JPS6033011Y2 - 印字機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は印字機構に関する。

例えば本出願人が実願昭４９−１５７２６８号にて提案
したような印字機構に於いては、駆動軸に互に隣接して
相対回転可能に支持される複数桁の互に独立した印字軸
がばねによって附勢されて駆動軸上の所定回転位置にス
トッパーにより制止されて駆動軸と共に回転され、夫々
の印字軸には半周にわたり種々の文字が所定順に配列さ
れ、各文字間隔に対応したラチェットが１体的に印字軸
に形成されて、各印字軸の半回転中に所望の文字が所定
印字位置に来た時にマグネットにより作動されるセレク
トレバーがラチェツト歯に係止され、各桁の印字軸の所
望の文字が印字位置に整列し終った時点でゴムローラー
が印字軸に圧接されて挾持される紙に１行の印字を行い
、駆動軸の残りの半回転でセレクトレバーが解除機構に
より解除されてばねにより各印字軸がストッパー位置に
復帰する間に印字軸に圧接されるインクローラーにより
文字にインクを附与するようになっている。

印字された紙はゴムローラーが印字軸から離隔される間
に紙送りレバーにより１行分だけ送られるようになって
いる。

このような印字機構に於ては各桁毎にセレクトレバー及
びこれを作動させる為のマグネットを必要とし、コスト
が大となる欠点を免れなかった。

更に又各桁の印字軸に対応するセレクトレバーを有する
と共に複数桁を共通に選択出来るマグネットを有し、セ
レクトレバーとマグネットとの間に桁選択部材を介装し
て各印字軸の所望の文字を印字位置に整列させて一行の
文字を一斉印字するものも提案されている。

併しこのような印字機構も構造的及びコスト的に欠点を
免れなかった。

本考案は印字エネルギーを大とする為に印字ハンマーを
利用し、マグネットの数を最少限にして性能上もコスト
も有利な構造として上述の欠点を排除した印字機構を提
供することを目的とする。

本考案は桁方向に少なくとも１つのマグネットを往復移
動させて全桁にわたりセレクトレバーを作動可能となす
と共に回転打撃カムにより駆動軸回転と調時された関係
で作動されて印字ハンマーの印字作動を行わせる各桁の
ハンマー制御レバーを夫々セレクトレバーを共通の１体
の印字セレクト兼ハンマー制御レバーとして形成して、
マグネットにより所望の文字を係止するようにセレクト
兼ハンマー制御レバーが作動された時に同時にこのレバ
ーが印字ハンマーを係止すると共に打撃カムの作動範囲
内に保持されて打撃カムにより印字を行い、印字後印字
ハンマーの係止が解除されて次回印字サイクル準備位置
に復する如くなされていることを特徴とする。

以下に添付図面を参照して本考案の望ましい実施例具体
例を説明する。

本考案を組込んだプリンターの全体構造は上述に説明し
たようによく知られて居り、詳述はしないが、第１図に
於いて概略的に説明すれば図示されないロール等より印
字用の紙１がガイド２に沿って送りローラー３及び押圧
ローラー４により送られて複数の桁より成る印字軸５の
周囲を通って印字ハンマー６により印字された後プリン
ターを出て行くようになっている。

印字ハンマー６は大体り字形で各桁に対応して設けられ
て、軸７により中間部を枢支され、上端の印字突部６ａ
が印字軸６に印字位置にて対置されると共にばね８によ
り印字軸５から離れる方向に附勢され、ストッパー９に
より制止されている。

印字ハンマー６の下端には後述される係止部６ｂが形成
されている。

各印字軸５は駆動軸１０上に回転可能に隣接して支持さ
れ、第２図及び第３図に示されるように円周の半周にわ
たって文字が所定順序で配置され、各文字に対応したピ
ッチのラチェット５ａが１体的に固定されると共にスト
ッパー突起５ｂを有する環状凹部５ｃが形成され、これ
の中に螺施ばね１１が嵌入されて１端１１ａが駆動軸１
０の溝１０ａに係止される突起１２ａを有するワッシャ
ー１２の折曲部１２ｂに係止され、ばね１１の他端１１
ｂが印字軸５のボス５ｄに設けた切欠５ｅに係止されそ
の際にばばね１１の端部１１ｂ側を駆動軸１００に対し
て反時計方向（第３図）に回転することにより与えられ
た時計方向の弾性力により印字軸５を附勢してストッパ
ー突起５ｂがワッシャー１２の折曲部１２ｂに当接した
駆動軸１０に対する所定の相対回動位置に制止して、各
桁の同一文字を軸線方向に整列させて複数の行を形成す
るようになっている。

