JPS6028004Y2 - 溶接用コンジツトケ−ブル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ガスシールドアーク溶接装置に連結されるコ
ンジットケーブルの構成に関し、特にワイヤ送給用ライ
ナーをガス供給用ホース内に収納するように構成して、
コンジットケーブルを小型化し且つ軽量化して操作性を
良好にしたものである。

ガスシールドアーク溶接に利用されるコンジットケーブ
ルは、溶接用ワイヤ送給ケーブル、溶接用電流供給導線
、ガス供給用ホースおよび溶接制御用操作電線を一体化
することが必要である。

またこれらの一体化されたコンジットケーブルは、長尺
のものが利用されたり或はコネクターを介して長尺にし
て利用されるので、トーチ部の移動に対して円滑に追従
して移動すると共に自由方向へ屈曲できる程度の可撓性
を有することが要求され、たばねて一体化したときの径
が小さく（小型）しかも軽量であることが望まれる。

第１図は適当なガスシールドアーク溶接用トーチ４に接
続されるコンジットケーブルの説明図で、トーチ４はト
ーチ保持部材３に取り付けられ、該保持部材３は制御機
構５に連結される。

そして制御機構５は溶接開始並びに停止、および溶接条
件に応するワイヤ送給量の調整や溶接電流の調整等につ
いての指令を供給側へ伝達するものである。

このように構成されるトーチ４には前記したようなコン
ジットケーブル１が接続され、該ケーブル１はコネクタ
ー２を介して保持部材３に連結される。

またケーブル１は、第２図に例示するように、溶接用ワ
イヤ６を通すためのライナー７の外周を弾性絶縁材８で
被覆してその外周に更に溶接電流用導線９を配置腰これ
らの外周を再び弾性絶縁材で被覆したワイヤケーブル１
０と、シールドガスを送給するガスホース１４と、制御
用電線１１．１１がそれぞれ被覆１２されて更にこれら
の２重に被覆して形成した制御用ケーブル１３が結束的
に集結され、これらの外周を例えば革製の外套１５で覆
って構成されたり、或は第３図で例示するように、前記
したと同じようなワイヤケーブル１０と、ガスホース１
４および個個に被覆１２した制御用電線１１が分割して
集結され、これらが外周シース１６で保護されたものも
提案されている。

そして前者はワイヤケーブル１０、制御用ケーブル１３
およびガスホース１４が結束的に保持されるので個々の
ケーブルおよびホースが常に接して位置保持されるが、
大型化すると共に外周形が３角状となって操作性ならび
に取り扱い性に難点がある。

また後者は、円形の外周シース１６を厚材て形成するこ
とによって、操作性ならびに取り扱い性は前者に勝るが
、大型化、および重量増という難点がある。

更に後者では、個々の制御用電線１２が、変位したりガ
スホース１４と搦んで切断するおそれがあり、これらの
変位を防止する対策が必要である。

またこのようなコンジットケーブル１では、ガスホース
１４の占める容積力状きく、且つガスホースは円形断面
で形成されるので前者にあっては３角部の１角に位置し
て偏在し、外在を受けて変形し易い。

また後者にあっては他のケーブルと安定的に保持されな
い。

従って両者いずれの場合でも自由方向への可撓性が少な
く取り扱いが不便である。

これらからコンジットケーブルを小型化すると共に軽量
化し、更に可撓性を高める主旨で被覆材を少なくするよ
うに構成すると共にこれらの配置関係を再検討する必要
があった。

本考案はこれらに基づいてなされたもので、従来のコン
ジットケーブルを小型軽量に形成すると共に自由方向に
可視性を発揮して取り扱い易くなつたコンジットケーブ
ルを提供しようとするものである。

しかしてこのような本考案コンジットケーブルとは、ガ
スホースをコンジットケーブルのほぼ中央部に配置して
、その内部にワイヤ送給用ライナーを収容腰外周に溶接
電流供給用導線と被覆した制御用電線とを取り囲むよう
にして配置して構成するものである。

