JP2004519833A - 医療信号値用伝送ケーブル - Google Patents

Abstract

医療信号値用伝送ケーブル（１）においては、異なったケーブル型の複数の個別ケーブル（２，５，６，７）が共通のケーブル被覆（３）内に統合され、個々のケーブル型は特別な医療信号値を伝送するために形成されている。このような多機能形伝送ケーブル（１）は、特に体温および血中窒素量ならびにＥＣＧおよび血圧の信号値を統合するのに用いられる。

Description

【０００１】
本発明は医療信号値用伝送ケーブルに関する。信号値は特に心電図（ＥＣＧ）値、体温値、窒素値および血圧値である。
【０００２】
医療技術においてこの種の信号値を伝送するには通常、様々なケーブル型が使用されている。例えばＥＣＧ値、体温値および窒素値を伝送するには通常、金属導体心線とこれを取囲む絶縁材とを有する電気導体が使用され、一方血圧値を伝送するにはフレキシブルな中空導体が用いられる。このため、医療目的で信号値を伝送する際に費用のかかるケーブル布線が行われるという望ましくない事態になる。
【０００３】
本発明の課題は、医療信号値を伝送するためのケーブル布線をできるだけ簡略化することにある。
【０００４】
本発明によればこの課題は請求項１の特徴により解決される。このために、異なったケーブル型の複数の個別ケーブルは、共通のケーブル被覆によって取囲まれ、この中に、実質的に多機能形の唯一の医療信号値用伝送ケーブルが形成されるように統合され、各ケーブル型は特別な医療信号値を伝送するために形成されている。この場合、伝送ケーブルの構造が対称的であると好ましく、個別ケーブルは中心の特別な個別ケーブルの周囲に形成された環状室内に分散して配設されている。
【０００５】
それぞれの特別な医療信号値を伝送するための複数の個別ケーブルがケーブル型ごとに伝送ケーブルの中に配設されていると好ましい。すなわち、例えば、体温値の伝送には同一のケーブル型の２本もしくは３本の個別ケーブルを配設することができる。同様に、ＥＣＧ値の伝送には２本、３本もしくはそれ以上（例えば６本）の同一の型の個別ケーブルを配設することができる。血中窒素量値の伝送には２〜５本の個別ケーブルを配設することができる。この場合、これらの信号値の伝送にも様々なケーブル型、特に追加的もしくは代替的に、互いに撚り合わせられた対称もしくは同軸のケーブルから構成された個別ケーブルを配設することができる。
【０００６】
血圧値すなわち血圧測定から得られる信号値の伝送には、以下において中空導体とも呼ばれるフレキシブルな可撓管が配設され、この可撓管が伝送ケーブルの中で中心に配設されていると有利である。さらに、その外周には残りの個別ケーブルが分散して配設されている。この場合、これらの残りの個別ケーブルが、可撓管と全ての個別ケーブルに共通の、伝送ケーブルの外被もしくは被覆との間の環状室内に存在すると好ましい。この場合、全ての個別ケーブルが例えば編まれた遮蔽物によって取囲まれているようにもできる。
【０００７】
環状室に空隙もしくは間隙が生じるのを回避するために、可撓管を取囲んでいる個別ケーブルの数に応じて相応の数の充填エレメントが配設されているので、環状室は完全に充満されている。これによっても空間的に同質の、従って特に有利な対称的な伝送ケーブル構造が達成される。この場合、環状室内に配設されている個別ケーブルだけでなく、充填エレメントもそれぞれ少なくともほぼ同一の外径を有し、その結果できるだけ対称かつ安定な全体構成ならびに伝送ケーブルの均等な輪郭が達成される。また、環状室と可撓管との間に、伝送ケーブルの引張り強さを増強するための帯、例えば羊毛を設けることができる。
【０００８】
本発明により達成される利点は、特別な医療信号値を伝送するための異なったケーブル型の複数の個別ケーブルを共通のケーブル外被内に統合することにより、特にＥＣＧ、体温、血中窒素量および血圧測定の各機能値がまとめられているような多機能形の唯一の医療用伝送ケーブルもしくは医療用多機能ケーブルが提供されることにある。従って、特に少なくともこれらの医療信号値がこの唯一の多機能ケーブルにより伝送可能であるので、ケーブル布線費用が実質的に最小限に抑えられる。
【０００９】
本発明の実施例を図面に基づき以下に詳細に説明する。図には、異なったケーブル型の多数の個別ケーブルを備えた本発明による医療用伝送ケーブルの横断面図が示されている。
【００１０】
以下において多機能ケーブルと呼ばれ、様々な医療信号値を伝送するための伝送ケーブル１は、ケーブル軸線もしくは長手中心軸線Ｍを中心に同軸的に、従って中央に配設されている中空導体もしくは可撓管２を含んでいる。血圧値を伝送するための特別な個別ケーブルとしての可撓管２とケーブル被覆もしくはケーブル外被３との間には、異なったケーブル型の多数の個別ケーブル５，６，７，７´が配設されている環状室４が形成されている。ケーブル被覆３は熱可塑性プラスチック（例えばウレタン基）から成るのが有利である。
【００１１】
第１の複数の個別ケーブル５、実施例では３本の個別ケーブル５が体温値を伝送するために環状室４内に配設されている。第２の複数の個別ケーブル６、実施例では６本の個別ケーブル６が心電図（ＥＣＧ）値の伝送のために配設されている。さらに第３の複数の個別ケーブル７，７´が血中窒素量の信号値を伝送するために用いられる。
【００１２】
環状室４内には、異なったケーブル型の個別ケーブル５，６，７，７´の数に応じて、環状室４の充填に用いられる複数の充填エレメント８、実施例では４つの充填エレメント８が配設されている。環状室４とケーブル被覆３との間には環状室を遮蔽する、従って個別ケーブル５〜７，７´をケーブル被覆３から、従って周囲から遮蔽する遮蔽物９が配設されている。遮蔽物９はワイヤーメッシュとして、個別ワイヤーの巻付けとして、もしくは金属箔として形成されている。環状室４と中空導体２との間には、特に羊毛の形の帯１０が配設されている。
【００１３】
個別ケーブル５，６，７および充填エレメント８の外径は互いに合わせられているので、環状室４の幅は可撓管２の全周に亘って少なくともほぼ同一である。従って、中心軸線Ｍを中心に対称的な伝送ケーブルもしくは多機能ケーブル１が生じる。このために、特に個別ケーブル５，６は、個別ケーブル７および充填エレメント８に一致する外径を保証するために、相応の外被１１，１２により被覆されている。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明による医療用伝送ケーブルの横断面図
【符号の説明】
１ 伝送ケーブル
２ 可撓管もしくは中空導体
Ｍ 中軸
３ ケーブル被覆もしくは外被
４ 環状室
５ 個別ケーブル
６ 個別ケーブル
７ 個別ケーブル
８ 充填エレメント
９ 遮蔽物
１０ 帯
１１ 外被
１２ 外被