各印字軸の間にはワッシャー１３が介装され、終端部の
印字軸の外側にはインクローラー１４を同期回転させる
為の円板１５が配置されて割すワツシャ−１６により軸
線方向に移動しないように保持されている。

このようにして駆動軸１０が第３図にて時計方向（第１
図にて反時計方向）に回転される際に夫々の印字軸５の
ラチェット５ａが後述の印字セレクト兼ハンマー制御レ
バーによって夫々の所望の文字が印字位置に来た時に係
止されると駆動軸１０は回転するが各印字軸５は静止さ
れ１行の印字が可能となされるのである。

本考案に於いては各印字軸５を所望の文字が印字位置に
係止されると同時に印字ハンマー６を係止して印字を可
能となす為に印字セレクト兼ハンマー制御レバー１５が
各桁の印字ハンマー６及び印字軸５に対応して設けられ
る。

このレバー１５は軸１６に枢支され、大体Ｎ形の形状と
なされて磁性片１５ａを第１図にて右方の下端に設けら
れている。

各レバー１５は後述の如く作動された時に夫夫の印字軸
５のラチェット５ａを係止可能の係止爪１５ｂと、回転
打撃カム１７の打撃突部１７ａにより打撃されて印字ハ
ンマー６を作動させて印字を行う打撃レバー１５ｃをピ
ン１８により枢支する端部１５ｄとを有する。

打撃レバー１５Ｃには印字セレクト兼ハンマー制御レバ
ー１５が後述の如く作動された時に印字ハンマー６の係
止部６ｂを係止する係止凹部１５ｅを形成されている。

レバ−１５自体はばね１９により反時計方向に附勢され
ストッパー２０により実線位置に制止されている。

各桁の印字軸５の所望の文字を印字位置に静止させるよ
うに印字セレクト兼ハンマー制御レバー１５を順次作動
させる為にガイドロッド２１ （第４図）により支持フ
レーム２２ａを滑動案内されて往復運動可能の少なくと
も１個の電磁マグネット２２が設けられ、これの磁極２
２ｂが前述の各桁の印字セレクト兼ハンマー制御レバー
１５の磁性片１５ａに近接して通過し、附勢された時に
丁度その時に対向位置にある磁性片１５ａを吸引してレ
バー１５を右施させて同期的に係止部１５ｂによりラチ
ェット５ａを係止すると共に打撃レバー１５ｃが印字ハ
ンマー６の係止部６ｂに嵌合してこれを係止し、打撃レ
バー１５ｃを、それ迄の打撃カム１７の打撃突部１７ａ
の作動範囲外の位置から作動範囲内に移動させて打撃さ
せ、係止された印字軸５の印字位置にある文字を印字ハ
ンマー６により打撃して印字を行わせるようになってい
る。

少なくとも１個のマグネット２２を全桁の範囲で往復運
動させる為にマグネット２２の支持フレーム２２ａに固
定したピン２２ｃが回転螺施溝カム２３の無端正逆リー
ドカム溝２３ａに滑動案内され、カム２３が回転すると
マグネット２２が往復運動されるようになっている。

上述の構成に於て、各印字軸５従って駆動軸１０と回転
と、打撃カム１７の回転と、マグネット２２の往復運動
は、マグネット２２が往復運動される際に丁度対向され
るレバー１５を作動した時に印字軸５の夫々の文字の行
が正しく印字ハンマー６の印字突部６ａに対向し、同期
して印字ハンマー６を係止した打撃レバー１５ｃが打撃
カム１７の作動範囲に入り、同期的に打撃突部１７ａに
より打撃されるように相互に調時されている。