以下図面に基づいて本考案を詳細に説明するが、図は本
考案の具体的な実施の一例を示すもので本考案はこれら
の図示例に限定されず、前記および後記する趣旨に徴し
て形状を変更したり或は配設を変更しても同様の効果を
発揮することができる。

第４図は本考案に係るコンジットケーブルの一部破断構
成見取図、第５図は他の実施例を示す断面図、第６図は
制御用電線の配設例を示す見取図である。

これらの図において、本考案コンジットケーブル１′は
、そのほぼ中央部にガスホース１４を配設し、該ガスホ
ース１４の内部に溶接ワイヤ６の送給用ライナー７を遊
挿する。

ガスホース１４としては従来利用したホースよりも大径
のものを利用し、ライナー７の絶縁シースと兼用して構
成するものである。

従ってホース１４内を流れるガス通路は、ホース内径に
おいてライナー７の外径断面を除く空間部１７で形成さ
れる。

そして該空間部１７の断面積としては１．５ｗｆｔ程度
が必要であって、１．２ｒｒｍＬφの溶接ワイヤを使用
するガスシールドアーク溶接では、前記ライナー７とし
て１．０７７１７１１φ素線を内径２．２ｍｍφで巻回
したものが好適であり、素線としてはステンレス鋼であ
ることが推奨される。

そしてガスホース１４の内径断面積は計算から約３０ｒ
ｒＩｊｆｔ必要で、内径６．３ｒＩｒ！ＩＬφ程度のホ
ースを利用すればよく、実施例としては、内径７閣φの
ものを利用した。

なお使用されるシールドガスの圧力は一般に３ｋｏ／ｃ
ｉｔ以下であるため、ホース１４の肉厚はあまり要求さ
れず特に本考案においては、前記したようにホース１４
の外周を溶接電流供給導線９および制御用ケーブル１１
で囲繞するので、従来より薄肉のホースが利用できる。

好ましい実施例としては肉厚１ｒＩｒ！ｎで外径９ｍｍ
φのナイロン製チューブであった。

一方該ホース１４の外周に配設される溶接電流供給導線
９は、総断面積が２２〜６０ｗ１程度必要とされ、これ
らは溶接電流によって決定されるものであるが例えば３
５０Ａ定格では５０ｍ７１Ｎが必要である。

また該供給導線９は、可撓性をよくするために素線を細
くして形成した燃線（０，１６〜０．４５ｍφ）を、複
数に形成してホース１４の外周に配置し、その配置に際
しては後述する絶縁された制御用電線１１．１１と平行
させつつ螺旋状に配置する。

またこれら螺旋状配置の螺旋角はケーブル１′の可撓性
を左右させることがあり、螺旋ピッチはホース１４外径
の１０〜２０＠であることが必要である。

好ましい実施例は、前記供給導線９として、０．１６ｒ
ｒｖｎφの素線を用いて燃合し、８グループに分割して
１３５Ｈｎのピッチで螺旋状に配置したものであった。

他方該制御用電線１１は、５０Ｖ以下の回路で用いられ
、防風下の電流で利用されるので絶縁特性については特
に要求されず、専ら機械的強度の方が重要視される。

これから制御用電線１１としては０．５〜１．２５−の
絶縁電線を利用する。

なおこれらの制御用電線１１は色別コードであることが
推奨され、実施例としては０．５ｍＪＥＰゴム電線内に
機械的強度を増すために鋼線を挿設したものが好適であ
った。

また前記溶接電流導線９と被覆１２した制御用電線１１
とは、はぼ同じ外径としてガスホース１４の外周にほぼ
均等厚さ層で設けることが望ましく、前記溶接電流供給
導線９の分割束外径はこれらを勘案して形成する。

実施例としては前記０．１６ｍｍφの素線を６０本集合
したものを７本撚り合わせて分割束供給導線９を形成し
、第５図のように左右にそれぞれ前記した制御用電線を
２本ずつと、上下に該分割束供給導線９をそれぞれ３本
ずつ合計１０本の素線で構成したときに好結果を得た。

