JPS6028882Y2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、たとえばグリル・オーブン機能を備えた電子
レンジである高周波加熱装置の改良に関する。

たとえば電子レンジに電気ヒータを備え、必要に応じて
電子レンジの高周波加熱作用とヒータ加熱によるグリル
もしくはオーブン作用との切換えが可能な高周波加熱装
置が多用される傾向にある。

ところでこの種装置においては、ヒータの熱が高周波発
生器であるマグネトロンに導びかれ、この焼損事故が発
生する虞れがあるので、何らかの遮熱手段が必要である
。

従来において第１図のようにその対策がなされる。

すなわちａは加熱室すの天井壁であり、励振口Ｃが穿設
される。

ｄは励振口Ｃに連通する導波管であり、この一端部に図
示しないマグネトロンが取付けられる。

ｅは遮熱手段を構成する仕切板であり、セルフクリーニ
ングホーロ仕上げが施さられる。

ｆはこの仕切板ｅに上記励振口Ｃと相対向して穿設され
る案内口であり、仕切板ｅに取付ねじｇ・・・を介して
取付けられる電波透過材料からなる絶縁板りにて閉成さ
れる。

なお上記仕切板ｆは第２図に示すよようになっていて、
その周縁に沿って立片ｉが一体的に設けられる。

さらにその隅部には仕切板ｆを天井壁ａに取着するため
の取付金具ｊ・・・がホーロ仕上前にたとえばスポット
溶接により設けられる。

仕切板ｅの下方部位には図示しない電気ヒータが配設さ
れる。

しかして、マグネトロンから発振される高周波は導波管
ｄから励振口Ｃ１案内口ｆを介して加熱室すに導ひかれ
、高周波加熱作用を行える。

また電気ヒータの発熱によるグリルもしくはオーブン作
用に切換えることが可能であり、このときの熱は絶縁板
りに遮断され導波管ｄに侵入しない。

このように遮熱効果はあるが、天井壁ａと仕切板ｅとに
間隔Ｍを存しているとともに案内口ｆの寸法Ａが励振口
Ｃの寸法Ｂより大である。

このため導波管ｄから発振する高周波は案内口ｆを通り
難く発振効率が損われている。

さらに取付ねじｇの先端部が仕切板ｅ上に突出している
ため、この部分でスパークを起しやすかった。

さらにまた仕切板ｅには別ピースの取付金具ｊ・・・を
取着する必要があり、手間がかかるとともに仕切板ｅを
ホーロ仕上げする際取付金具ｊに熱が均一に当たらない
ため、仕上げは均一にならないなどの欠点がある。

本考案は上記事情にもとずきなされたものであリ、その
目的とするところは、比較的簡単な構造でありながら、
確実な遮熱と、高周波発振効率の向上を得、安定した仕
上げ加工を施すことができ、かつコストの低減化を図れ
る高周波加熱装置を提供しようとするものである。

