JPS6030928Y2 - 育苗枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は園芸用作物の苗を育成するるものである。

（従来の技術） 従来は、米国特許第３０３５３６吋明細書に示すように
、長方形板内に下方に行くに従いその径を縮少した筒体
を間隔をおいて並設し、各筒体内に育成土壌を入れ、葉
たばこや白菜等の園芸用の苗を栽培する育苗器が知られ
ている。

（考案が解決しようとする問題点） この種の育苗器は、空の筒体同士を嵌め合わせて積み重
ねた状態で輸送したり倉庫内に保管するが、従来は、積
み重ねたとき上下の筒体が深く密着して分解し難く、し
かも筒体に育成土壌を入れるとその重さで育苗器が歪曲
して運搬し難いという問題点があった。

本考案は、このような従来の問題点に着目してなされた
もので、上下に積み重ねても筒体同士が密着せずに迅速
に分解できるようにすると共に、枠内に土壌を充填して
もその重みで歪曲しないようにして、上記問題点を解決
することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は実施例の第１〜３図を用いて説明すると、本考
案は枠体Ａ内に無底の四角筒１を縦横に配列して各四角
筒１を肉厚部３により隣接すると共に、枠体Ａの周縁を
下方に垂直に折曲げて折曲縁５を形威し、折曲縁５はそ
の下縁を四角筒１の半ばに達する高さにする。

そして四角筒１は上部より下部に行くに従い次第にその
径をやや縮少させ、その隣り合う四角筒１の側壁２の上
部は一体的に接合して、前記肉厚部３を形成すると共に
、下部は逆Ｖ字型の溝４により四角筒１ごとに分離させ
、枠体Ａの折曲縁５とこれに対向する四角筒１とはリブ
６により接続し、これにより育苗枠を構成する。

（作 用） 本考案の前記育苗枠は、枠体Ａの上方より四角筒１内に
育成土壌を振り掛せて充填し、各四角筒内に播種して育
苗するのであるが、本考案においては、四角筒１がその
側壁２の上部を肉厚部３を介して縦横に接合し、加えて
枠体Ａの周縁が下方に垂直に折曲げて折曲縁５を形成す
るので、充填した育成土壌の重さは、肉厚部３の厚さ方
向及び折曲縁５の長さ方向に対し直交する方向に作用す
る。

リブ６は、折曲縁５とこれに対向する四角筒１との間の
距離を一定に保ち、折曲縁５が四角筒１の方向へ弯曲す
るのを防ぐ。

また本考案の育苗枠が不用の場合は、土壌の入っていな
い空の各枠体Ａを上下に積み重ねるのであるが、本考案
の四角筒１は上部より下部に行くに従い次第にその径を
やや縮少させると共に、隣りり合う四角筒１の側壁２の
下部は逆Ｖ字型の溝４により四角筒１ごとに分離するの
で、上段の育苗枠の溝４内に下段の育苗枠の上部の肉厚
部３が嵌合し、上段の四角筒１の下半部が下段の四角筒
１の上半部に挿入するが、枠体Ａの折曲縁５はその下縁
が四角筒１の半ばに達する高さであるため、折曲縁５の
下縁が下段の枠体Ａの上部周縁に接触し、上下の四角筒
１が互いに深く密着するのを妨げる。

（実施例） 次に、本考案の実施例を図面に示して説明する。

Ａは長方形の枠体で、その枠内に縦方向及び横方向に無
底の四角筒１を肉厚部３により隣接する。

各四角筒１の側壁２は、上部より下部に行くに従い次第
にその径がやや縮少するように僅かに傾斜する。

また四角筒１の四隅部を弯曲させ、育成した苗を取出す
る際に四隅部に土が詰って残ることがないようにする。

そして各四角筒の隣り合う側壁２は、その上部を一体的
に接合して前記肉厚部３を形成すると共に、下部は逆Ｖ
字型の溝４により四角筒ごとに分離する。

枠体Ａの周縁は、垂直に下方に折曲げて高さが四角筒の
半ばに達する折曲縁５を形威し、折曲縁５とこれに対向
する四角筒の側壁２の外面とを、リブ６により接続する
。

７は四角筒１の四周の側壁２の下縁を示す。

枠体Ａは無底の四角筒１と共に全体を硬質合成樹脂によ
り一体に成型する。

そして、この育苗枠の上から土壌を山形に盛り、へらで
これをしごいて余分な土壌を捨て、各四角筒内に土壌を
満杯に詰め、ハウス内で苗を育て上げたら育苗枠ごと圃
場に持ち出し、各四角筒から土ごと苗を出し移植する。

苗を取り出したら空の育苗枠は、前記のとおり上下に積
み重ねて運搬し保管する。

（考案の効果） このように本考案においては、四角筒１がその上部を肉
厚部３を介して縦横に接合するので、従来の米国特許第
３０３５３６吋明細書に示す筒体を間隔をおいて並設す
るものに比し、枠体Ａ内に多数の四角筒を緊密に並列で
きて上方より各筒１内に育成土壌を充填し易く、上部よ
り下部に行くに従い次第にその径をやや縮少する各四角
筒を上下に積み重ねると、上段の枠体Ａの垂直な折曲縁
５の下端が下段の枠体Ａの上部周縁に接触すると共に、
上段の育苗枠の逆Ｖ字型の溝４内に下段の育苗枠の上部
の肉厚部３が嵌合し、上段の各四角筒１の下半部が下段
の四角筒１の上半部内に挿入して、その容積が半減する
ばかりでなく、上段の枠体Ａの四角筒１の半ばに達する
垂直な折曲縁５により、上下の四角筒１のそれぞれ一部
が浅く重合し互に深く密着しないので、積み重ねた育苗
枠は迅速に分解できるという効果を奏する。

そのうえ各四角筒１の下部は、逆Ｖ字型の溝４により四
角筒ごとに分離しているとはいえその上部は肉厚部３に
より互に接合し、しかも枠体Ａの周縁は下方に垂直に折
曲げて折曲縁５を形成すると共に、リブ６によりこれに
対向する四角筒の側壁２に接続するので、枠体Ａは堅牢
で、ひねっても歪曲せず、各四角筒１内に育成土壌を入
れても変形しないから安全に持ち運びができる、という
効果を生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の一部平面図、第２図はその底綿
図、第３図はその縦断正面図、 １は四角筒、２は側壁、３は肉厚部、４は溝、５は折曲
縁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周縁を下方に垂直に折曲げて折曲縁を形成する枠体Ａ内
   に、無底の四角筒を縦横に肉厚部により隣接し、各四角
   筒は上部より下部に行くに従い次第にその径をやや縮少
   させ、その隣り合う四角筒の側壁の上部は一体的に接合
   して前記肉厚部を形成すると共に、下部は逆Ｖ字型の溝
   により四角筒ごとに分離させ、しかして枠体の折曲縁と
   これに対向する四角筒とはリブにより接続すると共に枠
   体の折曲線の下縁は四角筒の半ばに達して成る育苗枠