JPS6028532Y2 - 噴霧ポンプ機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、液を吸入排出するシリンダとピストンと、こ
の吸入・排出を制御する吸入弁、吐出弁を有する弁装置
と、加圧液を一時的に貯留する空気室とを有し、園芸等
において使用する噴霧ポンプ機に関するものである。

上述の形式の噴霧ポンプ機は無加圧の薬液タンクに取付
け、ノズル開閉コックの操作によって任意に噴霧ポンプ
操作を行い得るために広く使用されている。

この噴霧ポンプの弁装置は、吸入弁と吐出弁とを別個に
鋼球のチェック弁として製造して上下に組合せて製造す
る。

これらの弁装置は個々にシリンダに半田付けをして取付
けなければならず、製造工程が複雑となる欠点がある。

また、弁の故障に際しての交換修理が著しく困難であり
、ポンプ寿命の短いことの大きな原因となっている。

本考案の目的は、従来の弁装置を改良して、構造が簡単
であって取付交換が容易で寿命の長い噴霧ポンプ機を提
供することにあり、その要旨は、液を吸入・排出するシ
リンダとピストンと、前記吸入・排出を制御する吸入弁
、吐出弁を有する弁装置と、加圧液を一時的に貯留する
空気圧とを有する噴霧ポンプにおいて、前記弁装置はシ
リンダ内に挿入する一体の円筒形弁体と、該弁体内に上
下に配列し、液を横方向に出入させ蝶番によって作動す
る吸入弁と吐出弁とを備え、該弁装置をシリンダ下部の
取付部に固定したことを特徴とするものである。

本考案は図示の実施例に基づいて詳細に説明する。

第１図は液ポンプ型の手動式噴霧ポンプ機を示し、噴霧
ポンプ１が薬液タンク２内に取付けられている。

薬液タンク２は図示しない液投入口を有し、液投入口を
封鎖しない無加圧型となっている。

噴霧ポンプ１の本体３は、二重円筒形とされ外周の空気
室４と内側のシリンダ５とから形成され、シリンダ５内
をピストン６がバンドル７によって上下運動するように
なっている。

空気室４の下端付近まで延長した送液管８の上端は、本
体３の上端に取付けたホース取付口９に連通されている
。

シリンダ５の下端に取付けられた弁装置１０は、第２図
に拡大して示すように吸入弁１１と吐出方１２とを有し
、弁装置１０の下端の吸込口１３からストレーナ１４を
通って薬液をシリンダ５内に吸込み、吐出口１５から空
気室４内に薬液を送って空気室４を加圧し、加圧された
薬液は送液管８、ホース取付口９を経て図示しないノズ
ルから噴霧されるようになっている。

上述の構成自体は弁装置１０の構造が異なる以外は液ポ
ンプ型の手動噴霧機として周知であり、本明細書におい
ては詳細な説明は省略する。

既知の弁装置が吸入弁、吐出弁を別個にボール弁として
形成して、上下方向に組立ていたのに対して、本実施例
では吸入弁１１、吐出弁１２を蝶番型開閉弁とし、これ
らは一体として弁体２０内に組込まれている。

弁体２０はほぼ円筒形の合成樹脂製とされ、下端の吸込
口１３にストレーナ１４が取付けられている。

シリンダ５の下端延長部に固着された取付部２１に、弁
体２０の外側の外ねじ２２がねじ込まれ、弁体２０は取
付部２１に取外し可能に取付けられている。

シリンダ５内に挿入された弁体２０の部分には、上下方
向に吸入弁１１と吐出弁１２とがそれぞれ、ピンを用い
たり可視性部材から成る蝶番２３．２４によって回動自
在に支持されており、それぞれの吸入弁孔２５、吐出弁
孔２６を開閉するようにされている。

また弁体２０内には、吸込口１３と吸入弁孔２５との間
を連通する吸込連通室３０と、吸入弁孔２５と吐出弁孔
２６とをシリンダ５内にピストン６に連通させるピスト
ン連通室３１と、吐出弁孔２６を吐出口１５、空気室４
に連通させる吐出連通室３２とが形成されている。

Ｏリング３３．３４によって常時加圧される吐出連通室
３２はシールされ、Ｏリング３５はピストン連通室３１
と薬液タンク２内との間をシールするようになっている
。

上述の構成とした弁装置１０は、シリンダ５の下端の取
付部２１に下方から挿込んで外ねじ２２によって取付け
られる。

噴霧ポンプ１の作動自体は通常のポンプと同様であるた
め、作動の際の弁装置１０の機能についてのみ次に説明
する。

薬液タンク２内に薬液を入れ、ピストン６を引上げれば
、薬液は弁装置１０の合成樹脂製弁体２０の下端の吸入
口１３からストレーナ１４を通って吸込連通室３０に入
り、吸入弁１１を押上げてピストン連通室３１に流入し
、ピストン６の上昇ト共にシリンダ５内に流入する。

ここで、ピストン６を押し下げればシリンダ５、ピスト
ン連通室３１内の薬液に加圧が作用し、吸入弁１１を閉
じる。

薬液は吐出弁１２を開いて吐出連通室３２に入り、シリ
ンダ５内に開口した吐出口１５を経て空気室４に流入し
、空気室４内の空気を加圧して空気室４の下方に一時的
に貯留される。

ホース取付口９の先端に取付けた図示しないノズル開閉
弁を開放すれば、薬液は送液管８、ホース取付口９を経
てノズルから噴出されることになる。

以上説明したように本考案に係る噴霧ポンプ機は、弁装
置１０として一体の弁体２ｏに吸入弁１１、吐出弁１２
を取付けたため、吸入弁１１と吐出弁１２とを別個に製
造して組立てる必要がなく、製造組立が極めて容易であ
り、特に弁装置１０は単なるねじ込みにより取付けるた
め、部品交換、修理も容易である。

また、吸入弁１１、吐出弁１２は横開きの開閉弁である
ため、作用質量及び慣性が従来の鋼球によるチェック弁
と比較して著しく小さく、ポンプ作動が軽く効率が良い
。

更に、吸入弁１１、吐出弁１２を弁体２ｏ内に上下方向
の配置としたため、弁体２０をねじにより外せば、弁の
交換手入は横の開口から容易に行うことが可能となる大
きな利点がある。

また、弁と弁座との間に異物が挾まる可能性も少なく、
更には弁体２０を円筒形としてシリンダ５内に挿入した
ため、３本のＯリング３３，３４，３５のみで十分な耐
圧性が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る噴霧ポンプ機の一実施例を示し、第
１図はその縦断面図、第２図は弁装置の拡大断面図であ
る。 符号１は噴霧ポンプ、２は薬液タンク、４は空気室、５
はシリンダ、６はピストン、８は送液管、１０は弁装置
、１１は吸入弁、１２は吐出弁、２０は弁体、２１は取
付部、２５．２６は吸入弁孔、３３，３４，３５はＯリ
ングである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 液を吸入・排出するシリンダとピストンと、前記吸
   入・排出を制御する吸入弁、吐出弁を有する弁装置と、
   加圧液を一時的に貯留する空気室とを有する噴霧ポンプ
   において、前記弁装置はシリンダ内に挿入する一体の円
   筒形弁体と、該弁体内に上下に配列し液を横方向に出入
   させ蝶番によって作動する吸入弁と吐出弁とを備え、該
   弁装置をシリンダ下部の取付部に固定したことを特徴と
   する噴霧ポンプ機。 ２ 前記円筒形弁体とシリンダとの間を３個のＯリング
   によって封鎖するようにした実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載の噴霧ポンプ機。