以下本考案の一実施例を第３図ないし第５図にもとすい
て説明する。

図中１は装置本体であり、これには前面に開口部を有す
る加熱室２が設けられる。

加熱室２の開口部は扉体３にて開閉自在に閉威される。

加熱室２の底部には載置棚４が設けられるとともにその
下方部位に下部ヒータ５が、かつ上方部位に上部ヒータ
６がそれぞれ配設され、加熱源７を構成する。

加熱室２の天井壁２ａの中央部には寸法Ａの励振口８が
穿設されていて、この励振口８に同一寸法の発振口９ａ
を対向させた導波管９が天井壁２ａの上に載設される。

導波管９の端部は加熱室２から突出するよう延長され、
かつ高周波発生器であるところのマグネトロン１０が取
着される。

また天井壁２ａには後述する仕切板１１が取着される。

すなわち仕切板１１は第５図に示すように、加熱室２に
合せて略矩形状であり、その周縁に沿って立片１１ａが
一体形成される。

中央部は略矩形状の凹部１２が一体形成され、さらにそ
の中央に案内口１３が穿設されている。

案内口１３は第４図に示すように上記励振口８の寸法Ｂ
より一廻り大なる寸法Ａであり、励振口８に対向するよ
うに取着される。

このようにして形成した仕切板１１の表面（図において
下面）には、セルフクリーニングホーロが施され断熱効
果を得るようになっている。

上記凹部１２には電波透過性を備え遮熱性のある材料、
たとえば耐熱性プラスチック材料で形成される絶縁板４
が嵌込まれ、上記案内口１３を閉成する。

そしてこれら絶縁板１４、仕切板１１および導波管９は
取付具である取付ねじ１５・・・により天井壁２ａにと
も締め固定がなされる。

しかして、被加熱物を載置棚４に載置し、図示しない操
作盤にある切換摘みをグリル・オーブンもしくはレンジ
のいずれか所望の位置に合せ、タイマで加熱時間を設定
し調理釦を押せば良い。

グリル加熱の場合は下部ヒータ５が発熱し、オーブン加
熱の場合は上・下部ヒータ６．５が発熱し、レンジ加熱
の場合はマグネトロン１０が発振して被加熱物を加熱す
る。

上・下部ヒータ６．５の熱は、絶縁板１４および仕切板
１１によって遮熱反射され、導波管９内への侵入を防止
できマグネトロン１０が焼損することはない。

またマグネトロン１０から導波管９に導びかれる高周波
は、発振ロ９ａ、励振口８、案内口１３および絶縁板１
４を介して加熱室２に拡散する。

このとき案内口１３は発振口９ａおよび励振口８よりそ
の寸法が大であり、しかも互いに密接しているので、高
周波の発振効率の低下はない。

さらに取付ねじ１５・・・の先端部は加熱室２内部には
位置しないため、スパーク現象が発生することはない。

なお案内口１３の大きさを励振口８のそれより犬とした
が、これに限定されるものではなく、同等の大きさであ
っても良い。

また加熱源７として上・下部ヒータ６．５を備えたが、
これに限定されるものではなく、たとえばガスバーナに
換えても支障はない。

以上説明したように本考案によれば、加熱室の天井壁と
加熱源とを仕切板で仕切るとともにこの仕切板に天井壁
に穿設される励振口と同等以上の面積の案内口を有する
凹部を設け、この凹部に電波透過材料からなる絶縁板を
嵌合して案内口を閉威し、絶縁板、仕切板の凹部および
導波管をともに取付具にて天井壁に取付固定するように
したから、加熱源の熱が導波管内へ侵入することを確実
に妨げて遮熱効果を良くするとともに高周波のスパーク
による事故を防止し、かつこの発振効率の向上を得る。

さらに仕切板に従来のような別ピースの部品を取付ける
必要がなくなり手間がかからずにすむとともにたとえば
セルフクリーニングホーロ仕上げなどの仕上げ加工が安
定し、かコストの低減を得るなどの効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の従来例を示し、第１図は
高周波加熱装置要部の縦断面図、第２図は仕切板の斜視
図、第３図ないし第５図は本考案の一実施例を示し第３
図Ａは高周波加熱装置の概略的縦断正面図、第３図Ｂは
同じく概略的縦断側面図、第４図は第３図Ａに示す■部
の拡大図、第５図は仕切板の斜視図である。 １・・・・・・装置本体、７・・・・・・加熱源、２ａ
・・・・・・天井壁、９・・・・・・導波管、訃・・・
・・励振口、２・・・・・・加熱室、１３・・・・・・
案内口、１２・・・・・・凹部、１．４・・・・・・絶
縁板、１５・・・・・・取付具（取付ねじ）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 装置本体に、加熱源を配置するとともに天井壁に導波管
   が連通ずる励振口を穿設した加熱室を設けたものにおい
   て、上記加熱室の天井壁と上記加熱源とを仕切るととも
   に上記励振口と同等以上の面積の案内口を有する凹部を
   設けた仕切板と、この仕切板の凹部に嵌合し上記案内口
   を閉成する電波透過材料からなる絶縁板と、この絶縁板
   と仕切板凹部および導波管をともに加熱室天井壁に取付
   固定する取付具とを具備したことを特徴とする高周波加
   熱装置。