JPS6034325Y2 - 使い捨て型燃料フィルタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輛用エンジン等に使用される水抜き装置を有
する使い捨て型燃料フィルタに関する。

一般に車輛用エンジン等には、燃料中に含まれる塵埃の
濾過や水分の分離除去のために燃料フィルタが装着され
ている。

そしてその取扱いの簡略化のために、寿命に達した際に
フィルタケーシングごと交換するよにした使い捨て型燃
料フィルタが提供されている。

このような燃料フィルタにおいて、燃料中に含まれる水
分は、燃料が流入口から流入する際自重により下降また
は濾過体表面に付着、凝集した後下降してケーシング下
部に溜る。

ケーシング下部に溜った水を放置しておくと、水位が次
第に上昇し濾過体部分にまで達して濾過面積の減少によ
る寿命や濾過効率の低下、供給燃料の不足されにエンジ
ン内への水の流入を引き起こし、エンジン性能の低下を
もたらす。

特にディーゼルエンジンにおける水の流入は、噴射ポン
プやエンジン本体の腐食をもたらし、エンジン破損の原
因となる。

そこでケーシング下部に溜った水を適時排出させるため
に、ケーシング下部には水抜きプラグが設けられている
。

水抜きプラグはケーシング閉塞端に固着されたプラグシ
ートを介して螺着されるが、該プラグシートの固着は従
来金属の溶融結合例えばロー付やスポット溶接によって
接合する構造になっていた。

金属の溶融結合においては、その境界部分からの亀裂の
危険を伴い、燃料洩れの要因となる重大な欠点をもって
いた。

特にロー付構造による場合には、ロー付作業時に用いた
フラックス除去のための洗浄工程を必要とし、しかも完
全に除去しきれない危険があり、残留フラックスが腐食
を助長する。

またケーシング閉塞端部の広い範囲に亘って加熱される
ため水抜きプラグを取付けるシール面がゆがんでしまい
燃料洩れを誘発していた。

本考案はかかる欠点を改善した使い捨て型燃料フィルタ
を提供するものである。

以下実施例により説明する。

第１図乃至第４図において、本考案の使い捨て型燃料フ
ィルタ１は、開放端を有するケーシング２内に濾過体３
を配設し、中央にネジ部を有する流出口４およびその周
りに流入口５を設けた蓋板６でケーシング２の開放端を
閉塞し、さらに該蓋板６の外周に囲い板７を配して、そ
の外周をケーシング２の端周縁と液密に加締止めしてい
る。

ケーシング２の閉塞端内面にはプラグシート８が固定さ
れており、前記濾過体３は蓋板６とプラグシート８との
間にそれぞれＯリングパツキン９、セットスプリング１
０を介して保持されている。

ケーシング２の閉塞端には孔１１がおいている。

該孔１１の外側には、プラグシート８をケーシング２に
保持するためのケーシング２の内方へふくらんだ２つの
立上り部１２があり、形状が半円状で、その弦が互に平
行な面を形威している。

プラグシート８は中央にネジ孔１３を有し、さらに外周
にはセットスプリング１０の座となるつば部１４を備え
ている。

該つば部１４は、プラグシート８をケーシング２に保持
させるための半円状をした２つの第１次切欠き１５およ
び水抜き通口１６を形成するための先端が半円状でプラ
グシート８の中心に向けて伸びる２つの第２切欠き１７
を有している。

そしてプラグシート８は、該プラグシート８の第１切欠
き１５に合致する前記ケーシング２の閉塞端の２つの立
上り部１２の間に保持されたセットスプリング１０で固
定されている。

水抜きプラグ１８はケーシング２の閉塞端の外面に接す
るパツキン１９を介してプラグシート８に螺着されてる
。

以上のような構成の使い捨て型燃料フィルタ１では、燃
料は蓋板６の流入口５から流入しケーシング２内に至り
、そして燃料中に含まれる水分は、自重により下降また
は濾過体表面に付着、凝集した後自重により下降して、
ケーシング２の閉塞端に溜る。

さらに燃料中に含まれる塵埃は濾過体３で濾過され、清
浄化された燃料は流出口４からエンジン本体へ流れる。

ケーシング２の閉塞端に溜った水は、水抜きプラグ１８
をゆるめることにより、プラグシート８の第２切欠き１
７とケーシング２の閉塞端の孔１１とで形成する水抜き
通口１６から適時排出される。

