JPS6028275B2 - 組織培養用成形物 - Google Patents
組織培養用成形物Info
- Publication number
- JPS6028275B2 JPS6028275B2 JP8735580A JP8735580A JPS6028275B2 JP S6028275 B2 JPS6028275 B2 JP S6028275B2 JP 8735580 A JP8735580 A JP 8735580A JP 8735580 A JP8735580 A JP 8735580A JP S6028275 B2 JPS6028275 B2 JP S6028275B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tissue culture
- molded article
- moldings
- molded
- rays
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Description
【発明の詳細な説明】
組織培養用成形物として、近年、合成樹脂製の容器やフ
ィルムが多用されるに至っている。
ィルムが多用されるに至っている。
合成樹脂成形物は一般に親水性に欠けるため、このまま
ではかかる成形物への細胞の付着性が悪く、好ましい組
織培養ができない。従って、従来より種々の方法にて成
形物表面を表面処理し、その親水性を高めることが行な
われている。例えば、親水性樹脂コーティング、オゾン
処理、コロナ放電処理、酸化剤や鍵酸による処理等が既
に知られている。これらの処理のなかで、コロナ放電処
理は特に広く行なわれているが、表面親水性の経時低下
が著しいため、細胞生育、増殖性に安定したデータが得
難く、また、一旦成形物表面に付着した細胞が生育途中
で剥落する等の欠点を有している。さらに、成形物表面
の細胞に対する毒性が完全には解消されるには至ってお
らず、細胞の種類によってその生育状態に差が生じると
いう欠点もある。本発明は上記の問題を解決するために
なされたものであって、表面の親水性の経時低下が起こ
らず、従って、好ましい組織培養が可能となると共に、
長期にわたって細胞生育、増殖性に関して安定したデー
タが得られるようにした組織培養用合成樹脂成形物を提
供することを目的とする。
ではかかる成形物への細胞の付着性が悪く、好ましい組
織培養ができない。従って、従来より種々の方法にて成
形物表面を表面処理し、その親水性を高めることが行な
われている。例えば、親水性樹脂コーティング、オゾン
処理、コロナ放電処理、酸化剤や鍵酸による処理等が既
に知られている。これらの処理のなかで、コロナ放電処
理は特に広く行なわれているが、表面親水性の経時低下
が著しいため、細胞生育、増殖性に安定したデータが得
難く、また、一旦成形物表面に付着した細胞が生育途中
で剥落する等の欠点を有している。さらに、成形物表面
の細胞に対する毒性が完全には解消されるには至ってお
らず、細胞の種類によってその生育状態に差が生じると
いう欠点もある。本発明は上記の問題を解決するために
なされたものであって、表面の親水性の経時低下が起こ
らず、従って、好ましい組織培養が可能となると共に、
長期にわたって細胞生育、増殖性に関して安定したデー
タが得られるようにした組織培養用合成樹脂成形物を提
供することを目的とする。
本発明の組織培養用成形物は、成形物表面に８線が照射
されていることを特徴とする。本発明においては種々の
合成樹脂からなる成形物を用いることができる。
されていることを特徴とする。本発明においては種々の
合成樹脂からなる成形物を用いることができる。
合成樹脂の具体例としてポリスチレン、ポリメチルメタ
クリレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アク
リロニトリルーメチルアクリレート共重合体、スチレン
ー無水マレィン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリ
ル共重合体、アセチルセルロース、アセチルブチルセル
ロース、アセタール化ポリビニルアルコール、ポリプロ
ピレン、エチレンープロピレン共重合体、ポリエステル
、ポリメチルベンテンー１等を挙げることができるが、
好ましくは、処理効果が特に顕著であるポリスチレン、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水
マレイン酸共重合体及びポリ塩化ビニルである。また、
成形物は、シャーレ、マルチゥェルプレート、細口瓶、
広口瓶、フラスコ、試験管、ビーカー等の容器のほか、
フィルム、シートを含み、これらは射出成形、ブロー成
形、押出成形、カレンダー成形等の適宜の成形法によっ
て製造することができる。本発明において成形物表面を
処理するための８線源としては、通常の電子線加速装置
を用いることができる。
クリレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アク
リロニトリルーメチルアクリレート共重合体、スチレン
ー無水マレィン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリ
ル共重合体、アセチルセルロース、アセチルブチルセル
ロース、アセタール化ポリビニルアルコール、ポリプロ
ピレン、エチレンープロピレン共重合体、ポリエステル
、ポリメチルベンテンー１等を挙げることができるが、
好ましくは、処理効果が特に顕著であるポリスチレン、
スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−無水
