JPS6024758B2 - 磁場プレス装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁石や強磁性体の磁性粉末をプレス成形する装
置の改良に係る。

従来磁性材の金属、合金、金属酸化物等の材料粉末を磁
場中でプレス成形し暁結して磁気特性の向上をはかるこ
とは公知であるが、プレス成形は通常塑型に入れた粉末
に対して一方向からパンチプレスするもので、成形密度
等に方向性が現われる欠点があった。

本発明はこの欠点を除去するために、ゴム等の弾性体を
用い、このほゞ中心に穴を明けて磁性粉末を挿入充填す
る。

加圧プレスは弾性体を介して内部の磁性粉末に準等方性
加圧して成形する。このプレス成形を磁場中で行ない磁
性体の磁区整備を行ない磁気特性を向上した成形体を得
る。以下図面の一実施例により本発明を説明すると、第
１図は一実施例の側面断面図、第２図が上面断面図で、
１がゴム弾性体で、中心部分に所要形状の穴２が明けら
れ、ここに成形する磁性粉末３を挿入充填する。４及び
５は弾性体１を上下加圧するパンチで、各々加圧シリン
ダ６，７が設けてある。

８，９，１０，１１は側面４方向に加圧するパンチで各
々加圧シリンダー２，１３，１４，１５が設けてある。

１６は磁界形成用のコイルで、端子１７にパルス電力を
供給する励磁電源が後続される。励磁電源には例えば所
要のヱネルギを貯えるコンデンサと直流電源及び充放電
の制御スイッチより構成され、放電スイッチにより充電
コンデンサを放電して所要のパルス電力を端子１７から
コイル１６に供給するパルス電源が用いられる。

磁気コイル１６はこのパルス励磁によって瞬時的に強力
なパルス磁場を発生し弾性体１内に充填してある磁性材
粉末３に作用し、磁場方向へ磁区結晶の整揃を行なう。
この磁場の作用する中で、粉末３にはシリンダを駆動し
パンチを駆動して弾性体１を介して圧縮プレスが行なわ
れる。圧縮プレスは、例えば、上下パンチ４，５を固定
して側面パンチ８，９，１０，１１を駆動して加圧して
も、又上下パンチ４，５及び側面パンチ８，９，ｌ０，
１１全部を駆動して加圧してもよい。又加圧は各シリン
ダの制御により複数パンチを同時加圧することも、順繰
りに時間差をもった加圧を行ってもよい。パンチによる
加圧プレスは多軸方向に与え弾性体１の弾性変形を伴な
いながら内部充填粉末３に作用するから内部粉末３に対
してはほゞ全方向から等万加圧が行なわれ、全体的均一
に圧縮プレスされるようになる。したがって全体的に等
方圧によって均一密度をもって圧縮され成形される。こ
のときコイル１６によって磁場が作用し、磁区結晶の整
備による異万性処理が行なわれるが、作用する磁場は前
記のように特にパルス的に作用する磁場とすることによ
って、容易に強力な磁場が作用でき、スピンの転向及び
整揃効果が良好になる。この作用するパルス磁場は強さ
が５０〜１５０ＫＯｅで、作用パルス中が１〜１仇ｈｓ
程度の磁場を作用する。以上のようにして磁性粉末に等
万性プレスを行なうことによって全体に均一なプレスが
でき、磁場を作用し、特にパルス的磁場を作用すること
によって磁気特性の向上した成形体が容易に得られる。
実験によれば、磁性粉末としてＳｍ，Ｃ巧材を粉砕機で
最大径が１．５リマ以下になるように良く粉砕し、これ
をトルェンに浸し、シリコンゴムの中に明けた穴内に充
填し、６軸パンチによる加圧がプレス加圧２トン／の、
加圧時に１００Ｋ比、８ｈｓのパルス磁場をＩＱ団加え
て成形した。

