JPS5843016Y2 - グランドピアノにおける鍵盤おさの取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はグランドピアノにおいて鍵盤おさの取付装置
に関し、ソフトペダルを操作した際の鍵盤おさの横移動
を円滑にすることを目的とする。

一般にグランドピアノにおいてはソフトペダルを踏んで
鍵盤おさを若干（２〜３ｍｍ程度）右方に滑動させ、お
き上に一体に組込まれている鍵盤およびアクション機構
をそれだけ横に動かし、同音の３弦を打っていたハンマ
ーが２弦だけを打ち、２弦を打っていたものは１弦だけ
を打つようにして音量を小さくシ、演奏におけるせん細
な表現を出すようにしているが、従来では柵板上面に鍵
盤おさが広い範囲に面接触して移動するようになってい
るため滑りが悪く、ペダルを踏んだときピアノ本体が揺
れることがある。

この考案は上記の欠点を解消すべくなされたもので、図
示の実施例について説明すれば、鍵盤おさ１は第１図に
示すように横方向に平行に配置されたおさ前１ａとおさ
後１ｂ、おさ中１Ｃおよび縦方向に平行に配設された両
側の妻板１ｄ、その中間の複数の中つか１ｅによって横
長な格子状に形成されており、そしておさ前１ａの前端
面とおさ後１ｂの後端面には妻板１ｄおよび中つか１ｅ
の配設位置に合せて所要幅のＵ字形金具２ａが屈曲部を
下面より突出させてそれぞれ止着されており、またおさ
中１Ｃの後端面には上記Ｕ字形金具２ａの中間に当る位
置に同様のＵ字形金具２ｂが同じく屈曲部を下面より突
出させて複数個止着されている。

第２図に示す柵板３はその上面は周縁部が僅かに削られ
て段をなしており、そして上面には上記鍵盤おさ１のお
さ後１ｂに設けたＵ字形金具２ａおよび中つか１ｅに設
けたＵ字形金具２ａの取付位置に合せて、前端部から前
者に対しては長く、後者に対しては短く浅い案内みぞ３
ａ、３ｂが交互に設けられ、各案内みぞ３ ａ 、３
ｂの後端にはやや深い段みぞ４ａおよび４ｂがそれぞれ
形成されている。

これらの段みぞ４ ａ 、４ ｂ中には、四弗化エチレ
ン樹脂（テフロン）のような低摩さつ係数の合成樹脂材
からなり第３図のようにやや長い下片５ａと短い上片５
ｂを備えて側面かぎ状をなした掛止め案内片５がその上
片５ｂを若干突出させて取付けられていて、その案内片
５の幅は上記鍵盤おさ１に取付けられたＵ字形金具２
ａ 、２ ｂより少くともおさ１の移動量ｔの２倍だけ
小さくなされている。

上記の鍵盤おさ１を柵板３の前方（第２図で右方）より
、おさ後１ｂに取付けたＵ字形金具２ａを長い案内みぞ
３ａに沿わせまたおさ中ＩＣに取付けたＵ字形金具２ｂ
を短い案内みぞ３ｂに沿わせつつ後方（左方）に押し込
めば、各Ｕ字形金具２ａ。

２ｂは各段みぞ４ａ、４ｂ中の掛止め案内片５にそれぞ
れ係合し、鍵盤おさ１は第４図のように柵板３上に若干
の間隙をおいて配設される。

そして、鍵盤おさ１のおさ前１ａに取付けられた各Ｕ字
形金具２ａには、上記の掛止め案内片５と同じ材料で同
じ幅を以て第５図のように側面逆り字形に形成された止
め具６をそれぞれ係合させ、これらの止め具６を柵板３
の前端部上に止着する。

その後、第４図のようにおさ前１ａ上にフロントピン７
、おさ中１Ｃ上にはバランスピン８およびおさ後１ｂ上
には鍵盤枕９をそれぞれ取付けて、鍵盤ｋを所要数おさ
１上に配設する。

なお、図中１０は柵板３の前端縁上に沿わせて取付けた
口枠である。

そこで、ピアノの演奏に当たって、通常のようにソフト
ペダルを踏めば、連杆を介して中つか１ｅの一つを側方
から押すことになり、鍵盤おさ１が右方向に所要量移動
し、ピアノハンマーの打弦位置を変えることになる。

この場合、この考案では鍵盤おさ１は柵板３上に面接触
することなく、おさ後１ｂとおさ中１Ｃに取付けたＵ字
形金具２ａ、２ｂを柵板３上に若干突出状態に設けた摩
擦係数の小さな掛止め案内片５に掛止め、またおさ前１
ａに取付けたＵ字形金具２ａを同じく非摩擦性の止め具
６に係合させて柵板３上に浮上り状態に支持されている
ので、鍵盤おさの移動が円滑でピアノ本体が揺れること
がない。

また、柵板３前端の口枠１０および止め具６を取外すこ
とにより鍵盤おさ１は容易に分離することができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図は鍵盤お
さを下方からみた斜視図。 第２図は柵板の斜視図。 第３図は掛止め案内片の斜視図。 第４図は鍵盤おさおよび鍵盤の組立状態を示す側面図。 第５図は止め具の斜視図。 図中１は鍵盤おさ、１ａはおさ前、１ｂはおさ後、１Ｃ
はおさ中、１ｄは妻板、１ｅは中つか、２ ａ 、２
ｂはＵ字形金具、３は柵板、３ａ、３ｂは案内みぞ、４
ａ、４ｂは段みぞ、５は掛止め案内片、５ａはその下片
、５ｂは上片、６は止め具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 格子状に形成された鍵盤おさ１のおさ前１ａの前端面と
   おさ後の後端面には所要の間隔をおいて複数のＵ字形金
   具２ａを取付け、おさ中１Ｃの後端面には上記金具２ａ
   の中間位置にＵ字形金具２ｂを取付け、柵板３の上面に
   は長短の浅い案内みぞ３ ａ 、３ ｂを交互に複数条
   設けると共にその後端にはそれぞれ段みぞ４ ａ 、４
   ｂを形成し、この段みぞ４ ａ 、４ ｂ中には低摩
   擦係数の合成樹脂材からなる掛止め案内片５をその上片
   ５ｂを突出させて取付け、前記おさ後１ｂおよびおさ中
   Ｉ Ｃ（７）Ｕ字形金具２ ａ 、２ ｂを上記掛止め
   案内片５に係合させ、前記おさ前１ａに取付けたＵ字形
   金具２ａには上記案内片５と同質の材料からなり柵板３
   の前端に設けられた止め具６に係合させてなるグランド
   ピアノにおける鍵盤おさの取付装置。