JPS6031335Y2 - 高周波切換回路 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は例えばＶＴＲ或はビデオディスク装置に内蔵
されアンテナからの信号をテレビ受像機に供給する状態
と供給しない状態に切換る高周波切換回路の改良に関す
るものである。

ＶＴＲからの再生信号をテレビ受像機に供給する場合は
アンテナからの信号がテレビ受像機のアンテナ入力端子
に供給されないようにする必要がある。

このため従来よりＶＴＲ側に高周波切換回路を設け、こ
の切換回路を通じてテレビ受像機にアンテナからの信号
を供給すると共に、ＶＴＲを再生状態に操作するとこの
切換回路にバイアス電圧が供給され、このバイアス電圧
によってスイッチ素子が動作してアンテナの信号がテレ
ビ受像機に供給されないように回路を切換るように構成
している。

第１図に従来の高周波切換回路を示す。

図中１は高周波切換回路、２は分配器を示す。

これら高周波切換器１と分配器２は一体化された一般に
ＶＴＲのケースに内蔵される。

分配器２は入力端子３と、分配出力端子４と５を有する
。

入力端子３にはアンテナ（図示しない）を接続し、分配
出力端子４には高周波切換回路１を接続し、分配出力端
子５にはＶＴＲのチューナが接続される。

このようにしてアンテナ入力信号は分配器２によって２
分配されその一方の分配出力は高周波切換回路１に入力
され、他方の分配出力はＶＴＲ側のチューナに供給され
る。

高周波切換回路１はインダクタＬとコンデンサＣによっ
て構成される低域通過戸波器６が多段縦続接続され、こ
の低域通過ろ波器６の例えば入力側にスイッチ素子７ａ
、 ７ｂ、 ７ｃ、 ７ｄ、 ７ｅが信号路に
対して並列接続される。

スイッチ素子７ａ〜７ｅは一般にシリコンダイオードが
用いられ、通常はゼロバイアス状態で用いられてオフに
保持され分配器２から供給されたアンテナ入力信号を出
力端子８に通過させる。

出力端子８にはテレビ受像機（特に図示しない）のアン
テナ入力端子が接続される。

９はＶＴＲからの再生信号入力端子を示す。

１１はスイッチ素子７ａ〜７ｅをオンに制御するたメツ
バイアス電圧供給端子である。

このバイアス電圧供給端子１１に供給されたバイアス電
圧はバイアス供給回路１２と、各低域通過ろ波器６のイ
ンダクタＬを通じて各スイッチ素子７ａ〜７ｅに供給さ
れたスイッチ素子７ａ〜７ｅをオンに制御する。

従ってＶＴＲ再生信号入力端子９に再生信号を供給する
ときはバイアス電圧供給端子１１に例えば正極性によっ
てスイッチ素子７ａ〜７ｅをオンに制御し、これによっ
て分配器２から供給されるアンテナ入力信号を遮断し、
ＶＴＲの再生信号だけを出力端子８に出力できるように
構成している。

このようにＶＴＲを再生状態にしたときだけバイアス電
圧供給スイッチ素子１１にバイアス電圧を与え、このバ
イア又電圧によってスイッチ素子７ａ〜７ｅをオン制御
し、バイアス電圧を与えない状態でスイッチ素子７ａ〜
７ｅをオフのＷとすることにより、通常はＶＴＲの商用
電源コンセントが抜けていて、つまりバイアス電圧が発
生できない状態であっても、テレビ受像機にはアンテナ
入力信号を与えることができ、テレビ電波を受像するこ
とができる。

このような利点があるため一般にバイアス電圧を与えな
い状態でスイッチ素子７ａ〜７ｅをオフに保持し、スイ
ッチ素子７ａ〜７ｅがオフである状態でテレビ受像機に
アンテナ入力信号を与えることができるように構成して
いる。

従来はスイッチ素子７ａ〜７ｅを無バイアス状態でオフ
に保持するように構成しているから、外部から過大入力
信号が入力されるとその過大入力信号によりスイッチ素
子７ａ〜７Ｃが′オンする方向に制御され、ダイオード
の整流特性により混変調歪み又は相互変調歪が発生し、
受像画面の質を悪化させる欠点があることを判明した。

