JPS6026533B2 - 義歯床の製造方法 - Google Patents

義歯床の製造方法

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JPS6026533B2
JPS6026533B2 JP55162271A JP16227180A JPS6026533B2 JP S6026533 B2 JPS6026533 B2 JP S6026533B2 JP 55162271 A JP55162271 A JP 55162271A JP 16227180 A JP16227180 A JP 16227180A JP S6026533 B2 JPS6026533 B2 JP S6026533B2
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JP
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denture base
denture
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nitrogen
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宏 三好
正裕 堀田
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は高真空下の反応性イオンプレーティングよりプ
ラスチック製義歯床の表面に高硬度で耐摩耗性のすぐれ
た被膜を有する義歯床の製造方法に関するものである。
従釆、プラスチック製義歯および義歯床材料としては、
主としてポリメチルメタクリレートが使用されていたけ
れども、近年エンジニアリングプラスチックの出現によ
り、種々の特徴を有するエンジニアリングプラスチック
、例えばポリカーボネート、ポリサルホンなどが義歯お
よび義歯床材料として採用されつつある。しかしながら
、エンジニアリングプラスチックといえども表面硬度や
耐摩耗性は従来のプラスチックと同様に満足できるもの
ではなく、プラスチック製義歯および義歯床として使用
される場合、食物の阻噂、歯ブラシによる研磨等によっ
て表面の光沢がなくなり美観が損われるという欠点を有
していた。これまでプラスチックの表面硬度や耐摩耗性
を改善するために、例えばプラスチックを素材とする光
学部品等の分野においては従来より表面の硬度を高める
ための種々の改質方法が提案されている。
このような方法に、シリコン系樹脂や高度架橋樹脂を塗
布する方法、無機酸化物の薄膜を真空蒸着する方法、直
流グロー放電または高周波プラズマを利用したイオンプ
レーテイングやスパッタリングにより無機酸化物の薄膜
を形成する方法等がある。しかしながら、これらの方法
にはいずれも欠点がある。例えば、第1の塗布による方
法は塗りむらやピンホールが発生しやすく、光学的に均
質で平滑な被膜を形成することが困難であり、第2の真
空蒸着法による被膜は均質性にはすぐれているが、プラ
スチック表面との密着強度が小さく、容易に剥離したり
、経時的にクラックを生じたりする。一方、イオンプレ
ーティングやスパッタリングによる方法は、プラスチッ
ク基材との密着性にすぐれた被膜を得ることはできるが
、10‐1トール乃至10‐3トール程度の低真空のア
ルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気下に直流グロー
放電または高周波プラズマを利用して金属やその酸化物
の蒸気をイオン化するため、不活性ガスが被膜中に取り
込まれて被膜が粗雑になりやすい。更に、基材を保持す
るホルダーがプラズマ発生電極と共用されることが多く
、この場合には基材温度が数百度にまで上昇するので、
プラスチック基材には適用し難いことがある。本発明者
らは上記従来法の問題を解決するために鋭意研究した結
果、グロー放電や高周波プラズマによらず、電子の衝突
によって蒸発させた無機物質蒸気と酸素または窒素を共
にイオン化することにより、高真空下にイオンプレーテ
ィングができ、従って熱変形温度の低いプラスチック基
材にも有効に適用し得て、その表面に強く密着すると共
に均質で高硬度の被膜を形成できることを見し、出し、
本発明に到ったものである。
即ち、本発明の要旨は、酸素または窒素が存在する8×
10‐4トール以下に排気された真空容器内で無機物質
を蒸発させ、該蒸気と酸素まは窒素とに電子発生装置よ
り発生させた原子を衝突させてイオン化すると共に、該
イオンに電界を作用させて高エネルギーを付与し、プラ
スチック材料で義歯または義歯床の形状に成型した成型
体表面へ衝突させて該成型体表面に無機酸化物または無
機窒化物の被膜を形成することを特徴とする義歯床の製
造方法に存する。
本発明において無機物質とは、高硬度被膜を与えるもの
であれば特に限定されず、金属、非金属およびこれらの
酸化物または窒化物を意味し、例えばチタン、ケイ素、
アルミニウム、クロム、インジウム、スズ、タンタル等
やこれらの酸化物若しくは窒化物を挙げることができる
また、本発明において義歯床とはプラスチック製義歯床
または談義歯床にプラスチック製義歯を取りつけたもの
を指す。
以下に図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
第1図は本発明の方法を実施するための装置の一例を示
す態様図であり、ベルジャ−1内には無機物質2を加熱
、蒸発させる加熱装置3が配設されている。
加熱には抵抗加熱、蚤子ビーム加熱、電子ボンバード加
熱、議導加熱等が用いられるが、図面には電子ビームに
よる加熱装置が示されている。所定の高真空酸素または
窒素雰囲気下でこのような加熱装置により加熱されて蒸
発した無機物質は、邪魔板4に案内されて、電子発生装
置5に導かれ、この装置から発生した電子との衝突によ
って酸素または窒素と共にイオン化される。繁子発生装
置5は熱電子放出用フィラメント6、電子を加速するた
めの網状電極7および電界制御のためのガード8とから
