JPS6029428Y2 - 岩盤破砕機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、岩盤破砕機に関するものである。

本考案の考案者等は、特開昭５５−１１２７８２号公報
に示すように、牽引車輌の後部に上下動機構を介して岩
盤破砕装置保持用の基体を取付け、この基体に岩盤破砕
装置の本体と一体的の筒体を傾斜方向に進退自在に直接
摺動嵌合し、この筒体の内部に岩盤破砕装置の本体から
連続的衝撃力を附与される破砕刃を進退自在に設け、上
記基体と上記筒体のスプリング受は部材との間に上記筒
体を下方に向けて附勢する板ばねを装着した構造の岩盤
破砕機を提案している。

この発明では、破砕した岩石が対向面積の大きな上記板
ばねに当りやすいことと、基体に岩盤破砕装置の筒体を
直接摺動嵌合したため、上記筒体を垂直方向に近づける
と、筒体のスライド方向と牽引車輌の牽引方向との間の
角度が拡がって、筒体が基体内をスムーズにスライドで
きなくなることといった不具合が新たに発見された。

本考案は、斯る欠点を改良して、筒体のスライドをスム
ーズに行わせ、連続打撃に際してスプリングの反撥力が
常時岩盤と刃先とを密着させ、空打のない有効打撃のみ
得るように改良することを目的とすべくなされたもので
、このため、本考案は、牽引車輌の後部に装備する平行
リンクモーションを行う上下動機構を介して取付けた一
対の支持板と、該支持板間に横設したハウジングとを有
する岩盤破砕装置に於いて、該ハウジングの中心部に内
挿され該装置の傾斜方向に対して進退自在に嵌合した筒
体と、該筒体の内部に挿通しである中間シャフトの他方
端より打撃発生機構であるハンマーの連続的な衝撃力を
伝播されかつ進退自在にせしめられた中間シャフトの一
方端に配置した破砕刃と、該筒体の外周と前記ハウジン
グとの間に嵌合したスライド機構と、該筒体に設けられ
たスプリング受は部材と、前記スライド機構を保持する
第１のスプリング部材と、前記ハウジングと前記スプリ
ング受は部材間であってかつ前記スライド機構を挾む如
く対設した一対の第２のスプリング部材とから構成した
ことを特徴とする岩盤破砕機である。

本考案の一実施例を図面に基づいて以下詳述する。

第１図に図示するように、牽引車輌としての装軌式トラ
クタ１の後部フレームに設けた一対の取付は基板２に、
通常はリッパ−等の掘削装置を装備する所謂平行リンク
機構式の上下動機構３を介して岩盤破砕装置保持用の方
形のハウジング４を取付ける。

上記上下動機構３は、一対の下側アーム５と、後述する
岩盤破砕装置３１の作業角度を調整する一対のチルトシ
リンダ６と、上下動用の一対のリフトシリンダ７とによ
って一対の支持板８を軸支したものであり、この支持板
８によって上記ハウジング４の平行リンクモーション即
ち該装置を上下方向へ旋回可能に支持する。

また第２図および第３図に図示するように、上記ハウジ
ング４の中央角筒部９にスライド機構即ち箱形のスライ
ドベアリング１１を介して、岩盤破砕装置３１の本体と
一体的の筒体１２を傾斜方向に進退自在に嵌合する。

この筒体１２は、角筒部１３と、この角筒部１３に一体
に固定された外側円筒部１５と、この外側円筒部１５に
嵌着されテーパピン１６によって一体に固定された内側
円筒部１７と、上記角筒部１３の先端部内に嵌着され溶
接などして固定された先端角筒部１８とによって一体的
に形成されている。

また上記筒体１２の角筒部１３にスプリング受は部材２
１を嵌合固着し、このスプリング受は部材２１の両側部
にスプリング嵌着筒２２を設けるとともに、上記ハウジ
ング４の両側凹部２３内に反対側のスプリング嵌着筒２
４を設け、そしてこの両側における両方のスプリング嵌
着筒２２，２４間にそれぞれ一対の第２のスプリング部
材、具体的には大形コイルスプリング２５を装着し、こ
のコイルスプリング２５によって上記岩盤破砕装置３１
の筒体１２を上記ハウジング４から離反する方向即ち斜
め下方に付勢する。

