可及的接近される内径に形成され、かつ、
   その内径面に軸方向又はスパイラル方向の角溝４を形成
   せしめてなる筒枠３と、この筒枠３とスクリューシャフ
   ト間にエア及び液を供給するための流体供給口と、筒枠
   ３内で発泡された泡を導出するための気泡導出ロアを設
   けたことを特徴とする発泡装置。