構成され、ガード8とフィラメント6とは同電位に保た
れている。フィラメント6から熱電子を発生させるには
、フィラメント6に電源9にて負の直流電位を印加する
と共に、電源1川こより交流電流を通電する。この熱電
子を接地した絹状電極7にて電界加速し、無機物質蒸気
および酸素または窒素に衝突させ、これらをイオン化す
る。こうしてイオン化された蒸気および酸素または窒素
は、電源11により負の鰭氏を印加されたホルダー12
上のプラスチック製義歯13および義歯床14に向って
数eV乃至数KeVの高運動エネルギーが付与されて電
界加速され、その表面に衝突し、被膜を形成する。本発
明においては、ベルジヤー内に油回転ポンプ、油拡散ポ
ンプ等の排気装置(図示せず)により排気口15から排
気され、10‐4トール以下、好ましくは10‐5トー
ル乃至10‐8トールの高真空にした後、酸素または窒
素を導入して8×10‐4トールから1×10‐6トー
ル、好ましくは5×10‐4トールから1×10‐5ト
ール程度の酸素または窒素雰囲気をつくるのがよい。ま
た、該導入ガスは任意の位置からベルジャー内に導入さ
れてもよいが、好ましくは図示したように、蒸発源と電
子発生装置との間で、小孔16を備えたループ状のガス
導入管17によって、無機物質蒸気の通路に均一に導入
する。理由は必らずしも明確ではないが、これによって
極めて均一な酸化物または窒化物被膜をプラスチック製
義歯および義歯床表面に形成することができるからであ
る。形成される被膜の厚さは通常50Aから10山の範
囲である好ましくは100Aから1仏の範囲である。
本発明におけるプラスチック製義歯および義歯床はポリ
メチルメタクリレート、アクリル系樹脂、ポリカーポネ
ートなどで義歯および義歯床の形状に成型されたもので
あればよく、この他にボリサルホン、ポリフエニレンオ
キシド、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレンなども使用さ
れる。
本発明の方法によれば、グロー放電や高周波プラズマに
よらずに、電子発生装置からの熱電子を無機物質蒸気お
よび酸素または窒素に衝突させてこれらをイオン化する
ので、高真空下にこれを行なうことができ、また、その
ためにこれらイオンの性状を安定に制御できる結果、プ
ラスチック製義歯または義歯床表面との密着性にすぐれ
かつ高硬度の極めて均質な酸化物または窒化物被膜を得
ることができるのであり、従釆はイオンプレーティング
が適用し難かった熱変形温度の低いプラスチック材料で
作られた義歯または義歯床の表面改質にも好適である。
以下に本発明の実施例を説明する。実施例 蒸発源となる無機物質としてSM02を用いポリカーボ
ネートからなる義歯および義歯床の表面改質を行なった
ベルジャー内をlxlo‐6トールの高真空に排気した
後、蒸発源と電子発生装置との間に配されたループ状ガ
ス導入管より酸素を7×10‐4トールとなるように導
入した。
電子ビームにてSN02を加熱蒸発させると共にホルダ
ーに−1000Vの直流電圧を印加し、また、電子発生
装置のフィラメントに−500Vの直流電圧を印加し、
20V、2松の交流電流を通電して電子を発生させ、網
状電極にて電界加速し、加熱蒸発により生じたSn02
及びSn○x(x<2.0)の混合蒸気および酸素をイ
オン化した。イオン化に要した電子電流は30仇hAで
あった。このようにしてポリカーボネートからなる義歯
および義歯床の表面に厚み約500Aの錫酸化物薄膜を
形成した。この薄膜はX線光電子分析装置(■島津製作
所製)による分析の結果、高純度のSの2からなってい
ることが確認された。また該薄膜の表面硬度は鉛筆硬度
田以上であり、表面外観は着色がなく、光沢を有するも
のであった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施するための装置の一例を示
す説明図である。 1・・・・・・ベルジャー、2・・・・・・無機物質、
3…・・・加熱装置、5・・・・・・電子発生装置、9
〜11・・・・・・電源、12……ホルダー、13,1
4……プラスチック製義歯および義歯床、16・・・…
小孔、17・・・・・・ループ状ガス導入管。 才’囚

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸素または窒素が存在する8×10^−^4トール
    以下に排気された真空容器内で無機物質を蒸発させ、該
    蒸気と酸素または窒素とに電子発生装置より発生させた
    電子を衝突させてイオン化すると共に、該イオンに電界
    を作用させて高エネルギーを付与し、プラスチツク材料
    で義歯または義歯床の形状に成型した成型体表面へ衝突
    させて該成型体表面に無機酸化物または無機窒化物の被
    膜を形成することを特徴とする義歯床の製造方法。 2 酸素または窒素が8×10^−^4トール乃至1×
    10^−^6トール存在する特許請求の範囲第1項記載
    の義歯床の製造方法。
JP55162271A 1980-11-17 1980-11-17 義歯床の製造方法 Expired JPS6026533B2 (ja)

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JPS5786337A JPS5786337A (en) 1982-05-29
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FR2637607B1 (fr) * 1988-10-07 1994-06-03 Cibie Projecteurs Procede pour rendre des glaces en matiere plastique resistantes a l'abrasion et glace en matiere plastique rendues resistantes a l'abrasion

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