JPS6033563B2 - 熱間ピルガー圧延装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、固定のロール・スタンドと、圧延方向に対し
直角に移動可能な対をなすインサート・ブロックと、揺
動回転運動が主駆動装置からロールに伝えられるところ
の歯車要素と噛み合った駆動ピニオンを備えたインサー
ト・フロックに回転可能に軸承されている対をなすピル
ガー・ロールと、主駆動装置により縦方向の揺動運動が
伝達されるところの送りスライドと、回動装置とマンド
レル・ロッド受けささえとを備えた復帰装置としての往
復スライドとより成る熱間ピルガー圧延装置に関する。

ドイツ特許第９３８１８２号に係る代表的なピルガ−圧
延装置は、ロール・スタンドの中で支穣されたラックを
備えており、駆動ピニオンが、該ラックの一方の側に噛
み合っているとともに、主駆動装置のクランクが、前記
ラックの他方の側に係止されている。この圧延装置は、
冷間ピルガー圧延装置用に限定されている。このような
冷間ピルガー圧延装置の概念の範囲においては、ロール
の回転運動と往復スライド（特許公報にはマンドレル・
ロッド・スラスト・フロック、送りスライド等と記載さ
れている）が、ラックの延在部により連結されているこ
とが有利である。しかし、上述の在来の概念は熱間ピル
ガー加工には不適当である。

なぜなら、熱間ピルガ−加工の場合、ずんぐりしたピル
ガ−・ヘッドといつしよにピルガー加工されたパイプを
ピルガ−・ロッドから抜き取ることができるようロール
を少し持ち上げなければならないからである。しかして
本発明の目的は、ピルガー・ロールと往復スライドとの
連結を確保するとともに、ロールを少し持ち上げるさし
、ピルガーロールを互いに直立させ、もって、上記の冷
間ピルガー圧延装置における構成概念を熱間ピルガー加
工に適用せしめることである。

さらに、本発明の他の目的は、カリバー・アーチ上のロ
ール円周部と往復スライドとの間の速度差を補整しある
いは意識的に調整することである。上記の目的は、本発
明によれば、特許請求の範囲の第１項の特徴頃の記載に
従がつて達成することができる。

本発明の特長は、ロール相互の角度位鷹とロールの位置
に対する復帰装置の位置が、ロールを少し持ち上げるさ
し、確保された状態にあることである。

かくて、冷間ピルガー加工の場合と同様、圧延率に従が
つて前進するピルガー・ロッドを用いて普通のように加
工を行なうことが可能である。したがって、中空素材の
圧延加工後、ロールを相互に調節することと、往復スラ
イドの位置に関してロールを調節することは必要とされ
ない。在来の熱間ピルガー加工とは異なり、速度方向が
反転するとき、ロールと中空素材の速度が小さくて同期
している状態でカリバー・ノーズが圧延加工される中空
素材にあてがわれることとなる。通常みられるピルガー
・ショックを避けることができる。このことは、一般に
困難視されているピルガー加工にもあてはまることであ
る。マンドレル・ロッドと中空素材といつしよに復帰装
置を加速することや一定速度で作動するロールを介して
復帰エネルギーを供給することは不必要である。したが
って、主駆動装置は、在釆のものより小型化することが
でき、このことは、圧延加工すべき中空素材が大きくか
つ重くなればなるほど、長所となるものである。さらに
、圧延率にもとずく送りを均一化することができるので
、ロール設計により決定されるピルガー・ストローク当
り最大可能な送りからの安全クレアランス範囲を確保し
なくともよい。かくて、ストローク頻度を高めることが
できるとともに、中空素材当りの圧延時間を短縮するこ
とができる。したがって、設備の経済性の点だけでなく
、中空素材の温度に左右される圧延技術の改善をはかる
ことが可能である。主駆動装置の種類は、本発明にとっ
て基本的に重要なことではない。縦方向の移動を行なわ
せる動力駆動装置あるいはその動作を縦方向の運動に変
換することができる動力駆動装置が好適している。特許
請求の範囲第３項に従がつて、クランクを備えた回転動
力駆動装置が一方の側で軸支された揺動アームに係止さ
れているものが、とくに有利であるとみなされている。
この揺動アームは、ロールの作動を引きうけるとともに
、独立した連結樟を備えた往復スライドの作動を引きう
けている。そのほか、特許請求の範囲の第４項に従がつ
て、姿結樟が揺動アームの中で調節することができるの
で、別の重要な特長を得ることができる。

