JPS6024407Y2 - 迂流式混合装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、汚水、産業廃液その他の液などの流路攪拌に
よる迂流式混合槽で流路の閉塞が起こらない、改良され
た竪型迂流式混合装置に関するものである。

一般に水処理に用いられる竪型迂流式混合装置は、設置
面積が少なくて済むことおよび迂流攪拌を応用したもの
であるため均一な攪拌が行えること等により、主に水処
理の分野、とりわけ凝集沈殿装置において凝集剤と被処
理水との混合に幅広く用いられている。

また、混合のための攪拌力は送液ポンプによる吐出し動
力のみで良いことから、省エネルギの面からも昨今注目
をあびている。

しかしながら、迂流式混合装置においては、しばしば混
合装置内の迂流路等にスライムまたはスケール等が付着
し、該混合装置内の流路の一部が閉塞され、極端な場合
には流路が完全に閉塞され、通液不能となる欠点がある
。

この欠点は竪型迂流式装置としても解消されず、迂流路
があるためにその付着物の除去は極めてやっかいであり
、その運転管理も煩雑となる不便があった。

すなわち、従来の迂流式混合装置では、ドレン管を設け
て内部の水を排出したのち、迂流路の閉塞を除去するた
めに、ひつかき棒等で閉塞物をかきだしたり、ホースを
使って水を流す程度のことしか行われていなかったため
洗浄操作が極めてやっかいであるだけでなく、洗浄効果
も不充分であり、場合によっては装置を分解して掃除し
なければならず、迂流式混合装置の利点を有効に生かし
きれないうえ、その運転管理も煩雑となる問題点があっ
た。

本考案は、このような従来生しやすかった流路閉塞の問
題がなく、安定した液−液または固−液の混合が可能な
迂流式混合装置を提供することを目的とするものである
。

本考案は、隔壁で迂流路を形成した混合部を備えた迂流
式混合槽において、上下方向一端部に原液の流入部を、
他端に混合液の流出部を、中間部に、少なくともほぼ水
平の隔壁を設けて迂流路を形成した混合部を設けて混合
槽となすと共に、前記混合部を洗浄するための洗浄用流
体として少なくとも圧縮空気を供給しうる洗浄用流体供
給源を、該洗浄用流体が前記混合部の下方位置から上方
位置に流過しうるように接続配備したことを特徴とする
迂流式混合装置である。

本考案を実施例につき図面を参照しつつ説明すると、竪
型の迂流式混合槽１には上から下へと原液の流入部Ａ１
混合用の迂流路８からなる混合部Ｂおよび混合液の流出
部Ｃが順次連通状態下で連設されており、流入部Ａに原
液の流入管２、流出部Ｃに混合液の流出管３、また混合
部Ｂの迂流路８のうち下方部好ましくは最低位のものに
は洗浄用流体の流入口としての圧力水入口４ならびに圧
縮空気人口５が備えられ、且つ前記混合槽１に洗浄排液
の排出口６が付設され迂流式混合装置を構成している。

前記混合部Ｂとは、内部に隔壁７となる迂流板で迂流路
を形成する区画室を意味し、前記流入部Ａ１流出部Ｃに
は隔壁が設けられていないことになる。

また前記流入管２は流入部Ａの一部または全部を、また
前記流出管３は流出部Ｃの一部または全部をそれぞれ意
味する。

即ち混合部Ｂには隔壁７が多数設けられ、該隔壁７によ
って連通孔または間隙をもって連通状態下で迂流路８が
形成されているが、前記隔壁７は水平面に限らず垂直面
または傾斜面に配列したり、或いはこれらを組み合わせ
て迂流路を形成区画することが可能である。

前記圧力水入口４は手動弁１１、逆止弁１４および圧力
水送入管１６によってタービンポンプ９と接続され、ま
た、前記圧縮空気入口５は手動弁１２、逆止弁１５およ
び圧縮空気送入管１７によって回転圧縮機１０と連通さ
れている。

