JPS6027398B2 - 除湿冷却器の入熱防止仕切板 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、除湿効率向上のため、除湿冷却器の高温ガス
側と低温ガス側との熱伝導を防止する入熱防止仕切板に
係り、特に、原子力発電所の放射性気体廃棄物処理設備
に係る活性炭を用いた希ガスホールドアップ装置に使用
する除湿冷却器の入熱防止仕切板に関する。

第１図に原子力発電所の放射性気体廃棄物処理設備の構
成を示す。

すなわち、燃料榛被覆管破損時に生じる半減期の長いＫ
ｒ・Ｘｅ等の放射性希ガスは、主復水器１内の漏洩空気
および炉水の放射線分解により生じた酸素、水素ととも
に空気抽出器２によって主復水器１から抽気される。空
気抽出器２により柚気された希ガスは、蒸発によって希
釈されたのち、酸水素再結合器３で、酸素および水素と
結合し、排ガス復水器４内で大部分の水蒸気が除去され
る。排ガス復水器４から排出された高温ガスは、冷蝶を
用いた除湿冷却器５にて熱交換し、低温ガスとなり、脱
湿剤を用いた脱湿塔６にて除湿される。脱湿塔６から排
出した希ガスは活性炭吸着塔７に入る。ここでＫｒ・Ｘ
ｅ等は活性炭に吸着される。この吸着作用により活性炭
吸着塔７を通過する希ガスの通過時間は空気の通過時間
に較べ長くなり、放射能濃度が減少する。放射能を減衰
された排ガスは、高性能フィル夕８で放射性粒子を除去
された後、排ガス駆動装置９により、排気筒１０から大
気に放出される。以上の設備において、活性炭吸着塔７
におけるＫｒ・Ｘｅ等の吸着性能は、活性炭吸着塔７に
流入する排ガスの湿度に大きく影響される。従って、除
湿冷却器５および除湿塔６による除湿は完全に行なうこ
とが必要となる。また、排ガス中の水分量が多いと、脱
湿塔６の再生周期を早くする必要が生ずる。第２図に排
ガス中に含まれる水分量と排ガス温度との関係を示す。
機軸Ｔは露点、縦軸Ｑは飽和水分量をそれぞれ表示する
。図に明らかのごとく、排ガス中に含まれる水分量は高
温では大きく、逆に低温では著しく小さくなる。従って
、除湿効果を上げ、脱湿塔６の再生周期を長くするため
には、除湿冷却器５で極力温度を下げ水分量を少なくす
ることが必要である。第３図に、従釆から実施されてい
る除湿冷却器の内部主要構造を示す。

高温排ガスは入口ノズル１１から上部仕切室１３内に流
入する。・次に、上部仕切室１３に運遍する伝熱管（図
示していない）を通り、伝熱管外の袷煤にて熱交換し、
上部仕切室１４に運通する伝熱管（図示していない）を
通り、低温ガスとなって前記上部仕切室１４に流入し、
．出口ノズル１２から排出される。仕切板２川ま、前記
上部仕切室１３と上部仕切室１４とを区切る１枚平板で
あり、高温ガスと熱交換した低温ガスとが接触すること
を防止するものである。仕切板２０は薄板１枚構造であ
るため、高温の上部仕切室１３よりの熱伝導およびふく
射熱により、上部仕切室１４内の低温ガスは加熱され再
度高温にされてしまう。従って、上記した除湿効果等を
向上することができない欠点を有していた。更に上記の
高温側からの入熱を考慮して除湿効果を上げるためにに
は、熱交換能力を増大しなければならないため除湿冷却
器の構造が大きくなり、コト高になるのみならず、低温
まで冷却されるため凍結を生ずる欠点を有していた。本
発明は上記の欠点を解消するために提案されたもので、
その目的としては、高温ガス側から低温ガス側への入熱
を防止し、低温ガスを除湿冷却器から次工程の除湿塔に
排出することにより、除湿塔の再生周期を向上させると
共に、Ｋｒ・Ｘｅ等の放射物質の吸着効率向上に有効な
除湿冷却器の入熱防止仕切板を提供することにある。

本発明は、上記の目的を達成するため、適宜な密閉空気
間隙部を有して並設する構造をもつ防湿冷却器の入熱防
止仕切板を特徴としたものである。以下、本発明の実施
例を図に基づいて説明する。

第４図および第５図において、第３図と同一符号のもの
は同一部品または同一機能を有する部品を示す。本実施
例においては、仕切板は２枚構造となっている。すなわ
ち、仕切板１８および１９は、高温ガス側１３と低温ガ
ス側１４とを区切る２枚の平板である。そして、仕切板
１８と仕切板１９は適宜な密閉空気間隙ａを鹿てて並設
されている。入口ノズル１１から上部仕切室１３に流入
した高温ガスは伝熱管１６を通り下部仕切室１５を経て
、伝熱管１７に入り、上部仕切室１４を通り、出口ノズ
ル１２から低温ガスとなって排出される。高温ガスは、
前記した伝熱管１６および１７を通過する際に熱交換さ
れる構造となっている。さて、仕切板１８と１９は、前
記のごとく密閉空気間隙ａを距てて配置されているため
、上部仕切室１３内にある高温ガスからの熱伝導および
ふく射熱は遮断され、上部仕切室１４への熱伝達は著し
く低下する。密閉空気間隙ａを大きくすることによって
上記の効果は増大するが、この密閉空気間隙は除湿冷却
器の能力に応じ適宜定められる。上部仕切室１４内の低
温ガスが温められることがないため、前記の伝熱管１６
および１７における熱交換によって排ガスを設計温度以
上に冷却する必要がないため凍結等の生ずるおそれは全
くない。以上の実施例において、仕切板は２枚構造とし
たがこれに限定するものではなく多層構造をとることも
かまわない。また、密閉空気間隙内の空気は、他の冷却
手段によって強制冷却する構造をとってもかまわない。
以上の説明によっても明らかのごとく、本発明によれば
、除湿冷却器の高温ガス側からの熱伝達を低下させるこ
とができるため、除湿効果が向上し、脱湿塔の再生周期
の延長および放射物質の吸着効率の向上の効果を上げる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の放射性気体廃棄物処理設備の構成を示す
フローシート図、第２図は湿り空気線図、第３図は従来
の除湿冷却器の仕切板廻りの構造を示す断面図、第４図
は本発明の実施例の除湿冷却器の入熱防止仕切板を示す
正面図、第５図は第４図のＡ−Ａ視矢方向における断面
図である。 ５・・・・・・除湿冷却器、６・…・・脱湿塔、７・・
・・・・活性炭吸着塔、１１・・・・・・入口ノズル、
１２・・・・・・出口／ズル、１３，１４…・・・上部
仕切室、１５・・・・・・下部仕切室、１６，１７・・
・・・・伝熱管、１８，１９，２０・・・・・・仕切板
。 第１図 第２図 第３図 第４図 第５図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 除湿冷却器からの低温ガスを受入れる脱湿塔を備え
   、前記除湿冷却器は高温ガス供給側と連通する第１の上
   部仕切室と、前記第１の上部仕切室と仕切板とで仕切ら
   れてとなり合せに配置されており、前記第１の仕切室と
   すくなくとも伝熱管を介して連通された第２の上部仕切
   室とを備え、前記第２の上部仕切室に低温ガス出口を備
   える原子力発電所の放射性気体廃棄物処理設備において
   、前記仕切板を並設して第１と第２との上部仕切室間に
   空気間隙部を設けたことを特徴とした除湿冷却器の入熱
   防止仕切板。