なお供給導線９の分割束が太くなるときは、制御用電線
１１を第６図に示すように、それぞれ撚合して大径とし
て配設することが推奨される。

そしてこれらの外周にはゴムシース１６′を被装するが
、該シース１６′としてはクロロプレンゴムが好適であ
り、その厚さは２．２ｍｍで十分であった。

なおゴムシース１６′を被装するに先立って供給導線９
および被覆電線１１の外周を紡速するようにテープを螺
旋巻きすることがあり、該テープとしてはテトロンテー
プが好適である。

このように構成する本考案コンジットケーブルは、 （１）ケーブルの中心にホースを配してライナーを収納
したから、ライナーの絶縁シースが不要となり、しかも
ガス供給路を兼用するものとなって小型化でき且つ軽量
化できる。

（２）制御用電線の集束絶縁シースも不要となって前記
と同様に小型軽量になる。

（３）ガスホースの周辺には導線等がほぼ均等に配置さ
れしかも結束的に構成されるので、断面が円で形成され
しかも個々に変位することがなく自由方向への可撓性が
発揮されて極めて取り扱い易いコンジットケーブルが得
られる。

（４）ライナーを除く全体を一体成形で製造することが
でき、安価なコンジットケーブルを提供することができ
る。

（５）長尺のコンジットケーブルが利用できるようにな
る。

等の利益を享受できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はガスシールドアーク溶接に利用されるコンジッ
トケーブルの説明略図、第２図および第３図は従来提案
されたコンジットケーブルを例示した構成説明見取図、
第４図は本考案に係るコンジットケーブルの構成説明図
、第５図は本考案の他の実施例を示す断面図、第６図は
第５図の一部の他の実施例を示す説明見取図である。 １・・・・・・コンジットケーブル、２・・・・・・コ
ネクター、３・・・・・・トーチ保持部材、４・・・・
・・トーチ、５・・・・・・制御機構、６・・・・・・
ワイヤ、７・・・・・・ワイヤ送給用ライナー、８・・
・・・・シース、９・・・・・・溶接電流供給導線、１
０・・・・・・ワイヤケーブル、１１・・・・・・制御
用電線、１２・・・・・・被覆、１３・・・・・・制御
用ケーブル、１４・・・・・・ガスホース、１５・・・
・・・外套、１６・・・・・・外周シース。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 （１）シールドガスを供給するための絶縁性ガス供給管
   内に、溶接用ワイヤを案内するためのワイヤ送給用ライ
   ナーを遊挿し、前記絶縁性ガス供給管の外周を、複数の
   溶接電流供給用導線と、絶縁材で被覆した複数の制御用
   電線とによって囲繞し、さらにその外周を絶縁材によっ
   て被覆して構成したことを特徴とする溶接用コンジット
   ケーブル。 （２）実用新案登録請求の範囲第１項において、ガス供
   給管内に配設するワイヤ送給用ライナーは、ステンレス
   鋼の素線で形成したものである溶接用コンジットケーブ
   ル。 ・（３）実用新案登録請求の範囲第１又は２項において
   、ガス供給管外周を囲繞して設ける溶接電流供給用導線
   および制御用電線は、共に螺旋状に配設して構成したも
   のである溶接用コンジットケーブル。 （４）実用新案登録請求の範囲第１，２又は３項におい
   て、ガス供給管は、ナイロンで形成したものである溶接
   用コンジットケーブル。 （５）実用新案登録請求の範囲第１〜３又は４項におい
   て、コンジットケーブルの最外周の絶縁被覆材は、クロ
   ロプレンゴムで構成したものである溶接用コンジットケ
   ーブル。 （６）実用新案登録請求の範囲第１〜４又は５項におい
   て、コンジットケーブルの最外周に設ける絶縁被覆材の
   内周には、ポリエステル製のテープを巻き付けて構成し
   た溶接用コンジットケーブル。