この空気送入管と圧力水送入管とを組み合わせて空気と
圧力水を同時に送入することができるようにしであるが
、各送入管を迂流路ごと、或いは複数個所に選んで振り
分けて設けたりすることもできる。

図中１３は手動弁で流出管３に備えられる。

１８は原水、１９は混合液、２０は圧力水、２１は圧縮
空気、２２は洗浄排液である。

しかして、工場排水に凝集剤水溶液を混合する場合につ
いて説明すると、予め原水（工場排水）の輸送配管の途
中で凝集剤水溶液を注入された原水１８は流入管２から
流入部Ａを経て混合槽１に流入する。

この原水１８は混合部Ｂの迂流路８を上から下へ流下す
る間に流路攪拌された後、流出部Ｃの流出管３を通り、
凝集剤混合液１９となって混合槽１外へ排出され、凝集
沈殿分離装置（図示せず）へ送給され処理される。

このようにして竪型迂流式混合装置を長時間、運転ある
いは休止した場合の迂流路８等の閉塞の予防または除去
を行うには、まず原水１８の流入を止めて混合槽１の流
路を空にしてから手動弁１３を閉め、次にタービンポン
プ９および回転圧縮機１０を作動するとともに手動弁１
１および１２を開けて洗浄液たる圧力水２０と圧縮空気
２１を混合槽１に送入する。

最低位の迂流路８に流入した圧力水２０および圧縮空気
２１は、混合槽１の内部を下から上へ流過するが、その
際の強力な攪拌力によって迂流路８の隔壁７等の流路壁
を洗浄する。

洗浄作用を終え水、空気等の混合液となった洗浄排液２
２は排出口６からオーバーフロー液として系外へ排出す
るか流出管３から系外へ切換え排出される（この場合流
出管３には切換弁およびバイパス管を備えれば排出口６
は省略できる）。

なお原水１８の流入を止めると同時に流出管３の手動弁
１３も閉め迂流路８に液を入れた状態で圧縮空気２１の
み或いはこれと圧力水２０を一緒に送入する迂流路８の
隔壁７を洗浄することもできる。

また、前記各手動弁は必要に応じ電磁弁などの自動的に
操作される自動弁に代えて用いることもできる。

上記実施例は圧縮空気の供給装置として回転圧縮機、圧
力水の供給装置としてタービンポンプを使用し、該２種
類の供給装置をいずれも手動弁および逆止弁を介して混
合槽混合部の迂流路のうち最低位の迂流路に接続した場
合であるが、圧縮空気の供給装置としては、その他遠心
圧縮機を使用することができ、またこれら圧縮機の代わ
りに回転ブロワ等のブロワを使用することもできる。

圧力水の供給装置としては、加圧液の送給が可能なポン
プが好ましく、タービンポンプの他にポリュ−トポンプ
等各種のポンプを利用することが出来るが、ポンプの代
わりに高位置にある洗浄液貯槽を利用してもよい。

また、圧縮空気の供給装置および圧力水の供給装置を前
記混合部Ｂの他に、混合槽の最も低い位置にある部の流
出部Ｃ（流出管を含む）にも同じく弁を介して接続して
れよい腰あるいはこれら２種類の供給装置を該流出部Ｃ
のみに接続してもよい。

上記実施例は、混合槽１内に形成される前記３種類のう
ち最も高い位置にある部が流入部Ａ１最も低い位置ある
部が流出部Ｃであったがこれら流入部Ａ１流出部Ｃの位
置を上下に入れ換えてもよい。

この場合には前記２種類の供給装置を最低位置の部たる
流入部Ａ及び／又は混合部Ｂに同様に弁を介して接続す
ることが望ましい。

また隔壁７，７間の迂流路８中にさらに上端または下端
を隔壁７から隔離した隔壁を設けて、細分化された迂流
路を形成することもできる。

前記洗浄排液の排出口６には、該洗浄排液を全量、直接
系外へ廃棄するような流路を接続してもよいが、前記混
合槽１と圧力水の供給装置が洗浄液の循環系統の一部を
形成するように、前記排出口６に前記圧力水供給装置の
圧力水受入側へ連なる流路を接続することもできる。

