JPS602474B2 - トンネル掘削並びにずり積出し方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はトンネルの上半先進工法等の上段側先進工法
における掘削並びにずり積出し方法の改良に関する。

従来の上半先進工法においては、上半部で掘削したずり
は−旦下半部に落すか、運搬用機器に積み込み架台の一
部に設けたェレベータをもって下半部に降ろし、しかる
後後方の運搬設備まで搬出する方法が採用されていた。

この方法によれば、上半の作業と下半の作業との間で相
互に影響を及ぼし、それぞれ独立した作業が行えないた
め、能率が悪くまた安全性の点で十分な配慮を要するこ
と、また、上半の掘削並びにずりの積出しのため、上半
の床面はそれらの作業のための諸機械を設置するだけの
長さを要することになり、掘削過程で上半の支保と下半
の支保を連結する間にかなりの時間差を要し、地山の悪
いトンネル工事には不向きであること、更に、上半から
落されたずり自体あるいはその積込み作業のため、特に
下盤が荒され、掘削しつつ設定した下半の支保が損傷し
易いことなどいくつかの改善すべき問題点があった。こ
の発明のトンネル掘削並びにずり積出し方法は、上記の
問題点を解決するために提案されたものであって、上段
側先進工法等においてトンネル切羽の高さ方向の空間を
多段に分割するため、前記区分台枠で分割した架台の上
段側には区分台枠上に掘削機械及びずりの積込み機構を
備え、前記区分台枠で分割した架台の下段側には該架台
に対し掘削機構及びずりの積込み機構を設け、前記掘削
機構により掘削した位置でそれぞれずりの積込み機構を
もって積込みを行ない、一旦積込んだ後のずりは、上段
側では区分台枠上に設けたコンベヤを介し、下段側では
下段部分に設けたコンベヤを介して連続的かつ同時に後
方の運搬設備まで搬出するようにしたことを特徴とする
。

以下図面に基いてこの発明を説明する。

図面はトンネルの切羽部分を二段に区分して掘進するい
わゆる上半先進工法にこの発明を実施した例を示すが、
この発明は三段以上の多段に区分して掘進する工法にも
適用できる。図面において、１は掘進中のトンネル、ｌ
ａはトンネル上段側の掘進面、ｌｂはトンネル下段側の
掘進面、ｌｃは従来工法に比較して十分狭く形成される
上段側床面、ｌｄは下盤である。

このようなトンネルーの切羽部分には、その両側に設け
た適当な台部ｌｅ，ｌｅに対をなすレール２，２を敷き
、そのレール２，２には架台３をトンネルーの前後方向
に走行できるように設置する。前記架台３は、上段の床
面ｌｃとほぼ同一レベルに保たれる区分台枠３ａと、そ
れを支える所要数（図では４本）の支持脚３ｂと、その
下部に取り付けた車輪３ｃとから成る。区分台枠３ａの
高さは、別に設ける固定用支柱あるいは前記支持脚３ｂ
を液圧等で伸縮自在として変更することができるように
してもよい。トンネル１の切羽部分を上下に分割する架
台１の区分台枠３ａ上には、クローフなどで目走できる
ようにした掘削積込機４が搭載される。この掘削糟込機
４には、伸仰自在かつ旋回自在にした掘削機構５、横込
み機構６及びそれに直結する中継コンベヤ７が装備され
、また、区分台枠３ａの下面側、すなわち架台３の内部
空間には、伸仰自在かつ旋回自在にした掘削機構５ａ、
前後方向に移動自在の積込み機構６ａ及びそれに直結す
る中継コンベヤ７ａを懸架するなどして装備する。前記
架台３の上段側では、掘進面ｌａを掘削機構５で掘削し
、床面ｌｃ上に落下させたずり８を積込み機構６によっ
て集め、それを中継コンベヤ７、区分台枠３ａの後方に
前後に移動可能に設けた継送コンベヤ９及び積込み用コ
ンベヤー０を通じて移送し、トロッコその他の運搬設備
１１に鰭込む。

他方、切羽の下段側では、同機にして掘進面ｌｂを掘削
機構５ａで掘削し、下盤ｌｄ上に落下させたずり８ａを
積込み機構６ａによって集め、それを中継コンベヤ７ａ
及び共通の積込み用コンベヤ１０を通じて移送し、共通
のまたは別の運搬設備１１に積込む。図示例においては
、上段側の継送コンベヤ９並びに下段側の中継コンベヤ
７ａ上のずりは、共通の積込み門コンベヤー０を介して
運搬設備１１に薄込むようにしてあるが、この積込み用
コンベヤ１０は省略することもできる。

その場合、トロッコ等の運搬設備１ １を上段側の継送
コンベヤ９並びに下段側の中継コンベヤ７ａの送出部の
直下付近まで引き入れるようにし、両コンベヤ９，７ａ
上のずりは、該運搬設備１１に直接積込めばよい。なお
、この発明を三段以上の多段に区分して掘進する工法に
利用するときは、１つの架台に対して複数の区分台枠を
設け、各段に掘削機構及び積込み機構等を設置すれば、
上述の作用に準じて掘削とずりの積出しを行うことがで
きる。

以上に説明したこの発明の方法によれば、上段側と下段
側とでそれぞれ独自の掘削並びに積出し作業が行えるの
で、極めて効率のよい掘進作業が行えるばかりか「上段
側の諸機械５，６等を全て架台３の区分台枠３ａ上に設
置することにより、上段切羽の床面ｌｃの広さを最小限
に留めることができるので、上段側と下段側の掘進面ｌ
ａ，ｌｂを近援した位置に保ち得、上段の支保と下段の
支保を連結させる間の時間を短縮することができ、地山
の悪いトンネル工事に適用するに非常に有利である。

また、一旦積込んだずりは途中で下盤ｌｄに置くことも
なく連続的に搬出されるので、従来工法のように下盤が
荒されて掘削しつつ設置した下段側の支操が損傷するよ
うなことがなく、下段側作業を極めて円滑に推進させる
効果がある。更には、前述の諸効果が相挨つて全体とし
ての作業の安全性を著しく向上させるところとする。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明のトンネル掘削並びにずり積出し方法を
示すトンネル切羽の縦断側面図である。 ３＝架台、３ａ＝区分台枠、５，５＝掘削機構、６，６
ａ＝積込み機構、１１＝運搬設備。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上段側先進工法においてトンネル切羽の高さ方向の
   空間を多段に分割するため、区分台枠３ａを有する架台
   ３を設置し、前記区分台枠３ａで分割した架台３の上段
   側には区分台枠３ａ上に掘削機構５及びずりの積込み機
   構６を備え、前記区分台枠３ａで分割した架台３の下段
   側には該架台３に対し掘削機構５ａ及びずりの積込み機
   構６ａを設け、前記掘削機構５，５ａにより掘削した位
   置でそれぞれずりの積込み機構６，６ａをもって積込み
   を行ない、一旦積込んだ後のずりは、上段側では区分台
   枠３ａ上に設けたコンベヤ７，９を介し、下段側では下
   段部分に設けたコンベヤ７ａを介して連続的かつ同時に
   後方の運搬設備１１まで搬出するようにしたことを特徴
   とするトンネル掘削並びにずり積出し方法。