すなわち、連結樟を揺動アームに沿って簡単に調節する
だけにより、ロールの消耗あるいは異なったロール直径
を補整することができる。中空素材とその直径がカンパ
一・アー升こ応じて変動するロールとの間の速度差を自
動的に補整することができるため、連結禅を揺動アーム
の中で調節することができるよう軸方向に調整すること
が可能であるようにすることもできる。上記の目的を達
成するため、特許請求の範囲の第５項に従がつて、マン
ドレル・ロッド受けささえを揺動スライド上でストロー
ク平衡の状態で鼠支することが効果的である。

この特許請求の範囲は、マンドレル・ロッド受けささえ
が案内の中で回転可能に軸支されているだけでなく、縦
方向に移動可能に軸支されていることを骨子とするもの
である。マンドレル・ロッド受けささえと案内との間で
軸方向に調整可能とするため、力を作用させて拘束され
た状態を確保することが必要である。このため、マンド
レル・ロッド受けささえを中央位置の停点で保持する機
械的な弾発手段が取り付けられる。マンドレル・ロッド
受けささえとマンドレル・ロッド案内は、外から油圧的
にあるいは空気圧的に付勢されるピストンーシリンダー
複合体として構成することもできる。

付勢は、片側だけであって、一方のピストン・サイドで
作用するようにされている。前記複合体は、特許請求の
範囲の第６項に従がつて、移動の方向に応じて外から反
転させることができる。移動方向を反転させるこい、ピ
ストンは、シリンダーの中で他方の終端位置を占めるこ
ととなる。ピストンーシリンダ−複合体の一方の終端位
置から復帰するさし、と他の終端位置からの圧延工程に
はいるさし、ストロークの平衡が確保される。反転が健
点で行なわれるのではなくて、ロールがかみ込んでいる
間に行なわれる場合、ロールと中空素材の間で調整が行
なわれるとともに、補足的にストロークを平衡させるた
め、圧延作業は主として往復スライドあるいはロールに
あわせて転移させることができる。以下、本発明の実施
例を概念的に図解した添付図面を参照しながら、本発明
を詳細に説明する。

第１図を参照するに、ピルガー圧延装置は、ピルガー・
ロール２，３を備えたロール・スタンド１と、摺動レー
ル５上を往復動する往復スライド４と、クランク７を備
えた主駆動装置６とから構成されている。中空素材８が
、円筒状のマンドレル・ロッド９に差し込んで、ロール
２，３の間に配置されている。マンドレル・ロッド９は
、往復スライド４に取り付けられたマンドレル・ロッド
受けこさえ１０‘こよりマンドレル・ジョイント１１の
中に保持されている。ロール２，３は、ロール・スタン
ド１に装着されたインサート・フロツク１２，１３と１
２′，１３′の中で鞠支されている（第２図参照）。

そのほか、セグメント歯車１６，１７の軸１４，１５が
インサート・フロックの中で藤支されている。セグメン
ト歯車は、ロール・シャフト２０，２１に取り付けられ
た駆動ピニオン２２，２３の内接歯１８，１９と噛み合
っている。図示されているように、ロールごとにセグメ
ント歯車を設けることができ、あるいは、シャフト・ス
タツド２６，２７が取り付けるれている場合、各ロール
の両側にラックを設けることができる。連結樟２４，２
５は、セグメント歯車のシャフト・スタツド２６，２７
に係止されている。インサート・フロツク１２，１３と
１２′，１３′は、ロール・スタンド１の中に取り付け
られている。

下部ロール３は、スベィサー２８，２９を用いてマンド
レル・ロッド・コア９にあわせて調整され、一方、上部
ロール２は、スベィサー３０，３１を用いてカリバ−寸
法にあわせて調整される。インサート・ブロックとスベ
ィサーは、調節装置３２，３３により結合されている。
ロール２，３は、連結樟２４，２５から揺動回転運動を
受けとる。連結樟はそれぞれ、反対側が揺動ア−ム３４
により案内されており、さらに該揺動アーム３４に主駆
動装置６のクランク７が係止されている。往復スライド
４は、上記のマンドレル・ロッド受けささえ１０とマン
ドレル・ジョイント１１とから構成されている。