このような理由により例えばテレビ電波発射塔の近く、
或は受像機の近くをテレビ放送電波に近い周波数の電波
を出す移動無線機が通過する場合等において画質の劣化
及び画面の乱れが発生することが解った。

この欠点を解消するには例えばスイッチ素子７ａ〜７ｅ
に商用電源を整流して作った逆バイアス電圧を与え、ス
イッチ素子７ａ〜７ｅを逆バイアス状態にすることが考
えられが、このようにした場合にはテレビ受像機を利用
している間もＶＴＲに商用電源を与え続けていなければ
ならない。

従つてＶＴＲの商用電源コンセントを抜いてしまうとテ
レビ受像機はテレビジョン信号を受像できなくなる不都
合が生じる。

この考案の目的はテレビ受像機にアンテナ入力信号を供
給している状態では高周波切換回路１に商用電源から作
られるバイアス電圧を供給し、過大入力信号によって混
変調歪み、又は相互変調歪のような不都合が起きること
のない高周波切換回路を提供するにある。

この考案ではアンテナ入力信号の一部を分配器によって
分配し、その分配されたアンテナ入力信号を整流平滑し
てバイアス電圧を作り、このバイアス電圧をスイッチ素
子７ａ〜７ｅに逆バイアス電圧として与えるように構成
したものである。

従ってこの考案によればアンテナに強いレベルの電波が
受信されてもその一部を利用してバイアス電圧を作り、
そのバイアス電圧を逆バイアス電圧としてスイッチ素子
に与えるから、電波のレベルに比例して逆バイアス電圧
が得られる。

よってスイッチ素子７ａ〜７ｅは深い逆バイアス状態に
制御され混変調歪み、相互変調歪みが発生することが抑
えられる。

然も電波を利用して逆バイアス電圧を得るからテレビ受
像中はＶＴＲの商用電源コンセントを抜いておくことが
できる。

以下にこの考案の一実施例を図面を用いて詳細に説明す
る。

第２図はこの考案の一実施例を示す。

第２図において第１図と対応する部分には同一符号を付
してその重複説明は省略するが、この考案においては分
配器２によってアンテナ入力信号の一部を取出し、この
アンテナ入力信号の一部を整流平滑回路１３で整流平滑
し、その整流平滑出力電圧を高周波切換回路１のスイッ
チ素子１ａ〜７ｅに逆バイアス電圧として与える。

整流回路はこの例ではゲルマニウムダイオードＤｌｔ
Ｄ２９ Ｄ３とコンデンサＣ□、Ｃ２，Ｃ３によって３
倍圧整流回路を構成した場合を示す。

このように３倍圧整流回路を用いたことにより分配され
たわずかなレベルのアンテナ入力信号でも大きなバイア
ス電圧を得ることができる。

３倍圧整流回路で得られた整流出力電圧は抵抗器Ｒ１と
コンデンサＣ３及びＣ１によって平滑されスイッチ素子
７ａ〜７ｅのカソードに供給する。

つまりスイッチ素子７ａ〜７ｅを構成する各ダイオード
のカソードを共通接続し、その共通接続点を整流回路の
出力点に接続する。

尚この例では低域通過ろ波器６を構成するコンデンサＣ
の接地側もスイッチ素子７ａ〜７ｅの共通接続点に接続
している。

このように接続してもコンデンサＣ３，Ｃ４の容量値を
大きく選定することによってコンデンサＣは交流的に接
地されたのと等価となり、低域通過ろ波器６の特性を維
持される。

ＶＴＲの再生時にバイアス電圧供給端子１１に順方向バ
イアス電圧が供給された場合は各スイッチ素子７ａ〜７
ｅを流れる導通電流は平滑回路を構成する抵抗器Ｒ１を
流れて帰路される。