マレイン酸共重合体及びポリ塩化ビニルである。また、
成形物は、シャーレ、マルチゥェルプレート、細口瓶、
広口瓶、フラスコ、試験管、ビーカー等の容器のほか、
フィルム、シートを含み、これらは射出成形、ブロー成
形、押出成形、カレンダー成形等の適宜の成形法によっ
て製造することができる。本発明において成形物表面を
処理するための８線源としては、通常の電子線加速装置
を用いることができる。
成形物による吸収線量は７Ｍｒａｄ以上、好ましくは１
０Ｍｒａｄ以上である。吸収線量が少なすぎるときは、
成形物表面の親水性が十分には改善されず、細胞の付着
性や生育性が満足すべきでない。一方、数百Ｍｒａｄの
吸収線量を有するように照射しても、数十Ｍｍｄの吸収
線量の場合に比べて細胞の付着性に目立った効果がない
ので、通常は１００Ｍｒａｄ以下の吸収線量で十分であ
る。本発明の組織培養用成形物は、一般に組織培養試験
の対象として用いられるすべての細胞株に対して良好な
表面を有するが、代表的な細胞株として、Ｈｅｌａ（ヒ
ト子宮頚部癌）、Ｌ（マウス正常皮下結合組織）、ＷＩ
−３８（ヒト正常胎児肺）、ＫＢ（ヒトロ底癌）、Ｃｈ
ａｎｇＬｉｖｅｒ（ヒト正常肝臓）、ＦＬ（ヒト正常羊
膜）、Ｄｏｎ（チヤイニーハムスター正常腕）、ＢＨＫ
−２１（シリアンハムスター正常啓）、ＩＭＲ−９０（
ヒト肺由釆正二倍体の繊維芽細胞）等を例示することが
できる。
０Ｍｒａｄ以上である。吸収線量が少なすぎるときは、
成形物表面の親水性が十分には改善されず、細胞の付着
性や生育性が満足すべきでない。一方、数百Ｍｒａｄの
吸収線量を有するように照射しても、数十Ｍｍｄの吸収
線量の場合に比べて細胞の付着性に目立った効果がない
ので、通常は１００Ｍｒａｄ以下の吸収線量で十分であ
る。本発明の組織培養用成形物は、一般に組織培養試験
の対象として用いられるすべての細胞株に対して良好な
表面を有するが、代表的な細胞株として、Ｈｅｌａ（ヒ
ト子宮頚部癌）、Ｌ（マウス正常皮下結合組織）、ＷＩ
−３８（ヒト正常胎児肺）、ＫＢ（ヒトロ底癌）、Ｃｈ
ａｎｇＬｉｖｅｒ（ヒト正常肝臓）、ＦＬ（ヒト正常羊
膜）、Ｄｏｎ（チヤイニーハムスター正常腕）、ＢＨＫ
−２１（シリアンハムスター正常啓）、ＩＭＲ−９０（
ヒト肺由釆正二倍体の繊維芽細胞）等を例示することが
できる。
本発明の組織培養用成形物は、以上のようにその表面が
Ｂ線照射されて、経時低下がなく、かつ、細胞生育に毒
性をもたない親水性を有するので、細胞の生育性、増殖
性が著しく改善され、長期間にわたってこれらについて
安定したデータを得ることができる。
Ｂ線照射されて、経時低下がなく、かつ、細胞生育に毒
性をもたない親水性を有するので、細胞の生育性、増殖
性が著しく改善され、長期間にわたってこれらについて
安定したデータを得ることができる。
さらに本発明によれば、８線照射により成形物表面が親
水性を付与されると同時に滅菌されているので、所望な
らば、従来のような酸化エチレンガスによる滅菌を省略
してもよく、また、Ｂ線照射時に、例えばポリスチレン
成形品等の場合、少なくともその表面層にて樹脂の架橋
が一部起こり、成形品の耐熱変形性が改良される利点も
ある。実施例 直径７５脚、肉厚約１柵のポリスチレン製シャーレに、
加速電圧２×１ぴＶ、出力１皿Ｗ電子線加速装置を用い
て８線照射し、吸収線量の種々異なるシャーレを得た。
水性を付与されると同時に滅菌されているので、所望な
らば、従来のような酸化エチレンガスによる滅菌を省略
してもよく、また、Ｂ線照射時に、例えばポリスチレン
成形品等の場合、少なくともその表面層にて樹脂の架橋
が一部起こり、成形品の耐熱変形性が改良される利点も
ある。実施例 直径７５脚、肉厚約１柵のポリスチレン製シャーレに、
加速電圧２×１ぴＶ、出力１皿Ｗ電子線加速装置を用い
て８線照射し、吸収線量の種々異なるシャーレを得た。
これらを酸化エチレンガス滅菌した後、組織培養試験に
供した。即ち、各シャーレにおいて、リン酸塩緩衝液１
０％を含むＭ旧Ｍ−アール培地にＬ−９２繋留砲（マウ
ス繊維芽細砲）を１．２×１ぴ個／泌の密度で移殖し、
３７０の保温下に５％炭酸ガス雰囲気中で培養を行なっ
た。
供した。即ち、各シャーレにおいて、リン酸塩緩衝液１
０％を含むＭ旧Ｍ−アール培地にＬ−９２繋留砲（マウ
ス繊維芽細砲）を１．２×１ぴ個／泌の密度で移殖し、
３７０の保温下に５％炭酸ガス雰囲気中で培養を行なっ
た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 １ 成形物表面がβ線照射されていることを特徴とする
組織培養用成形物。 ２ β線の吸収線量が７Ｍｒａｄ以上であることを特徴
とする特許請求の範囲第１項記載の組織培養用成形物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8735580A JPS6028275B2 (ja) | 1980-06-26 | 1980-06-26 | 組織培養用成形物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8735580A JPS6028275B2 (ja) | 1980-06-26 | 1980-06-26 | 組織培養用成形物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5712992A JPS5712992A (en) | 1982-01-22 |
| JPS6028275B2 true JPS6028275B2 (ja) | 1985-07-03 |
Family