そのほか、回動装置４５が、マンドレル・ロッド受けさ
さえ１０１こ作用するようにされている。前記マンドレ
ル・ロッド受けごさえ１０とマンドレル・ジョイント１
１はともに、送り駆動装置３６を備えた送りスライド３
５上に配設されている。送りスライド３５は、各圧延サ
イクルごとにベース３７上を摺動する。ベース３７は、
送りスライド３５と、送り駆動装置３６と、回動装置４
５と、マンドレル・ロッド・ジョイント１１と、マンド
レル・ロッド受けささえ１２と、該マンドレル・ロッド
受けささえの案内のごとき前記ベース３７上に所在して
いる部材とともに、往復スライド４の可動部分を形成し
ており、この可動部分は、ロールの回転を歩調をそろえ
かつ相平衡をなしてスライド・レール５上で連結樟３８
により駆動される。しかして、連結樟３８はいろいろな
ロール直径にあわせて調節可能に揺動アーム３４に鞠支
されている。第３図は、往復スライド４の別の構成態、
様を示したものである。

送り駆動装置３６は、スピンドル・ナット４０の中でス
ピンドル３９を回動させることにより送り動作を行ない
、しかして、送りスライド３５は、フレクシブルな穣衡
器４１に当接して押し当てられている。送りスライド３
５は、上部にマンドレル・ロッド受けささえ１０の案内
４２を形成している。回動装置４５は、マンドレル・ロ
ッド受けこさえ１０の部分的な噛みあい歯と噛みあって
いる。これにより、マンドレル・ロッド受けささえ１川
ま、回敷装置の中で長さ方向に移動可能である。マンド
レル・ロッド受けささえ１０‘ま、案内４２のシリンダ
ー４４の中で摺動するピストン４３として構成されてい
る。ピストン４３の両側でシリンダー室４４の中に、た
とえば、機械的なばねのような弾発要素が挿入されてお
り、しかして、該弾性要素は、シリンダー４４の中の図
示の中央位置でピストンを保持する働きをしている。上
記のばね代りに、ピストン４３は、油圧により作動させ
ることができる。

マンドレル・ロッド受けささえ１０の各ストロークごと
に、油圧が作用するピストン・サイドが入れ換わる。圧
延ストロークのさし、、ピストン４３は、ロールスタン
ドに面した側が付勢され、これにより、往復スライド距
離に比しロール周面上比較的長い距離にわたって平衡を
確保することができる。復帰のさし、もロール・スタン
日こ面した側が付勢される。この場合、ピストン４３の
移動距離は、ロールを被圧延物から取り除くことができ
るとともに、復帰のさし、１回の圧延率ぶんの送りを行
なうことができるような大きさに設定することができる
。しかも、この場合、ロールを復帰するさし、中空素材
８が据え込み作用をうけるような危険はない。主駆動装
置６あるいは該主駆動装置の構成要素が、油圧による付
勢の反転操作を引き受ける。調整が行なわれたピルガー
圧延袋贋の動作は、中空素材８をマンドレル・ロッド９
に差し込むことから始められる。