このとき水は第２切欠き１７を通って流れるので、残留
することなく完全に排水することができる。

プラグシート８はケーシング２の閉塞端の２つの立上り
部１２の間に保持され、セットスプリング１０で固定さ
れる機械的結合の構造になっていて、フラックスを使う
ロー付等の溶融結合の構造によらないので、フラックス
の除去工程を必要としない。

またプラグシート８のつば部１４はセットスプリングの
座を形威し、中央部がセットスプリング１０の内側に入
り込んでいるため、プラグシート８や濾過体３がずれて
外れることはない。

さらにプラグシート８はケーシング２の閉塞端の水抜き
プラグ１８の取付は面の部分を内側から補強するような
構造になっている。

第５図および第６図において、ケーシング２の閉塞端に
は孔２１を有し、該孔２１の外周部から開放端方向へ伸
び、形状が矩形でしかも互に平行な面を形成する２つの
立上り部２２を備えている。

プラグシート２８は中央にネジ孔２３を有し、さらに外
周にはセットスプリング１０の座となるつば部２４を備
えている。

つば部２４はプラグシート２８をケーシング２にセット
されるための該つば部２４の外周から中心へ向う２つの
矩形の第１切欠き２５および水抜き通口２６を形成する
ための先端が半円状でプラグシート２８の中心に向けて
伸びる２つの第２切欠き２７を有している。

そしてプラグシート２８は、該プラグシート２８の第１
切欠き２５に合致する前記ケーシング２の閉塞端の２つ
の立上り部２２の間に保持されセットスプリング１０で
固定されている。

水抜きプラグ１８はケーシング２の閉塞端の外面に接す
るパツキン１９を介してプラグシート８に螺着されてい
る。

第７図は第２実施例における立上り部２２の先端がケー
シング２の軸心方向に折れ曲る構造の立上り部３２を有
するもので、ケーシング２の閉塞端側から開放端方向へ
の強い力が加えられても移動することのないように、固
着をより確実にしたものである。

このように本願の使い捨て型燃料フィルタによれば、プ
ラグシートの取付けが金属の溶融結合によらず機械的結
合が可能な構造のため、材料の劣化を伴わず、燃料洩れ
の危険を無＜シシかも確実に固着することができる。

そしてフラックス除去工程を必要としないため、従来の
ものより製造工程を少くできるので製品を安価に市場に
提供することができる。

さらにプラグシートが濾過体を保持するセットスプリン
グの座の役目もするため、濾過体保持の安定性が向上し
、濾過性能が優れ、そしてプラグシートがケーシング閉
塞端の補強板の役目をするため、耐久性の向上がはかれ
る。

また耐腐食性向上のためにケーシング内面がメッキ処理
された燃料フィルタの場合、本考案によれば溶着を要し
ないからメッキ被膜をケーシング全面に亘って完全な状
態に保つことが可能なため、耐腐食性の優れたものを提
供することもできる。

尚、本実施例ではケーシング下部に水抜きプラグを取付
けた場合について述べたが、水抜きプラグの代りに水位
検出用電極を有し水抜きプラグを兼ねたコネクタを取付
けることも可能なことは勿論のことである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１実施例の断面図。 第２図は第１図の下面図。 第３図は第１図の主要部の拡大図。 第４図は第３図の矢印Ａ方向の平面図。第５図はこの考
案の第２実施例主要部の拡大図。 第６図は第５図の矢印Ｂ方向の平面図。 第７図はこの考案の第３実施例主要部の拡大図。 １・・・・・・燃料フィルタ、２・・・・・・ケーシン
グ、３・・・・・・濾過体、４・・・・・・流出口、５
・・・・・・流入口、６・・・・・・蓋板、７・・・・
・・囲い板、８，２８・・・・・・プラグシート、１０
・・・・・・セットスプリング、１２，２２，３２・・
・・・・立上り部、１８・・・・・・水抜きプラグ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開放端を有するケーシング内にセットスプリングを介し
   て濾過体を配設し、中央にネジ部を有する流出口および
   その周りに流入口を設けた蓋板でケーシングの開放端を
   閉塞し、さらに該蓋板の外側に囲い板を配して、その外
   周をケーシングの端周縁と液密に加締め止めし、ケーシ
   ング閉塞端に水抜きプラグを有する燃料フィルタにおい
   て、ケーシング閉塞端からケーシング内方への立上り部
   により保持され、さらに前記セットスプリングにより固
   定されたプラグシートを、ケーシング閉塞端内部に有す
   る使い捨て型燃料フィルタ。