ID=13912567
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8735580A Expired JPS6028275B2 (ja) | 1980-06-26 | 1980-06-26 | 組織培養用成形物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6028275B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6143984A (ja) * | 1984-08-03 | 1986-03-03 | Unitika Ltd | 組織培養用成形品 |
| JP6942736B2 (ja) | 2016-06-03 | 2021-09-29 | ロンザ リミテッドＬｏｎｚａ Ｌｉｍｉｔｅｄ | 使い捨てバイオリアクター |
-
1980
- 1980-06-26 JP JP8735580A patent/JPS6028275B2/ja not_active Expired
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5712992A (en) | 1982-01-22 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Klement et al. | Rescue of the genome of focus forming virus from rat non-productive lines by 5′-bromodeoxyuridine | |
| AU614083B2 (en) | Wound dressing | |
| DE69433177D1 (de) | Kulturmedium und verfahren zur herstellung von hyaluronsäure mit hohem molekulargewicht | |
| GB1325780A (en) | Method for manufacturing medical articles composed of various synthetic high polymers coated with collagen | |
| US4537790A (en) | Process for growing cell cultures of diploid cells on cell supports | |
| CA1136343A (en) | Crosslinked copolymer of an olefin and vinyl alcohol | |
| JPS6028275B2 (ja) | 組織培養用成形物 | |
| AU679780B2 (en) | Biodegradable compostable plastic and method of making the same | |
| Wu et al. | Common pattern of two distinct types of colony-stimulating factor in human tissues and cultured cells. | |
| US5023026A (en) | Method for hydrophilication treatment of synthetic resin object, and culture devices and inspection apparatus treated by same | |
| EP0047171A3 (en) | Process for irradiation of polyethylene | |
| Han et al. | Additive action of ionizing and non-ionizing radiations throughout the Chinese hamster cell-cycle | |
| JP2528443B2 (ja) | 低溶出性の医薬液剤・輸液・輸血用器具 | |
| JPS5953030B2 (ja) | 組織培養用成形物 | |
| JPS6258706B2 (ja) | ||
| JP2801818B2 (ja) | ラミニンコート細胞培養器具及びその製造方法 | |
| Biswas | Matrix influence on the tumor cell stimulation of fibroblast collagenase production | |
| Heisel et al. | Effects of X-irradiation on artificial blood vessel wall degradation by invasive tumor cells | |
| JPS5832589B2 (ja) | 組織培養用成形物 | |
| CN109701089B (zh) | 一种可降解组织再生屏障膜及其制备方法 | |
| JPS63196280A (ja) | 細胞培養用基材 | |
| Carenza et al. | Hydrogels obtained by radiation-induced polymerization for yeast cells immobilization | |
| JPH0614764A (ja) | ファイブロネクチンコート細胞培養器具及びその製造方法 | |
| JPS63196271A (ja) | 細胞培養用基材 | |
| JPS604714B2 (ja) | 組織培養用担体粒子 |