また第４図および第５図に図示するように、上記箱形の
スライドベアリング１１は、多数の長尺なローラ６１と
角部材６２とを交互に配列し、この角部材６２を外側お
よび内側の板部材６３によって押え、この両側の板部材
６３に穿設した長穴６４から上記ローラ６１の外側部と
内側部とを回動自在に突出させ、さらに上記外側および
内側の板部材６３と各々の角部材６２とをボルト、ナツ
トによって固定することによって平面的なベアリングア
ッセンブリを形成し、そしてこの平面的なベアリングア
ッセンブリを４枚用意して、各々のベアリングアッセン
ブリをつなぎ角部材６５を介して４角形状の箱形に形成
したものである。

また上記各つなぎ角部材６５の一端面には接続部６６を
設けておき、この各接続部６６にロッド６７の一端を接
続し、このロッド６７の他端部は、上記筒体１２の外側
面に取付けたスプリング受は片６８の六６９に挿通し、
またこのロッド６７に、上記スライドベアリング１１の
一端面と上記スプリング受は片６８との間に位置する第
１のスプリング部材即ち小形コイルスプリング７１を装
着する。

このコイルスプリング部材７１は、上記箱形のスライド
ベアリング１１をこのスライドベアリング１１の重量に
釣合う反撥力で弾力的に支持し、スライドベアリング１
１の脱落を防止するよう機能させである。

また第３図に図示するように、上記筒体１２の下部即ち
先端角筒部１８内に破砕刃２６を進退自在に嵌着し、先
端角筒部１８の係止部３０ａに破砕刃２６の長孔３０ｂ
を軸方向に遊嵌し、また内側円筒部１７内に中間シャフ
ト２７を、このシャフト２７の凸部２８が内側円筒部１
７の凹部２９と嵌合する範囲内で進退自在に嵌着し、さ
らに上記筒体１２の外側円筒部１５の上部に岩盤破砕装
置３１の本体の基部３２を溶接などして固着する。

この岩盤破砕装置３１の本体は、上記中間シャフト２７
を介して上記破砕刃２６の内端面に衝撃力を連続的に附
与するもので、ケーシング３３の内側面に軸受は部３６
を設け、この軸受は部３６に軸３７を介して支持部３８
の上端を回動自在に軸着し、この支持部３８の下端の保
持部３９でもって仲介体４１を固定的に保持し、さらに
板ばね４２の下端部によって上記支持部３８を図示斜め
上方に付勢するとともに、ケーシング３３に固定した係
止体４３によって上記支持部３８と一体の保持部３９を
定位置で係止し、またケーシング３３の中央部に回転軸
４４を配設し、この回転軸４４に回転板４５を固着し、
この回転板４５の一側取付部４６にハンマー４７を回動
自在に軸着するとともに他側取付部４Ｂにバランシング
ウェイト４９を回動自在に軸着してなる。

なお第１図および第３図に於いて、５０は無端帯５１を
介して上記回転軸４４を駆動する油圧モータである。

なお岩盤破砕装置３１のリフトシリンダ７とチルトシリ
ンダ６、および、上記油圧モータ５０は、トラクタ１に
内蔵された油圧源装置からバルブを介して油圧の供給を
受ける。

次に作用を説明する。

トラクタ１を前進−その牽引力によって、岩盤Ｇに係止
された破砕刃２６およびこの破砕刃２６に係止された筒
体１２に対してハウジング４を斜め下方に引き下げ、強
力な大形コイルスプリング２５を圧縮し、ハンマー４７
を１回転ごとに仲介体４１に衝突させ、その衝突の衝撃
力を中間シャフト２７を介して破砕刃２６に作用させ、
岩盤Ｇを破砕しながら前進する。

この際、トラクタ１の牽引力によって前記大形コイルス
プリング２５に蓄積された付勢力も破砕刃２６の先端に
かかるから、上記岩盤破砕装置３１による衝撃力との相
乗作用によって岩盤Ｇの破砕が確実に行える。

また上記大形コイルスプリング２５によって破砕刃２６
の先端は常に岩盤Ｇに圧接されるから、この破砕刃２６
は空打ちすることなく有効に岩盤Ｇを破砕する。

また上記大形コイルスプリング２５による圧接により、
岩盤Ｇと破砕刃２６と中間シャフト２７とが一体状に密
着されるから、ハンマー４７の打撃力は岩盤Ｇに有効に
作用する。