即ち例えば１桁の文字が配置される時にはマグネット２
２が１個の場合は全桁にわたり６往復（２個の場合は夫
々半分の桁にわたって６往復、以下同様）されて、その
際往動に対応する印字軸５の配置は順次後続のものが印
字軸５の回転方向とは逆方向（復動の時は回転方向）に
少しくずらされて、マグネット２２の移動で後続の桁が
時間を遅らされてセレクト兼ハンマー制御レバー１５の
係止部１５ｂにより係止された時にも印字軸５の半回転
中に常に所望の文字が正しく印字位置に保持され、１行
の文字が整列した時点で打撃カム１７が作動されて印字
を行うように同期的に調時されるのである。

マグネット２２は移動しているから夫々のレバー１５を
瞬時作動させるのみで打撃レバー１５ｃはハンマー６が
印字を終った後はハンマー６の係止を解除するから印字
軸５の後の半回転で各印字軸５は原位置に復帰し、その
際インクローラー１４により各文字にインクを附与され
るようになっている。

上述の如く本考案によれば印字セレクト兼ハンマー制御
レバー１５により共通して同期的に印字選択及び印字ハ
ンマー作動位置係止を行い、しかも少なくとも１個のマ
グネット２２により１行の印字を同時に行い得るから、
構造が簡単で、コストの低いプリンターが提供されるこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の印字機構の要部説明図。 第２図は印字軸の概略断面図。 第３図は１個の印字軸の分解斜視図。 第４図はマグネットの往復駆動部の部分的平面説明図。 １・・・・・・紙、５・・・・・・印字軸、５ａ・・・
・・・ラチェット、６・・・・・・印字ハンマー、６ｂ
・・・・・・係止部、１０・・・・・・駆動軸、１５・
・・・・・印字セレクト兼ハンマー制御レバー、１５ａ
・・・・・・磁性片、１５ｂ・・・・・・係止爪、１５
ｃ・・・・・・打撃レバー、１５ｅ・・・・・・係止凹
部、１７・・・・・・打撃カム、１７ａ・・・・・・打
撃突部、２２・・・・・・マグネット、２３・・・・・
・螺施溝カム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動軸上に隣接して夫々回転可能に支持され、弾性装置
   によって附勢されてストッパーにより駆動軸上の所定回
   転位置に制止された各桁独立した複数の印字軸と、各桁
   の印字軸に対応する印字ハンマーと、駆動軸が回転を続
   ける間に各桁の印字軸の夫々所望の文字を所定印字位置
   に解除可能に係止する如く作動可能のセレクトレバーと
   、各印字作動サイクル毎に各セレクトレバーを作動させ
   て前記係止を行わせるマグネットと、作動させることに
   より各印字ハンマーに解除可能に係合する位置に移動さ
   れるハンマー制御レバーと、各ハンマー制御レバーを前
   記係合する位置に作動させるマグネットと、各桁の前記
   所望の文字が所定位置に係止された時に前記係合する位
   置にあるハンマー制御レバーを打撃して印字ハンマーを
   駆動し、印字を行う如く所定回転速度で回転される打撃
   カムとを有し、各桁の所望の文字を同時に印字する並列
   式印字機構に於て、各桁の前記セレクトレバー及びハン
   マー制御レバーが夫々１つの共通の印字セレクト兼ハン
   マー制御レバーとして構成されると共に前記セレクトレ
   バー及びハンマー制御レバーを作動させるマグネットが
   共通の少なくとも１つのマグネットとなされていて、夫
   々の桁の印字軸の所望の文字を係止するように前記印字
   セレクト兼ハンマー制御レバーを夫々作動させる為に前
   記マグネットが全桁の範囲にわたって往復運動されるよ
   うになって居り、印字セレクト兼ハンマー制御レバーが
   作動された時に夫々の印字ハンマーを解除可能に係止す
   ると共に打撃カムの打撃突部の作動範囲内に位置される
   ようになっていることを特徴とする印字機構。