JPS602619Y2 - パイプオルガン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は小型軽量でしかも操作が確実に行えるように
したパイプオルガンに関する。

パイプオルガンでは、通常パイプの太さがまちまちで、
第１図イのように風孔りの間隔ｌを鍵盤にのピッチｄに
合せようとするとパイプＰが相互に重なり合ってしまい
配列が困難になるため、同図口のように風孔りの間隔ｌ
を相当大きくとり、風箱ａの底面にローラボードと称す
る軸受部材すを多数並設して、これらの該当する風孔り
の開閉弁（パレット）Ｃと鍵盤にとにそれぞれトラッカ
ーｔで接続する方式を採用しているが、このやり方では
蓋枠の横幅がかなり大きくなり、またローラボードｂを
多数必要とし、風箱ａの限られた底面に設けられること
はなかなか面倒で、構成も自然に複雑になってしまいコ
ストも高くなる。

そこで、この考案は上記の欠点を改良すべくなされたも
ので、風孔の間隔を鍵盤のピッチと同じくし、しかもロ
ーラボードなぞの中間部材を用いることなく、構成が簡
単で小型コンパクトにまとめられ、そして動作が確実に
行なわれるようにしたパイプオルガンを提供するもので
ある。

図面参照の上その実施例について説明すれば、第２図お
よび第３図において、１は所要大きさの中空な風箱であ
って、その−側端には送風用のファン４が軸設されてお
り、上面には蓋体をなすように空気分配板２が設けられ
、前側方（図で右側方）には鍵盤支台３が取付けられて
いる。

（なお、図において右方が使用状態において前方となり
、左方が後方となる。

）空気分配板２は第３図、第４図に示すように前側部が
鍵盤取付は用の段部２ａをなしていて、中央部長手方向
には鍵盤にと同数の縦向きの風孔３が穿設されており、
その間隔１は鍵盤にのピッチｄと等しくなされていて、
各風孔３の上部には一つずつ交互に前後に振り分けて屈
曲みぞ４ａ、４ｂが設けられ、それらの屈曲みぞ４ａ、
４ｂの終端は蓋板２ｂに前後二列に並設されたパイプＰ
取付は用の通孔５ａ、５ｂにそれぞれ連通している。

一方、空気分配板２の裏面中央部には第５図に示すよう
に側方からみて表面がなだらかな湾曲面をなした突条片
６が長手方向に沿って設けられ、上記の風孔３はこの突
条片６をも貫通したおり、突条片６の前側部（図で右側
部）には次のような膜弁７の幅より若干広い幅の案内み
ぞ９が風孔３と同数すなわち鍵盤にと同数で且つピッチ
を同じくして横方向に穿設され、また、各風孔３の位置
に合せてポリプロピレンのような軟質の合成樹脂材また
は金属薄板材からなる所要長さの帯状の膜弁７が配設さ
れ、それらの後端部（図で左端部）は空気分配板２の裏
面後側部（図で左側部）に止着され、そこから風孔３を
おおうように突条片６を横切りそして上記各案内みぞ９
に嵌入して前方（右方）に伸び前端部は空気分配板２の
側縁から一定長さ突出しており、また各膜弁７の陣中は
突条片６に平行して長手方向に取付けられた押え片８に
よってゆるく押えられている。

さらに、空気分配板２の前側段部２ａ上にはレール部材
１０が止着され、このレール部材１０には前側方に突出
す板ばね１１を介して所要数の鍵盤Ｋが取付けられ、各
鍵盤にの後端面は各膜弁７の前端に当接していて、中央
部は鍵盤箱３中に立設された案内ビン１２の上端に嵌合
している。

そして、空気分配板２の蓋板２ｂ上には並列する通孔５
ａ、５ｂに基端を嵌合してそれぞれ所要のパイプＰが立
設されている。

そこで、演奏に当たり第３図の状態において、所要の鍵
盤Ｋを押下げれば、その後端面によりそこに前端が当接
している対応する膜弁７を後方（右方）に押すことにな
り、この押圧により膜弁７の前方部分が案内みぞ９中を
後方に摺動し、突条片６の湾曲面に当接している部分が
点線のように下方にたわみ、風孔３が開放される。

そのため、風箱１中にファン４から送り込まれている空
気が開放された風孔３に入り、その上部の屈曲みぞ４ａ
または４ｂを通って該当するパイプＰに入り、所望の楽
音を発する。

そして、鍵盤Ｋに対する押下げを解けば、鍵盤Ｋが水平
状態に復帰するので膜弁７に対する押圧も解除され、膜
弁７はその弾性力によって直ちに前方に伸びていき、元
の実線状態に戻り風孔３を閉塞し楽音は停止する。

そして、この閉塞状態は風箱１中の圧力の高い空気によ
って維持される。

このような動作を繰り返すことによって所望の演奏が行
われる。

以上のようにこの考案では、風箱の上面に板状の発音部
を取付け、空気分配板の中央部には長手方向に鍵盤と同
数の風孔を鍵盤のピッチと同じ間隔に穿設し、それらの
風孔の上部には一つずつ交互に前後に振り分けて屈曲み
ぞを形成し、各屈曲みぞの終端を蓋板に前後に並列して
設けたパイプ取付は用の通孔に連通させ、空気分配板の
裏面中央部には側面が湾曲面をなし上記風孔を有する突
条片を長手方向に設け、この突条片を横切り且つ各風孔
をおおうように弾性帯材からなる膜弁をそれぞれ配設し
、それらの後端を空気分配板の裏面に止着し、それらの
前端を風箱の前側に配設した各鍵盤の後端面に当接させ
、各鍵盤により膜弁を屈伸させ風孔を随時に開閉するよ
うにしたので、従来のように風孔の間隔を大きくとるこ
となくローラボードのような余分な部品を必要とせず、
構成が甚だ簡単で小型コンパクトなものとなり、また、
膜弁は突条片の湾曲面に沿って屈伸するので、風孔の開
閉動作が適確に行なわれ、演奏を円滑に進行させること
ができ、児童向けの楽器として好適なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図イ９口は従来品の風孔と鍵盤との配列状態を示す
説明図。 第２図はこの考案の実施例の斜視図。 第３図は第２図のＸ−Ｘ線に沿った断面図。 第４図は空気分配板の斜視図。第５図は空気分配板の裏
面の斜視図。 図中 １・・・・・・風箱、２・・・・・・空気分配板
、２ａ・・・・・・蓋板、３・・・・・・風孔、４ａ、
４ｂ・・・・・・屈曲みぞ、５ａ、５ｂ・・・・・・通
孔、６・・・・・・突条片、７・・・・・・膜弁、８・
・・・・・押え片、９・・・・・・案内みぞ、Ｋ・・・
・・・鍵盤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 風箱１の上面に空気分配板２を取付け、空気分配板２の
   中央部には長手方向に鍵盤にと同数の風孔３を鍵盤にの
   ピッチと同じ間隔に穿設し、それらの風孔３の上部には
   一つずつ交互に前後に振り分けて屈曲みぞ４ａ、４ｂを
   形威し、各屈曲みぞ４ａ、４ｂの終端を蓋板２ｂに前後
   に並列して設けた通孔５ａ、５ｂにそれぞれ連通させ、
   空気分配板２の裏面中央部には側面が湾曲面をなし上記
   風孔３を有する突条片６を長手方向に設け、該突条片６
   を横切り且つ各風孔３をおおうように弾性帯材から膜弁
   ７をそれぞれ配設し、それらの後端を空気分配板２の裏
   面に止着し、それらの前端を風箱１の前側に配設した各
   鍵盤にの後端面に当接させてなるパイプオルガン。