Claims (7)

1. 共通のケーブル被覆（３）内に統合された異なったケーブル型の複数の個別ケーブル（２，５，６，７，７´）を有する医療信号値用伝送ケーブルにおいて、各ケーブル型は特別な医療信号値を伝送するために形成されていることを特徴とする医療信号値用伝送ケーブル。
2. 個別ケーブルの１つが血圧値を伝送するためのフレキシブルな可撓管（２）として形成され、第１の複数の個別ケーブル（７，７´）が血中窒素量値用に、第２の複数の個別ケーブル（５）が体温値用に、第３の複数の個別ケーブル（６）がＥＣＧ値用に配設されていることを特徴とする請求項１記載の伝送ケーブル。
3. 可撓管（２）が中心に配置され、残りの全ての個別ケーブル（５，６，７，７´）が中空導体（２）とケーブル被覆（３）との間の環状室（４）内に配設されていることを特徴とする請求項２記載の伝送ケーブル。
4. 環状室（４）とケーブル被覆（３）との間に遮蔽物（９）が配設されていることを特徴とする請求項３記載の伝送ケーブル。
5. 環状室（４）と可撓管（２）との間に帯（１０）が配設されていることを特徴とする請求項３又は４記載の伝送ケーブル。
6. 環状室（４）内に複数の充填エレメント（８）が配設されていることを特徴とする請求項３乃至５の１つに記載の伝送ケーブル。
7. ケーブル被覆（３）用の絶縁材として熱可塑性プラスチックが用いられていることを特徴とする請求項１乃至６の１つに記載の伝送ケーブル。