JPS6030231Y2 - 缶切り機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、胴部の上部に蓋を２重継ぎ目構造によって結
合した缶の缶切り機に関して、前記２重継ぎ目の先縁内
側壁および先縁頂部に係り合う周囲面をもつ送り車と、
前記２重継目の先縁外側に位置し、前記送り車とで２重
継ぎ目を挟圧して２重継目外側を切断する切断輪よりな
り、前記切断輪の位置を工夫することにより、２重継目
外壁の切断輪に開く力を与えるようにしたものにおいて
、切断中に前記切断輪の前記２重継ぎ目に対する過大な
切り込み及び下方へのもぐり込みを防止する為に前記切
断輪外側の前記２重継ぎ目に当接する部分に段を備えた
ものである。

一般に２重継ぎ目構造をもつ缶の缶切り機において送り
車と切断輪をもって前記２重継ぎ目の外壁を切断し、開
蓋するものは、送り車と切断輪の設定位置が、高い寸法
精度を要し、前記送り車と前記切断輪が近接し過ぎると
前記切断輪が前記２重継ぎ目に過大に切り込んだり、前
記継ぎ目下方にもぐり込んで切断不可能となっていた。

本考案はこのような従来の欠点を解消するものであり、
以下一実施例を示す図面を参照して説明する。

第１図は本考案の缶切り機により切断されるところの缶
の要部を詳細に示し、１は胴部、２は蓋であり、前記蓋
２の外周縁は胴１の上端縁に内側より外側に連続して折
り重ねられ、この折り重ねられた部分をさらに折りたた
み、胴１の折曲げ部３と、この折り曲げ部３に包装する
蓋２の外側壁４および内折り部５と、胴１の内側に接す
る蓋２の内側壁６と、蓋２の先縁部７よりなるいわゆる
２重継ぎ目に構成されている。

第２図は本考案の一実施例の缶切り機の要部の断側面を
示し、８は本体ケースであり、内部にモータ９および回
転伝達用の歯車１０．１１を備えている。

上記ケース８の一側には凹部１２を形威し、この凹部１
２に回転輪保持台１３を取りつけている。

前記回転輪保持台１３はその外周部に送り車１４と切断
輪１５を回転自在に保持している。

具体的には前記送り車１４はその回転軸１６を回転輪保
持台１３に設けた軸受１７にはめ合わせて保持され、前
記回転軸１６の端部は前記歯車１１に連結されている。

この回転軸１６と歯車１１の連結部にはカム機構が用い
られており、すなわち歯車１１の連結筒１８にカム孔１
９を形威し、回転軸１６の側方に突設したピン２０を前
記カム孔１９にはめ合わせている。

したがって歯車１１の回転時に送り車１４は回転軸１６
を介して引き寄せられるようになっている。

切断輪１５は回転輪保持台１３に固定した支軸２１に枢
支され、単独に回転自在に設けられている。

前記送り車１４は大径部２２と、この大径部２２の内側
に同心的に形成された小径部２３よりなり、かつこの大
径部２２より小径部２３に至る円錐面２４を有している
。

そして前記円錐面２４および小径部２３の外周面には刻
み目２５が設けられている。

切断輪１５は戴頭円錐形の大きい面２６と円錐面２７と
からなる端部により切断刃を形威し、大きい方の面より
段２７′をなして円錐面が大きくなっている。

上記送り車１４と切断輪１５は次のような関係位置に配
置されている。

すなわち送り車１４の円錐面２４と切断輪１５の切断刃
とをもって缶の２重継目を挾圧する関係をもち、側方よ
りみた送り車１４の回転軸１６と切断輪１５の支軸２１
のなす角Ａは第３図に示すように鋭角をなしている。

さらに第５図に示すように送り車１４の回転軸１６に対
し、切断輪１５の支軸２１がねじれの位置関係、すなわ
ち両者が同一平面上にないように上方から見て角度Ｂだ
け傾けられている。