従って抵抗器Ｒ１は各スイッチ素子７ａ〜７ｅを流れる
電流の電流通路としても動作する。

上述したようにこの考案によればアンテナ入力信号の一
部を分配して整流平滑し、その整流平滑出力電圧をスイ
ッチ素子７ａ〜７ｅに逆バイアス電圧として与えるよう
に構成したからアンテナに大きなレベルの電波が入射し
ても、その電波の強さに応動して逆バイアス電圧も上昇
するからテレビ受像機でテレビジョン信号を受像してい
る状態で強い電波が入射してもスイッチ素子７ａ〜７ｅ
は確実に逆バイアス状態に保持される。

よって混変調歪み、或は相互変調歪みが発生することが
なく、信頼性の高い高周波切換回路を得ることができる
。

尚上述では分配器２にＶＴＲのチューナ用出力端子５を
持つ場合を説明したが、例えばビデオディスク装置のよ
うに録画機能を持たない装置に内蔵する高周波切換回路
の場合は第３図に示すように分配器２は２配形の分配器
を用いればよい。

２分配された一方の分配出力を整流平滑してスイッチ素
子７ａ〜７ｅに逆バイアス電圧として供給するように構
成すればよい。

またこの第３図の例では整流回路は２倍圧整流回路の場
合を示す。

またこの例では平滑回路にインダクタ１４を使用した場
合を示す。

第４図の例ではスイッチ素子７ａ〜７ｄを互に逆向に接
続した一対のダイオードによって構成した場合を示す。

つまりこの例では２本のダイオードのアノードを共通接
続し、一方のカソードを信号路側に接続し、他方のカソ
ードを接地した場合を示す。

この場合には整流平滑回路１３から負極性の逆バイアス
電圧を与ええると共にバイアス電圧供給端子１１からは
正極性の順方向バイアス電圧を供給するようにしている
。

順方向バイアスを与えた場合、下側のダイオードを流れ
る導通電流は直接接地に帰路されるが、上側のダイオー
ドを流れる導通電流は各低域通過ろ波器６を構成するイ
ンダクタＬを通じ、更に信号路と接地間に接続したイン
ダクタ１５を通じて接地側に帰路され、両ダイオードは
オンに制御される。

このように２本のダイオードによってスイッチ素子７ａ
〜７ｄを構成した場合には混変調歪み及び相互変調歪が
発生する電波強度を高くすることができ、より一層信頼
性を向上できる利点が得られる。

以上説明したようにこの考案によれば、テレビ受像機で
テレビジョン信号を受像している状態においてはアンテ
ナ入力信号の一部を利用して逆バイアス電圧を発生させ
、この逆バイアス電圧をスイッチ素子７ａ〜７ｅに供給
したからスイッチ素子７ａ〜７ｅは確実にオフ状態に保
持され、強い電波が入射することによって発生する不都
合を阻止することができる。

然もアンテナ入力信号を利用して逆バイアス電圧を得て
いるためＶＴＲ又はビデオディスク装置としては商用電
源コンセントからプラグを外しておくことができ、テレ
ビの受像中にＶＴＲ又はビデオディスク装置のプラグが
商用電池コンセントから外れてもテレビの受像に支障が
生じるおそれはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の高周波切換回路を説明するための接続図
、第２図はこの考案の一実施例を示す接続図、第３図及
び第４図はこの考案の他の実施例を示す接続図である。 １：高周波切換回路、２：分配器、３：アンテナ入力端
子、６：低域通過ろ波器、７ａ〜７ｅ：スイッチ素子、
８：テレビ受像機への出力端子、９：画像再生信号入力
端子、１１：バイアス電圧供給端子、１２：バイアス供
給回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多段縦続接続されたろ波器と、この戸波器の出力側に接
   続したテレビ受像機用出力端子と、この出力端子側に接
   続された画像再生信号入力端子と、上記ろ波器の段間に
   接続されたスイッチ素子と、画像再生機が動作したとき
   バイアス電圧が与えられ、そのバイアス電圧を上記スイ
   ッチ素子に与えてスイッチ素子をオンの状態に制御する
   バイアス電圧供給回路と、上記ろ波器の入力側に与えら
   れるアンテナ入力信号の一部を分配する手段と、その分
   配手段で分配されたアンテナ信号を整流平滑する整流平
   滑手段と、この整流平滑出力電圧を上記スイッチ素子に
   逆バイアス電圧として与える手段とを具備して成る高周
   波切換回路。