なお、前記圧力水としては、スライム、スケールの発生
、付着の程度、洗浄の難易の程度によって上水の他に次
亜塩酸ソーダ、洗剤または酸等を含む液体、あるいは加
圧下で空気を溶解させた液体から適宜選んで使用するこ
とが望ましい。

このように本考案の混合装置は、混合部を竪型に、すな
わち混合部の流入端と流出端を上下方向に離隔した形体
にしたことと、上記洗浄用流体をこの混合部の下方位置
又はその下方端もしくはこれよりも下方の位置から供給
できるように構成したことを特徴とするものであり、迂
流路等の閉塞の予防または除去を適確かつ効率良〈実施
でき、均一で能率的な混合攪拌を行うことが可能となり
、長時間安定した混合性能を持ち運転管理も容易で設置
面積も少なく省エネルギ面からも有用なものであり、具
体的には次のとおりである。

（ｉ） 液体（原液又は圧力水）の共存下で圧縮空気
を混合部に送入すれば、液体は撹乱状態となり迂流路の
隔壁への衝突を繰り返すうえ、混合部したがって迂流路
が浮上刃により上昇流過しようとする気泡の流過を妨げ
ない構造にしであるため気泡が各迂流路の隔壁に円滑か
つ均等に行き渡ることになるので、混合郡全体に斑なく
、特に隔壁の隅部にも攪乱流が衝突し、除去されたスラ
イムやスケールも気泡混合液に同伴されて円滑に迂流路
を流過するので的確に混合部外へ排出され、極めて効果
的な洗浄が行ええる利点がある。

さらに、洗浄用流体として圧縮空気と加圧水を同時に供
給したときには上記攪乱流及び衝突力はより強力なもの
となりスライムやスケールの剥離除去力及び溶解除去能
が理想的なものとなるのであって、上記従来の問題点を
的確に排除しうるものである。

（ｉｉ） 以上に加えて、本考案の装置は竪型のもの
としであるので設置面積は狭くてすみ、迂流混合時の迂
流路の閉塞も生じにくくなり、長時間安定的に効率よい
混合操作が行え、迂流式混合装置の利点を有効に生かし
うるなどの効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す縦断面図である。 １・・・・・・混合槽、２・・・・・・流入管、３・・
・・・・流出管、４・・・・・・圧力水入口、５・・・
・・・圧縮空気入口、６・・・・・・排出口、７・・・
・・・隔壁、８・・・・・・迂流路、９・・・・・・タ
ービンポンプ、１０・・・・・・回転圧縮機、１１，１
２゜１３・・・・・・手動弁、１４，１５・・・・・・
逆止弁、１６・・・・・・圧力水送入管、１７・・・・
・・圧縮空気送入管、Ａ・・・・・・流入部、Ｂ・・・
・・・混合部、Ｃ・・・・・・流出部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 隔壁で迂流路を形成した混合部を備えた迂流式混合
   槽において、上下方向一端部に原液の流入部を、他端に
   混合液の流出部を、中間部に、少なくともほぼ水平の隔
   壁を設けて迂流路を形成した混合部を設けて混合槽とな
   すと共に、前記混合部を洗浄するための洗浄用流体とし
   て少なくとも圧縮空気を供給しうる洗浄用流体供給源を
   、該洗浄用流体が前記混合部の下方位置から上方位置に
   流過しうるように接続配備したことを特徴とする迂流式
   混合装置。 ２ 前記洗浄用流体供給源を、前記洗浄用流体が前記混
   合部の最も低い位置にある迂流路に供給されるように接
   続した実用新案登録請求の範囲第１項記載の迂流式混合
   装置。 ３ 前記洗浄用流体供給源が、前記洗浄用流体として圧
   縮空気及び加圧水を供給しうるものである実用新案登録
   請求の範囲第１項又は第２項記載の迂流式混合装置。