なお図中の２８は回転輪保持台１３の側方に突出した缶
当て部である。

本考案の缶切り機は上記のように構成され、つぎに缶切
り作用を説明する。

まず第３図に示すように送り車１４の円錐面２４を缶の
２重継目の内側壁６に当接し、さらに小径部２３の外周
を２重継目の先縁部７の頂部に当接させる。

また切断輪１５の切断輪を２重継ぎ目の外側壁４に当接
する。

次にモータ９を回動させると回転伝達用の歯車１０．１
１が回転する。

上記歯車１１に回転はカム機構により第３図破線で示す
送り車１４を実線の位置まで引き寄せる。

したがって、送り車１４と切断輪１５は缶の２重継目を
挾圧し、送り車１４の刻み目２５が２重継目の内側壁６
と先縁部７の頂部にしっかりと圧接する。

さらに前記送り車１４が回転することにより切断輪１５
も回転し、２重継目の外側壁４は切断輪１５の切断刃部
により全周切断される。

なお、前記送り車１４と切断輪１５の位置関係は側方よ
り見て送り車１４の回転軸１６と切断輪１５の支軸２１
のなす角Ａが鋭角をなし、特に回転軸１６に対し支軸２
１がねじれの位置関係、すなわち両者が同一面上になら
ないように上方より見て角度Ｂだけ傾いているため、第
４図に示すように２重継目の外側壁４を挾圧する切断輪
１５の切断刃部は、缶の進行方行ａに対して角度αを有
することになり、外側壁４は切断されると同時に切口は
強制的に拡げられ、したがって、胴部１と蓋２が開かれ
る。

ここで、切断輪の外側に設けられた段２７′は第８図に
示すように、切り込み過ぎを防止する効果を有し、切断
後の缶蓋２の外れを容易にし、切断面も美麗となる。

なお、缶２重継目の外側壁４のみを切断する為には、外
側壁４の厚みを考慮すると段の切断の深さ方向寸法Ｘは
０．３ｍｍ程度が適し、段２７′の高さｙは０．５ｍｍ
程度にて効果を有するものである。

本考案の第２実施例は、第１実施例の切断輪１５の外側
の段２７′が、送り車１５の軸受の径が大で、空間が取
れない場合のように取り付けが不可能ならば、段３０を
内側に付けた例を示すもので、第１１図に示すように、
缶２重継ぎ回外側壁４の切断輪１５の切断刃より下部を
押えて、切り込み過ぎを防止する。

なお第１１図の２寸法は、０．３ｒｒＩＩｆｔ程度が最
適の効果を有するものである。

以上の説明のように本考案の缶切り機は、切断輪に簡単
手段を設けるだけで切り込みの増大を防止するという極
めて有用なものであ。

【図面の簡単な説明】

第１図は缶の２重継目部の断面図、第２図は本考案の一
実施例の缶切り機の要部断面図、第３図、第４図および
第５図は回毎切り状態の説明図であり、第６図、第７図
、第８図は切断輪の説明図、第９図、第１０図、第１１
図は本考案の他の実施例の切断輪の上面図、断側面図、
および缶切り状態説明図である。 １４・・・・・・送り車、１５・・・・・・切断輪、１
６・・・・・・回転軸、２１・・・・・・支軸、２２・
・・・・・大径部、２３・・・・・・小径部、２４・・
・・・・円錐面、２５・・・・・・刻み目、２７′・・
・・・・段、３０・・・・・・段。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）缶の２重継ぎ目の内側壁および先縁部に当接する
   送り車と缶の２重継目の外側壁に接し、前記送り車とで
   ２重継目を挟圧する切断輪を備え、前記送り車の軸と切
   断輪の軸が側方より見て鋭角をなし、かつ円軸のねじれ
   の位置関係をもつように構成されるとともに、前記切断
   輪に前記缶２重継ぎ目の外壁に当接する段を設けてなる
   缶切り機。
2. （２）段を切断輪の外側に設けてなる実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の缶切り機。
3. （３）段を切断輪の内側に設けてなる実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の缶切り機。