往復スライド４は、ロール・スタンド１に面した反転位
置に移動し、送りスピンドル３９を用いて、ロールがピ
ルガー加工にとって好ましい最初の圧延率が終ったあた
りに所在しているよう調節される。しかるのち〜 ロー
ルが回転される。第１図で上部ロール２が左回転すると
、往復スライド４は、ロ−ル・スタンドから圧延ストロ
ークぶん離れ勝手に摺動する。各圧延ストロークの後、
すなわち、復帰の間あるいは復帰のあとロール回転が反
転すると、被圧延材は９００回転され、圧延率ぶん送り
が行なわれる。中空素材８が、最後の残りの部分、すな
わち、ロールが噛みあわないピルガー・ヘッドのところ
まで圧延されると、主駆動装置６が停止し、ピルガー・
ロール２，３が少し持ち上げられ、しかして、前記ロー
ルのうちインサート・ブロック１２，１２′に取り付け
られている上部ロール２が、調整装置３２，３３により
上に移され、かくて、出来あがったパイプは、ロールを
通って前の方へ引き出される。上部ロール２を上へ引き
あげるさし、、シャフト１４とセグメント歯車１６も、
いつしよに動かされる。このとき、連結樟２５は後斜位
置を占めることとなる。しかし、ピニオン２２とセグメ
ント歯車１６との噛み合わせは保たれたままである。新
しい中空素材８をマンドレル・ロッドの上にはめこんだ
あと、上部ロール２は、再び加工位置に案内される。し
かるのち、両方のロール２，３は、再び相互に正しい角
度位置を占めるとともに、往復スライド４の位置に対し
ても正しい角度位贋を占めることとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はピルガー圧延袋瞳の側面図。 第２図は、ロール・スタンドで垂直方向に切断された断
面図。第３図はピストンーシリンダー複合体を備えた往
復スライドにおけるロッド受けささえの支承状態を示す
断面図である。１……ロール・スタンド、２，３……ロ
ール、４・…・・往復スライド、５・…・・摺動レール
、６・・・・・・主駆動装置、７・・・・・・クランク
、８・・・・・・中空素材、９”””マンドレル・ロッ
ド、１０“”“マンドレル・ロッド受けささえ、１１…
…マンドレル・ジョイント、１２，１２′，１３，１３
′……インサート・ブロック、１４，１５……軸、１６
，１７・・・・・・セグメント歯車、１８，１９・…・
・内接歯、２０，２１……ロール・シヤフト、２２，２
３……駆動ピニオン、２４，２５・・・・・・連結樟、
２６，２７……シヤフト、２８，２９，３０，３１……
スベィサー、３２，３３・・・・・・調整装置、３４・
・・・・・揺動アーム、３５……送りスライド、３６…
…送り駆動装置、３７・…・・ベース、３８・・・・・
・連結樟、３９……スピンドル、４０……スピンドル・
ナット、４１…・・・フレクシプルな緩衡器、４２・…
・・案内、４３……ピストン、４４……シリンダー室、
４５・・・・・・回敷菱贋。 Ｆｉｇ．ｌ Ｆｉ９．２ Ｆｉ９．３

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定のロール・スタンドと、圧延方向に対し直角に
   移動可能な対をなすインサート・ブロツクと、揺動回転
   運動が主駆動装置からロールに伝えられるところの歯車
   要素と噛み合つた駆動ピニオンを備えたインサート・ブ
   ロツクに回転可能に軸承されている対をなすピルガー・
   ロールと、主駆動装置により縦方向の揺動運動が伝達さ
   れるところの送りスライドと、回動装置とマンドレル・
   ロツド受けささえとを備えた復帰装置としての往復スラ
   イドとから成る熱間ピルガー圧延装置において、歯車要
   素がセグメント歯車１６，１７として作られていて、該
   セグメント歯車１６，１７がインサート・ブロツク１２
   ，１２′，１３，１３′の中で旋回可能に軸支されてい
   ることを特徴とする熱間ピルガー圧延装置。 ２ セグメント歯車１６，１７が、内接噛み合い歯を備
   えていることを特徴とする特許請求の範囲の第１項に記
   載の熱間ピルガー圧延装置。 ３ 連結桿２４，２５が、一方の側がセグメント歯車１
   ６，１７に係止されているとともに、他方の側が揺動ア
   ームに係止されていて、揺動運動する主駆動装置１６と
   他方の側が往復スライド４に枢着されたいま１つの連結
   桿３８とが、前記揺動アーム３４に係止されていること
   を特徴とする特許請求の範囲の第１項又は第２項に記載
   の熱間ピルガー圧延装置。 ４ 連結桿２４，２５，３８の軸受が揺動アーム３４の
   中で調節可能であることを特徴とする特許請求の範囲の
   第１項、第２項または第３項に記載の熱間ピルガー圧延
   装置。 ５ マンドレル・ロツド受けささえ１０が、案内４２の
   中で軸方向に移動可能に往復スライド４上に軸支されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲の第１項、第２項
   、第３項又は第４項に記載の熱間ピルガー圧延装置。 ６ マンドレル・ロツド受けささえ１０が、案内４２の
   中で弾発要素により中央位置で軸方向に保持されている
   ことを特徴とする特許請求の範囲の第５項に記載の熱間
   ピルガー圧延装置。 ７ マンドレル・ロツド受けささえ１０と往復スライド
   ４上に支承された案内４２とが、ピストン−シリンダー
   複合体４３，４４を形成しており、該複合体４３，４４
   が外からと往復スライドの動作方向に応じて油圧または
   空気圧により反転可能に付勢されることを特徴とする特
   許請求の範囲の第１項、第２項、第３項、第４項、第５
   項又は第６項に記載の熱間ピルガー圧延装置。