なお上記作用において、筒体１２はスライドベアリング
１１によりハウジング４に対してスライドしやすく、そ
のため、筒体１２を垂直方向に近づけ、筒体１２のスラ
イド方向とトラクタ１の牽引方向との間の角度が拡がっ
ても、筒体１２はハウジング４内をスムーズにスライド
し、反撥力の大きな大形コイルスプリング２５も充分に
圧縮される。

このように本考案によれば、ハウジングと筒体のスプリ
ング受は部材との間に筒体を下方に向けて付勢するもの
としてコイルスプリングを装着したから、従来の板ばね
方式に比べ、破砕しようとする岩盤部分に対向するコイ
ルスプリングの対向面積が少なく、破砕した岩石がこの
コイルスプリングに当るおそれを少なくすることができ
る。

またハウジングと筒体とが嵌合する部分にスライド機構
であるスライドベアリングを介設したから、自重による
偏荷重を受けにくい構造になっているため、筒体はスラ
イドベアリングによってハウジングに対してスライドし
やすく、そのため、筒体の垂直方向に近づけ、筒体のス
ライド方向と牽引車輌の牽引方向との間の角度が拡がっ
ても、筒体はハウジング内をスムーズにスライドでき、
反撥力の大きな大形のコイルスプリングも充分に圧縮で
きる効果を伴う。

そしてこのため、連続打撃に際してスプリングの反撥力
が常時岩盤と刃先を密着させ空打のない有効打撃のみ得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の岩盤破砕機の一実施例を示す正面図、
第２図は第１図の矢視■方向の平面図、第３図は岩盤破
砕装置部分の断面図、第４図は第３図のｒＶ−ＩＶ線断
面図、第５図はスライドベアリングの斜視図である。 １・・・・・・牽引車輌としてのトラクタ、３・・・・
・・上下動機構、４・・・・・・ハウジング、８・・・
・・・支持板、１１・・・・・・スライド機構としての
スライドベアリング、１２・・・・・・筒体、２１・・
・・・・スプリング受は部材、２５．７１・・・・・・
スプリング、２６・・・・・・破砕刃、２７・・・・・
・中間シャフト、 ３１・・・・・・岩盤破砕装置、 ７ ・・・・・・ハンマー０

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）牽引車輌の後部に装備する平行リンクモーション
   を行う上下動機構を介して取付けた一対の支持板と、該
   支持板間に横設したハウジングとを有する岩盤破砕装置
   に於いて、該ハウジングの中心部に内挿され該装置の傾
   斜方向に対して進退自在に嵌合した筒体と、該筒体の内
   部に挿通しである中間シャフトの他方端より打撃発生機
   構であるハンマーの連続的な衝撃力を伝播されかつ進退
   自在にせしめられた中間シャフトの一方端に配置した破
   砕刃と、該筒体の外周と前記ハウジングとの間に嵌合し
   たスライド機構と、該筒体に設けられたスプリング受は
   部材と、前記スライド機構を保持する第１のスプリング
   部材と、前記ハウジングと前記スプリング受は部材間で
   あってかつ前記スライド機構を挾む如く対設した一対の
   第２のスプリング部材とから構成したことを特徴とする
   岩盤破砕機。
2. （２）前記スライド機構は、岩盤破砕機ハウジングのリ
   ブを兼ねる中央角筒部の内方面と筒体の外周に接触し、
   該筒体の摺動をスムーズに行うためにボックスタイプの
   スライドベアリングで構成したことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の岩盤破砕機。
3. （３）前記第１のスプリング部材は、スライド機構の重
   力に釣合う反撥力で該スライド機構を弾力的に支持する
   ため小形のコイルスプリングで構成したことを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項または第２項記載の岩
   盤破砕機。
4. （４）第２のスプリング部材は、筒体をハウジングより
   常に下方側へ離反する方向へ付勢されるため大形のコイ
   ルスプリングで構成したことを特徴とする実用新案登録
   請求の範囲第１項ないし第３項のいずれかに記載の岩盤
   破砕機。