成形体は後に競結処理したが、磁気特性は最大ェネルギ
積が約１６．９ＭＱ史の磁石を作ることができた。前記
第１図に示したコイル１６によるパルス磁場は極性を反
転し作用することができる。第３図は磁気コイル１６の
励磁電流の極性、強さの時間的変化を説明する２〜３の
実施例で、Ａ図は始め正・負パルスを交互に流し、時間
経過にしたがって負パルスを次第に小さくし、最終的に
は正パルスのみを流すようにした場合である。パルスの
周波数は０．２ＨＺで、波高値ｌｐ一定としたもので、
この励磁パルスに同期してパルス磁場が極性、強さを変
えてプレス粉末に作用する。ｌｐ一定で約１００ＫＯｅ
の磁場を作用する。Ｂ図は始めにパルスの周波数が０．
２ＨＺで、正・員パルスを流し、終りに周波数０．６日
２で正パルスのみを流したもの、Ｃ図は周波数を０．１
ＨＺ一定とし、始めに正負パルスを、終りに正パルスの
みを波高値ｌｐ×２倍にして流したもの、Ｄ図は始め周
波数倍０．４ＨＺの正負パルスを、終りに周波数０．１
日２で波高値ｌｐ×２のパルスを流したもので、いずれ
も周波数、樋性、波高値によって作用磁場が対応して変
化する。Ｅ図は比較のために波高値一定で１０血○ｅの
直流磁場を作用した場合である。例えばＳｍ，Ｃ鴇材の
４一Ｊ粉末を成形したときの磁気特性（Ｂｒ）を前記各
作用磁場による比較テスト結果について説明する。

尚プレス成形圧は２トン／ので行った。この実施例から
わかるように作用磁場は直流よりプレス磁場を作用し、
始めに正負交互磁場を作用させることにより成形体の異
方性を高める上に極めて有効であることがわかる。

第４図は他の実施例で、端子１７から磁気コイル１６に
通電する励磁電流を直列にパンチ４，５間に磁性粉末３
に直接通電するようにしたものである。

通電電流によって粉末間に放電が発生しジュール熱が発
生し、粉末表面の付着不純物等の分解除去が行なわれ浄
化され活性化するので、加圧プレスによる成形密度が増
大し均一で高密度の形成体を得るために効果が大である
。以上説明したように、本発明は磁性粉末を成形するの
に弾性体中に挿入充填し、これを外部加圧により弾性体
を介して等方加圧するようにし、且つ同時に磁場を作用
させて圧縮成形するようにしたので、均質で高密度で異
万一性の大なる成形体が得られ、肴磁により極めて磁気
特性の高い成形体が得られる。

特に成形時の作用磁場をパルス磁場とし、又始めに正負
パルス磁場を作用することにより異方性処理が充分に行
なわれて磁気特性を高めることができて有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の一実施例の側断面図、第２図はそ
の上断面図、第３図はパルス励磁電源の出力波形説明図
、第４図は他の実施例の側断面図である。 １・・・・・・弾性体、３・・・・・・磁性粉末、４，
５，８，９，１０，１１……加圧パンチ、６，７，１２
，１３，１４，１５・・・・・・加圧シリンダ、１６・
・・・・・磁気コイル、１７・・・・・・励磁電源接続
端子。 才〃可才２１幻 オ３風 オ４Ｊ可

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ほぼ中心に磁性粉末を挿入充填する穴を明けた弾性
   体と、該弾性体の周りに多軸パンチを設けた加圧装置と
   、励磁コイルとパルス励磁電源よりなる前記弾性体に充
   填する磁性粉末に磁場を作用する磁界形成装置とを設け
   、前記弾性体に磁性粉末を充填するとともに等方性加圧
   と同時に磁場を作用させてプレス成形するようにした磁
   場プレス装置。 ２ 励磁コイルと正負パルス電流を供給するパルス励磁
   電源とよりなる磁界形成装置を設けた特許請求の範囲第
   １項に記載の磁場プレス装置。