JPS6323148Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は印刷用円筒の回転軸に取付けられた
カムと、給紙ローラと、前記カムに連動しかつカ
ムの回転に応じて前記給紙ローラを回転させる伝
動部材とを具えた印刷機の給紙装置に関するもの
である。

従来のこの種のものは一般に、版が必要とする
インキ量は給紙工程に先立つてあらかじめ充分に
供給されていて、給紙工程においては印刷用円筒
の１回転すなわち版が１回給肉されるごとに給紙
ローラが１枚ずつ給紙するようになつていた。

そのため、たとえば版面がこみいつたものであ
つたりあるいはインキング装置の給肉能力が不足
していたような場合には、版が１回給肉されるご
とに給紙を行つたのでは得られる印刷物が次第に
不鮮明なものになつてしまうという欠点があつ
た。

この考案は上記従来のもののもつ欠点を排除
し、給紙間隔を版が１回給肉されるごとだけでな
く、数回給肉されるごとにも行えるようにした印
刷機の給紙装置を提供することを目的とするもの
である。

この考案を図面に示す実施例を参照して説明す
る。

第１，２図はこの考案をオフセツト印刷機に適
用した実施例を示し、１は図示しない版胴および
ブランケツト胴が１回転するとき同様に１回転す
るようになつた圧胴軸、２は圧胴軸１に取付けら
れて圧胴とともに矢印方向に回転するカム、３は
ばね４の引張作用によりカム２と係合して支点５
のまわりを揺動するカムフオロワ、６はカムフオ
ロワ３の動きを駆動ギヤ７に伝え、カムフオロワ
３が矢印方向に揺動するとき駆動ギヤ７を矢印方
向に回転させる連結アーム、８はアイドルギヤ、
９はアイドルギヤ８が矢印方向に回転するとき給
紙ローラ１０を矢印方向に回転させ、またアイド
ルギヤ８が逆方向に回転するとき給紙ローラ１０
を停止させる逆転止めクラツチ、１１は用紙であ
る。

カムフオロワ３には、一端に切欠１２および長
孔１３，１４が形成され、かつ中間部にばね４と
同様の作用をするばね１５を具えた給紙作動レバ
ー１６の他端が連結されている。１７は支点１８
のまわりを揺動可能で、給紙工程期間以外は突起
１９が切欠１２に嵌合してそれによりカムフオロ
ワ３がカム２に連動しない位置にあるように給紙
作動レバー１６をロツクしておき、給紙工程期間
において突起１９が切欠１２から外されそれによ
り給紙作動レバー１６のロツクを解除してカムフ
オロワ３をカム２に連動させるロツクレバーであ
る。

カムフオロワ３にはまた切欠２０が形成されて
いる。２１は支点２２のまわりを揺動可能で、か
つ先端に突起２３が形成されたストツパ、２４は
ばね、２５はカムフオロワ３が鎖線位置にある状
態において、作動時にカムフオロワ３をばね２４
の引張作用に抗して揺動して突起２３を切欠２０
に嵌合させる給紙ソレノイド、２６は各胴が１回
転するごとにパルスを１つ発生するクロツクパル
スジエネレータ、２７はANDゲート、２８は数
種類の出力端子を具えたカウンタ、２９はカウン
タ２８から取出す出力端子を選択するスイツチ、
３０，３１はソレノイドドライバ、３２はブラン
ケツト胴を版胴に接触させて転写させる転写ソレ
ノイドである。

印刷機が運転されて転写工程に到ると、第１図
においてロツクレバー１７が適宜の手段により揺
動され突起１９が切欠１２から外れて給紙作動レ
バー１６をフリーにし、それによりカムフオロワ
３はカム２の回転に連動して揺動することとな
り、また第２図において転写ソレノイド３２が作
動して各胴の回転にともなつて版胴からブランケ
ツト胴に転写させることとなる。

スイツチ２９をカウンタ２８の出力端子でない
OFF位置にしておけば給紙ソレノイド２５は作
動せず、この場合はカム２の１回転ごとにカムフ
オロワ３が１往復揺動してそれにともなつて給紙
ローラ１０が１枚ずつ給紙することとなり、した
がつて版胴からブランケツト胴に１回転写される
ごとに１枚ずつ給紙して印刷されることとなる。

これに対して、数回転写されるごとに給紙する
ようにしたい場合は、その転写回数に相当するカ
ウンタ２８の出力端子を選んでスイツチ２９をこ
れに位置合せしておく。すると、転写の回数が選
定回数に達するごとにカウンタ２８からカウント
出力が発生されプリセツトカウンタ２８，２９、
ソレノイドドライバ３０はこれを受けて、各カウ
ント出力の終了時からつぎのカウント出力の開始
時までの間給紙ソレノイド２５を作動してカムフ
オロワ３をカム２に連動しない状態に保持させ、
また各カウント出力の発生期間中給紙ソレノイド
２５を不作動にしてカムフオロワ３をカム２に連
動させる。したがつて、版胴からブランケツト胴
に前記選定回数転写されるごとに給紙ローラ１０
が１枚ず給紙して印刷されることとなる。

なお、上記実施例ではカム２を圧胴軸１に取付
けたが版胴またはブランケツト胴の回転軸に取付
けてもよく、また上記実施例ではオフセツト印刷
機に適用したが版胴から用紙に直接印刷する形式
の印刷機に適用することもでき、その場合には転
写回数とはすなわち給紙工程における版の給肉回
数であることはもちろん、その他この考案は上記
実施例の種々の変更、修正が可能であることはい
うまでもない。

この考案は上記のように構成したので、転写工
程において版が１回給肉されるごとに１枚ずつ給
紙することもできるし、数回給肉されるごとに１
枚ずつ給紙することもでき、したがつて、たとえ
ば版面がこみいつたものであつたりあるいはイン
キング装置の給肉能力が不足していたような場合
には、給紙間隔を給肉回数２回以上に選定するこ
とによりつねに鮮明な印刷物を得ることができ、
また版面やインキング装置に前記のようなことが
ない場合には、各給肉回ごとに給紙するように選
定することにより印刷作業時間を無用に長くしな
いで済む等のすぐれた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例を示す概略的側面
図、第２図は第１図のもののブロツク線図であ
る。 １……圧胴軸、２……カム、３……カムフオロ
ワ、１０……給紙ローラ、２１，４７……ストツ
パ、２５……給紙ソレノイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印刷用円筒の回転軸１に取付けられたカム２
   と、給紙ローラ１０と、カム２の回転に応じて揺
   動するカムフオロワ３と、このカムフオロワ３の
   揺動運動に連動して給紙ローラ１０を回転させる
   歯車と、カムフオロワ３の切欠２０と係合して、
   該カムフオロワ３をカム２に連動しない状態で保
   持する作動位置と、カムフオロワ３の切欠２０か
   ら離脱して、カムフオロワ３をカム２と連動する
   状態とする不作動位置との間を変位可能となって
   いるストツパ２１と、このストツパ２１に接続さ
   れ、転写工程信号と印刷用円筒の１回転に基いた
   パルス信号が入力されるANDゲートと、該AND
   ゲートからの信号がプリセツトカウンタ２８，２
   ９を介して入力される給紙ソレノイド２５とを具
   えていることを特徴とする印刷機の給紙装置。